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オデッセイは雪道に弱い?雪道走行の性能について分析してみました!

エリシオンと統合することで大型化したオデッセイですが、厳しいミニバン部門でも、なかなかの人気を獲得している様子。

たしかに7人乗れて荷物も積めて、なおかつ程よいボディサイズなので、普段使いに重宝するモデルですからね。

いっぽうで、その実用性の高さから「冬に乗りたい」という人も多く、雪道での走行性能をみなさん疑問に思っているようです。

というわけで今回は、オデッセイの雪道走行について、諸元などを参考にしながら解説していきたいと思います。

ライバル車やTwitterの口コミもピックアップしてみたので、ぜひご覧ください。

オデッセイの雪道走行性能

ホンダ オデッセイ

結論としては「4WDを選択すれば、それなりに走れるモデル」といえますね。あまりにハードな雪道は厳しいですが、多少の雪なら対応可能でしょう。

具体的な解説については後に回すとして、まずは世間の評価を見ていきたいと思います。オデッセイに対する感想を、Twitterからいくつかピックアップしてみたのでご覧ください。

イメージどおり、雪の多い地域ではスバルの普及率が高いようですね。私が北海道で暮らしていた頃も、毎日のようにスバル車を見かけたものです。(スバル車の性能の詳細は以下の記事をご参照ください。)

スバル フォレスタースバルが雪道に強い理由3つ!雪道走行性能が最強の車種はこれだ!

ところが、こちらの投稿者さんがおっしゃるように、雪国でもオデッセイに乗っている方は意外といるんですよ。

FFの印象が強いオデッセイですが、ちょっとした悪路に備えて4WDモデルも用意されているので、けっこう人気があります。

ただし、人気のハイブリッドモデルには4WDが設定されていません。あくまでも雪に適しているのはガソリンモデルだけ。

そのせいか、ハイブリッドに乗りたい人にはとっては決め手に欠けるようですね。大型化がより評価を高めた現行オデッセイですが、この点が最大のネックといえるでしょう。

「雪道性能」「ハイブリッド」が絶対条件なら、オデッセイという選択は厳しいかもしれません…。

オデッセイの雪道走行性能の理由

雪道での走行性能を評価するには、「走行性能」「コーナリング性能」「ブレーキ性能」といった具合に分けて考えるとわかりやすいです。

というわけで、公称諸元を参考にしてこの3項目について解説していきましょう。

まずは、オデッセイの諸元をご覧ください。

項目2.4L ガソリン2.0L ハイブリッド
種類水冷直列4気筒DOHC16バルブ水冷直列4気筒DOHC16バルブ+モーター
排気量2,356cc1,993cc
最高出力175PS/6,200rpmエンジン:145PS/6,200rpm
モーター:184PS
最大トルク23.0kgf・m/4,000rpmエンジン:17.8kgf・m/4,000rpm
モーター:32.1kgf・m
車重1,750-1,830kg1,820-1,890kg
全長×全幅×全高4,840×1,820×1,715mm4,840×1,820×1,695mm
最低地上高145mm/150mm140mm/150mm
駆動方式FF/4WDFF

※水冷、直列4気筒、DOHC、エンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。

ポルシェ 水冷エンジン水冷エンジンのメリット5つ!バイクだけでなく車にも搭載されてる?!BMW 直4エンジン直列4気筒エンジンの特徴!どんな音?搭載車を日本車/外車の車種からそれぞれ紹介!エンジンDOHCエンジンとは?仕組み/構造は?ツインカムとの違いとは?!

雪道における走行性能

雪が積もるとタイヤのグリップ力が極端に低下します。そうなると困るのが、スリップして発進できない状況ですね。雪国にお住まいの方なら、誰でも一度は経験がありますよね?

交差点などのブレーキングスポットはアイスバーンになりやすく、とくにスリップしやすいポイントなので要注意。スリップせずに雪道を走るためには、この部分をチェックしてみましょう。

  • 駆動方式
  • 最低地上高の高さ
  • トルクの大きさ

まず「駆動方式」ですが、雪道ではいうまでもなく4WDが有効。前述のように、オデッセイはガソリンモデルにのみ4WDの設定があります。SUVのような本格的な四輪駆動ではありませんが、ある程度なら対応できそうですね。

次に「最低地上高」ですが、雪の上を走るなら150mm以上は欲しいところ。オデッセイはちょうど140~150mmくらいの車高なので、及第点といった感じです。

雪道では「トルク性能」も大事です。雪がそこそこ積もっていると、トルクが小さいと雪に妨げられて進むことができませんからね。その点、オデッセイは23kgf・mは発揮できるので、除雪が加わる道路なら走行できるでしょう。

