トヨタ プリウスは燃費性能の高いハイブリッドカーなのですが、そのプリウスにはいろいろな安全機能が搭載されており警告ブザーもいくつもの種類があります。
今回はそんなプリウスの警告音についてご説明します。
プリウスの警告音の種類ごとの原因と解除方法
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トヨタ プリウスは国内で最も有名なハイブリッドカーで環境性能の高さがありますが、それとともに非常に信頼性が高いことでも有名です。
プリウスは現行モデルで4代目を数える車ですが、その間に何度も国内の販売台数でトップを取るほどの人気車種となりました。
ハイブリッドカーは内燃機関のエンジンと電動モーターの2種類の動力機関を持っている車で、この2つを組み合わせることで燃料消費を削減して環境に寄与する車です。
またプリウスは信頼性が高いことでも有名であり、故障が少なく長期間に渡って安心して乗れる車として定評があります。
プリウスの評判は世界的にも有名ですが、そんなプリウスにはもしものときの故障や不具合を警告してくれる警告音が設定してあり、なにか問題があればドライバーに即座に知らせてくれます。
プリウスの警告音には次のようなものがありそれぞれ重要な情報を知らせてくれるものです。
警告音の種類 | 警告音の原因 | |
ハイブリッドシステム警告ブザー | ハイブリッドシステムの不具合 | ハイブリッドシステム異常警告灯の点灯 |
ブレーキ警告ブザー | ・ブレーキの不具合 ・パーキングブレーキの解除忘れ | ブレーキ警告灯の点灯 |
油圧警告ブザー | 油圧回路の不具合 | 油圧警告灯の点灯 |
半ドア警告ブザー | ドアのロックが不完全 | 反ドア警告灯の点灯 |
シートベルト非装着警告ブザー | 乗員の乗っている運転席、助手席のシートベルトが装着されていない | シートベルト非装着警告灯 |
ドア非施錠警告ブザー | ・スマートキーが車内に残っている ・どこかのドアが開いている | なし |
スマートキー電池残量警告ブザー | スマートキーの電池が少ない | ハイブリッドシステム停止時およびエンジンカット時にブザーが鳴る |
ここからはそれぞれの警告音について詳しくご説明していきましょう。
ハイブリッドシステム警告ブザー
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ハイブリッドシステム警告ブザーは一般的な車種にはないプリウスならではの警告音の一つで、ハイブリッド関係の部品にトラブルが発生した際に警告音が鳴ります。
プリウスを始めとするハイブリッドカーには通常の車にないシステムとして電動モーターの走行システムが備わっています。
プリウスにはハイブリッドシステムとして大きく3つの部品が搭載されており、電動モーター、インバーター、駆動用バッテリーなどで構成されます。
ハイブリッドシステムは電動モーターでの走行及び回生ブレーキと呼ばれる充電機能を持っており、プリウスの走行中には常に作動している重要なシステムとなります。
ハイブリッドシステムには部品設計時点でかなりの耐久性や信頼性が与えられており、簡単に故障するような部品ではありません。
しかしこれらハイブリッドシステムのどこかに不具合が発生した際には車を走行停止させるフェールセーフシステムも組み込まれており、不具合の発生時にハイブリッドシステム警告ブザーがなってドライバーに不具合を伝えます。
また同時にプリウスのインジケーターにハイブリッドシステム不具合の表示が出るので問題は把握しやすいですが、同時に車自体は走行不能となってしまうので修理や解除にはディーラーや修理工場などに運搬しましょう。
ハイブリッドシステムの部品の不具合による故障は部品交換による修理が必要なため、即座に修理などは厳しいです。
ブレーキ警告ブザー
ブレーキ警告ブザーはブレーキ関係に不具合が出た際の警告音で、2つの状況で鳴ることがあります。まず1つ目は警告ブザーの名前の通りブレーキ関連部品に不具合があった際で、ブレーキの制動装置や油圧部分、制御システムなどに問題が発生したときに鳴る警告音です。
ブレーキ関係は車の走行には必須のシステムであり、ブレーキに不具合があるままでは安全な走行はできません。
そのためブレーキ警告ブザーが鳴ってさらにブレーキ警告灯が赤色に点灯したらブレーキシステムの不具合、黄色に点灯したら制御関係の不具合となります。
これら不具合の際には安心に走行できないので、ディーラーや自動車修理工場までの運送と修理をする必要があります。
もう1つこの警告ブザーが鳴るときはパーキングブレーキが解除されていないときで、パーキングブレーキがかかったまま走行しようとするのを防ぐための機能です。
プリウスはパーキングブレーキにボタン式の電子パーキングブレーキを採用しており、そのボタンが点灯したままだとパーキングブレーキがかかった状態になります。
ブレーキ警告ブザーが鳴ったときには一度パーキングブレーキを確認して見るとよく、パーキングブレーキを解除してブザーも鳴り止むのであれば問題は解決です。そのまま走行を続けても問題はないでしょう。
油圧警告ブザー
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油圧警告ブザーはプリウスのエンジンのエンジンオイルや油圧回路に問題が起こったときに発生する警告音です。
プリウスはエンジンとモーター併用して走行する車ですが、エンジン自体は従来のトヨタのエンジンを改良してプリウス用に仕立ててあります。
エンジンの内部には潤滑や冷却、清浄、密閉など様々な役割があるエンジンオイルというものが循環しているのですが、このエンジンオイルの油圧関係に問題が出たときにこの警告ブザーが鳴ります。
またエンジンオイル自体に何か問題が検出されたときにも鳴るのですが、加えてエンジン各所の油圧関係での警告ブザーでもあります.。
