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プリウスのリコール一覧!リコール隠しの問題はあった?!

トヨタ プリウスは国内で人気の高いハイブリッドカーで、これまでの世界中での総生産台数が1,000万台を超え、国内でも数百万台を販売しています。

今回はそんなプリウスでこれまで発生したリコールについてご説明します。

プリウスのリコール一覧

 

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松永 健(@takeshi5614)がシェアした投稿

トヨタ プリウスは世界初の量産型ハイブリッドカーとして登場し、非常に高い燃費性能が人気のもととなりました。

ハイブリッドカーはそれまでの車と違って、通常の内燃機関のエンジンに加えて電動モーターを搭載し、エンジンが苦手とする領域をモーターで補助することで燃料消費量を大幅に削減することができます。

初代プリウスは1997年に登場しましたが、その後フルモデルチェンジを3回行っており現行モデルで4代目となります。

その間プリウスのハイブリッドシステムは進化を続けており、燃費性能は世代ごとに向上して常に世界トップクラスの性能を持っています。

またプリウスには派生モデルもいくつか登場しており、3代目プリウスをベースとしたステーションワゴンモデルのプリウスαや、ハイブリッドシステムがより進化したプラグインハイブリッドカーのプリウスPHVなどもあります。

これまでプリウスは総計で20年以上に渡って国内で販売されてきて、何度も国内の販売台数でトップを獲得するほどの人気車種となりました。

しかしその間に何度かプリウスはリコールを行っており、今回はそんなプリウスにどんなリコールがあったかをまとめました。

なおリコールとは自動車の構造や装置などに重大な不具合が発見された際にそれを改修するために行われる措置で、自動車メーカーからの届け出が国土交通省に行われたあとで無償で修理、回収が行われる制度です。

MEMO

リコールは最も重大な不具合の際に発せられるもので、もう少し軽度で影響の少ない不具合等に対しては「改善対策」や「サービスキャンペーン」などで無償回収されることもあります。

リコールが発せられるタイミングにはいろいろな状況があり、自動車メーカーが車の発売後に発見した不具合であったり、市場での故障事例や事故事例などから回収が必要な不具合が発見されることもあります。

またリコール社会的な影響も大きいものであり、リコールが発せられるとテレビのニュースなどでの周知も徹底されます。

その際メーカーが意図的に不具合や欠陥などを隠蔽してこれまでリコールを行ってこなかった「リコール隠し」が発覚することがあり、自動車メーカーでも過去に事例がありますが非常に重大なインシデントとして社会的責任を追求される自体となります。

プリウスのリコール件数

リコール

これまで国土交通省に提出されたリコールのうち、プリウスに関係したリコールをまとめたものとなります。

プリウスは初代から4代目まで10プリウス、20プリウス、30プリウス、50プリウスなどの区別がされ、30プリウスや50プリウスには派生モデルとしてのプリウスαやプリウスPHVなどもあります。

