「LXを買おうと思ってるんだけど、ちょっと迷ってるんだよね」
「LXの長所と短所について、評価がどうなってるかくわしく知りたい!」
車を購入するとき、長所と短所をよく調べてから購入したいですよね。
購入後に致命的な欠点に気づくと、ショックはかなり大きいです。
レクサス・LXにはどんな長所があって、どんな短所があるんでしょうか?
実際に試乗してきた経験から、LXの魅力と欠点について、写真つきで辛口評価・レビューします。
なお試乗はレクサスミーツで無料で行いました。レクサスミーツについては以下の記事で紹介しているので、興味のある方はこちらもあわせてご参照ください。
レクサス体験型施設/レクサスミーツのレポート!試乗可能車種や予約方法、かかる時間まで解説!レクサスLXの魅力・長所
それではまず、魅力・長所の解説です。
外装はゴツいけどかっこいい
LXの外装は、ひと言でいえばゴツい。目の前に立つと、その巨大な車体に圧倒されます。
かっこいい系か可愛い系かでいうと完全にかっこいい系ですね。男性向けの印象を受けますが、女性が乗り回していたらそれはそれでかっこいいです。
ボディーカラーは7色から選べます。写真に写っているのはスターライトブラックガラスフレークで、ゴツゴツした印象のLXによく似合っていますね。
7色のなかにはディープブルーマイカという青系のカラーも用意されていますが、それ以外は白・黒・グレー系の暗いカラーです。個人的には青系よりも写真のような黒系が映える車種だと思います。
車内空間が広い
大きいだけあってLXの車内は広く、運転席にすわってみると、頭から天井までのスペースにはこれだけの余裕があります。
腕からドアまでの距離にも狭さはまったく感じません。
シートの背もたれがやわらかく、非常にすわり心地のいい運転席ですね。
後部座席もとても広く、大人3人でも余裕ですわれるだけの幅があります。
LXには8人乗り仕様と5人乗り仕様があり、定員いっぱい乗る場合はどちらにしてもセカンドシートに3人乗ることになりますが、充分乗れる広さです。
足元も広く、運転席の位置を身長177cmの私にちょうどいい位置にした状態でも、ヒザが前のシートにぶつかっていません。頭から天井までのスペースにも、これだけ余裕があります。
幅が大きいので、車中泊する場合は前部座席に大人2人寝て、後部座席に大人1人であれば横になって寝ることが可能です。
子育てに使う場合は子ども3人乗ってもスペースが有り余るでしょう。8人乗り仕様ならさらにもう3人乗せられます。ある程度大きくなって友達を乗せることになっても、LXならバッチリですね。
なお実際に試乗もしており感想は以下の記事でまとめているので、詳しく知りたい方はこちらもご参照ください。
レクサスLXの試乗レビュー!乗り心地の感想・インプレッション!高級車ならではの内装
つぎは、LXの内装について解説します。
ハンドルのさわり心地がすごく良い
LXはハンドルのさわり心地が良いです。暗くてわかりにくいですが、上部と下部に本木目が使用されており、つるつるしていて気持ちいい。
高級車ならではのさわり心地ですね。
ヒジ掛けの下がクーラーボックスになっている
センターコンソール(運転席と助手席を隔てる部分)のヒジ掛けを開けると、なかはクーラーボックスになっています。
前部座席のエアコンと連動した機能になっていて、クーラーボックスの電源をオンにすると、前部座席のエアコンもオンになります。容量は、500mlのペットボトルを6本並べて入れられる程度です。
長時間移動ではのどが渇いてもコンビニがなかなか見つからないこともありますから、飲み物を冷蔵保存しておけるのは嬉しいですね。
メーターがアナログでかっこいい
LXのメーターは、アナログメーターです。個人的にデジタルメーターがあまりかっこいいと思えないので、アナログなのは魅力・長所のひとつに数えます。
まんなかのマルチインフォメーションディスプレイも違和感なく、かっこいいですね。
オーディオ操作パネルが後部座席に2つついている
LXの後部座席には、オーディオの操作パネルが2つついています。ラジオの選局やCDの選曲が、後部座席の乗客にも自由にできるようになっているんです。
大人数でのドライブが楽しくなる、高級車ならではの機能ですね。
サードシートはスイッチひとつで折りたたんで荷室として使える
