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VTECコントローラーとは?効果/メリットとデメリットを解説!

VTECはホンダ独自の可変バルブ機構で、ホンダの高性能車やスポーツカーに搭載されています。

ですがカスタムパーツにこのVTECに関するものがあり「VTECコントローラー」といいます。

今回はそのVTECコントローラーについてご説明します。

VTECコントローラーとは

VTECエンジン

VTEC(Variable valve Timing and lift Electronic Control system)は可変バルブ機構の一種類であり、エンジンの回転数と関連して低中回転用のカムセッティングと高回転用のカムセッティングを切り替えるシステムです。

VTECコントローラーはこのVTECシステムをユーザーがコントロールできるカスタムパーツで、メーカー純正の車にはついていません。

VTECについては以下の記事で詳しくご説明していますが、まずは概要を解説していきます。

VTECエンジンVTECエンジンとは?仕組み/構造は?搭載車はバイクにもあり?!

VTECの構造

VTECはエンジンのバルブのリフト量とタイミングをコントロールする機構で、低中速域と高速域の特性を切り替えることができます。

カムとバルブ関係の機構を動弁系と呼びますが、普通のエンジンは一つのセッティングのカムとバルブを持ち、一つのセッティングで低中速域から高速域までをカバーします。

ですが低中速域のトルクと高速域の最高出力はトレードオフの関係にあり、どちらかを重視すると片方が弱くなります。

そのため普段使いを重視する大衆車は低中速向けのセッティング、スポーツカーなどは高速向けのセッティングとなっています。

ですがVTECはこの2つのセッティングを油圧によって切り替えることができ、運転中にあるエンジン回転数になるとセッティングが自動的に切り替わります。切り替わる回転数については車によって違い、ホンダの設計によるものとなります。

※ホンダのメーカーについては以下の記事で詳しく解説しています。興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。

ホンダCR-Vのフェイスラインホンダ車の決定的な特徴8つ!魅力から欠点まですべて解説します!

VTECコントローラーの仕組み

さてVTECコントローラーという部品の考え方は簡単なもので、VTECが自動的に切り替わるところをドライバーが手動で切り替えられるようにするものです。

VTECコントローラーが接続されるのはエンジンの制御を行っているコンピューター「ECU(Engine Control Unit)」で、ECUの配線の一部にVTECコントローラーの部品を接続することでVTECが切り替わるエンジン回転数を調整することが出来ます。

VTECコントローラーとして売られているカスタムパーツは何種類もありますが、基本的な仕組みは同じです。

VTECコントローラーは専用の機器と配線類で構成されており、コントローラーを運転席の周りに置いて回転数をセッティングするだけで使えます。

VTECコントローラーの効果/メリット

メリット

VTECコントローラーを使うことによってドライバーの好きなタイミングでVTECを切り替えることができるようになり、純正セッティングとは違う走行感や加速感を得られるようになります。

VTECコントローラーで得られる効果

VTECで低中回転用から高回転用のカムに切り替える時には、車の加速の伸びやパワーの出方、またエンジンサウンドなどが劇的に変化します。(サウンドの詳細は以下の記事をご参照ください。)

VTECエンジンVTECエンジン音サウンドの特徴!切り替わり音が最高すぎる?!

普通のエンジンでは低回転から高回転まである一定の走行感覚ですが、VTECエンジンでは2段階に大きく分かれるのが魅力的なところです。

VTECコントローラーの導入によって自分の好きな回転数で切り替えができるので、純正セッティングでは加速感などに不満がある時に、簡単に切り替えることができるようになります。

またセッティングを細かく変更しながら、自分好みのVTEC切り替えタイミングを何度も試して見ることもできるわけです。

車の動弁系のセッティングなど普通は簡単にコントロールできるものではなく、VTECのない車ではエンジン本体の大改造をしなければ出来ません。

ですがVTECならば回転数の変更のみである程度車の走りを思いのままにコントロールできるようになるので、VTECエンジンの車に乗ったことのある人なら一度は試してみたいと思うのではないでしょうか。

純正のVTECセッティングでは切り替えの時にトルクが一瞬抜けるということは昔から言われており、VTECコントローラーの装着によってそれを解消できる“かも”と思わせるところが、このカスタムパーツの魅力です。

高性能なVTECコントローラー

普通のVTECコントローラーでは変更できるのは主に作動する回転数のみです。

しかし高性能な機能を持つVTECコントローラーの場合には、エンジンの燃調コントロールや空気量などNAエンジンのカスタムパーツの機能をあわせ持つものがあります。(NAエンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。)

レクサス エンジンNAエンジン(自然吸気エンジン)とは?メリット5つ!音が最強の魅力?!