プリウスリコール年月日リコール対象部品リコール詳細対応方法リコール対象車範囲
20プリウス2006年05月31日かじ取装置(インタミディエイトシャフト)電動式パワーステアリング付車のハンドルとギヤボックスを連結しているインタミディエイトシャフトとスライディングヨークの強度が不足しているため、低速時にハンドルを強く一杯に切ったり、走行中縁石にタイヤを接触させる等、当該部品に過大な力が繰り返し作用すると、連結部が緩んだり、亀裂が発生することがある。そのため、そのまま使用を続けると、最悪の場合、連結部が外れたり折損して、かじ取り操作ができなくなるおそれがある。全車両、インタミディエイトシャフトとスライディングヨークを対策品に交換するとともに、インタミエクステンションシャフトの締付ボルトを規定トルクで締め付ける。トヨタ「ウィッシュ」「アイシス」「プリウス」「カローラ」「カローラランクスアレックス」「カローラフィールダー」「カローラスパシオ」「ラクティス」(計9車種) (製作期間の全体の範囲) 平成14年9月16日~平成17年11月22日(計565,756台)
2012年11月15日①かじ取装置(インタミディエイトシャフト) ②ウォーターポンプ①かじ取装置において、ハンドルとギヤボックスを連結している継手部品(インタミエクステンションシャフト)のギヤボックス側強度が不足しているものがあるため、低速時にハンドルを強く一杯に切る操作を繰り返すと、継手部品の連結部にガタが発生することがある。そのため、そのまま使用を続けると、連結部が摩滅し、かじ取り操作ができなくなるおそれがある。 ②ハイブリッドシステムの電圧変換器(インバータ)用電動ウォータポンプにおいて、コイルの巻き線工程が不適切なためコイル線に傷がついたものがある。そのため、コイル線の腐食断線によりウォータポンプが停止して警告灯点灯や出力制限走行となる。また、線間ショートした場合には、電源ヒューズが切れて走行不能となるおそれがある。 インバータ:高電圧の直流を交流に変換する装置①全車両、点検し、当該継手部品を対策品に交換する。 ②全車両、当該ウォータポンプを対策品に交換する。プリウス 型式:ZA-NHW20 DAA-NHW20 他11車種 [製作期間の全体の範囲]平成12年8月22日~平成23年12月16日 合計:1,518,098台(①1,507,454台、②175,176台)
30プリウス2010年02月10日制動装置(ABS制御コンピュータ)ABS(アンチロックブレーキシステム)の制御プログラムが不適切なため、ABS作動完了後の制動力が作動直前の制動力より低下することがある。そのため、ブレーキをかけている途中に凍結や凹凸路面等を通過してABSが作動すると顕著な空走感や制動遅れを生じることがあり、そのまま一定の踏力でブレーキペダルを保持し続けた場合には運転者の予測より制動停止距離が伸びるおそれがある。全車両、当該制御プログラムを修正する。また、制御プログラム修正までの間の運転時の注意事項を、使用者に周知する。 なお、プリウスPHV)、SAI、レクサスHS250hの3車種については、対策プログラムが準備でき次第、当該制御プログラムを修正する。トヨタ「プリウス」「プリウス(PHV)」「SAI」 レクサス「HS250h」(計4車種)(製作期間の全体の範囲)平成21年4月20日~平成22年2月8日(計223,068台)
2013年06月06日電子制御ブレーキシステム電子制御ブレーキシステムにおいて、アキュームレータ(蓄圧器)の強度検討が不足していたため、走行時の上下振動により、蓄圧容器の一部に大きな力が加わることがある。そのため、使用過程で当該容器に疲労亀裂が入り、容器内のブレーキフルードに窒素ガスが徐々に浸入してブレーキペダルの踏み代が増加し、制動力が低下するおそれがある。全車両、アキュームレータを確認し、該当するものは対策品のアキュームレータが組み込まれたブレーキブースタポンプと交換する。○プリウス 型式: DAA-ZVW30 車体番号の範囲:ZVW30-1000000~ZVW30-1092030、ZVW30-5000004~ZVW30-5076072、ZVW30-0052877~ZVW30-0067874 製作期間:平成21年3月23日~平成21年10月7日 対象台数:113,546台 ○レクサス HS250h 型式:DAA-ANF10 車体番号の範囲:ANF10-2000102~ANF10-2009185 製作期間:平成21年6月10日~平成21年10月16日 対象台数:3,448台
2014年02月12日ハイブリッドシステムハイブリッドシステムにおいて、制御ソフトが不適切なため、加速時などの高負荷走行時に、昇圧回路の素子に想定外の熱応力が加わることがある。そのため、使用過程で当該素子が損傷し、警告灯が点灯して、フェールセーフのモータ走行となる。また、素子損傷時に電気ノイズが発生した場合、ハイブリッドシステムが停止し、走行不能となるおそれがある。全車両、制御ソフトを対策仕様に修正する。制御ソフト修正後に素子が損傷して警告灯が点灯した場合は、電力変換器(DC-ACインバータ)のモジュールを無償交換する。プリウス(計1車種、計約997,000台)(製作期間の全体の範囲):平成21年3月23日~平成26年2月5日