LXの8人乗り仕様モデルは、サードシートを折りたたむことでサードシート部分も荷室として使えます。
折りたたみは手動ではなく、なんと荷室内のスイッチを押すことで自動的に行われるんです。
ふつうの車はシートアレンジするときは手動で行うものがほとんどですが、さすが高級車ですね。
なお内装については以下の記事でさらに詳しく紹介しています。詳細まで知りたい方はこちらもあわせてご参照ください。
【画像/写真】レクサスLXの内装/インテリア!運転席周りや後部座席から荷室/トランクまで紹介!アイドリングストップ機能がついていない
LXには、アイドリングストップ機能はついていません。
アイドリングストップ機能とは、ブレーキを踏んで停車した際にエンジンが自動的に停止し、ブレーキを離すと再始動する機能です。
発進時の違和感がすごいので、この機能がついていないことは大きな魅力・長所のひとつです。
G-Linkの7つのサービスが利用できる
LXを新車もしくは認定中古車で購入した場合は、G-Linkというサービスが利用できます。具体的には以下のサービスです。
- エージェント(音声対話サービス)
- G-Security
- レクサス緊急サポート24
- ヘルプネット
- リモートメンテナンスサービス
- マップオンデマンド
- Gルート探索
それぞれの内容について解説していきます。
エージェント(音声対話サービス)
エージェント(音声対話サービス)とは、音声認識スイッチを押してカーナビに向かって話すことで、希望に合った目的地候補を挙げてくれるシステムです。
たとえば「お腹がすいた」といえば、近場の飲食店を複数、目的地候補として挙げてくれます。
「駐車場がある」や「いま営業時間中」といった細かい条件にも対応でき、挙げられた候補のなかからえらんでカーナビに話すと、自動で目的地設定されます。
このようなキーワード検索以外にも、施設名検索や電話番号検索も可能です。
G-Security
G-Securityとは、ドアロックやハザードランプの消し忘れをメールで通知してくれたり、車上荒らしに遭った場合にメールや電話で知らせてくれる機能です(※事前にメールアドレス登録が必要)。
盗難に遭った車の位置追跡をして、エンジン停止を確認し次第、警備員を現場に派遣することもできます。
レクサス緊急サポート24
レクサス緊急サポート24とは、路上で車が動かなくなってしまった場合に、音声通話で本来の目的地への交通手段を提案したり、近隣ホテルの手配をしてくれるサービスです。
目的地への交通費や近隣ホテルへの宿泊費用は、一定の条件でレクサスが負担してくれます。
条件の内容についてはレクサス緊急サポート24利用規約に書いてありますが、交通費は50,000円まで、宿泊費は30,000円までが上限です。
参考 レクサス緊急サポート24利用規約レクサスオーナーズサイトロードサービスもついており、自走不能になった車両は最寄りのレクサス販売店までレッカー移動されます。
ヘルプネット
ヘルプネットとは、事故や急病といった緊急時に車内のスイッチを押すことで、ヘルプネットセンターに電話がつながり、警察や消防に通報してくれるサービスです。
先ほど解説したレクサス緊急サポート24は車のトラブルに対するサービスで、ヘルプネットは身体のトラブルに対するサービスです。
スイッチを押さなくても、車のエアバッグが作動した場合は自動的にヘルプネットに接続されます。
リモートメンテナンスサービス
リモートメンテナンスサービスとは、定期点検の時期が近づいたときに連絡してくれるサービスです。
忙しくて点検の時期を忘れてしまっていても、通知してくれることでいつでもベストコンディションの車に乗れます。
マップオンデマンド
マップオンデマンドとは、エンジンをかけてボタンを押すだけで、カーナビの地図を最新の地図に更新してくれるサービスです。
つねに最新の地図でドライブすることで、目的地まで最短経路で到着できます。
Gルート探索
Gルート探索とは、カーナビで設定した目的地までのルートを、渋滞状況を考慮してえらんでくれるサービスです。
移動中もつねに探索し続けて更新するので、時間の経過によって交通状況が変わった場合、それを考慮して新しいルートに再設定されます。
