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トレイルブレイザーは故障が多い?壊れやすいのか故障率をもとに解説!

シボレー トレイルブレイザーは米国最大手のGMがシボレーブランドで販売する中型SUVで、少ないながら日本にも輸入された歴史があります。

そんなトレイルブレイザーですが、やはり輸入車ということで故障が気になる車であり、購入前に故障率を知っておきたいところですいね。

今回はトレイルブレイザーの故障率についてご説明します。

トレイルブレイザーの故障率

シボレー トレイルブレイザー

トレイルブレイザーは2001年に初登場したモデルで、シボレーのラインナップでは中型SUVに当たります。

とはいっても日本車の感覚で言えば十分大型SUVのサイズであり、標準車でも4,890mmの全長を持つボディは、トヨタ ランドクルーザーと大差はありません。

大柄なボディと4.2L~6.0Lもの大きなエンジンを積むトレイルブレイザーは日本ではまさにアメ車の代表格のような車であり、少々いかついデザインもあいまって一部の愛好家に人気があります。

しかし販売面では決して売れた車ではなく、米国では2012年に2代目に進化したトレイルブレイザーは日本に輸入されていません。

そのため日本で走っているトレイルブレイザーのほぼすべてが初代モデルであり、もっとも新しくても2008年の生産終了までの車ということになります。

当初はスズキ自動車が日本への正規輸入を行っていましたが、その後シボレーの正規ディーラーができたことで最終的には正規ディーラーか、輸入車専門店のヤナセで扱われた車です。

日本では少々古い車となってしまったトレイルブレイザーですが、故障率はどんなものなのでしょうか。

アメ車としては”普通”の故障率

車の正確な故障率というものは書く自動車メーカーが独自に収集、保管しているもので、メーカーにとって致命的なデータでもあるので基本的には一般公開されません。

そのため私たちが故障率を把握することは困難なのですが、メーカーとは全く関係ないところで民間調査会社が独自に故障率を調査しているデータがあり、このデータは一般公開されているので参考にできます。

米国J.D.パワー社は各国市場において車の実際の所有者から故障の実態を聞き取り調査の形で収集しており、そのデータをメーカーごとのランキング形式で発表しています。

この調査では新車購入から3年~5年経過した車が対象であり、ある程度トラブルが出始める時期にあたり実態に則しているものとなっています。

トレイルブレイザーの場合は2008年に生産中止されており、今回参考にするデータはアメリカ市場での2009年のものですが、それでも3年~5年の範囲に入っておりちゃんと対象になっています。

日本市場の調査はこの当時まだ行われていませんし、行われていたとしても台数が少ないので対象外となったことでしょう。

2009年 米国耐久品質調査

ランキングメーカースコア
1ビュイック122
1ジャガー122
3レクサス126
4トヨタ129
5マーキュリー134
6インフィニティ142
7アキュラ146
8リンカーン147
9キャディラック148
9ホンダ148
業界平均170
20シボレー185

参考:J.D. Power and Associates 2009 Vehicle Dependability Study

2009年当時の調査結果によるとシボレーのランキングは20位と比較的低い位置にあり、業界平均スコアを下回っています。

また日本メーカーは割と上位にランキングしており、レクサスとトヨタで3、4位、日産の高級車ブランド インフィニティが5位、ホンダの高級車ブランド アキュラが6位と健闘しています。

この比較を見る限りシボレーの車は日本車より故障率が高いことがわかり、スコアを見てみても主要日本メーカーの1.5倍ぐらい開きがあることがわかるでしょう。

当然シボレーと同率ぐらいの日本車メーカーもありますが、最大手のトヨタと比較するのが分かりやすいでしょう。

※トヨタとレクサスの故障率については以下の記事でさらに詳細を解説しています。こちらもあわせて参考にしてみてください。

プリウス エンブレムトヨタは故障が多い?壊れやすいのか故障率をもとに解説!LEXUS LS500のフロントグリル2レクサスは故障しない?逆に多い?故障率を徹底解明!

