登場から人気を獲得し続け、いまもなおマツダを牽引するモデルの「CX-5」。
欧州車のような洗練されたエクステリアと、SUVならではのユーティリティの高さが人気の秘訣です。
また、走行性能の高さも評価されており、目の肥えたヨーロッパ勢からも好評なのだとか…。
というわけで今回は、マツダのフラッグシップSUV「CX-5」について、加速性能にフォーカスして解説していきたいと思います。
「0-100km/h加速」「ライバル車との比較」…etc、あらゆる面から分析してみたので、ぜひ数字を頭に入れながら読み進めてみてください。
CX-5の加速性能
CX-5の加速性能について、「0.-100km/h加速」「公式諸元」などを見ていただこうかと思います。
0-100km/h加速からわかるCX-5の加速性能
まずはじめに、0-100km/h加速のタイムを参考にして、加速性能をイメージしていきましょう。
一気に100km/hまで加速させることなんてまずありませんが、運動性能を知るには参考になる数値ですからね。
CX-5は「2.0L NA」「2.5L NA」「2.2L ディーゼルターボ」の3タイプのラインナップが用意されており、オーナーさんによる実測加速タイムは以下のようになっています。
- 2.0L NA:10秒台
- 2.5L NA:9秒台
- 2.2L ディーゼルターボ:7秒台
※NA、ディーゼルターボ、エンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。
NAエンジン(自然吸気エンジン)とは?メリット5つ!音が最強の魅力?!ディーゼルターボとは?速いのがメリットで寿命がデメリット?搭載車種も紹介公称値が不明のため、〇秒台と表示しています。オーナーさんによって当然タイムが異なったため、あえて大雑把にしました。加速感はなんとなくイメージできるかと思います。
加速タイムについてですが、一般的な乗用車は11~10秒程度といわれており、10秒を切れる性能ならストレスを感じないでしょう。
これを踏まえると、2.0Lモデルは「並」、2.5Lモデルは「やや速い」、ディーゼルモデルは「速い」部類に入るといえます。
トータルバランスに優れた3種のエンジン
なんとなく加速性能についてイメージできたところで、次は具体的な部分を見ていきたいと思います。まずはエンジン性能からいきましょう。
項目 | 諸元 | ||
種類 | 水冷直列4気筒DOHC16バルブ | 水冷直列4気筒DOHC16バルブ | 水冷直列4気筒DOHC16バルブ ディーゼルターボ |
排気量 | 1,997cc | 2,488cc | 2,188cc |
最高出力 | 156PS/6,000rpm | 188PS/6,000rpm | 190PS/4,500rpm |
最大トルク | 20.3kgf・m/4,000rpm | 25.5kgf・m/4,000rpm | 45.9kgf・m/2,000rpm |
※水冷、直列4気筒、DOHC、エンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。
水冷エンジンのメリット5つ!バイクだけでなく車にも搭載されてる?!直列4気筒エンジンの特徴!どんな音?搭載車を日本車/外車の車種からそれぞれ紹介!DOHCエンジンとは?仕組み/構造は?ツインカムとの違いとは?!見たところ、2種のガソリンNAモデルは平凡な数値。ところが、マツダは「人馬一体」をコンセプトに走る歓びを追求しているので、性能で見る以上にスポーティな加速感を味わうことができます。
それでいて環境性能も高水準なので、エンジンの完成度は高いといえますね。
さらに特筆すべきは、ディーゼルモデルの性能です。低速域から大きなトルクを発揮するので、発進加速においてはかなり有利に働くでしょう。
細かい点については、オーナーさんの感想や加速動画を通じて、のちほど触れたいと思います。
質感の高いボディ構造
CX-5についてよく聞くのが「質感が高い」ということです。これは走行性能にもいえることで、背の高いSUVにもかかわらず、セダンやクーペにも似た安定感を与えます。
これはボディ剛性もさることながら、「エンジン」「トランスミッション」「シャシー」など、個々のユニットを統合的に制御する仕組み「SKYACTIV-VEHICLE DYNAMICS」による効果。(剛性に関しては以下の記事でも解説しています。)
マツダCX-5は10万キロ以上の走行距離を走れる?寿命はどれくらい?少し難しい言葉を出しましたが、ようするに各部品を最適化させて、ユニット同士の連携を高めるというものです。
効率よくパワーを発揮できる仕組みが、スポーティかつ上質な加速感を生みました。また、軽量性の高さも加速にはいい影響を及ぼしていますね。
軽量性を表すものとして、「パワーウェイトレシオ(以下、PWR)」「トルクウェイトレシオ(以下、TWR)」というものがあります。それぞれ出力・トルクに対する車重から算出されており、数値が小さいほど優秀です。
参考までに、CX-5のPWR・TWRはこちらをご覧ください。
項目 | 2.0L NA | 2.5L NA | 2.2L ディーゼルターボ |
車両重量 | 1,530kg | 1,620kg | 1,680kg |
PWR | 9.81kg/PS | 8.62kg/PS | 8.54kg/PS |
TWR | 75.4kg/kgf・m | 63.5kg/kgf・m | 36.6kg/kgf・m |
もしCX-5を買おうと考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!CX-5の実際の加速感
数字やメカニズムを解説しただけでは、いまいちピンときませんよね?
