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ディーゼルエンジンでの長時間アイドリングの効果とデメリット!燃費や不調・不安定時の対応まで疑問を全て解説!

ディーゼルエンジンは乗用車だけでなく大型トラックなどにも使われるエンジンで、そのトルクの高さは大型車向きの特徴を持ちます。

そんなディーゼルエンジンを搭載したトラックなどは街中や高速道路のSAなどで長時間アイドリングしたままなのをよく見かけますが、これはエンジンへの問題はないのでしょうか。

今回はディーゼルエンジンの長時間のアイドリングについてご説明します。

ディーゼルエンジンでの長時間のアイドリング

アイドリング

アイドリングとは車の停車時にエンジンがかかり続けている状態のことを指し、1,000rpm以下の低い一定の回転数でエンジンを稼働させます。

アイドリングを使う状況としてはおもに

  • 道端などへの停車
  • 信号待ち
  • 渋滞

のときなどで、通常は長くても数分程度のアイドリングが普通です。

ですがいくつかの状況においてはずっとアイドリング状態にしたい場合があり、次のような状況があります。

長時間アイドリングの状況

普通の乗用車ではあまり見かけませんが、大型トラックなどは駐車場や高速道路のサービスエリア、パーキングエリアなどで30分や1時間以上アイドリング状態な場合を見かけます。

これにはいくつかの理由があり、季節的な影響が特に強いです。

空調の使用のため

なぜ長時間のアイドリングが必要かというと、エンジンによって動くいくつかの機器が停車時に必要なことがあるからです。

MEMO

車のさまざまな機器や電装品はほとんどすべてがエンジンの出力を活用して稼働しており、エンジンがかかっていない状態では補機バッテリーの電力を使った負荷の低い機器のみしか使えません。

ですが車内の空調を行うエアコンやヒーターなどはバッテリーの電力のみでは稼働できず、長時間のアイドリングがほしいときは停車時にこれらの機器を使いたい場合です。

夏場の暑い時期にはエンジンが停止すると車内はどんどん暑くなり、逆に冬場などは一気に冷え込みます。

長距離トラックのドライバーなどは車内で仮眠を取ることが多いのですが、その時にはエアコンやヒーターがなければならず、アイドリングを続けている必要があります。

大型トラックには冷蔵車や冷凍車など常に冷却が必要な車種もあり、これらもアイドリングは続けていなければなりません。

また電装品はバッテリーに充電した電力で動いていますが、その電力はあくまで小型のバッテリーに貯められたものだけなので、長時間電装品を使おうとするとエンジンを動かす必要があります。

小さなライトなどだけでも数時間点きっぱなしになっていればバッテリーの充電量は大きく減り、そのままにしていればバッテリーの充電量は0となり、エンジンを起動するための電力もなくなってしまいます。

これらの状態ではエンジンは常にアイドリングを続けていないとならず、また乗用車でも長距離運転をする場合などは、同様の理由でアイドリングを続けたい場合があります。

軽油の凍結防止

ディーゼルエンジンに主に使われる燃料は軽油ですが、軽油は通常の状態では-2.5℃付近で凍結する特性が有り、日本の寒冷地では燃料が完全に凍ってしまう可能性があります。

ガソリン(クリーン)ディーゼルの燃料は軽油?灯油やガソリンを給油しても走れる?

寒冷地には専用の凍結防止剤を入れた軽油が販売されており、これであれば-20℃まで凍結を防止できるので、基本的に寒冷地での燃料凍結は燃料の入れ替えによって行います。

ですが例えば予想外の寒波の影響などで急に気温が下がり、車には通常の燃料しか入っていない場合などには一度動き始めたエンジンを止めてはいけません。

注意

短時間止めるぐらいなら問題はありませんが、数時間止めたりすれば車の各部にある軽油は次第に冷えて凍結していき、最終的にはエンジンが始動できないという自体に陥ります。

もしそんな状況になった場合はエンジンはアイドリング状態で常に車の温度が高い状態を作り出さなければならず、休憩時などにもアイドリングを切ることはできません。

ですがそういった気候のときには、そもそも車内にいるとヒーターを止めるわけには行かないので、自動的に連続アイドリングの状態にはあります。

注意するひととしては、ディーゼルエンジンにあまり乗ったことがなく、軽油が凍結するという知識が少ない人、もしくは寒冷地でそれに気づいても燃料が専用のものではない場合などでしょう。