30プリウス、プリウスα2020年06月25日電気装置(パワーマネジメントコントロールコンピュータまたはハイブリッドビークルコントロールコンピュータ)ハイブリッドシステムにおいて、異常判定時の制御プログラムが不適切なため、極低速から急加速するような高負荷走行時等に昇圧回路の素子が損傷した場合、フェールセーフモードに移行できないことがある。そのため、警告灯が点灯し、ハイブリッドシステムが停止して、走行不能となるおそれがある。全車両、異常判定時の制御プログラムを対策仕様に修正する。当該制御プログラム修正後に素子が損傷して警告灯が点灯した場合は、電力変換器のモジュールを無償交換する。トヨタ「プリウス」「プリウスα」「オーリス」 ダイハツ「メビウス」(計4車種)(製作期間の全体の範囲)平成26年2月4日~ 令和2年2月5日(計250,284台)
30プリウス、プリウスPHV2016年06月30日エアバッグ装置(インフレータ)カーテンシールドエアバッグ用ガス封入式インフレータにおいて、製造が不適切なため、インフレータパイプの洗浄が不十分でパイプ内に潤滑剤が残り、適切に溶接ができていないものがある。そのため、溶接部に微小な亀裂が入り、駐車中に車室内の温度が上がると封入ガス圧が上昇して溶接部が破断し、最悪の場合、破片の一部が車室内に飛び出すおそれがある。全車両、飛散防止用プロテクタを追加する。トヨタ 「プリウス」「プリウスPHV」 レクサス 「CT200h」(計3車種) (製作期間の全体の範囲)平成21年3月23日~平成24年4月27日(計743,080 台)
2018年10月05日電気装置(パワーマネジメントコントロールコンピュータ)ハイブリッドシステムにおいて、異常判定時の制御プログラムが不適切なため、急加速時等の高負荷走行中に昇圧回路の素子が損傷した場合に、フェールセーフモードに移行すべきところ、移行できないことがある。そのため、警告灯が点灯し、ハイブリッドシステムが停止して、走行不能となるおそれがある。全車両、異常判定時の制御プログラムを対策仕様に修正する。当該制御プログラム修正後に素子が損傷して警告灯が点灯した場合は、電力変換器のモジュールを無償交換する。トヨタ「プリウス」 「プリウス α」 ダイハツ「メビウス」(計3車種)(製作期間の全体の範囲)平成21年3月23日~平成26年11月12日(計1,249,662台)
プリウスα2015年07月16日電気装置(パワーマネジメントコントロールコンピュータ、モータ・ジェネレータコントロールコンピュータ)基準不適合状態にあると認める構造、装置又は性能の状況及びその原因 ハイブリッドシステムにおいて、制御ソフトが不適切なため、電力変換器(DC-ACインバータ)の昇圧回路用素子が熱応力で損傷することがある。そのため、警告灯が点灯しフェールセーフのモータ走行となり、素子損傷時に電気ノイズが発生した場合には、ハイブリッドシステムが停止し、走行不能となるおそれがある。全車両、制御ソフトを対策仕様に修正する。制御ソフト修正後に素子が損傷して警告灯が点灯した場合は、電力変換器のモジュールを無償交換する。トヨタ 「プリウス α」 ダイハツ 「メビウス」(計2車種)(製作期間の全体の範囲)平成23年2月4日~平成26年11月12日(計342,401台) ※メビウスはプリウスαのOEM車種
2021年06月02日電気装置(DC-ACインバータ)ハイブリッドシステムにおいて、電力変換モジュール制御基板の電気ノイズ耐性不足により、高電圧回路の電圧変動で発生する電気ノイズを電源制御回路が異常と誤検知し瞬間的に停止する場合がある。そのため、電源電圧が一瞬低下して、エンジン警告灯の点灯とともに、一時的な動力損失が発生するおそれがある。全車両、電力変換モジュールを点検し、対象となるものは対策品に交換する。プリウスα 他9車種(製作期間の全体の範囲)令和2年11月27日~令和3年4月14日(計24,162台)
プリウスPHV2017年11月16日電気装置(EVヒューズ)プラグインハイブリッド車の駆動用バッテリにおいて、ハイブリッドシステム保護用ヒューズ(EVヒューズ)の容量が不適切なため、高負荷運転を繰り返すと当該ヒューズが疲労断線することがある。そのため、警告灯が点灯し、最悪の場合、ハイブリッドシステムが停止して走行不能となるおそれがある。全車両、EVヒューズを対策品と交換する。トヨタ「プリウスPHV」(計1車種)(製作期間の全体の範囲)平成23年11月18日~平成27年1月8日(計20,442台)
30プリウス、プリウスPHV、プリウスα2016年06月30日燃料装置(燃料蒸発ガス排出抑制装置)基準不適合状態にあると認める構造、装置又は性能の状況及びその原因 燃料蒸発ガス排出抑制装置において、蒸発ガス通路(樹脂製)の端部形状が不適切なため、使用過程で当該端部に亀裂が発生することがある。そのため、長期間使用を続けると亀裂が貫通し、満タン時に燃料が漏れて、燃料臭がするおそれがある。全車両、燃料蒸発ガス排出抑制装置を対策品と交換する。トヨタ「プリウス」「プリウスPHV」「プリウスα」「SAI」 レクサス「CT200h」「HS250h」 ダイハツ「メビウス」(計7車種)(製作期間の全体の範囲)平成21年3月23日~平成27年2月24日(計1,552,509台)
50プリウス2016年03月25日マフラーカッター(モデリスタ仕様)販売店装着オプション商品のマフラーカッターにおいて、2本出し筒管を固定しているステーの溶接強度が不足しているため、走行時の振動などにより当該ステーの溶接部が破断するものがある。そのため、そのまま使用を続けると、最悪の場合、マフラーカッターの一部が脱落し、他の交通の妨げとなるおそれがある。改善品のマフラーカッターに交換する。なお、改善品の供給に時間を要することから、暫定措置として、マフラーカッターを取り外す。マフラーカッター(2WD)トヨタ プリウス DAA-ZVW51 DAA-ZVW50 マフラーカッター(4WD)トヨタ プリウス DAA-ZVW55 出荷時期:平成27年12月1日~平成28年3月8日 合計:587個