というわけで、実際のオーナーさんの投稿をご覧いただきたいと思います。TwitterやYouTubeからいくつかピックアップしてみたので、紹介しましょう。
Twitterで加速感をチェック
CX-5のサービスキャンペーン受けてきたけど明らかに運転の質感が向上した👌
30キロ以下のあたりのアクセル踏み込みに対してドンツキ気味になってたところが改善されてよりスムーズに。しかし強い加速が欲しい時はしっかりついてくる、これまで通りトルクモリモリな加速も自在でより人馬一体感増してる— タヰジ@FGO、アイカツ!撮りたい (@muller_2926) 2018年4月22日
非常に細かい分析をなさっています。CX-5は以前から「走行性能」「質感」ともに好評でしたが、年次改良のたびに評価を高めています。
2018年にマイナーチェンジが行われ走行性能がさらに磨かれました。一部で言われていた、「低速域のドンツキ」が改善されています。
スムーズさが増したにも関わらず、欲しいときにパワーを発揮できるので、もはや非の打ちどころがないレベルへ…。
CX-5で初高速乗った!やっぱり加速性能半端じゃないわ。RX-8の時はエンジンかなり頑張ってる加速だったけど、かなり余裕の低回転なのにぐいぐい加速して、いつの間にかものすごいスピード出てる。そして何よりすごいのは、車高高いのにそのスピードを感じさせない足周りだわ。CX-5はスポーツカーだ。
— うめっこ (@spwcat) 2018年4月1日
CX-5に乗ってよく聞く感想が「加速に余裕がある」ということです。
軽自動車やファミリーカーって小回りが利いて便利ですが、加速性能については物足りないですよね。
高速の合流なんかでベタ踏みにしても、エンジンが唸るだけで、前に進まない感じがします…。
その点CX-5の加速には余裕があり、高速巡航がとても楽です。「スポーツカーに乗っている感覚」といっても過言ではありません。
今日でちょうど納車1年🎂
以前乗ってたBLアクセラはだいぶ無茶させたけど、CX5に乗り換えて優雅に走る歓びを知った。
高速でも飛ばすこなくほぼクルコンで前車を追跡して、越したい時に踏めば十分加速もしてくれる👍
デザインも言うまでもない。
最高の車!#MAZDA#CX5 pic.twitter.com/702AyN0ttS— やんし~@来春から神奈川県 (@yanshi_CX5) 2018年7月30日
「優雅に走る歓び」と言っていますが、まさにこの一言ですね。
車の質感というのはデザイン面だけでは不十分。優雅に走れてこそ、本当の意味で質感の高い車といえるのです。
デザインもよし、走りもよし、おまけに燃費もよし。CX-5は現行国産車のなかでも、トップクラスに満足度の高いモデルでしょう。
なおCX-5のデザインについては以下の記事で詳しく解説しています。詳細まで知りたい方はこちらもあわせてご参照ください。
【画像】マツダCX-5はかっこいいのか?デザインについて徹底分析!You Tubeで加速感をチェック
こちらはメーターを撮影した加速動画ですね。乗っているモデルは、ディーゼルの「XD L Package」の2WD。0-100加速は開始35秒くらいから始まります。
この検証では、アクセルオンからの計測で、加速タイムは8.5秒という結果になりました。さきほどは4WDモデルのタイムですから、2WDだと少し遅くなりますね。
しかし、市街地の運転なら十分すぎる加速性能であることは、間違いありません。
メーターの動画でだけでは味気ないですから、車外から撮影した動画も見てもらいましょう。こちらは海外で撮影された動画で、開始1分40秒から加速がスタートします。
スタイリッシュなデザインのせいかもしれませんが、発進の挙動がSUVとは思えない軽快さ。
この動画は4WDモデルのようですね。動画終盤に表示されていますが、0-100km/hのタイムは7.88秒とのこと。
CX-5の加速性能を他の車と比較すると
CX-5の加速性能は、ライバル車と比較するとどんな感じなんでしょうか?各社から販売されるクロスオーバーSUVと、その性能を比べてみたいと思います。
今回、比較対象に選んだのは、スバル「フォレスター」、トヨタ「ハリアー」、日産「エクストレイル」の3モデル。PWR・TWR・0-100km/h加速に注目してみましょう。
スバル フォレスター
スバルから販売されるSUVといえば「フォレスター」です。SUVらしく活発なキャラクターが好印象で、日本だけでなく、北米でも大人気。
2018年にフルモデルチェンジを経て、ターボモデルを廃しましたが、加速性能についてはどうでしょうか?まずは諸元をご覧ください。
項目 | 諸元 |
種類 | 水平対向4気筒DOHC16バルブ |
排気量 | 2,498cc |
最高出力 | 184PS/5,800rpm |
最大トルク | 24.4kgf・m/4,400rpm |
車両重量 | 1,530kg |
PWR | 8.31kg/PS |
TWR | 62.7kg/kgf・m |
0-100km/h | 9秒前半 |
※水平対向4気筒エンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。