ディーゼルエンジンのアイドリングによる弊害

ディーゼルエンジンでアイドリングを続けた場合にはいくつか影響がある点があります。

燃費の低下

アイドリング時にはエンジンが常に稼働しているので当たり前と言えますが、車の燃費に対しては悪影響を与えます。

燃費は燃料1Lあたり走行できる距離で表し、◯km/Lと表します。ですがアイドリング時というのはエンジンは動いていても車は全く走っていませんので、燃費は0km/Lとなってしまいます。

つまり燃料だけどんどん消費して車の移動には寄与しないので、アイドリングが続く限り燃費がどんどんわるくなるのです。

しかしディーゼルエンジンはガソリンエンジンと比べると、アイドリング時の燃料消費量自体は比較的少なく、ガソリンエンジン車よりはアイドリングを続けることに有利でもあります。

なおディーゼルエンジンの燃費については以下の記事で詳しく解説しているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。

ベンツCクラス ディーゼルエンジンクリーンディーゼル車は燃費が悪い?低燃費車を比較してランキングで紹介!

カーボン堆積量の増加

アイドリング時というのはエンジンが低い回転数で回っているので非常に低い負荷で動いていますが、その状態ではディーゼルエンジン内部ではカーボンと呼ばれる有害物質の生成が多くなります。

カーボンは正式名をPM(粒状黒鉛)と呼び、エンジンが低負荷時に燃料が不完全燃焼することで生成されます。

ディーゼルエンジンは圧縮着火という燃焼方式を使っているので、エンジン負荷が低いと燃焼温度が低くなり、高負荷時よりPMの生成が増えます。

PMは非常に細かい黒鉛の粒ですので、大気中に排出されると肺がんなどの原因物質となり、排気ガス規制で大きく規制されています。

そのため近年のディーゼルエンジンにはDPFと呼ばれるカーボン処理装置が設置されており、排出されたカーボンはDPFの内部に一度溜まり、その後に処理されて無害化されます。

ですがアイドリングが増えるとDPFへのカーボン堆積はどんどん増える結果となり、後述する処理回数にも影響します。

DPF再生回数の増加

DPF内部に溜まったPMはある程度のところで「再生」と呼ばれる再燃焼行程があり、不完全燃焼したカーボンをもう一度燃やすことで無害なガスへと変換します。

MEMO

この処理は通常数百キロ走行ごとに自動的に行われるのですが、アイドリングを続けてPM堆積量が通常より増えると、再生を行う回数が増加します。

DPFは再生を行わなければPMが溜まりっぱなしになるのですが、再生のためには高い温度の排気ガスが必要で、そのためにはエンジン負荷は高くなければなりません。

ですがアイドリング状態ではDPFを再生できるほどの排気ガス温度にはなりませんので、基本的にアイドリング状態ではPMは溜まり続けます。

その後走行を始めればDPF再生は始まるのですが、堆積量が通常より多いため、処理のインターバルが通常より短くなるのです。

DPFの再生は触媒内部で燃焼させることから部品が少しずつ劣化するもので、その再生回数が増えるということはDPFの劣化も増えるということです。

DPFの劣化が進むとそのうち部品交換が必要な状態となり、高額の修理費用がかかります。

アイドリングを続けたからといってすぐにDPFの劣化が進むわけではありませんが、長い目で見ると交換頻度は短くなってしまうでしょう。

なおこのPM(煤)の問題については以下の記事でさらに詳しく解説しています。詳細まで知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。

320d エンジン(クリーン)ディーゼルの煤問題とは?除去・洗浄や対策方法まで全て解説!

連続アイドリングとアイドリングストップ

近年のディーゼルエンジン車には燃費の向上のためにアイドリングストップシステムが装着されるようになってきましたが、基本的に連続アイドリングを行う場合にはこのシステムはカットして行います。

アイドリングストップシステムは信号待ちの停車時などにエンジンを一時的に停止するシステムのことで、停車時には自動的にエンジンが停止し、ブレーキを離すと自動的にエンジンが再始動します。

エンジン停止時には燃料が消費されないので燃費改善に大きな効果があり、最近の車にはほぼ標準装備となりました。

アイドリングストップは走行時には効果的なシステムですが、連続アイドリング時のときには使わないシステムであり、その際にはアイドリングステップシステムをカットしたほうが良いでしょう。

