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カングーは雪道に弱い?雪道走行の性能について徹底分析しました!

フランスのルノー社のカングーは彩りが豊かなトールワゴンで、一目でそれと分かる個性的なルックスと、もともとは商用車から派生した車ということで使い勝手の良さにも魅力がある車です。

そんな魅力にハマる人が日本国内にも多くいらっしゃるのですが、地域によっては冬は雪が多くて、毎日雪道を走って通勤しなければいけないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

また、普段雪の降らない地域に住んでいても、ウィンタースポーツや旅行の趣味があり雪道を走る機会があると、滑りやすく慣れない雪道でも自分の車が安心して運転できるか心配ですよね。

ここではカングーの雪道の走行性能を車の特徴から考察しつつ、実際にカングーで雪道を走ったことのある降雪地帯のカングーオーナーの声も取り上げなら、解説していきたいと思います。

パッケージングから見たカングーの雪道性能はごく普通

ルノー カングー

カングーは特別、雪道の走破性能に特化した車ではありません。

では、カングーの車としての特徴は雪道走行にどう影響を及ぼすのか? ここでは、駆動方式と車両重量、安全装備の3つに注目して解説していきましょう。

駆動方式から見る雪道性能

カングーは車両前方にエンジンを搭載し、前輪で駆動するFF車となっています。

乗用車では室内空間も広く取れる上に製造コストも安くなるFF車が主流になっており、カングーも御多分に洩れず…ということですね。

ただ、車種によってはメインはFFですが、前後輪全てのタイヤが駆動し、悪路には最も強いと言われる4WDもラインナップしている車も少なくなくて、特に雪の多い地域は4WDの占める割合が多くなっています。

カングーにも4WDのラインナップがあれば言うことなしなのですが、残念ながらFFのみのラインナップとなっています。

ちなみに、世間で走っている車はFF・4WD・FRの3種がほとんどを占めています。(少数派にあたるMRやRRはここでは省きます)

一般的に雪道に強い駆動方式から順に4WD→FF→FRとなっており、4WDほどの走破性や信頼性はありませんが、FRのように雪道走行が困難な訳でもなく、普通に走行するのに困らないのがFF車の特徴だと言えます。

雪道性能には車の重さも重要なポイント

雪道性能に着目した時に意外と盲点となるのが、車そのものの重量が走行にもたらす影響です。

では、重い車と軽い車ではどちらが雪道に強いのか…結論から言うと、軽い車の方が断然雪道には強いと言えます。

これは、重さのあるものの方が慣性力や遠心力が大きくはたらくことで、「ブレーキング時の制動距離が長くなる」「コーナリング時に思うように車の向きを変えられない」…といった問題があるからです。

AT車で車重が1,450kgあるカングーの場合、国産でライバルとなるようなシエンタ、フリードと比べるとグレードにもよりますが、平均して約100kg重たくなっているので、雪道性能における車の重さと言う観点では、どちからと言うと不利な部類に入るでしょう。

エクステンデッドグリップに優位性はあるか?

カングー エクステンデッドグリップ

カングーには「エクステンデッドグリップ」と呼ばれる、滑りやすい路面で駆動輪のグリップ力を最適にコントロールする安全装備が、標準で装備されています。

エクステンデッドグリップは、タイヤが空転すると空転しているタイヤにのみブレーキをかけることで空転を最小限に抑えることができ、アクセルを踏み込んだ時にエンジンの出力が大き過ぎてタイヤが空転しそうになると、エンジン出力を抑えるといった機能を、コンピューターで自動制御しています。

これは俗に言うトラクションコントロール機能のことで、近年多くの車で標準装備されている機能となっています。

もちろん、装備されていることは雪道走行において有利にはなりますが、カングーのエクステンデッドグリップ機能が、他の車と比較した時に特別強みがあるという訳ではありません。

このようにカングーの駆動方式、車重、安全装備を見た時に雪道走行において強みがあると言える部分が特別ある訳ではなく、何より4WDのラインナップがないというのが少し残念なポイントですね。

そういった選択肢の幅も踏まえると、カングーでの雪道走行の性能にはあまり期待はできず、FFのトールワゴンというパッケージングを考えると雪道性能は至って普通という評価になってしまうでしょう。

