1分で車を60万円値引きする裏技

中古車によくある「修復歴」とは?程度や基準は?軽度なら大丈夫?様々な疑問を解消!

中古車を探していると安い車がパッと見つかったりしますが、その車に「修復歴あり」となっていることがよくあると思います。

値段は安いものの、修復歴とはどういうことか、買っても大丈夫なのか、疑問が多いですよね。

今回は「修復歴あり」となっている中古車についてご説明しましょう。

中古車によくある「修復歴」とは

「修復歴」と聞くと「事故で壊れて修理した」と思われるかもしれませんが、決してそうではなくきちんとした定義があります。

一般財団法人 日本自動車査定協会 (JAAI)によって定義されている「修復歴」とは次の通りです。

日査協、公取協などの統一基準として修復歴車と定義されているのは、骨格(フレーム)部位等を交換したり、あるいは修復(修正・補修)したものが修復歴車(事故車)となります。

参考 修復歴の考え方一般財団法人 日本自動車査定協会 (JAAI)

修復歴はあくまで自動車の骨格部分の修理がある場合につかわれますので、事故があっただけでは修復歴とはなりません。

またバンパーを交換した、ドアの凹みを直した、などは修復歴とは呼ばず、交換、修理と呼ばれます。

なお日本自動車査定協会 (JAAI)は中古車の品質や適正価格などを審査している機関であり、全国のオートオークションや主要な中古車ディーラーで使われている修復歴は同じ定義が使われています。

修復歴に関するよくある疑問

では次は修復歴についての疑問点をご説明しましょう。

Q.修復歴とはどの程度のものなの?どんな基準?

一口に修復歴といっても、修復を受けた部位ごとに修復歴と認定される基準があり、次のような場合を修復歴ありと呼びます。

部位修復歴あり修復歴とならない場合
ラジエータ
コアサポート
交換されており、かつ
コアサポートと隣接する
インサイドパネルに凹み、
クロスメンバーに曲がり、
凹み、サイドメンバーに
曲がり、凹み又はその修理
跡があるもの
・曲がりや凹みの修正で修理が
可能(交換しない)
クロスメンバー
(フロント・リヤ)
・交換あり
・曲がり、凹みがある、
またはその修理跡がある
・小さな凹み又はその修理跡があるもの
・突き上げによる凹み、傷又はその
修理跡があるもの
サイドメンバー
(フロント・リヤ)
〔フロントは
コアサポートより
後ろに位置する
部分のみ〕
・交換あり
・曲がり、凹みがある、
またはその修理跡がある
・コアサポートより前に位置する
部分及びリヤエンドパネルより後に
位置する部分の損傷又はその修理跡
があるもの
・けん引フック取付け部の損傷又は
その修理跡があるもの
・バンパーステ―取付け部の損傷又は
その修理跡があるもの
・突き上げによる凹み、傷又は
それらの修理跡があるもの
インサイドパネル
(フロント)
〔フロントは
コアサポートより
後ろに位置する
部分のみ〕
ダッシュパネル
・ 交換されているもの
・外部又は外板を介して
波及した凹み又はその修理
跡が跡あるもの
・コアサポートより前に位置する
部分の凹み、又はその修理跡が
あるもの
・軽微な凹み又はその修理跡が
あるもの
ピラー
(フロント・
センター・リヤ)
・交換されているもの
・スポット打ち直しが
あるもの

・外部又は外板を介して
波及した凹み又はその修理
跡があるもの
・外部に露出している部位に凹み
又はその修理跡があるもの
・ボディーサイドシルの単体部品の
交換時に生じるピラー下部に溶接
修理跡があるもの
・外部又は外板を介さない凹み又は
その修理跡があるもの
・1BOX車等でルーフパネルから
ステップまで一体として露出している
パネル状 センターピラー等の
アウター部はサイドパネルとして扱う
ルーフパネル・交換されているもの
・ピラーから波及した凹み
又はその修理跡があるもの
センターフロア
パネル
フロアサイド
メンバー
・交換されているもの
・パネル接合部に、剥れ
又は修理跡があるもの