水平対向4気筒エンジンの特徴!どんな音?搭載車を日本車/外車の車種からそれぞれ紹介!「2.5L NA」モデルということで、これまでのフォレスターのイメージとは少し異なりますね。ハイパワーターボが特徴でしたが、このモデルは出力が184PSが最大です。
車重が軽いためPWRは悪くないですが、TWRは圧倒的にCX-5が勝っています。0-100km/h加速のタイムにその差がしっかり表れていますね。
よって、低速域における加速性能は、CX-5のほうが優れているといえるでしょう。排気量に差があるので、高速域に入ると勝負はわかりません。
フォレスターの加速性能については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。詳細まで知りたい方はこちらもご参照ください。
フォレスターは速いのか?加速性能から0-100km/h加速タイムまで解説!トヨタ ハリアー
トヨタのクロスオーバーSUVは、大人気モデルの「ハリアー」です。上級セダンのような高級感がウリで、ターボモデルなら走行性能も備えています。
方向性は違うものの、質感の高さが人気の2モデル。加速性能ならどちらに軍配が上がるのでしょうか? 諸元はこちらをご覧ください。
項目 | 諸元 |
種類 | 直列4気筒 DOHC ターボ |
排気量 | 1,998cc |
最高出力 | 231PS/5,200-5,600rpm |
最大トルク | 35.7kg・m/1,650-4,000rpm |
車両重量 | 1,660-2,015kg |
PWR | 7.19-8.72kg/PS |
TWR | 46.5-56.4kg/gkf・m |
0-100km/h | 7秒台 |
※ターボエンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。
ターボエンジンとは?仕組み/構造は?メリット2つとデメリット4つ!排気量はCX-5よりも若干小さい「1,998cc」ですが、ターボで武装しているので、出力ではハリアーが勝ります。
トルクはディーゼルということでCX-5がリード。車重に関しては、双方1,600kgクラスなので差はありません。
0-100km/h加速で見ても同じく7秒台ということで、加速性能に関しては互角の勝負となりそうです。というよりも得意分野が異なるので、どこを重視するかで判断が変わってきます。
たとえば出足の速さなら、低速からトルクを発揮するCX-5が上でしょう。過給がかかり始めれば、ハリアーに分があります。
ハリアーの加速性能については以下の記事でさらに詳しく解説しています。興味のある方はこちらもご参照ください。
ハリアーの加速性能を解説!0-100km/h加速タイムはどのくらい?日産 エクストレイル
日産のクロスオーバーSUV代表は、アクティブなキャラクターが人気の「エクストレイル」。ハイブリッドモデルは加速性能に定評があります。
CX-5と比較したらどちらが速いのか気になるところです。諸元をもとにして比べてみましょう。
項目 | 諸元 |
種類 | 直列4気筒DOHC+モーター |
排気量 | 1,997cc |
最高出力 | エンジン:147PS/6,000rpm モーター:41PS システム:188PS |
最大トルク | エンジン:21.1kgf・m/4,400rpm モーター:16.3kgf・m システム:27.5kgf・m |
車両重量 | 1,580-1,650kg |
PWR | 8.4-8.78kg/PS |
TWR | 57.4-60kg/kgf・m |
0-100km/h | 7秒台 |
エンジン性能を見るとそれほど強力には感じられませんね。数値的にはフォレスターとそう大差はありません。
しかし、ハイブリッドなので、発進直後から一気にモーターを駆動させます。それも、エクストレイルのモーターは最大「27.5kgf・m」ものトルクを生みますからね。
車重も100kg近く軽いため、0-100km/h加速はCX-5と同じ7秒台。ハリアーと同様、互角の加速性能ですが、分野によって評価は異なります。出足の速さならエクストレイル、中間加速ならCX-5といった具合です。
エクストレイルの加速性能については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。詳細まで知りたい方はこちらもあわせてご覧ください。
エクストレイルの加速性能を解説!0-100km/h加速タイムはどのくらい?トータルで優れた上質なSUV
というわけでCX-5の加速性能について、解説は以上になります。
「圧倒的に速い」というほどではありませんが、余裕のある上質な加速感がとても魅力的。加えて、エクステリアやインテリアの質感も申し分ないので、総合的に満足度の高いモデルなのです。
国産クロスオーバーSUVを検討するなら、CX-5は3本の指に入るモデルではないでしょうか。
CX-5については以下の記事でも取り上げているので、もっと詳しく知りたい方はこちらもご参照ください。
問題がありすぎ?!マツダCX-5の5つの欠点を徹底分析!マツダCX-5の走破性を徹底解剖!オフロード・クロカン性能はいかに?!