2016年10月13日制動装置(駐車ブレーキ)駐車ブレーキにおいて、パーキングケーブルの固定方法が不適切なため、車両振動によりケーブルが作動レバーから外れ、駐車ブレーキが作動できなくなるおそれがある。全車両、パーキングケーブルのダストブーツ先端部にクリップを追加する。 ■識別 改善済車両には車台番号打刻位置の左側に黄色ペイントを塗布する。[型式]DAA-ZVW50 DAA-ZVW51 DAA-ZVW55 [車台番号] ZVW50-6000001 ~ ZVW50-6062465 ZVW50-8000001 ~ ZVW50-8039171 ZVW51-6000001 ~ ZVW51-6045314 ZVW51-8000001 ~ ZVW51-8028093 ZVW55-8000001 ~ ZVW55-8037580 輸入/製作期間:2015年10月26日~2016年10月3日 対象台数:212,490台
2017年10月18日ハイブリッドシステムの電圧変換器(インバータ)ハイブリッドシステムの電圧変換器(インバータ)において、製造工程での異常処置が不適切なため、コンデンサが電圧変換器本体にボルト締結されず、端子のみで支持されているものがある。そのため、走行振動により端子が折損して警告灯が点灯し、最悪の場合、走行不能となるおそれがある。全車両、電圧変換器を良品と交換します。[型式]プリウスDAA-ZVW50 DAA-ZVW51 DAA-ZVW55 C-HR DAA-ZYX10 [車台番号] ZVW50-8001147~ZVW50-8029877 ZVW51-8000044~ZVW51-8024523 ZVW55-8000308~ZVW55-8025471 ZYX10-2035849 製作期間:平成27年12月8日~平成29年4月4日 対象台数:20台
2018年02月01日電気装置(エアバッグセンサ)エアバッグ制御システムにおいて、①加速度センサまたは②圧力センサ内 ICチップの製造条件が不適切なため、IC内部で断線することがある。そのため、エアバッグ警告灯が点灯し、エアバッグが正常に作動できないおそれがある。全車両、各センサの製造番号を点検し、該当する場合は良品と交換する。プリウスほか12車種 製作期間の全体の範囲)平成27年5月20日~平成28年1月7日(計91,210台)
2019年07月25日制動装置(ブレーキブースタポンプ)電子制御式油圧ブレーキのブレーキブースタポンプにおいて、ポンプモータの構成部品である樹脂製ブラシホルダの成形型が不適切なため、ブラシとの隙間が小さく、ポンプ作動時に当該ホルダが熱膨張してブラシが引っ掛かり、ポンプモータが導通不良となるものがある。そのため、ポンプモータが作動せず警告灯が点灯し、最悪の場合、倍力作用が損なわれて制動停止距離が伸びるおそれがある。全車両、ブレーキブースタポンプを点検し、該当するものは良品と交換する。プリウス、プリウスPHV 他11車種(製作期間の全体の範囲)平成31年4月26日~令和元年6月4日(計22,431台)
2019年12月12日電気装置(コンビネーションメータ)コンビネーションメータにおいて、メータ基板を構成する素子の生産設備の管理が不適切なため、当該素子内部に亀裂が生じているものがある。そのため、使用過程で素子内部の回路が短絡し、速度計や走行距離計等が表示されなくなるおそれがある。全車両、メータ基板の素子の製造番号を点検し、該当する場合はメータ基板を良品と交換する。「プリウス」(計1 車種)(製作期間の全体の範囲)令和元年7月9日~令和元年7月31日(計7,087 台)
2021年07月08日その他(衝突回避支援システム)衝突回避支援システム(プリクラッシュセーフティシステム)において、プリクラッシュブレーキアシスト制御プログラムが不適切なため、前方に衝突の可能性がある車両を検知した際、警報および警告表示は正常に作動するが、運転者のブレーキ踏力が弱いと、ブレーキアシスト作動が遅れる場合がある。全車両、プリクラッシュブレーキアシスト制御プログラムを対策仕様に修正する。トヨタ「プリウス」(計1車種)(製作期間の全体の範囲)令和2年6月17日~令和3年6月1日(計40,941台)
30プリウス、50プリウス、プリウスα、プリウスPHV2020年01月30日座席ベルト(シートベルトバックル)運転者席シートベルトの非装着時警報装置において、バックル内の警報スイッチ接点の組付けが不適切なため、シートベルト脱着の繰返しにより接点が異常摩耗して、接点間に摩耗粉が堆積することがある。そのため、接点間が短絡し、シートベルトを正しく装着した場合でも警報が解除されないおそれがある。全車両、バックルを点検し、該当する場合はバックル内の警報スイッチまたはバックルを良品と交換する。トヨタ「プリウス」「プリウスPHV」「プリウスα」 ダイハツ「メビウス」(計4 車種)(製作期間の全体の範囲)平成2 6年10月14日~令和元年7月29日(計418,929 台)
50プリウス、プリウスPHV2018年09月06日電気装置(エンジンワイヤハーネス)エンジンルーム内の電気配線において、組付ばらつきの検討が不足していたため、当該配線が保護カバーのない箇所で周辺部品と干渉しているものがある。そのため、走行時の振動により当該配線の被覆が損傷して、配線同士が短絡、発熱し、焼損することがあり、最悪の場合、車両火災に至るおそれがある。全車両、当該配線を点検し、被覆に損傷がないものは保護材を追加する。また、被覆が損傷しているものは保護材を追加した新品と交換する。「プリウス」 「プリウスPHV」 「C-HR」(計3 車種)(製作期間の全体の範囲)平成27年10月26日~平成30年5月16日(計553,870台)