・破れ(亀裂)があるもの
・外部又は外板を介して
パネルに凹み、メンバーに
曲がり又はその修理跡が
あるもの
・突き上げ等でパネル又はメンバーに
凹み、曲がり、軽微な破れ又はその
修理跡があるもの
リヤフロア
(トランクフロア)
・交換されているもの
・パネル接合部に、剥れ
又は修理跡があるもの

・破れ(亀裂)があるもの
・外部又は外板を介して
波及した凹み又はその修理
跡があるもの
・リヤエンドパネル又はリヤフェンダー
等の交換時に生じた損傷があるもの
・軽微な凹み、破れ又はその修理跡が
あるもの
・スペアタイヤ等格納部の突き上げに
よる凹み、軽微な破れ又はその修理跡
があるもの

※参照:日本自動車査定協会 修復歴判断基準

結構複雑そうに見えますが、要は車の重要な骨格が大きく凹んでいたり、亀裂があるなどの大きな損傷を修復したことを修復歴と呼んでいます。

ただし部品の強度に影響のない凹みなどについては、修復歴には認定されません。これ以外の部分の損傷箇所については、「修理」「修正」「交換」など、呼び方はさまざまです。

なお死亡事故車であっても、部品の強度に影響ない損傷であれば「修復歴あり」とみなされないので注意が必要です。このことについては以下の記事でも解説しているので、あわせて参考にしてみてください。

事故車死亡事故車が中古車に混じってることがある?買ってしまうこともあるの?!

Q.なぜ車の骨格部分が重要なの?

車の骨格部品は、衝突安全性、走行安定性、気密性など車の重要な機能すべての基本となっており、骨格部分が歪んだり曲がったりすれば、即座にこれらの機能に影響を及ぼします。

現代の乗用車の大半は「モノコックフレーム」という骨格構造を持っており、薄い鉄板をくみ上げた骨格の各部品がすべて溶接で接合されています。

車の強度や剛性などは、骨格一部分で成り立っているわけではなく、車全体として確保できるように設計されています。

そのため車のある部分に大きなダメージが入ると、溶接されている部品を通じて車全体に影響を及ぼします。

許容範囲内のダメージであれば車全体で支えられますが、それ以上ではいろいろな部位にダメージが及ぶこととなります。

またモノコックフレームには、車の主要機能部品である、

  • エンジン
  • トランスミッション
  • ステアリング
  • ドライブシャフト

などが取り付けられていますので、骨格が歪めばこれらの部品の取りつけ位置がズレたり、セッティングが狂ったりするのです。

MEMO

これから車の購入を考えているなら、値引き交渉の正しいやり方を覚えておくといいですよ。このやり方を知らないと最大60万円以上も損します。

詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。

裏技を知って後悔する人たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!

Q.修復歴の(事故など)の具体的な例は?

交通事故

ここで修復歴の具体的な例として、次のような事故を想定してみます。

  • 交差点の出会い頭の事故で、自車の右フロントに激しく衝突した

こういった事故の場合、車の骨格には次のようなダメージが発生することがあり、これを修復した場合に「修復歴あり」とみなされます。

破損部位破損個所修復例
ラジエータ
コアサポート
・サポートの凹み、
歪み、曲がり
・部品交換
サイド
メンバー
・メンバーの歪み、曲がり・板金作業により、歪み、曲げを修正
・ダメージがひどい場合には部品交換
インサイド
パネル
・パネルの歪み、曲がり・板金作業により、歪み、曲げを修正

なおフロントをぶつけると真っ先に損傷するのはフロントバンパーですが、バンパー自体は車の骨格には含まれませんので、バンパーの修理、交換では修復歴ありとはなりません。

Q.修復歴ありの車はどんな問題があるの?

