トヨタ プリウスは燃費性能の高いハイブリッドカーで、その環境性能の高さは大きな魅力の一つです。
今回はそんなプリウスから発せられる異音についてご説明していきます。
プリウスの「ブーン」「キーン」など異音の原因と対処法
参考:toyota.jp
トヨタ プリウスは世界トップクラスの燃費性能があるハイブリッドカーで、エコカーの代表的な1台です。
プリウスの特徴はガソリンエンジンと電動モーターという2種類の動力源を搭載していることで、ハイブリッドカーはこの小津力源を適宜切り替えることで従来の車よりも高い燃費性能を発揮させています。
一般的な走行時には主にガソリンエンジンで走行していますが、車の発進時や低速走行時にはモーター走行に切り替わり、モーターとエンジン両方の特性を併せ持つ車になっています。
またハイブリッドカーにはハイブリッドシステムという強力な電動システムが備わっており、これを利用して従来の車ではできなかった各所の電動化も行われています。
そんなプリウスの特徴の一つには静粛性の高さがあるのですが、これは主にモーター走行時に生まれます。
プリウスのモーター走行時にはガソリンエンジンが停止しているので騒音のもととなるエンジン音がなくなり、モーター自体も走行中大きな騒音を出さないので従来の車を凌ぐ静粛性が実現できます。
住宅地などで低速走行しているとプリウスの接近に気づかないぐらい静かであり、安全のためにプリウスには走行音をわざわざ発生するスピーカーが設置されたほどです。
そのレベルの静粛性があるプリウスですが、一方で次のような異音があるという情報もあり、それぞれの異音がどのような原因で発生しているかをみていきます。
プリウスの「ブーン音」
プリウスの異音にはいろいろな種類があるのですが、まず「ブーン」という音の原因を探っていきましょう。
ブーンという異音はある意味エンジン音のような音ではあるのですがモーター走行時などにも聞かれることがあり、その原因として考えられるのは「エアコンコンプレッサ」です。
エアコンコンプレッサは車内の空調であるエアコンの心臓部でありコンプレッサーによる冷媒の圧縮などを行っていますが、このエアコンの稼働音が異音として聞こえてしまうことがあります。
プリウスのエアコンは通常のエアコンと違って電動式エアコンコンプレッサになっていて、通常のエアコンがエンジンの回転をベルトで伝達しているのに対してモーターでエアコンを動かしています。
そのためエアコンの稼働時にこの電動式エアコンの動作音がブーンという音になって聞こえることがありますが、これは異常ではないのである程度慣れる必要があります。
もう一つブーン音の原因となり得るのがエンジンマウント類の劣化で、これは走行時の振動が車体に伝わりやすくなるために起こるものです。
エンジンマウントはゴムで振動を吸収するものですが、それが経年劣化によって劣化していき性能が低下します。
これも長年車に乗っていればある程度しかたない音ではあるのですが、治すにはエンジンマウントの交換が必要で結構な費用がかかります。
プリウスの「キーン音」
次にプリウスのキーン音をご説明しますが、この音はプリウス特有のモーター走行音であることがほとんどです。
キーンという音は高周波の高い音なのですが、一般的なガソリンエンジン車などでは低い音は多くても高い音はあまり聞こえません。
しかしプリウスでの走行中にはキーンという高周波がよく聞こえてくるのですが、これはモーターが回転時に発する音やハイブリッドシステムのインバーターの動作音です。
モーターは回転時に高速回転をするのですがその際の回転ノイズがキーンという音になって聞こえてくるので、プリウスで低速走行時などにモーターを使うときには必ず聞こえてきます。
またプリウスのハイブリッドシステムには直流と交流を変換するインバーターという部品があるのですが、このインバーターの内部からも高周波の動作音が聞こえてきてキーンという音のもとになります。
この音は車の速度を上げてモーターの回転数が上がっていくと音の周波数も上がっていくので、そういった音であれば正常なプリウスの走行音です。