プリウスでのリコールはこれまで合計で21件に登りますが、各世代で見てみると次のようになります。(一部重複あり)

  • 20プリウス(モデル期間:2003年9月〜2009年4月):2件
  • 30プリウス(モデル期間:2009年5月〜2015年11月):11件 ※プリウスα、プリウスPHVも含む
  • 50プリウス(2015年12月~現行モデル):9件 ※プリウスPHVも含む

プリウスはそれぞれのモデルでおよそ6年間のモデル期間がありますが、初代の10プリウスではリコールはなく、2代目の20プリウスでも6年間で2件のみとなっています。

しかし3代目 30プリウス、4台目 40プリウスになると途端にリコール件数が増大しており、それぞれ10件程度のリコールが発生しています。

リコール件数、台数の増加

プリウスはこれまでの20年間超でリコール件数が増加傾向にあるのは表を見ると分かるのですが、これはプリウスだけでなく国内の他のメーカーの車を含めて全体的に増加傾向にあります。

初代プリウスが発売された1997年当時では国産車のリコール件数はすべてのメーカーで42件となっており、その対象台数も2,350,000台となっています。

これに対して令和元年となる2019年当時にはリコール件数229件、対象台数9,880,000台まで膨らんでおり国産車のリコールは拡大傾向にあることがわかります。

また過去一番でリコールの台数が多かったのは2015年で、リコール件数232件、対象台数は18,640,000台にも登る年もあったのです。

参考 各年度のリコール届出件数及び対象台数自動車のリコール・不具合情報

ここまで件数が増えている背景にはいくつかの理由がありますが、最近の車種はコスト削減のための複数の車種で部品やシステムなどを共用する率が増えてきており、1件のリコールで対象車種や台数が一気に拡大する背景があります。

またいくつかの非常に重大なリコールが起こったことも近年のリコール件数の増加に拍車をかけており、市場での不具合や事故件数が少ない状態でも予防的なリコールを行うメーカーが増えてきたことも原因の一つです。