この警告ブザーが鳴ったときには車が走行中ならば路肩に停めてチェックする必要があり、そのまま無視して走行するとエンジンの重大な故障につながる可能性があります。
とはいえ自走自体は可能な場合が多いので、一度ディーラーや修理工場に電話して対応を協議すると良いでしょう。
自走できればそのまま修理工場に持ち込んで修理になりますが、自走不可の場合は車の搬送も含んだ対応が必要でしょう。
半ドア警告ブザー
半ドア警告ブザーはその名の通りドアのロックが半ドアの状態に鳴っているときに鳴る警告音です。半ドアは車のドアを閉めるときに弱く閉めたときに起こる現象で、ドアが一応しまったものの完全にロックされない状態になっています。
そのまま走行するとふとした弾みでドアが開いてしまって危険なので、半ドアでの走行を防ぐための警告ブザーとなります。
そのため車が停車状態でイグニッションオフならば警告ブザーは鳴りませんが、半ドアの状態でイグニッションオンしてギアをドライブに入れたりするとブザーが鳴ります。
それとともに運転席のインジケーターに半ドアの警告灯が点灯するので、何の警告ブザーなのかはすぐ分かるでしょう。
対処法も簡単で半ドアになってしまっているドアを閉め直すだけです。インジケーターではどこのドアが半ドアなのか表示はありませんが、運転席ドア、助手席ドア、後席左右ドア、テールゲートのいずれかなので一つづつ見ていけばすぐに警告ブザーは解消するでしょう。
シートベルト非装着警告ブザー
この警告ブザーもその名の通りシートベルトが装着されていないことを知らせるためのもので、運転席及び助手席のシートベルトについて警告ブザーが鳴ります。
シートベルトはいわずもがな車を運転するときには必須のものであり、ドライバーはもとより同乗者も全員装着の義務があります。
ですが慌てているときや急いでいるときなどにふとシートベルトを締めることを忘れる場合があり、それを防ぐためにこの警告灯があります。
運転席と助手席にはそれぞれ乗員が乗っているかを検出する重量センサーがあり、重さによって荷物ではなく乗員が乗っているかどうかを判断します。
そして乗員が乗っているにもかかわらずシートベルトがホルダーに固定されていなく、その状態で車のギアをドライブに入れたときに警告ブザーが鳴るようになっています。
解消にはもちろんシートベルトをしっかり締めることで解消され、シートベルトが使われなかったら走行中ずっと警告ブザーが鳴り響いているので、うるささから否応なしにシートベルトを締めることになるでしょう。
なお後席シートに関してはシートベルト非装着警告ブザーはありませんが、後席の乗員についてもシートベルトは装着義務があり、その責任はドライバーに課されますのでシートベルトは徹底しましょう。
ドア非施錠警告ブザー
ドア非施錠警告ブザーはドライバーが車から降りるときに車のロックに対して鳴るブザーで、正常に車の鍵を施錠できない場合に鳴る警告音です。
ドア非施錠警告ブザーが鳴るシーンには2つあり、まず1つめは車から降りるときに車内にスマートキーが残ったままになっていることです。
スマートキーはプリウスのイグニッションオンをするために必要な電子キーで、車内にあれば即座にエンジンをかけることができます。
しかしスマートキーは車から降りるときにはドライバーが車外に持ち出す必要があるため、その警告と車のロックが不完全になるセキュリティの面より警告ブザーの必要性が生まれています。これを解消するには車内に残っているスマートキーを探して持ち出すだけで大丈夫です。
もう1つのシーンは車外からロックしようとしたときにどこかのドアが開いているときで、ドアのロックが不可能なため警告ブザーが鳴ります。
ドアが完全に開いている状態はもちろんだめですが、前述した半ドアの状態でもロック不可となり警告ブザーが鳴ります。このブザーを解消するには開いているドアを再度閉めればよく簡単にブザーが解消できるでしょう。
スマートキー電池残量警告ブザー
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スマートキー関連の警告ブザーにはもう一つあり、スマートキー自体の電池残量が少なくなっていると警告ブザーが鳴ります。
スマートキーは従来の物理的な鍵とは違って電子的なキーとなっており、スマートキーと車の間で無線通信することで車のロックの解除やイグニッションオンの承認などを行っています。
そのためスマートキーは内部に電子回路とそれを駆動させる電池が入っており、プリウスを走行させるためにはスマートキーがなければ始まりません。
ですが当然ながら電池は使っていけば少しずつ残量が少なくなるので、電池は何年間も持つものではありますがいつかは交換しなければなりません。
その電池残量が少なくなっているのをドライバーに知らせるのがこのスマートキー電池残量警告ブザーで、これは警告音というよりは一種の便利装備です。
警告ブザーが鳴って即座に電池がなくなるわけではありませんが、車を降りるときにエンジンカットすると鳴りますので鳴ったら即座に電池交換をすると良いでしょう。
もし電池を交換しないまま放置していると、出先で電池が完全に切れたときに場合によっては車を始動できないという問題につながってしまうのですぐ対応したほうが安心です。
プリウスの警告音が止まらない場合の対処方法
プリウスの警告音には非常にクリティカルな問題を知らせるものからドライバーが忘れがちなことを知らせるためのものまで、そのブザーの重要度はさまざまです。
軽度な問題の警告ブザーであれば問題が解消すれば警告ブザーも鳴り止みますが、もし警告音がずっと止まらないときには重大な問題が残っているということなので車を走行させたりイグニッションオンさせることもやめておいたほうが良いです。
そして車の状態確認や修理を要することがありますので、車の整備などを普段依頼しているディーラーや自動車修理工場に連絡し、対処法の相談と修理工場までの搬送などの手続きを行いましょう。
またJAFなどのサービスに申し込んでいるのであれば、まずはJAFのロードサービスに連絡するとスムーズです。