この音は人によってはちょっと耳障りなものに聞こえるかもしれませんが、高周波の音は消すのが難しくプリウスに乗るのであれば慣れる他ないでしょう。
プリウスの「ガラガラ音」
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プリウスの走行時に「ガラガラ」という音が聞こえてくることがあるのですが、これはエンジンの「EGRクーラー」という部品が原因の可能性があります。
EGR((Exhaust Gas Recirculation)クーラーはエンジンの排気ガス浄化技術の一つで、エンジンから排出される排気ガスの一部をエンジンに戻して燃焼の正常化に役立たせる技術です。
EGRクーラーは内部に排気ガスが通る通路と、その排気ガスを冷却する水冷クーラーが一体になっており、エンジンの動作時にはほぼずっと作動しています。
通常はEGRクーラーが動いてもそこまでひどい異音はでないのですが、故障の際に異音が出ることがあります。
EGRクーラーは長期間稼働していると内部に排気ガスに含まれるすすが溜まっていくのですが、その溜り方がひどくなると異音の原因となります。
また常に高音の排気ガスと低音の冷却水が流れていることで熱的な歪が起きやすい部品であり、パイプの破損等によっても異音が出やすい部品です。
これらの破損は経年劣化によって生まれるものなので、ガラガラ音がしたときにはディーラーなどに持ち込んで点検と修理をしてもらうと良いでしょう。
プリウスの「カラカラ音」
プリウスの走行時にカラカラ音が聞こえてきたときには、エンジンオイルの問題を疑うといいでしょう。
走行中に聞こえてくるカラカラ音は耳に聞こえてくるほどのレベルであるとエンジンが原因であることが多く、特にエンジンオイルが劣化したり不足した際に起こる潤滑不足などで発生することがあります。
エンジンオイルはエンジンの内部でピストンを初めとする様々な部品に必要で、部品の潤滑や冷却、清浄など複数の機能があります。
このエンジンオイルが劣化してきたり量が不足してきたりするとその性能が劣化し、特に高速運動をしているピストン回りの潤滑不足によってカラカラ音が発生してきます。
プリウスはハイブリッドカーということでモーターのみで走行する場合があり、普通の車よりもエンジンの使用頻度は少ないです。
しかしそれでもエンジンオイルは欠かせませんし劣化も起こりますので、あまり長い期間交換しないとこういった異音が起こる原因となります。
そのまま放置しているとエンジンの破損につながるので、異音が起きてきたらかなり危ない状態です。
エンジンオイルは新品に交換すれば性能が戻りますので、カラカラ音が出るよりもっと前に定期的に交換しましょう。
プリウスの「ガタガタ音」
プリウスの走行時にガタガタという音がしたときには、何かの部品の破損や固定不足、劣化などが原因として考えられます。
最近の車はプリウスもそうですが走行中の音にもかなり神経を払って設計されており、とくにガタガタいうようないわゆる低級音が出にくいようになっています。
しかし車を長距離走行したり年式が古くなってきたりすると部品の劣化や破損等がおこることがあり、それが原因でガタガタ音につながることがあります。
また車の部品はボルトなどで固定されているところが多いのですが、そういうところが振動で緩んだことで部品の固定が悪くなり、ガタガタ音につながることもあります。
プリウスはこういった点の信頼性が高い車なので年式が新しいうちはほとんどこういった音はしないのですが、年式が古くなるとどうしても出やすくなります。
このガタガタ音を治すには破損したり劣化した部品の交換や締め付けなどが必要なのですが、音だけですぐに原因となる部品を特定するのは困難です。
ディーラーや自動車修理工場に依頼するのが一番ですが、それでも必ずしも原因が分かるわけではなく、原因不明となる場合もあります。
プリウスの「ウィーン音」
プリウスで「ウィーン」という音が聞こえたときには電動エアコンコンプレッサーやエアコン内部のブロワーなどを疑うと良いでしょう。