修復歴あり、の車は骨格部分にダメージを受けており、例え修復を受けていても完璧に元には戻らないことがあり、修復歴ありの車の大きな問題です。

先ほどの事故の例でいえば、次のような悪影響が発生することがありえます。

右フロント衝突の例
破損部位破損個所悪影響
ラジエータ
コアサポート
・サポートの凹み、
歪み、曲がり
・車の走行に関係する悪影響はなし
サイド
メンバー
・メンバーの歪み、
曲がり
・サスペンション取りつけ位置がズレ、
まっすぐ進まない、乗心地悪化、等
・タイヤのアライメントが狂い、
まっすぐ進まない
インサイド
パネル
・パネルの歪み、
曲がり
・サスペンション取りつけ位置がズレ、
まっすぐ進まない、乗心地悪化、等

車体骨格へのダメージが残った場合に、すぐにわかる悪影響としては車がまっすぐ進まないことです。

ハンドルが真ん中になっているにもかかわらず、車が右か左に流されてしまい、それを修整するために細かくハンドル操作が必要となります。

上記はあくまで一例ですが、修復したとしても車自体が歪んでしまっていてはさまざまな悪影響が出てくるのは当然ですよね。

修復歴ありの車のデメリットは、以下の記事でさらに詳しく解説しています。こちらもあわせてご参照ください。

修復歴「修復歴あり」の中古車購入前に知るべき7つの注意点(失敗のリスク)

Q.修復歴で「軽度」とある場合、安心して買っても大丈夫?「軽度」とはどのくらい?

修復歴が軽度で、修復によってほかに悪影響がおよばない状態になっていれば、買っても問題はないでしょう。

どのレベルの損傷が「軽微」かは状況によって違うのですが、修復歴と言っているのであれば車の骨格部分に無視できない損傷があったということです。

修理可能な凹みや、完璧に修正可能なわずかな変形などであれば、軽度な修復歴と言えるでしょう。

しかし現実的には、修復歴が軽度かどうか、悪影響がないかどうかは車を運転してみるまでは私たちには分からず、あくまで中古車屋さんの判断如何となります。

買ってから数か月後に問題が発覚した、などトラブルの元にもなりえますので、修復歴ありの車は、たとえ軽微でもできるだけ避けた方が無難でしょう。

Q.修復歴ってどこを見ればわかるの?

修復歴の有り無しは、日本自動車査定協会 (JAAI)の鑑定書を見るのが最も確実な方法です。

中古車情報誌や中古車サイトでは修復歴ありなしの表記はありますが、これはあくまで中古車屋さんが設定したものですので、いわば自己申告制です。

それに比べて日本自動車査定協会 (JAAI)が発行する「自動車鑑定書」は第三者のチェックが入った証であり、かなり信用のおけるものです。

この鑑定書に修復歴の有り無しと、修復歴の程度が記されており、ここで軽度に認定されていれば、大きな問題は発生しにくいといえるでしょう。

ただしどの修復歴ありの車にもこの鑑定書があるわけではありませんので、修復歴ありの車を買うのであればせめて鑑定書のあるものを選びましょう。

車の状態だけで修復歴を見分ける方法については、以下の記事で詳しく解説しています。こちらも参考にしてみてください。

確認する女性中古車の事故車・修復歴の見分け方!私が絶対チェックするポイントを紹介!

修復歴あり、と表記されていれば信用できる証

最期にですが、修復歴ありの車は確かに大きな修理を受けた証ではありますが、逆にいえば修復があったことを正直に申告しているわけです。

中古車店さんの中には悪徳業者も混じっており、事故車や修復歴ありの車を問題ないものとして販売していることもあります。

それに比べれば、修復歴ありとちゃんと表記している業者さんは、ある程度信用できると考えても良いでしょう。(買うかどうかは別としてですが)

なおかつ前述の鑑定書を導入しているお店であれば最高ですね。

修復歴の改ざんについては以下の記事で解説しています。詳しく知りたい方はこちらもご参照ください。

修復した車虚偽の表示かも?!中古車の修復歴は隠されていて嘘のこともある?!