7つのサービスについて紹介してきましたが、G-Linkは新車なら登録から3年間、認定中古車なら購入から2年間無料で利用可能です。
無料期間を過ぎると、年会費17,000円で加入できます。認定中古車以外の中古車で加入したい場合は、年会費と契約事務手数料8,000円を合わせた計25,000円で1年契約が可能です。
なお認定中古車については以下の記事で詳細を解説しているので、ご存知ない方はこちらもあわせてご参照ください。
実は違いが大きい?レクサスの認定中古車の5つのメリットと1つのデメリット!安全機能としてLexus Safety System +がついている
LXには安全機能として、Lexus Safety System +がついています。具体的には以下の機能です。
- プリクラッシュセーフティ
- レーンディパーチャーアラート
- アダプティブハイビームシステム
- レーダークルーズコントロール
プリクラッシュセーフティとは、前方の車両や歩行者・自転車を検知して、衝突しそうになったときに自動的にブレーキが作動する機能です。衝突前にブレーキを踏めた場合は、強力なブレーキアシストが作動します。
レーンディパーチャーアラートとは、車線をはみ出してしまいそうなときに警告を鳴らしたり、ステアリング操作を手伝ってくれる機能です。
アダプティブハイビームシステムとは、対向車のライトを検知して、対向車に当たる部分だけをロービームにする機能です。相手の視界を妨げずに自分の視界を確保できます。
レーダークルーズコントロールとは、先行車を検知して、適切な車間距離をたもちながら一定の速度で追従する機能です。
今回の試乗中には何度かレーンディパーチャーアラートが作動してしまいました。車体の大きなLXのために用意されたような機能ですね。
もしレクサスLXを買おうと考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!レクサスLXの欠点・短所
つづいて、LXの欠点・短所についての解説です。
床の位置が高いから乗り降りが大変
LXは車高が高いため、乗り降りが大変です。
右足から足元のステップを踏んで乗り込むんですが、身長177cmの私でもちょっと苦戦しました。背の低い女性だと、乗りにくく感じてしまう可能性が高いです。
こちらは後部座席に乗るところ。車高が高いということは床の位置が高く、脚を大きく上げて「よっこらせ」と乗り込みます。
先ほど「子育てに使う場合は子ども3人乗せてもスペースが有り余る」と書きましたが、小さい子どもが乗り降りするのは大変なので、ある程度大きくなってから購入したほうがいいでしょう。
走行性能が悪く、運転しにくい
ここからは、LXに試乗してみてわかった、運転のしにくさについて解説します。
車体が大きすぎる
LXの車体は巨大です。具体的には以下のサイズになっています。
- 全長5,080mm
- 全幅1,980mm
- 全高1,910mm
とくに幅は、片側2車線~4車線の太めの道路を走ってみたところ、車線をはみ出してしまうことが何回もありました。この車で細い道を通るのは困難ですね。
長さは前に向かって長く、駐車場から出庫するときに開閉式のバーにぶつかるスレスレでした。ミニバンに乗っていた経験もあるので大きめの車の運転には慣れているんですが、こんなことは初めてです。
高さも、駐車場によっては高さ制限に引っかかるレベルで高い。ただ、運転しているときは幅の大きさにとにかく意識を持っていかれるので、高さはそこまで気になりません。
街中で乗るには大きすぎる車体が、LXの欠点・短所のひとつです。
加速が遅いせいで乗り心地が重い
LXは加速がかなり遅いです。エコモードとコンフォートモードは体感ではまったく変わらず、スポーツモードとスポーツ+モードを試したところ、「多少速くなったかも」程度の変化でした。
車体が大きいからか、運転していてすごく「重い」。ステアリングも重いです。交通量の多い道路で路上駐車して再出発するときは、加速の重さと合わさって怖い思いをしました。
エンジン音はすごいけど悪路を走ると静粛性を発揮する
エンジン音と振動がかなりあり、静粛性とは正反対の車でした。アクセルを踏むとすごい音がして、それなのに加速が悪くてあまり進まないので、余計に遅く感じます。
ただ、でこぼこ道を走行したときに伝わってくる振動は、足元がぶるぶる震えて気持ちいい程度にしか感じませんでした。