VTECコントローラーでもある程度エンジンのパワーの出方などをコントロールできますが、燃料の量や空気の量を調節することでエンジン性能のダイレクトなコントロールが可能になります。

エンジンの燃調や空気量はメーカーがあらかじめ決めたプログラムで制御されているのですが、そこに割り込みをかける形で変更してしまうのです。

この機能によりVTECのタイミングとエンジンの燃調マッピングをまとめて変更することができるので、まさに自分好みの車の走りを得ることが出来ます。

その反面調整は非常に難しく、個人レベルではなかなか難しい場合もあるので、チューニングショップなどの協力があるのが望ましいです。

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VTECコントローラーのデメリット

デメリット

VTECコントローラーには車の走りを自由にできるという魅力があり、車好きなら一度は導入したいと思うパーツなのですが、一方で導入した後に思わぬデメリットも出てきます。

思ったほどのパワーアップが得られない

VTECコントローラーを導入した人の何割かが感じることなのですが、VTECの動作ポイントを調整しても思ったほどパワーが上がっていないと気づくことがあります。

VTECの動作点をずらすことで、加速の始まるタイミングやトルク変動の減少など、さまざまな効果を体感することができ、またVTECコントローラーはそれらを細かくずらして自分好みのセッティングにできます。

導入した当初はさまざまなセッティングを試してみて、一番良いと思うセッティングを探し出すのが楽しいのですが、最終的に見てみるとメーカー純正の動作点に落ち着いてしまう、という場合が多いのです。

なぜこうなるのかというと、VTECの動作点のみをずらしてもエンジンの燃調や空気量などは変わらないのですから、エンジンの本来持つトルクカーブやパワーカーブは変化しないからなのです。

当然ホンダの開発者もVTECの最適な動作点を研究して決めているわけで、エンジン本体の性能が同じならば同じ結論になることが多いというわけです。

当然ドライバーの好みの問題もありますので純正と違った動作点で落ち着くこともありますが、VTECコントローラーを導入してみてもメーカーが正しかった、という結論のほうが多いように見えます。

本当のカスタマイズは難しい

VTECコントローラーはカスタムパーツの中では簡単な部類に入りますが、前述した通り効果が得られない場合もあります。

その場合は燃調コントロールや空気量のコントロールなどもっとレベルの高いカスタムに挑みたくなってきますが、そこに挑むのはなかなかハードルが高くなるものです。

VTECコントローラーでVTECの動作点を変化させても、エンジン本体のセッティングはほぼ変わりませんので、ある意味元に戻すのは簡単です。

ですが燃調や空気量の調整は非常に微妙なコントロールが必要で、ECUの書き換えなども伴いますので、下手に変更を加えると元に戻せなくなる可能性もあります。

また最悪の場合は無茶なセッティングによってエンジンを壊してしまう場合もあるでしょう。

そのためこういったハードルの高いカスタマイズはチューニングショップにお願いするのがベストであり、VTECコントローラーを導入する以上にコスト面では高額なものとなります。

もちろん信頼できるショップにおまかせすれば車の性能を自由自在に調整できるわけですが、どこまでその車にコストをかけられるかはオーナー次第と言えるでしょう。

メーカー保証の対象外となる

多くのカスタマイズがそうですが、純正仕様の車から変更した箇所がある場合、その車は機関内であってもメーカー保証の対象外となる可能性は大いにあります。

車は新車製造から5年~10年、もしくは走行距離50,000km~100,000kmの間ぐらいで保証がかけられています。

部品ごとにも違いますが車の主要部品であるほど保証期間は長めです。その期間内で何か問題や故障が起こった場合にはメーカー保証が効く場合が多く、その時には無償修理となります。

注意

ですがVTECコントローラーなどのカスタムパーツを装着した車では、純正と違うセッティングということもあってメーカー保証の対象外となる場合はあります。

内装部品などは微妙ですが、エンジン関係についてはその可能性も高く、その際は保証期間中であっても有償修理となってしまいます。

メーカーとしてはあくまで純正の状態での保証をしていますので、そこから変更された場合は対象外となってもおかしくありません。

車のカスタムをする場合にはこのデメリットはある程度許容しなければなりませんが、リスクの一つであることは間違いないでしょう。

純正ECUに戻せない可能性

VTECコントローラーにはさまざまなタイプがあり、ECUからエンジンの間で割り込みを行いものもありますが、一部ではECUを書き換えするものもあります。

この場合、もし純正セッティングに戻そうとしても、ECUの書き換え部分をきちんと戻せないと純正ECUにはなりません。

VTECコントローラーはいろいろなメーカーからさまざまな機種が発売されており、優れた機能をたくさん持つものから、値段が安く機能が限定されたものまでさまざまです。当然国産だけでなく海外品も多数あり、ネットで物が買える現代においては選択肢は非常に広いです。

ですが粗悪なものは純正にそもそも戻せない物などもある可能性があり、VTECコントローラーの選定も結構重要となります。

VTECコントローラーの取り付け方法

VTECコントローラーは購入から取り付けまで個人でできないこともありませんが、基本はチューニングショップにお願いするほうが良いでしょう。

VTECコントローラーの取り付けをメニューとして持っているチューニングショップは多く、改造規模がそこまで大きくないことから割と対応してくれるショップは多いです。

費用も部品費を別にしても数万円程度ということがほとんどですので、個人でやるよりかなり楽です。

またその際に燃調などの総合的なセッティングも同時に行うことが可能で、トータルで見れば最も満足の行く方法と言えるでしょう。

ポイント

ですがどうしても費用が気になる、自分でカスタマイズしてみたい、という場合には個人でも取り付けは可能です。

VTECコントローラーの機種にもよりますが、大体は配線の一部に割り込ませる形で取り付けるものがほとんどです。

自動車の知識と電気的な知識があれば、取り付けは可能でしょう。

なおVTECエンジンについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。

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