また当時の調査では車種ごとの信頼性を5つ星で評価をしており、トレイルブレイザーも対象になっています。

その結果が下の表になりますが、同じセグメントのトヨタ車と比較すると大きな差があります。

RATINGSCHEVROLET
TRAILBLAZER
TOYOTA
HIGHLANDER
NISSAN
PATHFINDER
HONDA
PILOT
Overall
Dependability

(全体評価)
3533
Powertrain
Dependabilityrating

(動力関連)
4534
Body and Interior
Dependabilityrating

(ボディおよび内装)
3533
Feature and
Accessory
Dependabilityrating

(特別装備、アクセサリー)
4543

参考:2009 Vehicle Dependability Study Midsize Multi Activity Vehicle

トヨタが圧倒的に評価が高く満点ですが、それ以外の日産、ホンダなどはトレイルブレイザーと大きくちがうわけではありません。

これを見る限りはトレイルブレイザーはアメリカでは日本車の標準的な故障率と大きくかわらないというわけです。

日産、ホンダの故障率は以下の記事でまとめているので、興味のある方はこちらも目を通してみてください。

日産ロゴ日産車は故障が多い?壊れやすいのか故障率をもとに解説!ホンダのロゴホンダは故障が多い?壊れやすいのか故障率をもとに解説!

日本では輸入車はトラブル増加

アメリカでは標準的な信頼性のトレイルブレイザーですが、日本へ輸入した場合には少々事情が変わってきます。

日本はアメリカと比べるとどうしても一年を通じて高温多湿な環境であるといえ、車をはじめとする工業製品には辛い環境です。

特に影響があるのがゴム部品やシール部品であり、こういう部品は高温多湿の環境下では劣化が進みます。

そのため前述の故障率のデータに対してはもう少し状況が悪化する可能性があり、日本市場の環境になれている日本車メーカーと比べると故障率には少し開きがでるでしょう。

それがわかるのがエンジンオイル漏れの頻度で、日本車でもオイル滲みぐらいはよく起こりますがトレイルブレイザーでは大規模なオイル漏れが起こることがあり、これはシール部品の性能が劣化したことで発生します。

こういった部品はアメリカでは問題が少なくても日本で走らせるととたんに現れてくるものであり、これが輸入車は故障が多いと言われている理由のひとつでもあります。

またそもそも海外ではその程度のトラブルは故障と見なされないこともあり、部品交換程度で修理できるものはメンテナンスの範囲なのです。

ですのでトレイルブレイザーは日本では故障が多いというのが一般の評価であり、のちほどご紹介するオーナーの評価でもそれがわかるでしょう。

中古のトレイルブレイザーの故障しやすさ

トレイルブレイザーは2008年に販売が終わりましたので日本で販売されているトレイルブレイザーはすべて中古車となります。

それも年式が10年以上経過しているのは確実で、中古車の評価としては故障しやすい車といわれるでしょう。

日本車でも年式10年を経過した車は中古車市場では評価が大きく下がり、中古車価格も大きく下がります。

それは評判だけではなく実際に部品の経年劣化が進むのが10年以上といわれており、これ以上経過するとさまざまな部品がどんどん寿命を迎えるわけです。(年式の寿命の詳細は以下の記事をご参照ください。)

NBOX 前後モデル中古車購入時の年式の目安とは?狙うべきなのはどの年式?

それに加えて日本車より故障しやすいといわれるトレイルブレイザーですので、10年経過したということはかなりの部品に経年劣化が進んでいると言えるでしょう。

このような状態の輸入車は以下の記事でも解説していますが中古車価格が大幅に下がる傾向にあり、当時新車で購入できなかった人などが飛び付くことがありますが、購入したあとに故障が多発したなどはよく聞く話です。

BMWの黒外車の中古車はなぜ安い?5つの意外な理由とは?!

