プリウスαといえば、プリウスをワゴン型に拡張したモデルとしてお馴染みですね。
低燃費でありながら、収納スペースが広くとられているので、使い勝手のよさが魅力的です。
ならば、「キャンプとか、アウトドア目的にも使えるんじゃない?」と、こんなことを考える方もいるはず。
というわけで今回は、プリウスαがキャンプにも使える理由を、公式ページの諸元などを参考にしながら解説してまいりたいと思います。
反対に、不向きな点についても触れていきますので、購入を検討している方はぜひ参考にしてくださいね。
キャンプをするのに必要な車の性能
「キャンプ目的での使用を考えたとき、どういった性能が求められるのか?」
まずは、このことをきちんと知ってておく必要がありますよね。前もって簡単におさらいしておきましょう。
キャンプに求められる性能ということですが、第一に求められるのは「積載性」です。もっと細かく見るなら、この3項目をチェックしてみましょう。
- ラッゲージルームの容量…荷室の積載容量
- リアゲートの広さ…リアゲートの開口寸法
- リアドアの方式…スライド式がベスト
加えて、アウトドアとして使用するわけですから、こんな部分もチェックしておきたいところ。積載性の次に大切な項目です。
- エンジン性能…低速域からトルクが発揮できると良い
- 駆動方式…4WDがベスト
- 最低地上高…150mm以上が目安
ヘビーユースを考えるなら「ボディ剛性」や「オプションパーツの豊富さ」など、他にも見るべきポイントがありますが、ライトユースならそこまで求める必要はありません。玄人向けの車は、価格もそれなりですしね…。
これらを考慮すると、プリウスαはキャンプにも対応している車といえます。公式諸元を参考にしながら、具体的に解説してきましょう。
ちなみにプリウスαは故障しにくい点もキャンプに向いているといえます。故障については以下の記事で解説しているので、詳しく知りたい方はこちらもご参照ください。

プリウスαがキャンプに向いている理由
プリウスαが「キャンプに使える」といえる理由ですが、これは「ラッゲージルーム」「リアゲート」「エンジン性能」の3つが挙げられます。それでは、具体的な数値を見ていきたいと思います。
ラゲージルーム容量
もっとも重要なのが「荷室の広さ」ですね。積載能力が高ければ高いほど、アウトドアで重宝します。
車の荷室は形状が複雑なため、単純に縦×横×高さでは測ることができません。
そのため、ドイツ自動車工業会が定めた「VDA法」という方式によって計測します。これは1Lの箱(200mm×100mm×50mm)がいくつラゲージルームに入るかで容量を算出したものです。
公式ページの諸元表から、プリウスαの容量を参照したのでご覧ください。
項目 | 諸元(2名乗車時) | 諸元(5名乗車時) |
荷室長 | 1,870mm | 985mm |
荷室幅 | 995-1,580mm | 1,580mm |
荷室高 | 810mm(5人乗りモデル) 775mm(7人乗りモデル) | 810mm(5人乗りモデル) 775mm(7人乗りモデル) |
荷室容量 | 1,070L(5人乗りモデル) 1,035L(7人乗りモデル) | 535L(5人乗りモデル) 505L(7人乗りモデル) |
プリウスαには5人乗り(2列シート)モデルと7人乗り(3列シート)モデルの2種類が設定されています。
積載容量として考えたとき、3列目のスペース分だけ5人乗りモデルのほうが荷室が広く確保されています。
どちらにせよ、1,000Lを超える容量は、キャンプにとってまちがいなく大きな戦力になるでしょう。実際に2015年のCMでもスペースが強調されたものが放映されていますしね。
リアゲート開口寸法
ゲ―トの大きさは、「道具の積み下ろしやすさに直結している」といっても過言ではありません。
ゲートが狭いとけっこうストレスを感じますからね。プリウスαのリアゲートのサイズはこちらをご覧ください。
項目 | 諸元 |
ゲート幅 | 1,105mm |
ゲート高 | 730mm |
フロア地上高 | 700mm |
台形状になっているため、ワンボックスなどと比較すると使い勝手は悪いですが、それでもこのパネルサイズは使いやすい部類です。
長物を積み込むには少し慣れが必要ですが、ボックス状の荷物なら簡単に出し入れが可能です。キャンプ用品なら十分対応しているといえるでしょう。
あえて気になる点を挙げるなら、フロア地上高が少し高いことでしょう。
エンジン性能
積載性が高ければとりあえずキャンプには機能します。あくまでもメインはアクティビティのほうで、車はそのサポート役でしかありませんからね。
しかし、パワーがない車に物を積み込むと、動きがガクンと鈍くなってしまいます。せっかく出かけるのですから、目的地までのドライブも楽しみたいところ。
よって、キャンプに使うなら、積載を考慮してエンジン性能もチェックしておきましょう。とくに発進やコーナーなどの挙動が鈍くなりがちなので、低速域でトルクが発揮できるのがベストです。
プリウスαのエンジン性能はこちらになります。
項目 | 諸元 |
種類 | 直列4気筒+モーター |
排気量 | 1,797cc |
最高出力 | エンジン:99PS/5,200rpm モーター:82PS |
最大トルク | エンジン:14.5kgf・m/rpm モーター:21.1kgf・m |
車重 | 1,450-1,480kg |
燃費 | 26.2km/L |
※直列4気筒エンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。

