「フォルクスワーゲンとトヨタが提携してるって聞いたことあるんだけど、本当なの?」
「今も提携してるのかな? どういう関係なのか知りたい!」
ドイツの大手自動車メーカー・フォルクスワーゲンと、日本の大手自動車メーカー・トヨタ。
これら2社は昔、業務提携していたことがあるんです。
なぜ提携することになったんでしょうか?
また、現在の2社の関係はどうなってるんでしょうか?
提携してから撤退するまでの流れについて、わかりやすく解説します。
フォルクスワーゲンとトヨタは2009年まで提携していた
まず、フォルクスワーゲンとトヨタが提携するまでの流れを解説します。
フォルクスワーゲンは1954年からヤナセが日本での輸入販売を開始し、高級車のイメージをつけてドイツ本国よりも高値で売っていました。(高級車かどうかは以下の記事で考察しています。)
フォルクスワーゲンは高級車じゃない?大衆車?ドイツでの位置づけまで解説!ヤナセの高級車路線の販売はかなりの利益を上げ、その利益を自分たちのものにしたかったフォルクスワーゲンは、ヤナセから輸入販売権利をはく奪し、自社での輸入販売体制をつくりました。
しかしやってみると思ったように売れず、自社グループだけでの輸入販売に限界を感じ、日本の大手自動車メーカーであり強力な販売網を持つトヨタ自動車と提携する道をえらびます。
1992年5月からトヨタとの販売提携を開始し、全国各地にトヨタの販売会社が運営するフォルクスワーゲンディーラー・「DUO」が営業開始しました。
表で見るとわかりやすいので、下の表を見てください。
1954年から1992年まで |
フォルクスワーゲン(ドイツ) ↓ 日本に車を輸出 |
ヤナセ店舗 ↓ 輸入したフォルクスワーゲンの車を販売 |
店に買いに来た客 |
トヨタと提携する前までは、このようにヤナセの独占状態でした。(ヤナセの詳細は以下の記事をご参照ください。)
ヤナセとベンツやBMWの正規ディーラーとの違いは?詳しく解説!そして、ヤナセから輸入販売権利をはく奪すると、以下のような図式に変わります。
1992年5月から2010年12月31日まで | |
フォルクスワーゲン(ドイツ)↓ 日本に車を輸出 | |
DUO(トヨタ系列店舗) ↓ 輸入したフォルクス ワーゲンの車を販売 | ファーレン(フォルクス ワーゲン系列店舗) ↓ 輸入したフォルクス ワーゲンの車を販売 |
店に買いに来た客 | 店に買いに来た客 |
トヨタと提携するようになってからは、このようにトヨタ系列店舗の「DUO」と、自社系列店舗の「ファーレン」の2大販売体制で、フォルクスワーゲンの車を販売するようになります。
DUOではフォルクスワーゲンの車のほか、アウディジャパンが設立される1998年までは、アウディの車も販売していました。(アウディの詳細は以下の記事をご参照ください。)
アウディの決定的な特徴7つ!良さ・魅力はこれだ!ファーレンは2001年1月から「フォルクスワーゲン」に店名変更し、現在も名称はそのままで営業しています。
このDUOとファーレンの2大販売体制は、2009年にトヨタとの販売提携が解消されるまでつづき、解消後の2010年末にDUOと名のつく店舗はすべて閉店しました。
DUOの店舗を運営していた最後の会社、「DUO東京」は、店名を「フォルクスワーゲン」に変更してその後も営業をつづけていましたが、2016年末に営業終了。
これによって、トヨタ系列のフォルクスワーゲンディーラーは、国内から完全撤退しました。
もしフォルクスワーゲンの車を買おうと考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!現在は世界販売台数1位2位を争うライバル関係
このように過去には業務提携していたフォルクスワーゲンとトヨタですが、2009年に解消して以降は、とくに提携はしていません。(それぞれの現在のグループの詳細は以下の記事をご参照ください。)
トヨタの傘下ブランド・会社の一覧!マツダやダイハツもそうなの?フォルクスワーゲンの傘下ブランド・会社の一覧!ポルシェやランボルギーニも?DUOを運営していたトヨタの販売会社は2008年時点で88社、DUOの店舗は134店舗ありましたが、現在はすべて撤退しています。
フォルクスワーゲンとトヨタの現在の関係は、世界販売台数1位2位を争う、ライバル関係です。
提携解消して以降の両メーカーの世界販売台数とランキングは、下の表のようになっています。
年 | フォルクスワーゲン | トヨタ |
2016年 | 1位(10,312,000台) | 2位(10,175,000台) |
2015年 | 2位(9,930,600台) | 1位(10,151,000台) |
2014年 | 2位(10,137,000台) | 1位(10,231,000台) |
2013年 | 2位(9,730,000台) | 1位(10,133,000台) |
2012年 | 3位(9,070,000台) | 1位(9,748,000台) |
2011年 | 2位(8,160,000台) | 3位(7,950,000台) |
2010年 | 3位(7,140,000台) | 1位(8,418,000台) |
2012年から2015年までの世界販売台数はトヨタが4年連続で1位、2016年はフォルクスワーゲンが1位になりました。
2017年の正確な結果はまだ発表されていませんが、すでに発表されている1月~10月の販売台数では、フォルクスワーゲンがトヨタを上回っています。
どちらも年間販売台数10,000,000台を超える僅差の戦いを繰り広げており、再提携の話も出ていないので、両社のライバル関係とトップ争いは今後もつづいていく予定です。
ここまで書いてきましたが、大企業同士、なかなか足並みをそろえるのは難しかったのかもしれません。
この記事を読んだことで、フォルクスワーゲンとトヨタの関係に関する疑問が解消されれば幸いです。
なおフォルクスワーゲンについては以下の記事でも詳しく解説しています。興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
フォルクスワーゲンは故障が多い?壊れやすいのか故障率をもとに解説!フォルクスワーゲンはどこの国の車?国産車との違いはこの4つだ!