購入金額がいくら安くても輸入車の場合はそれ以上の金額が修理費や維持費で飛んでいくこともありますので、トレイルブレイザーの購入はよく考えなくてはいけません。

トレイルブレイザーオーナーの評判

トレイルブレイザーは少々古い車ではありますがまだまだのっている方は多数おられ、故障の実態をもっともよく知っておられます。

そんなご意見をTwitterから集めてみました。

トレイルブレイザーの修理費は高額

こちらのトレイルブレイザーはトランスミッション故障のようで修理を行われたようですが、修理費が500,000円以上とかなり高額だったそうですね。

年式も古く走行距離も多い車はトランスミッションにトラブルを抱えがちですが、国産車ではこれほどの修理費にはなりませんので、維持費がかなり高いことが透けて見えますね。

トレイルブレイザーを手放さざるを得ない

こちらのトレイルブレイザーは電気系統のトラブルでありこれも輸入車にありがちなトラブルですが、修理費がかかるからと車を手放されるようです。

想像するにこれまでもかなり修理費で維持費がかかっており、今後も維持費は増えることが予想されるので仕方なく手放すという感じでしょう。

残念ですがこれも輸入車の現実です。

トレイルブレイザーで故障なし?

この方のトレイルブレイザーは10年経過で手放されたようですが、その間故障はなかったそうで、輸入車といってもこういった事例もあります。

走行距離はわかりませんが、まったくなにもしなくて故障なしというのは考えられないので、メンテナンスや部品交換などはしっかり行ってこられたのでしょう。

MEMO

もしトレイルブレイザーの購入を考えているなら、値引き交渉の正しいやり方を覚えておくといいですよ。

このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 裏技を知って後悔する人たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!

トレイルブレイザーの故障事例

トレイルブレイザーの実際の故障事例はいくつもありますが、今回はその中から代表的なものをご紹介しましょう。

4WDへの切り替えができない

前述のツイートにもあったトラブルですが、2WDと4WDに切り替えできる機能を持つトレイルブレイザーですが、突然4WDへの切り替えができなくなって警告灯が転倒することがあるようです。

故障事例を調べてみると年式の古い車だけでなく新車購入時からこういったトラブルに悩まされている人もいるようで、トレイルブレイザーの泣き所のひとつのようです。

またスイッチが2WD担っているにも関わらずいきなり4WDにはいることもあるようなのですが、その場合は「4Lo」固定となって動かせないこともあるようです。

故障事例を調べても原因はいろいろあるようで、切り替えスイッチの接触不良によって勝手に切り替わったり、また4WDとして動力を伝達するトランスファー内部での不具合など、さまざまなトラブルがあります。

切り替えスイッチのトラブルであればスイッチ交換ですむので数万円単位の修理で終わるでしょうが、もしトランスファーの載せかえとなるとツイートにもあるように500,000円以上の修理費となる場合もあります。

とにかくトレイルブレイザーにはこのトラブルが多いようで、一度修理したとしてもなんども再発することもあります。交換した部品は交換前と同じ部品なのですから、設計的な不良であればそうですよね。

トレイルブレイザーに乗り続ける限りは付きまとう可能性のあるトラブルですので、年式の古くなってきた現在ではよりリスクがあると言えるでしょう。

ドライブシャフトブーツの破れ

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年式の古くなってきたトレイルブレイザーに起こりがちなトラブルのひとつがドライブシャフトブーツの破れで、ゴム製の蛇腹になっているドライブシャフトブーツが経年劣化によって切れ、中のグリスなどが吹き出てきます。

ドライブシャフトはトランスミッションやリアデフなどからタイヤに動力を伝えるシャフトですが、タイヤはハンドル操作やサスペンションなどで激しく動くのでそれに追従できるように中間にフレキシブルジョイントがあります。

