私たちが車を買う時にお世話になっている中古車販売店ですが、中古車を売ることでどのぐらい儲かるのかって、あんまり考えたことがありませんよね。
今回は中古車屋さんの商売の内情についてご説明します。
中古車の販売利益はどのくらいか
中古車販売店は主に中古車を売ることで利益を出す商売ですが、中古車を売ることでどのぐらいの利益が出ているのでしょうか?
まずは中古車販売店がどのような流れで中古車を販売しているかを見ていきましょう。
中古車の売買経路
中古車の売買には主に仕入れと販売に分かれますが、中古車販売店は仕入れや販売を一般のお客さん相手にだけ行っているわけではありません。
中古車販売店が車を仕入れる場合、一般のお客さんから買い取る以外にもオートオークションと呼ばれる業者間のオークションが存在します。
このオークションは登録制で業者しか参加できませんが、日本全国の中古車販売店が参加しており、活発な車の取引が行われています。
中古車販売店が中古車を仕入れるのはこのオークションが主となっており、その地域の売れ行きやお客さんからの要望などによって中古車を買っています。
また中古車販売店がフランチャイズなどのネットワークに参加している場合には、そのネットワークの系列店からも車を仕入れます。
どんな小さな規模の中古車屋でも、一般客から買い取った車だけで商売をしているわけではないのです。
中古車の販売価格の内訳
中古車の販売価格には、前述の仕入れ価格をベースとして、店側の利益分が加算されています。
中古車の利益率
店側の利益率は車種にもよりますが、おおむね10%~20%が相場となっており、車両販売価格から利益の金額はおおむね推定できます。
ただし10%~20%なのは普通車の場合で、軽自動車の場合には5%~10%と結構低くなります。
例えば2,000,000円の販売価格の場合には、普通車の場合で200,000円~400,000円が利益分、軽自動車の場合には100,000円~200,000円、となるわけです。
中古車販売の諸経費
中古車販売には仕入れ以外にもいろいろな諸経費が必要で、例えば以下のようなものが毎月かかります。
- 店舗の運営費
- 在庫管理費
- 人件費
- オートオークションの参加費用
この諸経費は中古車販売の利益で主にまかなうのですが、1台当たりの金額が決まっているわけではなく、店として毎月かかる諸経費の何割かが1台の車の販売利益でまかなわれているわけです。
中古車店の運営に必要な経費と、中古車販売の利益についてはのちほど詳しくご説明します。
これから車の購入を考えているなら、値引き交渉の正しいやり方を覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!そのほかの中古車販売店の利益
中古車販売店は車を売って利益を得るのが主な収入ですが、それ以外に収入を得られるのが整備費用や各種代行費用などです。
中古車を購入する際には整備、登録や税金などで経費が必要なのですが、それに関わる次のような項目は店側としても大事な収入です。
諸経費からの収入 | 金額相場 |
整備・修理作業料 | 15,000円~30,000円 |
登録代行費用 | 10,000円~15,000円 |
納車費用 | 10,000円~15,000円 |
※中古車の手続きについては以下の記事で詳しく解説しています。こちらも参考にしてみてください。
中古車購入時の手続きでやること7つ!これで事前準備はOK!!また中古車のアフターサービスからの収入も大事で、車検や定期点検整備などからも収入が入ります。
費用項目 | 金額相場 |
車検費用 | 15,000円~30,000円 |
定期点検 | 15,000円~20,000円 |
※車検や定期点検については以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご参照ください。
中古車の「法定整備」とは?費用はいくら?車検との違いも解説!これらは中古車値段で左右される中古車販売益と違って、定期的かつ継続的に収入につながりますので非常に大事な項目です。
これらと中古車の販売益をあわせたものが、中古車販売店の利益と言えます。
車の買い取り価格は販売価格とどれぐらい違うのか
中古車店は車の買取も行っていますが、販売価格に対してどのぐらいの差があるのでしょうか?
中古車販売価格には前述したとおり店側の利益分と諸経費分が含まれており、それを除外した金額が買い取り価格ということです。
例えば販売価格1,500,000円の車の場合、利益率20%とすると300,000円を引いた1,200,000円が買い取り価格です。
しかし実際には税金やオークションの利用料などの経費で100,000円~2,000,000円程度かかっていますので、結局1,000,000円ぐらいが実際の買い取り価格と言えるでしょう。
ちなみに車の買取価格は以下のような要素で決まります。あわせて目を通してみてください。
中古車販売店は儲けられてるのか
前述の例では1,500,000円ぐらいの車を1台売って200,000円~300,000円の利益が出ると聞くと結構な儲けだと思ってしまうかもしれませんが、実際には中古車販売業が楽だとは言えないのです。
20台~30台の在庫を抱えている中古車店の場合以下のような費用がかかり、概算でも月々の運営資金は1,000,000円~1,500,000円が必要となります。
- 家賃
- 人件費
- 光熱費
- オートオークションの参加費用
- 広告費
- 各種税金
先ほどの車で1台300,000円の利益が出たとしても、毎月4台~5台の車を売らないと店の純利益は出ないことになります。
小規模なお店で毎月在庫の1/4を売ることになるので、結構な販売努力が必要となるでしょう。
店舗面積が大きく車の在庫の多い大規模店では、中古車の販売のほかにオートオークションでの販売利益もでますので、収入は増えます。
しかし人件費などの経費もかさみますし、在庫が増えることはそれだけで経営を圧迫します。
また仕入れた車が全て売り物になればよいですが、中には事故車や故障のある車もありますので、結局仕入れてみなければ売り物になるかわかりません。
事故車は以下の記事で解説しているようにデメリットがあるので、買う需要もそれほど高くありません。
そんなに悪い?!中古車の事故車を買うことの4つのデメリット!すぐ売り物にならなければ在庫が増えてしまい、在庫整理のため少ない利益で販売することにもなりますので、中古車販売には結構リスクを伴うのです。
私たち購入者としては少しでも値段が安いほうが有難いわけですが、中古車店も少ない利益の中でギリギリ運営していることが多いですので、あまり無理な値切りはできないでしょう。
多少なりとも値引きしてくれるのは、お店側の最大限の譲歩というわけです。値引きについては以下の記事でも掘り下げているので、あわせてご覧ください。
最大限界でどのくらい可能?中古車の値引きの相場・目安はいくらなのか解説!