しかしその中でプリウスはその生産台数の多さからリコールの対象となることも多く、2018年にはその年のリコール件数の中で最もリコールが多い車種がプリウスとなっています。

プリウスは国産車としてみると確かに非常に台数の多い車種ですが、リコールの発生件数としてもプリウスは割合が多いと言えるでしょう。

リコールの中身を見てみても普通の車種にあるステアリングなどの不具合の他にハイブリッドカー特有のハイブリッドシステムのリコールがあり、複雑な構造からハイブリッドカーの代表的な車種であるプリウスにリコールが多いことはあるでしょう。

プリウスのリコール問題

プリウスには過去さまざまな内容のリコール届け出がありますが、その中でも非常に重要なリコールが過去にありましたのでご紹介します。

北米での大規模リコール問題

プリウスのリコールでもっとも有名でなおかつ世界的に問題となったのが、2009年〜2010年に北米を発端として起こったプリウスのアクセルペダルの問題です。

ポイント

事の発端は2007年頃に北米市場で走行していたトヨタのピックアップトラック「タンドラ」でアクセルペダルの戻りが悪いとの苦情が入ったのですが、トヨタは安全性に問題はないとして改善は行いませんでした。

しかし2007年〜2009年にかけて北米のトヨタ車でアクセルの誤作動による車の急発進が増加するようになり、それが原因となった死亡事故なども発生し一気に社会問題化しました。

当初トヨタはこの問題は誤操作が原因で不具合ではないとしていましたが、途中でフロアマットが一部の原因としてフロアマットの改修を自己改修という形で北米でリコールを行いました。

しかしこれでは問題は収束せず、さまざまな集団訴訟や米国の当局による指導などを経て、最終的に北米では2009年〜2010年にかけてアクセルペダルの改修を行うリコールが届け出されました。

この改修の対象車種は全世界で7,000,000台〜10,000,000台にも登る超大規模のリコールへと発展し、その中には海外市場で販売されているプリウスも含まれています。

ですが日本向けのプリウスに関してはこのリコール対象にはなっておらず、右ハンドルと左ハンドルでの構造の違いからアクセルペダルの改修はされていません。

MEMO

一方でほぼ同時期に国内と海外ではプリウスのブレーキ関連の不具合が複数発生しており、それが原因かは不明ですがプリウスが原因である玉突き死亡事故が2009年に起こっていてトヨタへの不信感が積もっていました。

アクセルペダルに関しては国内のプリウスにリコールは来ませんでしたが、ブレーキの不具合に関しては当初のトヨタの対応が後手後手だったこともあり国土交通省なども調査に乗り出す事態となりました。

最終的にトヨタはプリウスを初めとする複数車種でブレーキのABS関連のリコールを発表し、200,000台を超える台数のリコールへと発展しました。(前述の表の 30プリウス:制動装置(ABS制御コンピュータ)の内容)

これら一連のリコール問題に対してトヨタは社長自らが謝罪会見を行ったり、米下院の公聴会に招致されるなど騒動が収まるまでかなりの時間を要することとなり、全世界でトヨタの信頼を失墜させる大問題になっています。

タカタ製エアバッグ問題

このリコール案件はトヨタ プリウスだけに限られたリコールではなく全世界のさまざまなメーカーに派生した非常に重大なリコール案件で、世界的にも例のない自動車関連リコールとして現在も完全解決に至っていません。

タカタは日本のシートベルトやチャイルドシート、エアバッグなどを手がけるメーカーで、その中でエアバッグが同社の最大の売上高を占めていました。

またタカタ製エアバッグはトヨタだけでなくホンダや日産など日本メーカーだけでなく、メルセデス・ベンツ、BMW、GMなどの世界中のメーカーに採用されており、自動車用のエアバッグ市場では世界2位のシェアを持っているメーカーでした。

そんなタカタ製のエアバッグですが、2008年頃から米国やマレーシアで事故の際にエアバッグから金属片が飛散して乗員が死亡する事故が発生しており、タカタ製エアバッグへの不信感が一気に高まりました。

タカタは事故が起こった当初リコールを表明(実際にリコールを届け出るのは自動車メーカー)したものの、その対象は事故が起こった地域限定の現象だとして大規模なリコールを行いませんでした。

