「カローラスポーツを買おうと思ってるんだけど、ちょっと迷ってるんだよね」
「カローラスポーツの長所と短所について、評価がどうなってるかくわしく知りたい!」
車を購入するとき、長所と短所をよく調べてから購入したいですよね。
購入後に致命的な欠点に気づくと、ショックはかなり大きいです。
トヨタ・カローラスポーツにはどんな長所があって、どんな短所があるんでしょうか?
実際に試乗してきた経験から、カローラスポーツの魅力と欠点について、写真つきで辛口評価・レビューします。
カローラスポーツの魅力・長所
それでは魅力・長所から解説していきます。
コンパクトでありながらシャープな外装デザイン
カローラスポーツは、外装がかっこいいです。いろんな角度から見てみましょう。
カローラの頭文字でしょうか、フロントにはアルファベットのCをかたどったエンブレムがついています。
このエンブレムは正直あんまりかっこよくないですね。ふつうにトヨタのエンブレムをつけたほうがかっこいいです。
コンパクトカーでありながらややシャープな形をしており、可愛い系かかっこいい系かでいうと完全にかっこいい系ですね。男性好みの外装デザインだと思います。
ボディーカラーは8色から選択可能で、写真に写っているのはスカーレットメタリック。トヨタの公式サイトで見るともっと濃い赤に見えるんですが、実物はオレンジに近いですね。
後方のデザインは少し厳ついでしょうか。テールランプの形が刃物のようにするどいですね。
私的にはかっこいいと思います。
内装の魅力的な機能
カローラスポーツの内装には、魅力・長所がたくさん詰まっています。私が個人的にいいと思った部分を紹介していきましょう。
メーターがアナログなのが嬉しい
(※この写真は私が試乗しているときに同乗者が後部座席から撮影したものです)。
カローラスポーツのメーターはアナログです。個人的にデジタルメーターはかっこいいと思えないので、ここは嬉しいポイント。右側のマルチインフォメーションディスプレイの表示も色がきれいで、見やすいですね。
シフトレバーが見た目・操作感ともに良い
カローラスポーツのシフトレバーは、カローラフィールダーやカローラアクシオと違って太くつくられており、操作してみると重厚感があってかっこいいです。
レザーのカバーがかかっているところも、見た目に高級感を出しているポイントですね。
コンセントにつなげば家電が使える
カローラスポーツ(ハイブリッド)の後部座席と荷室には、メーカーオプションでAC100Vコンセントをつけることができ、消費電力1,500W以下の電気製品であれば車内で使用可能です。
1,500W以下というと、たとえば以下のようなものが使えます。
- スマホやゲーム機の充電(2.5W~15W)
- 電気毛布(50W~90W)
- 扇風機(50W~60W)
- ノートパソコン(50W~120W)
- マッサージ機(10W~90W)
- 電気シェーバー(10W)
- 電気ストーブ(400W~800W)
- 電気ポット(430W~1,250W)
- ホットプレート(1,350W)
電気シェーバーや電気毛布は主に車中泊する場合に使うものなので、ドライブするだけだったらあまり使う機会はないかもしれませんね。
マッサージ機は機種によって消費電力が大きく変わります。基本的にはハンド用のほうが消費電力が小さく、フット用のほうが大きいです。
電気ストーブは冬の災害時に役立ちますね。ホットプレートを使えばちょっとした調理もできちゃいます。
ドライブの快適性とは少し違いますが、ハイブリッドカーならではの魅力・長所ですね。
シートヒーターがつけられる
カローラスポーツにはすべてのグレードに、メーカーオプションでシートヒーターがつけられます。
シートヒーターは、一度体験してみれば病みつきになる暖かさで、初めて使ったときは感動しました。これがつけられることは大きな魅力・長所のひとつでしょう。
運転席の足元が広い
カローラスポーツに乗ってみて気になったのが、足元の広さです。運転席にすわったときに左足を置くフットレストの位置が、かなり奥に凹んでいる感じがします。つま先を伸ばせて非常に気持ちいい。
そしてこれによって、運転席の位置をだいぶ前のほうにしてちょうどいい位置になるので、後部座席も必然的に広くなります。運転者・乗客ともに快適な仕様で、すごく良いですね。
気のせいかと思ってプリウスPHVやカムリ、カローラーフィールダーと乗り比べてみましたが、違いは歴然でした。
車体が小さめで運転しやすい
カローラスポーツは車体が小さめです。具体的には以下のサイズになっています。
- 全長4,375mm
- 全幅1,790mm
- 全高1,460mm(グレードによっては1,490mm)
全長・全幅ともに小さめの車で、急カーブやS字クランクなんかを走行しても、こすりそうになる場面は一度もありませんでした。運転技術にそこまで自信がなくても、この大きさだったら安心して運転できると思いますよ。
全高はコンパクトカーのなかでも低いほうなので、身長が高いひとだと乗り降りするときに頭に注意です。乗ってしまえばまったく気になりませんけどね。