よって走行性能については、ある程度の雪道なら対応することが可能といえます。

スリップしないようアクセルの踏み込みに注意していれば、よほどの豪雪地域でない限り、ちゃんと走ってくれると思いますよ。

雪道におけるコーナリング性能

コーナーでの安定性も非常に大切ですよね。交差点の右左折はもちろん、冬の外出というと、峠道を走る機会も多いでしょう。スキーや温泉など、山へ出かける人が増えるはずです。

コーナーリング性能を評価するなら、この項目をチェックしてみてください。

  • 車重の軽さ
  • 重心の低さ

コーナリングでも4WDが有利な気がしますが、実際にはそう大差ありません。このように感じるのは、強くて重いボディを持つ四駆車のほうが、路面を強くグリップできるためなんですよね。

しかし、摩擦が極端に少ない雪道では、コーナリングフォース(遠心力)がグリップ限界を超えやすいため、重い車ほどスリップしやすい傾向にあります。重量級SUVが路肩へ落ちているのをたまに見かけますが、これは重すぎることが原因の一端なのです。

重心位置もポイントのひとつで、コーナーにおいては重心が低いほど有利です。重心が高いと、コーナー旋回中に踏ん張りが効かず、横転しやすくなりますからね。

オデッセイは、ミニバンとして標準的な重量であることに加え、重心の位置が低めに設計されているので、コーナーでの信頼度はけっこう高いです。スピードの出し過ぎに気を付ければ、問題なく走れますよ。

雪道におけるブレーキ性能

雪道において、もっとも重要といえるのが「ブレーキ性能」です。もしアイスバーンで制動が効かず信号で止まれなかったら、それこそ命に関わります。実際、冬の北海道で起こる事故は、大半が交差点のスリップが原因ですからね。

ブレーキシステムの制動力やスタッドレスタイヤの性能も大切ですが、諸元のこういった項目もチェックしてみましょう。

  • 車重の軽さ
  • 駆動方式

通常、車重と制動距離の間には大きな差がありません。重い車のほうが止まりにくい気がしますが、大きな荷重が加わる分、タイヤのグリップ力も効きやすくなるのです。つまり、ドライな路面なら車重では制動距離を測れないということ。

これに関しては、国土交通省が実施した「ブレーキ性能試験」からも判断することができます。

参考 ブレーキ性能試験結果一覧自動車総合安全情報

しかし、これはあくまでもドライ路面における話で、雪が積もった道路では適用されません。雪によって摩擦力が極端に低下するため、車重による慣性力が、タイヤのグリップを容易に超えてしまうのです。


ようは軽い車のほうが止まりやすいということ。車格が異なるケースでは一概にいえませんが、似たようなモデルなら「軽量性=ブレーキ性能」と考えて間違いないでしょう。

また、ブレーキシステムとは直接関係ないものの、駆動方式も減速力に関連する部分があります。そう、「エンジンブレーキ」ですね。

4輪に制動するブレーキシステムとは異なり、エンジンブレーキが効くのは駆動輪のみ。端的にいえば、4WDは2WDの2倍もの減速力が働くということなのです。4WDなら減速時の車体も安定しやすいので、下り坂でも積極的に活用できますよ。

少し長くなりましたが、ミニバンとして標準的な重量で4WDを備えるオデッセイは、ブレーキ性能も大きな心配はなさそうですね。ただし、これは「ミニバンの中」という話なので、普段コンパクトカーに乗っている場合は、十分警戒が必要ですよ。

MEMO

もしオデッセイを買おうと考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。

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オデッセイの雪道走行性能を他の車と比較

ここで気になるのは、「ライバル車と比較するとどうなのか?」ということ。似たようなキャラクターのモデルと比較してみて、オデッセイ雪道性能を客観的に評価してみましょう。

そこで今回はトヨタ「エスティマ」、マツダ「MPV」、スバル「エクシーガ」の3台を比較対象に考えてみました。

それぞれの販売価格も載せてみたので、よかったら参考にしてみてください。ちなみに、オデッセイはガソリンモデルが298~365万円、ハイブリッドモデルが375~415万円に設定されています。

トヨタ エスティマ

トヨタ エスティマ

いわずと知れた、トヨタミドルクラスミニバンの人気モデルのエスティマ。

直列4気筒2.4Lエンジンをベースに、ガソリンモデルとハイブリッドモデルをラインナップしています。現行モデルとしては、オデッセイ最大のライバル車種といえるでしょう。

価格帯はガソリンモデルが327~391万円、ハイブリッドモデルが431~492万円となっており、オデッセイより少し高め。雪道への対応力はどちらが上でしょうか?