プリウスの電動エアコンはその稼働音が比較的聞こえやすくなっており、普通の車ではエンジン音でかきけされている小さな音でも静かなモーター走行時には目立ってしまいます。
電動エアコンコンプレッサーはブーンというような音も出ますが切替時などのウィーン音なども出てきてこれも異音として聞こえてくることがあります。
またエアコンは車内のブロワーなど風を送る部分もあるのですが、この部分の稼働音でも気になるような音が出ますので、これであれば正常な稼働音です。
またその他にプリウスのウィーンという音にはプリウスならではのものがあり、モーター走行時に活躍する走行音発生器の音かもしれません。
前述したようにプリウスのモーター走行はかなり静かで安全のために走行音発生機が設置されているのですが、これを知らない方には異音と思われてもしかたないでしょう。
あまりドライバーのいる車内には聞こえてこないのですが、もしほかのプリウスからも聞こえてくる音であれば走行音発生機の正常な音でしょう。
プリウスの「キュルキュル音」
プリウスの走行中に「キュルキュル」という音が聞こえてきたら、普通の車とは違うところを原因と考えるとよいでしょう。
一般的なエンジン車では年式が古くなってきた車でよく「キュルルキュル」という音が聞こえることがあるのですが、このときの原因は十中八九補機関係のベルト類やファンベルトなどの劣化です。
ゴム製のベルトが劣化するとこすれるときにキュルキュルという音が出るのですが、プリウスに関しては現行モデルにゴムベルト類は一切採用されておらず、補機関係がすべて電動化されているのでここを原因とするキュルキュル音は聞こえないのです。
ですが可能性として2代目である20プリウスまではまだファンベルトを採用していましたので、昔のプリウスであればベルトを原因とするキュルキュル音は発生します。
しかしそれ以降の30、50プリウスでは構造上ベルトを原因とするキュルキュル音がありませんので、もし聞こえてきたらその他の原因としてブレーキパッドの劣化を考えましょう。
プリウスのブレーキパッドはブレーキローターとの摩擦で少しずつ消耗していき定期的に交換しなければならない部品なのですが、劣化が進むとキュルキュルやキーキーという耳障りな音を発するようになります。
こんな音がする前に交換するほうが良いのですが、もしプリウスの走行中にキュルキュルという音がしてきたのであればブレーキをチェックしましょう。
プリウスの状況別の異音の原因と対処法
次にプリウスの走行時や停止時などの状況別でどんな異音が出てくる可能性があるのかをご説明しましょう。
プリウス発進時の異音
参考:toyota.jp
プリウスの発進時はモーターを積極的に使用するシーンなのですが、そのときに発生する可能性のある異音は「キーン音」が多いでしょう。
プリウスの発進時に駆動用バッテリーに十分な電力があるときには燃費改善のためにモーターでの発進が行われます。
その際モーターとハイブリッドシステムのインバーターが働いて加速するのですが、その際に際立って聞こえてくるのはやはりそこから発生するキーン音です。ですがこれはモーターの正常な駆動音なので気になっても慣れるしかないでしょう。
またプリウスのバッテリーに十分な電力がないときには普通の車と同じくガソリンエンジンで発進するのですが、その際に異音が起こるとすれば部品の破損などによる「ガタガタ音」やエンジンオイル不足による「カラカラ音」などでしょう。
車の加速時には回りの音が静かなこともあって異音に気づきやすい状況なので、もしこういった異音が出ていれば軽微であっても車のチェックと修理をしましょう。
新しいプリウスではあまりこういった不具合は出ませんが、年式が古くなって行くに従って発生確率は高まってくるでしょう。
プリウス加減速時の異音
プリウスで加速や減速する際に発生するかもしれない異音としては、こちらも「キーン音」や「ガタガタ音」が出てくるでしょう。
プリウスは発進時にモーターを使用しますが発進後の加速時もある程度までの速度帯であればモーターだけで走行します。
そのため加速時にはモーターの回転数の高まりとともにキーン音が高い音に変化していくのがよく聞こえてくるでしょう。