MEMO

もしカングーの購入を考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。

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実際にカングーで雪道を走ったことのある人の声

カングーは数値や装備だけを見ると、決して雪道走行を得意としている訳ではないことが分かったところで、実際に雪道走行の経験のある方々はどのように評価しているのでしょうか。

twitterでの声を参考に幾つか取り上げてみましょう。

カングーでも雪道走行は問題ないという声

北海道に住んでらっしゃる方をはじめとして、雪が積もるような時でも関係なくカングーを運転しているオーナーさんたちの実際の声です。

さすがに長時間車の往来のない駐車場から車を出す時には、すんなりいかずにスタックしてしまったようですが、これはカングー以外の車であっても結果は同じだったでしょう。

何れにせよ、どちらのカングーオーナーの方もカングーでも雪道を走るのは問題ないと考えているようですね。

カングーでの雪道走行は厳しいという声

どちらの方も降雪地帯に住んでいて日常的に雪道を走る機会のあるカングーオーナーの方ですが、他の車と比べてカングーは雪道に弱いという印象を持たれているようですね。

このように実際に雪道をカングーで運転した人の中でも意見はさまざまで、雪の多い地域に住んでいて、雪道走行に慣れている人でも「思ったより運転しやすい」と考える人もいれば、「雪が降った時にはカングーには乗らない!」という人もいるようです。

しかし、やはり安心して雪道走行ができる実力がある訳ではなく、「カングーでも雪道は大丈夫」というニュアンスのツイートも幾つか読み解いていくと

「最低限走る分には問題ない。だが、思っていたほど悪くはない」…と言う意味合いでのツイートをされている方が多く見受けられます。

実際の声からも分かる通り、やはりカングーに雪道の走行性能はあまり期待できないようですね。

カングーの雪道性能をほかの車と比較

先ほども少し触れましたが、ATモデルで259万円の1グレードというラインナップのカングーのライバルとなるような国産車として、同じトールワゴン・スライドドアで価格帯も近いトヨタ「シエンタ」やホンダ「フリード」等が挙げられます。

より身近で、日常のメンテナンス性も安心できるこの国産2車種をメインに深掘りしてみましょう。

トヨタ シエンタ

トヨタ シエンタ

シエンタはハイブリッドモデルとガソリンモデルがラインナップされていますが、ガソリンモデルにのみ4WDが設定されています。

ハイブリッドモデルよりもガソリンモデルの方が値段は安く、ガソリン×4WDのモデルの最上級グレードである「G “Cuero”」という特別仕様車でも225万円という価格設定になっており、カングーと比較して30万円以上安いというのはインパクトがありますね。

車体価格は安いかもしれませんが、「アクティブコントロール4WD」と呼ばれる高精度な電子制御式の4WDシステムを採用しており、走行状況に応じて前後の駆動力を切り替えて、滑りやすい雪道でも安心してドライブすることができます。

また、カングーと同様にトラクションコントロールも標準装備されていますがそれに加えて、横滑り防止制御やステアリング制御も含めて統合的に制御する「S-VSC」というシステムが標準装備されています。

ちなみにS-VSCはFFモデルにも標準装備されており、4WDモデルでなくFFモデルであっても、雪の積もった坂道での発進時やコーナリング時等の心強い味方となってくれます。

ただ、シエンタの最低地上高はFFモデルで145mm、4WDモデルだとリヤデファレンシャル等の駆動機構が追加される兼ね合いもあって130mmと下廻りの高さに、決して余裕がある訳ではありません。

積雪量が増え過ぎた場所から車を動かす際や、轍の深い場所を走行する際には、下廻りが雪で擦りやすい状態になっているので亀の子状態になって動けなくなってしまう心配もあり、雪道走行に関してその部分には注意が必要です。

低床が売りのミニバンで、ロール量が抑えられるというメリットもありますが、それが路面状況によっては逆にデメリットにもなり得るということは頭に入れておく必要がありそうですね。

なおシエンタについては以下の記事で口コミ・評判をまとめているので、興味のある方はこちらもご参照ください。

シエンタ フロントからシエンタの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!