項目諸元
種類直列4気筒DOHC+モーター
排気量2,362cc
最高出力エンジン:150PS/6,000rpm
Fモーター:143PS
Rモーター:68PS
最大トルクエンジン:19.4kgf・m/4,000rpm
Fモーター:27.5kgf・m
Rモーター:13.3kgf・m
車重1,990-2,020kg
全長×全幅×全高4,820×1,810×1,760mm
最低地上高160mm
駆動方式4WD

人気のハイブリッドモデル同士を比較してみたいと思います。

まず、オデッセイのハイブリッドモデルには4WDの設定がありません。これは雪道の走破力において不利です。4WDの設定と最低地上高を考慮すると、発進や車線変更はエスティマのほうが対応しやすいといえるでしょう。

いっぽうオデッセイは、エスティマよりも100kgほど軽量で、なおかつ重心が低いです。コーナーやブレーキなどのシーンでは、オデッセイのほうが制動しやすいということですね。

まとめると、単純な走破性はエスティマ、コーナリング性能やブレーキ性能はオデッセイが優れているということになります。

なおエスティマについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。

トヨタ エスティマエスティマの口コミ評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!トヨタ エスティマエスティマの燃費は悪い?街乗りや高速の実燃費は?改善し向上させる方法まで解説!

マツダ MPV

 

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実は販売から20年以上の歴史を持つモデルで、このクラスのミニバンとしてはかなり古参のMPV。

SUVのような性格をもつ7人乗りミニバンとして人気でしたが、市場の低迷により2016年に販売終了し、現在は中古としてのみ購入が可能です。

当時の販売価格は282~358万円で、2018年における中古相場は60~150万円くらいですね。それでは雪道性能を比較してみましょう。

項目諸元
種類水冷直列4気筒DOHC16バルブ
排気量2,260cc
最高出力163PS/6,500rpm
最大トルク20.7kgf・m/3,500rpm
車重1,760-1,880kg
全長×全幅×全高4,860×1,850×1,685mm
最低地上高155mm
駆動方式FF/4WD

ボディはオデッセイよりも若干大きく、車重や最低地上高はほとんど同じくらいの数値ですね。一見すると、どちらが優れているのかは微妙なところ。

しかし、MPVは本格的なSUVを意識したモデルなので、「ラダーフレーム」という走破性に長けた構造になっているんです。もちろん、4WD機構も走破性に強いものに仕上がっています。

雪道の走破性においては、重心が低く、優れた駆動力をもつMPVのほうが上手でしょう。その分、燃費性能や快適性ではオデッセイのほうが優れています。

スバル エクシーガ クロスオーバー

 

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最後に比較するのは、スバルの7人乗りミニバンとして人気だったエクシーガです。そのなかでも「都市型SUV × 多人数車」というコンセプトのクロスオーバーモデルを比較対象にしてみたいと思います。

新車価格は275~276万円でしたが2018年3月に販売が終了したため、現在は中古車のみの取り扱い。比較的新しいモデルなので、相場は210~~260万円程度のようですね。それでは雪道性能について比較してみましょう。

項目諸元
種類水平対向4気筒DOHC16バルブ
排気量2,498cc
最高出力173PS/5,600rpm
最大トルク24.0kgf・m/4,100rpm
車重1,620kg
全長×全幅×全高4,780×1,800×1,670mm
最低地上高170mm
駆動方式4WD

※水平対向4気筒エンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。

スバル 水平対向エンジン水平対向4気筒エンジンの特徴!どんな音?搭載車を日本車/外車の車種からそれぞれ紹介!

諸元表を見てわかるとおり、エクシーガはあらゆる点でオデッセイよりも優れていますね。エンジンのパワーについては大きな差はありませんが、車重で100~200kg、最低地上高で2~3cmものアドバンテージがあります。

加えて、スバルの十八番であるフルタイム4WDを備えているので、雪道の走行性能はエクシーガのほうが上手でしょう。

オデッセイは雪道走行する車としては買いか?

というわけで、オデッセイの雪道走行についての解説は以上になります。

FFのイメージが先行していますが、4WDモデルならそれなりに走ることができるでしょう。ただし「走れる」というだけで、同クラスのモデルと比較してわかるとおり、けっして「雪に強いモデル」とはいえません。

降雪量が少ない地域で乗る車なら、冬用に買うのもアリですが、豪雪地域で乗るなら性能的に厳しいかと思います。

どうしてもオデッセイに乗りたい場合は、上級スタッドレスやスタックラダーなど、しっかり準備をしておきましょう。

なおオデッセイについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。

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