また発進時にガタガタ音がしていれば加速時にもこれが際立つ可能性がありますが、一方でガタガタ音はモーターやエンジンの回転数と密接な関係があるので場合によっては異音が聞こえなくなることもあるでしょう。
しかし加速を続けているとモーターのための電力がなくなり、急加速をするほどすぐにエンジン走行に切り替わります。
そうなるとキーン音はなくなるのですがエンジン由来のガタガタ音はそのままでしょう。加速時にはエンジンの加速音も強く聞こえてきますので、プリウスにしては結構音が大きい状態になります。
また加速からの減速時などにはブレーキパッドを使用して減速しますが、その際にはブレーキパッドの擦れによるキュルキュル音が聞こえてくる可能性があります。
こちらはブレーキパッドの交換などで対応できるので加減速するときに足回りから異音がするならすぐにチェックしましょう。
プリウス停車時の異音
プリウスの停車時にはアイドリングストップでエンジンもモーターも停止していますので基本的に異音は発生しないのですが、あるとすれば電動エアコンの稼働による「ブーン音」や「ウィーン音」はしてきます。
プリウスは停車時にモーターはもちろんのことエンジンもアイドリングも切った状態で停止しますので、その際にモーターやエンジンの稼働音が一切しない非常に静かな状態となります。
そのためプリウスではこの状態なら異音どころか普通の稼働音も聞こえなくなりますが、暑い日や寒い日にエアコンを使っているのであれば話は変わります。
プリウスの電動式エアコンはエンジンが停止していてもバッテリーの電力だけで稼働できるので、普通のエンジン車がアイドリングしないとエアコンも稼働しないのとは違う状態です。
エンジン音など周りの音が非常に静かな状態なので、特にエアコンの稼働音であるブーン音は際立って聞こえてくるでしょう。
また車内のダッシュボード内にあるエアコンのブロワーの稼働音も聞こえやすくなっており、ウィーンという内部の稼働音も比較的聞こえてきます。
これらの音は正常な稼働音として聞こえてきますので対策するようなものではないのですが、あまりにも気になるようならエアコンを停止させれば消すことができるでしょう。
ですがプリウスのエアコンはオートエアコンなのでいちいち切る必要もなく便利なものなので、音に慣れればエアコンの操作いらずにはできます。
プリウスのハンドルを切るときの音
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プリウスでハンドルを切るときに聞こえてくる音は普通の車と変わらないのですが、場合によるとコトコトやコキコキという異音が発生することがあります。
プリウスの運転時にハンドルを曲げるとステアリングの機構が回転するのですが、当初は音がしなくても長年乗っている間にコトコトという小さな音やそれが大きくなったコキコキという音が聞こえてくるようになります。
この原因の多くはハンドルとタイヤにつながるステアリングコラムの間にあるフレキシブルジョイント部分で、ここの固定ボルトが多少でも緩むとコトコト音やコキコキ音が出てくるようになります。
フレキシブルジョイントはハンドルを回すと複雑な動きをする部品で、振動などでボルトが緩むことの多い箇所です。
ですがコトコトやコキコキという音ではなくギーギーのような重めの音がするのであれば、ステアリングの内部の故障も考えたほうが良いでしょう。
プリウスにはパワーステアリングのシステムがありますが、この中のモーターやギアが破損してくると別の異音がしてきます。
これらの異音はとくにハンドルを動かしたときに際立って聞こえてくるものなので、特定しやすい箇所でもあります。
プリウスの部位別の異音の原因と対処法
最後にプリウスの部位別で起こる異音についてご説明しましょう。
プリウスのダッシュボードから聞こえる異音
プリウスのダッシュボードは車の運転席や助手席の前側の部分を指すのですが、この部位では主にエアコン関連の異音が起こりやすいです。
ダッシュボードの内側にはエアコンブロワーが位置しており、エアコン稼働時にはその動作音が内部から聞こえてきます。