やはりSUVなだけあって、都会の街中で乗るよりも、そういう悪路を走行するときにこそ本領発揮するのかもしれません。
なお実際に試乗もしており感想は以下の記事でまとめているので、詳しく知りたい方はこちらもご参照ください。
レクサスLXの試乗レビュー!乗り心地の感想・インプレッション!カーナビの操作スイッチが操作しにくい
LXのカーナビの操作は、画面に直接さわるのではなく、この写真に写っているMENUボタンの下の四角いスイッチでします。
前後左右にスライドさせて操作するんですが、これが性能の悪いマウスを操作しているような感覚で、思ったところになかなかカーソルが移動してくれません。
ようやくカーソルを合わせると、今度はこのスイッチを押すことで決定ボタンの役割を果たします。
「押したつもりがスライドしてしまって、またカーソルがズレる」という事態になり、じれったいです。
なお内装については以下の記事でさらに詳しく紹介しています。詳細まで知りたい方はこちらもあわせてご参照ください。
【画像/写真】レクサスLXの内装/インテリア!運転席周りや後部座席から荷室/トランクまで紹介!燃費が悪い
LXは、燃費がかなり悪いです。メーカー発表で6.5km/lで、1時間程度の試乗をしたときの実燃費は3.7km/lでした。
これはお世辞にも低燃費とはいえない数値ですね。ハイブリッドモデルも用意されていないので、LXの燃費はこれ以上良くはなりません。
燃費重視で車を購入するなら、LXは選ばないほうがいいです。
価格が高い
LXは11,150,000円と、価格が高いです。グレードはLX570の一種類のみで、5人乗り仕様と8人乗り仕様が選べます。
走行性能の悪さ・運転しにくさ・燃費の悪さと、どこを取ってもこの金額をはらって購入する価値はないような気がしますね。
試乗してみて「都会の街中で乗る車ではない」と思ったんですが、街中で乗れないならどこで乗るんでしょうか。
ちなみに中古車市場だと9,500,000円~11,400,000円程度で出回っています。新車とほとんど変わらない価格なので、いま購入するなら新車のほうが良さそうですね。
手を出しにくい価格設定も、LXの欠点・短所のひとつです。
なおレクサスの中古車については、以下の記事でも詳しく解説しています。興味のある方はこちらもご参照ください。
なぜこんなに安い?!レクサスの中古が安い6つの理由総評:街中で乗るには不便すぎる車
LXの長所・短所を見てきた総評をズバリいえば、「街中で乗るには不便すぎる車」。
パワーボム(著者)
極端に大きな車体は、狭い住宅街はもちろん、交通量の多い大通りを走るにしても、事故を起こす危険性が高いです。車体の大きさをカバーするような走行性能もなく、路上駐車からの再発進のときは出だしが遅くて怖い思いをしました。
大人数で移動することを目的にした車なのかと思ったら5人乗り仕様もあったりして、どの層をターゲットにしているのかイマイチわからないですね。
結論として、LXがおすすめできるひととできないひとは、以下のようなひとです。
- 街中ではなく山や砂利道を走るのが目的
- 車内空間の広い車に乗りたい
- ゴツい車が好き
- レクサスのアフターサービスを受けたい
- 小回りの利く車が欲しい
- 燃費の良さを最重要視する
- 加速の速い車がいい
- 静かで快適なドライブがしたい
4つずつ条件を挙げましたが、とくに重要なのは「おすすめできないひとの条件に1つも当てはまっていないこと」です。
1つでも当てはまっていると、購入後に後悔することになってしまうので注意してください。
ここまで書いてきましたが、11,500,000円という価格にはアフターサービス料金もふくまれていると思って、緊急用以外はバンバン利用するつもりで購入検討しましょう。
この記事を読んだことで、LXを購入するかどうかの判断材料のひとつになれることを願っています。
ほかのレクサスについては以下の記事で辛口レビューを書いているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
レクサスRXの辛口レビュー/評価!欠点・短所と魅力・長所をすべて暴露!レクサスLSの辛口レビュー/評価!欠点/短所と魅力/長所をすべて暴露!