取り回しのしやすさが、カローラスポーツの魅力・長所のひとつです。
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走行性能が良い
カローラスポーツは、走行性能が優秀。ここからは、私が試乗して感じた走行性能について解説します(グレードはHYBRID G”X”)。
エンジン音が静かで心地よい
エンジン音はかなり静かです。スタートボタンを押すとシーン…としたまま電源が入って、起動音だけがプーっと鳴る。
アクセルを踏むとモーター音が心地よく響いて、しばらくするとかすかにエンジン音が聞こえてきます。
エンジン音はあったりなかったりすると逆に騒がしく感じてしまうものですが、カローラスポーツの場合は全然気にならず、むしろいつ電気モーターとエンジンが切り替わっているか試乗中には気づかないぐらいでした。
アクアやシエンタのハイブリッドモデルとは、静粛性のレベルが段違いです。
スポーツの名に恥じない加速力
加速はノーマルモードだとそれほど速くないですね。「『スポーツ』って名前がついているからにはさぞかし速いんだろう」と思って走り始めたんですが、あんまり速くなくて「あれ?」ってなりました。
で、スポーツモードに切り替えてみたら、さすがに速い! 信号待ちからのスタートでアクセルを軽く踏んだだけなのに、飛び出さんばかりの勢いで加速していきます。あぁ、本領発揮はスポーツモードなんだな、と明らかな違いが分かりました。
40km/hしか出せない試乗コースだったから神髄は見れなかったけど、高速道路を走ってみたい。試乗コースだけじゃこの車にはもったいない気がしますね。
もっと回していたくなる滑らかなステアリング
ステアリングが滑らかです。重いか軽いかでいうと軽いんですが、安っぽい軽さじゃなくて、道路の上を上手く滑って行くような感じ。
ジグザグの道でも急ハンドルを切らなくても、ちょっとハンドルを傾けるだけでスイスイ進んでいきます。
ハンドルの質感自体はごく普通で、とくべつ良いわけではありません。でも、操作感が良いから回していて気持ちいいです。
試乗はあっという間に終わっちゃったけど、もっともっと回していたい。そんな気分にさせてくれるステアリングでした。
シートアレンジで荷室が広く使える
カローラスポーツは後部座席を前に倒すことで、荷室が広く使えます。大きな家具を買って持ち帰るときなんかに、非常に便利です。
シートアレンジするにはヘッドレストの横のレバーを引っ張るだけで、力のない女性でもかんたんにできます。
車を購入するときは見た目や走行性能・乗り心地だけで車種をえらんでしまいがちですが、荷室も重要なポイント。このような利便性の良さもカローラスポーツの魅力・長所のひとつです。
燃費がすごく良い
カローラスポーツのHYBRID G”X”は、燃費がすごく良いです。メーカー発表で28.8km/l~34.2km/l(走行条件によって異なる)で、15分程度の試乗をしたときの実燃費は20.5km/lでした。
かなりの低燃費ですね。エアコンを3番目に強い風量でつけていたので、春や秋でエアコンなしで走行すればもう少しよくなるかもしれません。
燃費重視で車を購入するなら、カローラスポーツのHYBRID G”X”をえらんで後悔することはないでしょう。
安全機能としてToyota Safety Senseがついている
カローラスポーツには安全機能として、Toyota Safety Senseがついています。具体的には以下の機能です。
- プリクラッシュセーフティ
- レーントレーシングアシスト
- オートマチックハイビーム
- レーダークルーズコントロール
- ロードサインアシスト
プリクラッシュセーフティとは、前方の車両や歩行者・自転車を検知して、衝突しそうになったときに自動的にブレーキが作動する機能です。ブレーキを自分で踏んだ場合は、強力なブレーキアシストが作動します。
レーントレーシングアシストとは、走行車線をはみ出してしまわないように、ブザーで警告したり、ステアリング操作をサポートしてくれる機能です。
オートマチックハイビームとは、対向車のライトを検知して、ハイビームとロービームを自動的に切り替えてくれる機能のこと。ハイビームの切り忘れが防げます。
レーダークルーズコントロールとは、先行車を検知して、適切な車間距離をたもちながら一定の速度で追従する機能です。
ロードサインアシストとは、道路標識をカメラで認識して、ディスプレイに表示してくれる機能のこと。標識の見落としを防ぎます。
とくにプリクラッシュセーフティはあまり世話になりたくない機能ですが、ついていることで安心して運転できますね。
価格が車の質に見合っている
カローラスポーツの価格は、車自体の質を考えればそれほど高くありません。下の表に各グレードの価格をまとめたので、見てください。
車名 | グレード | 価格 |
カローラスポーツ(AT車) | HYBRID G”Z” | 2,689,200円 |
HYBRID G | 2,527,200円 | |
HYBRID G”X” | 2,419,200円 | |