エンジン走行時であればエンジン音にかき消されて聞こえないほどの音量なのですが、それがないモーター走行時や停車時であればブロワーのブーン音が特に際立って聞こえてきます。
また電動エアコンコンプレッサーの動作音であるブーン音も車の前側から聞こえてきますので、ある意味ダッシュボードの中から聞こえてくるように思うでしょう。
またダッシュボードは樹脂製のパネル部品がいくつも組み合わさってできているのですが、これが経年劣化によって変形したり固定部分が破損してきたりするとガタガタ音の原因となります。
ダッシュボードなどは車体の金属部分に樹脂のクリップで固定されていますので、クリップが経年劣化で破損することで固定がずれてエンジンやモーターの振動でダッシュボードを振動させます。
音としては小さいものなので最初はあまり気付かないかもしれませんが、ダッシュボードから変な音がすると思ったら一度点検してもらうと良いでしょう。
プリウスの足回りの異音
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プリウスの足回りに関する異音ではやはりブレーキのキュルキュル音が発生しやすいものでしょう。
足回りにはサスペンションやダンパー、タイヤ、ホイール、ブレーキなどがありますが、この中で大きな異音を発生させるとしたらやはりブレーキが多いです。
前述したブレーキパッドの摩耗による異音は車に乗っていれば数年で必ず交換が必要な部位であり、必ずしも故障とは言えません。
むしろブレーキパッドの摩耗の限界を異音で知らせるようになっており、異音が出るのが当然とも言えます。とはいえやはり異音が出る前に定期的に交換することをおすすめします。
その他足回りで異音がするとしたらサスペンションなどですが、段差の乗り上げのときなどにギシギシいうようなことがあれば早急に点検したほうがよいでしょう。
昔の車ならそういった異音も少なくなかったのですがプリウスではそういう異音は発生しないようになっており、サスペンションは静かなのが正常です。
ギシギシ音が聞こえてくるということはなにかのトラブルがあるということで、サスペンションの固定が緩んでいたりダンパー自体やブーツなどの部品故障によるものでしょう。
プリウスの回生ブレーキによる異音
プリウスには回生ブレーキという重要なシステムがあるのですが、この作動時にはモーター走行時のようなキーン音は出てきます。
回生ブレーキはプリウスのバッテリーを充電するための機能なのですが、プリウスの走行時に発電用のモーターを回転させて電力を生み出すシステムです。
プリウスは走行時には低速時にはモーター、中速以上ではエンジン走行となるのですが、どちらも車の減速時になにもしないと走行エネルギーを熱エネルギーとして無駄にしてしまいます。
そこで減速時のエネルギーで発電用モーターを動かすことで従来無駄になっていたエネルギーを電気として回収でき、その分がまさにプリウスの燃費改善に役立っています。
プリウスはエンジンの横に2つのモーターを持っており、走行用モーターと発電用モーターで同クラスのモーターがあります。
回生ブレーキ時には発電用モーターしか動きませんが動作としては走行時とほぼ同じなため、モーターやインバーターなどの動作音であるキーン音は発生しています。
しかし回生ブレーキ動作時にはエンジン走行の途中ということもあってあまりキーン音自体が目だちませんので、他の異音に比べれば気にするほどのものではないでしょう。
プリウスのエアコンからの異音
プリウスのエアコンからの異音についてはコンプレッサーの動作音であるブーン音やブロワーからの音などがあるのですが、これら正常の動作音以外に異音が出るようなら部品の破損を考えたほうがよいでしょう。
特にプリウスの電動エアコンコンプレッサーはモーターで動かしているとはいえ経年劣化による故障は起こる可能性があり、特に回転部分のベアリングの劣化によるガタガタ音が出てくることがあります。
エアコンコンプレッサーは作動時にかなりの高速回転をする部位で、これは電動エアコンコンプレッサーでも同じです。