そのジョイントをおおっているのがドライブシャフトブーツであり、中にグリスなどを封入する役割と、下からの泥や砂利などの侵入によってフレキシブルジョイントに不具合が起こらないようにするカバーの役割を持っています。

ゴム製部品なので材料自体の寿命がおおよそ10年ぐらいであり、それを越えるといつゴムが破れてもおかしくない状態といえます。

国産車でも古い車には起こりやすく、普段見えないところなのでなかなか発見しづらいトラブルでもあります。

修理にはドライブシャフトブーツの交換で完了しますが、足回りの部品を結構はずしたりしなければならないので工賃は高めです。とはいえ一ヶ所で50,000円程度と輸入車としては安いほうですね。

中古のトレイルブレイザーは軒並み10年を越えてドライブシャフトブーツが痛んでいるものも多いので、なかなか奥まっていて見えにくい箇所ではありますが、購入前にはできるだけチェックしてみた方がよいでしょう。

エアコン関連のトラブル

オーテックさん(@autech.1)がシェアした投稿

エアコン関連の故障も輸入車には付き物のトラブルですが、トレイルブレイザーでも発生頻度は多く、数年に1度エアコンが効かなくなる人もいるようです。

エアコン関連の故障は大きく分けて3箇所あり、エアコンコンプレッサー、ブロア、エアコン配管の3つの部品が関係します。

このうち発生頻度が高いのはエアコンコンプレッサーで、エンジンの動力をベルトを介して駆動しているので常に高速回転している部品です。

その回転部のベアリングが経年劣化によってガタガタになることが多く、異音や異常振動の原因ともなります。

国産車では80,000kmぐらいいかないとトラブルが出てこないエアコンコンプレッサーですが、トレイルブレイザーの場合は50,000km以内でも起こる故障のようです。(走行距離の寿命の詳細は以下の記事をご参照ください。)

車のメーター中古車は走行距離が何万キロまで安心して乗れる?答えはこれだ!

修理にはエアコンコンプレッサーの交換が必要で、100,000円前後が修理費の相場です。

またエアコンの室内側で吹き出し口などがあるブロアもトラブルが多く、吹き出しをするブロアモーターの電気的な故障や、吹き出し口が動かないといったような機械的トラブルまでさまざまな場合があります。

場所によって修理費用は変わるものの、一ヶ所でおおよそ数万円といったところでしょう。

ほかにもエアコン配管からのガス漏れトラブルも結構あり、漏れの箇所を見つけるのが大変なのですが見つかってしまえばそこの部品交換で完了します。

それに加えて抜けてしまった冷媒ガスの充填があるので、あわせて50,000円いかないぐらいでしょうか。

このようにエアコンひとつとってもトラブルの起こりやすい箇所はあちこちにあり、これも走行距離の多さや経年劣化の進みがその最たる原因です。

いちどどこかを修理したとしても、全体的に劣化が進んでいるので他所が次々故障してしまうのも無理はなく、今後トレイルブレイザーに乗り続けるのであれば長年悩まされることになるかもしれません。

トレイルブレイザーは買っても大丈夫か?

トレイルブレイザーを故障という観点から見ると、現時点では買うのをおすすめできる車とはとても言えません。

とにかく車自体が古くなってきていますし、そもそもが日本車より故障率の高い輸入車です。

走行不能なトラブルになることはあまりないでしょうが、さまざまな故障に見舞われて維持費は年々上がっていくことも容易に想像がつきます。

そういう事情があるのでトレイルブレイザーの中古車価格は非常に安く、新車で4,000,000円〜5,000,000円していた車がいまや1,000,000を切ることも珍しくありません。

憧れの車で安くなっているからと安易に手を出すと、修理やらなんやらであとから大変になります。

いまからトレイルブレイザーを買おうという人はそれなりの覚悟とお金が必要でしょう。

アメリカ車の故障については以下の記事でも解説しているので、興味のある方はこちらもあわせてご参照ください。

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