G”Z” | 2,419,200円 | |
G”Z (4WD) | 2,613,600円 | |
G | 2,257,200円 | |
G(4WD) | 2,451,600円 | |
G”X” | 2,138,400円 | |
G”X”(4WD) | 2,332,800円 | |
カローラスポーツ(MT車) | G”Z” | 2,386,800円 |
G | 2,224,800円 | |
G”X” | 2,106,000円 |
AT車が9グレード、MT車が3グレード用意されていて、私が試乗したのはAT車のHYBRID G”X”。2,419,200円という価格ですが、妥当だと思います。
走行性能が優秀で、低燃費なうえに見た目もかっこいい。欠点・短所についてはこのあと解説しますが、たくさんの長所に対して短所はほとんどありません。
ちなみにカローラスポーツは2018年6月に発売されたばかりで、中古車市場でも新車価格と変わらない相場で出回っています。
手を出しやすい価格設定が、カローラスポーツの魅力・長所のひとつです。
カローラスポーツの欠点・短所
つづいて、カローラスポーツの欠点・短所について解説していきましょう。
3人乗るにはせまい後部座席
先ほど魅力・長所のところで解説したフットレストの形状のおかげで、運転席を身長177cmの私にちょうどいい位置にした状態でも、1人で乗るぶんには後部座席はせまくありません。
ヒザが前のシートにぶつかっておらず、前後からの圧迫感がないです。
先代モデルであるオーリスからの特徴なんですが、前部座席の背面が前に凹んだ形をしていて、ヒザがぶつかりにくくなっているんです。頭から天井までのスペースにも少し余裕があり、上下からの圧迫感もなし。
ただ、忘れちゃいけないのは、カローラスポーツは5人乗りだということ。
定員いっぱい乗る場合は後部座席に3人すわることになりますが、3人で乗るには幅的にせまいです。快適に乗るなら後部座席は2人まででしょう。
車中泊する場合は、後部座席にはリクライニング機能はついておらず、横になって寝られるほどの幅もないので、前部座席を倒して運転席と助手席に1人ずつ寝るのが限界ですね。
子育てに使う場合は、子どもでも後部座席に3人すわるのはやはりキツく、乗せられる人数は助手席もふくめて3人までだと思ってください。
悪路走行時の振動は少ないけど一旦気にし始めたら気になる
試乗ででこぼこ道を走行したときの振動は、最初は通過するまでそこが悪路であることに気づかないぐらい静かに感じました。
しかし、一旦悪路であることを認識してからは「あぁ、そこそこ揺れるな」という印象。気にし始めたら気になります。
エンジン音もふくめて静粛性は間違いなく優秀ですが、感動するほどではないですね。
内装デザインがゴツゴツしすぎていて疲れる
カローラスポーツの内装は、ウルトラスエードを使用したシートの質感や形状から、加速が速い車の印象を受けます。
ドアトリムの赤いレザーなんかは、レクサスのGSやISのF SPORTグレードに似ていますし、スポーツカーを意識したデザインなのは間違いないでしょう。
これはこれでかっこいいですが、ゴツゴツしすぎていて、長時間乗っていると疲れてしまいそう。全体的に、私はもう少しやわらかいデザインのほうが疲れにくくて好きです。
ちなみにシート表皮は「ファブリック」や「本革+ファブリック」を選択することもできるので、この欠点・短所は避けようと思えば避けられます。
総評:価格とクオリティのバランスのとれた優良コンパクトカー
カローラスポーツの長所・短所を見てきた総評をズバリいえば、「価格とクオリティのバランスのとれた優良コンパクトカー」。
私が試乗した限り、見つかったのは魅力・長所ばかりで、致命的な欠点・短所と呼べるようなものは見つかりませんでした。
4人以下で乗るぶんにはせまさも感じないでしょうし、悪路走行時の振動・突き上げも「あえて批評するなら」という程度で、基本的には優秀です。
ウルトラスエードを使った内装デザインも、新車で購入するなら自由に変更できます。
2,000,000円台でこれだけのクオリティの車が出てきたことに驚きましたね。今までいろんな車に試乗してきましたが、価格までふくめて総合的にもっともバランスが取れているのは、カローラスポーツかもしれません。
結論として、カローラスポーツをおすすめできるひととできないひとは、以下のようなひとです。
- 静かで快適なドライブがしたい
- 加速の速い車がいい
- 取り回しのしやすい車が欲しい
- 燃費を重要視する
- 5人で乗るつもり
- 3人以上で車中泊したい
- 内装に高級感を求める
- そもそもコンパクトカーが好きじゃない
4つずつ条件を挙げましたが、とくに重要なのは「おすすめできないひとの条件の1つ目と2つ目に当てはまっていないこと」です。片方でも当てはまっていると、購入後に後悔することになってしまうので注意してください。
ここまで書いてきましたが、コンパクトカーの購入を考えているなら、ぜひおすすめしたい車種です。
この記事を読んだことで、カローラスポーツを購入するかどうかの判断材料のひとつになれることを願っています。