ホンダ フリード

ホンダ フリード

フリードはハイブリッド・ガソリン共に4WDの設定があります。

ハイブリッドの4WDモデルは247〜272万円、ガソリンの4WDモデルは209〜235万円、ハイブリッドのFFモデルは225〜315万円、ガソリンのFFモデルは188〜285万円と幅広いグレード構成から自分好みのものをチョイスできるのが、フリードの大きな魅力のひとつです。

シエンタでは4WDモデルの方がFFより最低地上高が低いことで、雪道走行においてデメリットになることがあるという点を挙げましたが、フリードはFFモデルの135mmに対して4WDモデルは150mmと最低地上高が高くなっています。

これは、雪道での轍などで下廻りが擦ってしまう問題に対して、しっかりと対策されているということの表れで、シエンタの4WDモデルにはないメリットだと言えます。

そして4WD車は電子制御式で必要に応じて前後の駆動力を配分する「リアルタイムAWD」を採用。

さらに、走る・曲がる・止まるの全領域で車の安定性を確保する「VSC」は全車標準装備となっています。

国産車はこのように充実した走行支援・安全装備の標準化により、FFモデルでも雪道走行性能は充分だと考えている方も少なくないようです。

なおフリードについては以下の記事で口コミ・評判をまとめているので、興味のある方はこちらもご参照ください。

ホンダ フリードフリードの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!

各欧州車

一方で海外に目を向けると欧州車を中心に

  •  プジョー「パルトネール」
  • シトロエン「ベルランゴ」
  • フィアット「ドブロ」
  • フォルクスワーゲン「キャディ」

…と、各メーカーからカングー同様のコンセプト、パッケージングの車が数多く販売されています。

しかし、各車国内に正規輸入されておらず、実車を見つけるのはもちろんのこと、車両の詳しい情報さえもネット上で探すのは困難を極めます。

なかには並行輸入での取り扱いをしている車屋もあるようですが、いずれもカングー同様に4WDの設定がなく基本性能も似たり寄ったりで、雪道の走行性能に関しては大差がないと判断して良いでしょう。

雪道走行をする車としてカングーは買いなのか⁉︎

雪道走行ということに重点を置いた上でカングーを購入しようと考えているのであれば、結論から言うと

「買いではありません」

なぜなら、安心して雪道を走りたいのであれば4WDにこしたことはないからです。

そしてカングーにはこの4WDの設定がないというのが1番の理由です。

また、安全装備の「エクステンデッドグリップ」に関して、同じルノーのキャプチャーで採用されているタイプのように3つの走行モードから選べるものであれば、もう少しカングーの評価も変わってきたのではないでしょうか。

それではどんな車を選べば良いのか?頭を悩ませてしまいますよね。

  • 国産メーカー
  • アフターサービスも充実
  • 4WDの設定あり
  • カングーと同じ価格帯で先進の安全装備が充実している(むしろカングーよりも安い!)
  • カングー同様にスライドドアでトールワゴン
  • カングー同様に個性あるエクステリア
  • カングー同様に使い勝手の良さも重要

これらの理由から、私がぜひおすすめしたいのはトヨタ「シエンタ」です。

シエンタは、カングーと同じような価格帯で装備の充実と個性のバランスが魅力的な車で、老若男女問わず人気のある車です。(シエンタの詳細は以下の記事をご参照ください。)

シエンタのフロントシエンタ(ガソリン/ハイブリッド)の試乗レビュー・感想!乗り心地はいかに?!

しかし、そんな車選びよりも雪道走行をする際に大切にして欲しいことが2つあるので、お伝えしておきたいと思います。

  • 性能が良く評判の良いスタッドレスタイヤ、またはタイヤチェーンを装着する
  • 車・タイヤの性能を過信せずに慎重にドライブする

…ということです。

ここまで4WDの優位性を散々語ってきましたが、意外にも降雪地帯では4WD×SUVのような如何にも雪道が強そうな車の方が事故をしているという声が多く聞かれます。

これは、上記の大切な2つのポイントを疎かにしてしまったがばかりに、車の限界を見誤りコントロールできなくなって事故に至ってしまうのです。

車そのものの実力はもちろん大切ですが、それ以上に重要なポイントなので必ず守って頂き、常にもしものことを頭に置いて、安全運転を心掛けましょう。

ちなみに、フリードよりわずかに価格帯が低いシエンタですが、雪道走行を重視しているこであればその分、高性能なスタッドレスタイヤやタイヤチェーンにお金を掛けるのが、賢い車の買い方のひとつだと言えるでしょう。

カングーについては以下の記事でも取り上げているので、もっと詳しく知りたい方はこちらもあわせてご参照ください。

カングーの安全性カングーは故障が多い?壊れやすいのか故障率をもとに解説!カングーの後部座席ルノーカングーがキャンプに最適な理由5つ