回転部分には金属製のベアリングがあるのですが、経年劣化でベアリングにガタが生まれて異音の原因となります。
エアコン動作時に急に振動音のような異音が聞こえてきたら、これは正常な動作音ではなくエアコンコンプレッサー自体の問題も考えたほうが良いでしょう。
劣化したエアコンコンプレッサーは新品に交換すれば解消するのですが、費用は少し高めです。またエアコンの冷媒が通過するパイプ類でも異音が起こる可能性はあり、経年劣化によるパイプの擦れなどでも異音が起こることがあります。
プリウスのサイドブレーキの異音
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プリウスにはサイドブレーキから発生する異音はほとんどないのですが、もしサイドブレーキの作動時に異音がするようであれば電気アクチュエーターの不良を考えることになるでしょう。
一般的な車ではサイドブレーキを動かすときにはレバーを操作したりフットペダルを踏んだりして操作するものですが、これは機械的にワイヤーなどを操作してブレーキをかける方式です。
ですがプリウスにはハイブリッドカー特有の装備として電動式サイドブレーキ(パーキングブレーキ)が装備されており、シフトレバー横のスイッチを押すことでサイドブレーキがかかるようになっています。
そのため一般的な機械式のサイドブレーキでワイヤーやレバー部分で起こるような異音はプリウスには関係ないのです。
ですがもしパーキングブレーキのボタンを押したときになにか異音がするようであれば、それは電動式のシステムの何処かに異常があるということです。
そんなときには一刻も早くディーラーや自動車修理工場などで点検してもらい、原因を突き止めるとともに部品交換などで修理を行いましょう。
サイドブレーキ(パーキングブレーキ)はプリウスの停車時に車を確実に停止させるための装備なので、異音がするような状態は危険です。
プリウスのセンターコンソールの異音
プリウスのセンターコンソールは運転席と助手席の間にある箇所を指しますが、ここから異音がするとすればガタガタ音やギシギシ音があるでしょう。
センターコンソールもたくさんの樹脂部品が重なり合っている箇所で、固定のために樹脂のクリップなどで車体にくっついています。
ここもダッシュボードのときと同じで部品が経年劣化していくとクリップの破損や樹脂パーツ同士の擦れなどでガタガタ音やギシギシ音の原因となる部分で、年式の古い車ほど発生しやすいでしょう。
また中には年式が新しいにもかかわらずセンターコンソールから異音がする場合もあるのですが、車のバラツキによってはハズレの車があるようです。
そういったときには異音がする部品の固定部分や他の部品との重なる部分にスポンジや防振ゴムをはさむような方法もあり、そういった対策をディーラーなどにしてもらいましょう。
プリウスのリアから異音がする場合
運転中にプリウスのリア側から異音が聞こえてくるときには、プリウスに限っては駆動用バッテリーの冷却部分の問題かもしれません。
プリウスは車の後部の床下にモーター走行に使う電力を貯めるための大型の駆動用バッテリーが搭載されており、これは普通の車にはない装備です。
駆動用バッテリーはモーター走行時や反対の回生ブレーキ動作時に負荷が高くなるのですが、その際には高い熱量を発生させます。
そのため駆動用バッテリーには空冷式の冷却システムが搭載されていますが、その冷却システムのファンなどが異音のもとになることがあります。
バッテリーの冷却ファンはプリウス後部のラゲッジルームの横に開口部があるのですが、そこが詰まっていたりすると異音のもとになります。
また冷却ファン自体の経年劣化によってガタガタ音や振動音などが出ることもあり、プリウスで後部から異音がするときにはここを疑うと良いでしょう。
冷却ファンは比較的メンテナンスがしやすい箇所にあり、清掃をしたり冷却ファンの交換をすることで異音対策をすることができます。
なお冷却性能が低下した際などにはプリウスのインジケーターにその旨が表示されるので、そういったときにも清掃すると良いでしょう。