モーターにより、低速からトルクを使える仕様になっていますね。これなら荷物を積み込んでもしっかり走ってくれそうです。
そして、プリウスα最大のメリットは、なんといっても燃費性能の高さ。実燃費で24km/Lは走ってくれるので、コストが非常に軽いです。アウトドア向けの車は、その特性上、維持費が気になるところですからね。
ただし、発進やバックなどはモーターで走るため、走破性はそれほど高くありません。本格的は場所に行く際は、注意が必要です。
もしプリウスαを買おうと考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。
プリウスαがキャンプに向いていない点
いっぽうで、さきほど挙げた6項目のうち「リアドア」「駆動方式」「最低地上高」がキャンプには向いていません…。数値を参考に解説したいと思います。
リアドアの方式
ラッケージの使いやすさに関して、ついリアゲートだけを注目しがちですが、実はリアドアの形状もけっこう重要なんですよ。
市販車の後部ドアの方式ですが、ご存知のとおり「スライド式」「プル式」が主流です。スライド式はミニバンに多く見られるもので、プル式はセダンなどのイメージですね。
その点、プリウスはプル式なので、積み下ろしが少し面倒かもしれません…。
ただし、ドアパネル自体はサイズが大きいので、開口寸法は比較的広いです。それなりに大きい物でも横から取り出せるので、機能性そのものは悪くありません。
なおプリウスαのドアについては、以下の記事で考察しています。興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。

駆動方式
車の運動に重要なのは、エンジン性能だけではありません。キャンプで使用するなら砂地やぬかるみなど、悪路にある程度対応できたほうが安心です。となると、やはりベストなのは4WD。
しかし、プリウスαには4WDの設定がなく、ラインナップはFFのみとなっています。そのため、あまりに路面が荒れているところには適していません。
キャンプ場など舗装された場所なら使えるので、ライトユーザー向けですね。
最低地上高
アウトドアに出かけるのですから、未舗装路を走るシーンが想定されますよね?
街中よりも起伏や凹凸が激しいため、車高が低い場合、ボディを大きく損傷することさえ考えられます。なので、最低地上高もぜひチェックしておきましょう。
目安としては「150mm以上」という高さがおすすめです。プリウスαは地上高が「145mm」なので、やや低く感じるかもしれませんね。
運転席のアイポイントは比較的高いので、操縦性は高いですが、悪路では腹下を接触してしまうかも?
なおプリウスαの悪路走破性については、以下の記事でも解説しています。もっと詳しく知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。

プリウスαをキャンプで使用した評判
実際に使用しているオーナーさんは、具体的にどう感じているのでしょうか?
Twitterから感想をいくつかピックアップしてみたので、ご覧ください。
不安だっけど自転車2台、キャンプ用品積載のプリウス。意外と行ける! pic.twitter.com/vkhfJ8BBE6
— アド (@adorianojp) 2018年9月23日
こちらのオーナーさんはキャンプ用品をガッツリと積んでいますね。積載性については問題なしです。
CMでは収納力が強調されていますが、キャラクターを考えると、やはり積載性には疑問があります。実際に使ってみるまでは少々不安があった様子…。
しかし、これならちゃんとキャンプにも適応できそうですね。
@EL_wolFs ツーリングワゴンはにもつのるから良い
海行ったり、キャンプいったり
スノボ行ったりあと車中泊がリアフラットにしたらすごい楽(ですえるには狭いかも)
その流れでプリウスαなんよ
— ハルト@fishing&motorcycle (@haruto_offmota) 2015年9月16日
プリウスαは後部座席をフルフラットにできるのが強みです。シートも簡単に倒せるので、ちゃっちゃっと支度を済ませて、出かけることができますよ。
もちろん、この積載性ならキャンプだけでなくウィンタースポーツやマリンスポーツなど、おおよそのアクティブティに使えるので、普段使いにもお出かけ用にもしっかり機能します。使い方を工夫すれば車中泊にも適応するので、一人旅なんかにもいいですね。
なおプリウスαのサーフィンへの適性については、以下の記事で詳しくまとめています。気になる方はこちらもご参照ください。

サヒメルの駐車場に、仙台ナンバーのプリウスのキャンピングカーが来てました。今夜は三瓶山北の原キャンプ場でお泊りでしょうか。 pic.twitter.com/oVXfdNrVUS
— 三瓶山北の原キャンプ場 (@sanbe_camp) 2018年5月20日
プリウスαオーナーのなかには、こんな強者もいらっしゃいます。特注物だとは思いますが、カスタムによってキャンピング仕様にだって化けるのがプリウスαなのです。
@uenoakira0612 モーターで坂道上るとかバッグは完全モーターとか聞くとプリウス乗れない^^;うちの行動範囲的に四駆は外せないw。キャンプもキャンプ場とかならプリウスαで大丈夫でしょうけど、本格的キャンプとかだと無理でしょうね。
— 動物病院+café (@tasu_cafe) 2013年11月30日
ただし、モーター仕様なので、悪路にはそれほど強くありません。これはハイブリッドモデル全般にいえることですね。
そのため森や河原など、本格的なキャンプには少し不安があります。そこまで視野に入れているのなら、素直にSUVを使ったほうがいいでしょう。
とはいえ、実際にはキャンプ場など、設備がしっかり整った場所に出かける人が大半だと思います。そのくらいの使用なら問題なく機能するので心配はいりませんよ。
もし本格的なキャンプをしたいならデリカD:5がとくにおすすめです。詳細は以下の記事で解説しているので、興味のある方はこちらもご参照ください。

プリウスαはキャンプする車としては買いか
というわけでプリウスαの機能性についての解説は以上になります。
まとめると、「本格的なレベルでは不安要素があるが、設備の整った場所でのキャンプなら問題なく使えるモデル」といえますね。
高い積載性がこのレベルの燃費で使えるのは、おそらくプリウスαだけでしょう。ライトなキャンプを考えている人なら、購入候補として考えるのもアリですよ。
プリウスαについては以下の記事でも取り上げているので、もっと詳しく知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。