しかし次第にタカタ製エアバッグの持つ設計段階の不具合やエアバッグを発火させる火薬の不具合等が明らかになり、タカタ製のエアバッグを搭載している車種には何らかの改修が必要との見方が世界中で起こり、最終的には全世界で1億台以上の車の改修が必要な超大規模のリコールに発展しています。

プリウスに対しても2016年6月にタカタ製エアバッグへのリコールが届け出され、その後もエアバッグ関連のリコールは何件か起こっています。

ですがこのリコール案件ではその対象車種が全世界であまりにも多すぎることで、無償修理をするにしてもその改修部品の製造が追いつかなかったり改修をするディーラーの手が足りないなどの事態に発展し、日本国内では特にプリウスの台数が多かったためその改修が完了するまでかなりの期間がかかっています。

またこの問題でタカタ製エアバッグへの信頼性は地に落ちたため各自動車メーカーは採用をやめており、リコール以降のプリウスでは同様の問題は基本的に発生しないでしょう。

なおこの問題でタカタは改修費用や各メーカーからの受注の減少などで最終的な負債額が1兆円にも登るほどの損害を受け、戦後最大の負債額から2017年に民事再生法の適用を申請しています。

プリウスのリコール隠しはあったのか?

さて過去のプリウスのリコールの中でトヨタ自身が大きな問題を抱えていたのは前述のアクセルペダルなどの問題で、その影響の大きさから「トヨタのリコール隠し」なども当初から指摘されていました。

リコール隠しは自動車メーカーが不具合を自ら認識しながらリコールや改善を行ってこなかったことで、重大な不具合があるにもかかわらず放置されてきたことを指します。

トヨタは過去にリコール放置で国土交通省から業務改善支持を受けたことや、近年ではリコールではありませんが車検の不正なども発覚する事例もあり、国内最大のメーカーであるトヨタといえどこういった問題と無縁ではありません。

プリウスの2009年〜2010年のリコール問題では、当初別の車種などでのアクセル不具合に対してドライバーの操作ミスであるなどと言われたことで、後のリコールの際にトヨタのリコール隠しではないかという指摘もかなり多いものでした。

その背景にはリコール技術の技術的な問題の他に、トヨタバッシングと呼ばれる別方面からの圧力や、テレビや新聞、ニュースなどでの苛烈な報道などから賛否両論が沸き起こっていたことがあり、中には嘘の再現実験を行ってリコール隠しを批判するなどの捏造まで起こりました。

また米国では米国運輸省からトヨタに対してこの問題のリコール遅れに対する民事制裁金なども課されており、それに伴ってトヨタを相手取ったさまざまな民間からの民事訴訟も起こりました。

ですが最終的にはトヨタと米国運輸省の間で合意が結ばれており、明確にリコール隠しがあったわけではなく報告の遅れなどが問題として民事制裁金の支払いで終結しました。

その後2010年10月にトヨタはこの件のリコール改修を完了し、約5,000,000台近い車の改修が行われその中にプリウスも相当数含まれています。

また2011年に米国運輸省による最終報告ではトヨタ車の構造的欠陥は発見されず、ペダルとフロアマットの欠陥による問題は確認されたものの、事故のほとんどが運転手のミスによるものだと結論づけています。

以上よりこの問題においてトヨタに明確なリコール隠しの事実はなく、事故が起きた当初に対応に遅れが生じたのが直接的な問題と言えるでしょう。

プリウスは欠陥車なのか?

プリウスはここまで見てきたように国内車では比較的リコール件数の多い車種になってはいるのですが、欠陥車かといえばまた違います。

ポイント

車のリコールは設計段階で想定できなかった車の使い方や耐久性のなさなどが原因で起こることが多く、実際プリウスでもリコールの内容はそういった点が多いです。

しかしリコールはこういった不具合がいくつか発生した時点で予防的に行うのが一般的であり、すべてのプリウスで一斉に故障が起こるような事態はまずありません。

実際プリウスは車自体の信頼性の高さには定評があり、J・Dパワー車が実施している耐久品質調査という調査においても、米国でトップを獲得するなど故障は非常に少ない車となっています。

リコール件数の多かった2017年ごろでこの結果であれば、プリウスの車自体の信頼性は十分と言えるでしょう。

参考 2017 Dependability Awards and RatingsJ.D. Power

リコールは重大な事故につながる不具合の改善のために行うものですが、それが即故障や事故につながるわけではありません。

そのため実際的にはプリウスは十分故障が少なく耐久性もある車であり、欠陥車という評価は当てはまらないものでしょう。