システムが搭載された車には必ずシステムOFFができるスイッチがあるので、そちらを使いましょう。

またOFFにしなくても、アイドリングストップ時にバッテリーの電力が不足してきた場合などには自動的に再始動しますので、そんな大きな問題とはなりません。

MEMO

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ディーゼルエンジンのアイドリングでの燃費

ガソリン

前述でも少し触れましたが、エンジンのアイドリング時には燃料は消費される一方で燃費が悪化します。

その際の燃料消費量はエンジンの大きさやアイドリング時に使っている機器によって変わってきますが、一般的には次のような燃料消費量と言われています。

1時間あたりの燃料消費量無負荷アイドリングエアコンスイッチON
大型車1.26L1.55L
中型車0.69L0.86L
小型車0.58L0.73L

参考:いすづ自動車 必要最小限のアイドリング運転

これはあくまで燃料消費量の一例ですが、おおよそ一時間で0.5L〜1L前後の燃料がアイドリングだけで使われていることになります。

またエアコンを使用してエンジン負荷が高いほど燃料消費量は増加し、3割程度は悪化傾向にあります。

ですがディーゼルエンジンはガソリンエンジンに比べるとアイドリング時も燃料消費量が少なく、およそ3割ほどはガソリンエンジンより燃料が節約できます。

車のエンジンガソリンエンジンとディーゼルエンジンの違い3つ!比較すると熱効率や寿命が全然違う?!

また日本ではディーゼルエンジンの燃料である軽油はガソリンより安く、リッターあたり10円ほど安くなることから、ディーゼルエンジンのほうが連続アイドリングには適していると言えるでしょう。

ディーゼルエンジンのアイドリング時の音

ディーゼルエンジンのアイドリング時にはガソリンエンジンに比べると独特なエンジン音があり、気になる人には気になるものです。

ディーゼルエンジンは元からガソリンエンジンに比べるとエンジンサウンドがうるさいというデメリットが有り、それはディーゼルエンジンの圧縮着火という特徴からしかたないものです。

一般的に「カラカラ音」と呼ばれるこの音は燃料の燃焼時に起こるもので、結構耳ざわりな気になる音です。

この音は走行中ももちろん聞こえていますが、走行中にはエンジン音以外にもタイヤが道路を走る際のロードノイズや風切り音などほかの音もあることから、相対的にカラカラ音は気にならなくなります。

ですがアイドリング時にはそういった他の音がなく、ディーゼルエンジンのカラカラ音のみが強調されて聞こえる状況にあるので、ガソリンエンジン車よりもアイドリング時はうるさい車といわれることになります。

この特徴から住宅地などでのディーゼルエンジンの連続アイドリングはあまり推奨されておらず、郊外のほうが迷惑は少なくなるでしょう。

また乗用車系の車種では遮音材などの効果によって車室内ではそこまで音が気にならない車種も有りますが、車外には思ったよりも大きな音が響いていますので注意が必要です。

なおディーゼルエンジンの音については以下の記事でさらに詳しく解説しています。詳細まで知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。

Cクラス エンジン(クリーン)ディーゼルエンジンの音の特徴!カラカラ音の原因と低減対策まで全て解説!

ディーゼルエンジンのアイドリング不調

プラグ

ディーゼルエンジンは特定の状況においてはアイドリングが不安定になることがあり、ガソリンエンジンにはないデメリットです。

アイドリングが不調になりやすくなるのは外気温が低い冬季、および寒冷地で、さらにエンジンをその日に初めて始動させた時などに影響が大きいです。

ディーゼルエンジンの圧縮着火はエンジン内部の温度が高くないと着火しないのですが、気温が低いときなどはエンジンが冷え切ってしまって着火が比較的不安定という特徴が有ります。

ポイント

グロープラグというエンジンを電気で温める部品も装着されていますが、始動性が改善するだけで燃焼は不安定なままですので、その状態ではアイドリングも不安定となります。

またもっと気温が下がって氷点下になると、今度はディーゼルエンジンの燃料である軽油の凍結温度(-2.5℃前後)となり、燃料の粘度も高まってやはり燃焼が不安定となります。

もし車が完全に停止した状態で凍結温度に至ってしまえば当然燃料は凍りエンジン始動自体ができなくなります。

そういった寒冷地には凍結防止剤を含んだ軽油が売られていますが、これらは燃焼に関してはそこまで効率的ではないので、やはりアイドリングを不安定にさせる原因と言えます。

エンジンが一度始動して少しすればエンジン本体が温まり、その後はアイドリングも少しづつ安定していきますので、基本的には始動してからアイドリングを続けることが不安定さを改善する方法です。

なおディーゼルエンジンについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。

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