ホンダ N-BOXは軽自動車のトールワゴンで、小さな車ながら車内の広い車です。
今回はN-BOXのラゲッジスペースについてご紹介します。
N-BOXの荷室・トランクの容量・寸法
ホンダ N-BOXは軽自動車の中ではかなり車高の高い車で、車内スペースの広さが魅力的な車です。
N-BOXは軽自動車なので車のサイズ的には小さいのですが、全高がかなり高い上下に長い車となっています。
商用モデルではなく乗用車なのでボンネットもある車なのですが、全体的にスクエアボディのデザインでありホンダのNシリーズ共通のレトロフィーチャーな印象もあります。
また現行N-BOXは2代目となっており、2017年にフルモデルチェンジされた車なので結構長い車種となっています。
ではN-BOXの大まかなサイズ感とラゲッジスペースのサイズや容量についてご紹介します。
スペック | N-BOX | |
乗車定員 | 4名 | |
全長 | 3,395mm | |
全幅 | 1,475mm | |
全高 | 1,790mm(FF車) 1,815mm(4WD車) | |
室内長 | 2,240mm | |
室内幅 | 1,350mm | |
室内高 | 1,400mm | |
ラゲッジルーム | 高さ | 標準仕様、スーパースライド仕様:1,205mm スロープ仕様:1,300mm(車内スライド上面〜天井) |
幅 | 1,120mm | |
奥行き | 〈標準仕様〉 セカンドシート展開時:440mm〜630mm セカンドシート収納時:1,535mm 〈スーパースライドシート仕様〉 セカンドシート展開時:440mm〜630mm セカンドシート収納時:1,535mm 助手席側スーパースライド時 約2,000mm 〈スロープ仕様〉 セカンドシート展開時:440mm スロープ使用 セカンドシート収納時:1,380mm | |
ラゲッジ容量 | セカンドシート展開時:約200L〜300L セカンドシート収納時:約1,100L | |
運転席寸法 | 高さ | 約1,100mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約800mm | |
助手席寸法 | 高さ | 約1,100mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約800mm | |
後席寸法 | 高さ | 約1,000mm |
幅 | 約1,100mm | |
奥行き | 約1,200mm |
N-BOXは軽自動車なので車のサイズには軽自動車規格での制限があり、全長や全幅は軽自動車全般と同じく規格ギリギリのサイズです。
一方で全高は規格上のゆとりがあるため1,800mm前後の高い車高になっており、軽自動車の乗用車では最大クラスの大きさになります。
また室内スペースに関しては室内長や室内高が広めのサイズに設定されており、かなり居住性が高い快適な軽自動車となっています。
N-BOXは車のタイプとしてはハッチバックカーとなっているのでラゲッジスペースは車内の一部になり、標準的なラゲッジスペースはセカンドシートからテールゲートまでの間のスペースとなります。
N-BOXは全長に制限があるので室内のシートのスペースが広くなっているために標準ラゲッジスペースは奥行きがかなり小さなサイズとなっていますが、N-BOXはセカンドシートが前後スライド出来るためそれによってある程度スペースは拡大します。
またN-BOXにはラゲッジスペース周りの仕様がいろいろあり、一般的なベンチシートの標準仕様、助手席シートが大きく前後スライドできる「スーパースライドシート仕様」、ラゲッジスペースに展開式のスロープを備えた「スロープ仕様」があり、それぞれラゲッジスペースの使い方が変わってきます。
ではN-BOXのラゲッジスペースについて詳しくご紹介していきましょう。
N-BOXの荷室・トランク・荷物収納スペースの良い点
N-BOXのラゲッジスペースは軽自動車なので基本的には小さなスペースなのですが、後述する使い方によっては大幅に利便性が向上します。
小さいながらも普段使いには使えるラゲッジスペース
N-BOXのラゲッジスペースはシートを展開した状態ではある程度小さめのサイズですが、それでも普段使いには十分です。
N-BOXは軽自動車の中でも特に車内の居住スペースを重視した設計となっており、特にセカンドシートの足下空間が広いので快適に座れる軽自動車です。
セカンドシートは前後に200mm程度の大きなスライドが出来るのも特徴で、限られた車内スペースをスライド機能によって変化させて利用できます。
セカンドシートを最も後側にした場合にはセカンドシート後部のラゲッジスペースの奥行きは400mm程度ですが、1番前側にスライドして座席の足下空間を狭くすれば600mm程度まで広がりますので標準ラゲッジスペースを大きく利用できます。
横幅は軽自動車なので そこまで大きく出来ないものの、1,120mmとほぼ最大サイズの室内幅がラゲッジスペースでも利用できます。
400mm程度の奥行きでも普段使いの荷物ぐらいならば十分に積み込めるサイズ感はあり、N-BOXの室内高の高さを活かして上下方向にうまく積み込めば結構な量も入ります。
そして量が増えればセカンドシートを前にスライドして対応できますし、左右のセカンドシートを独立してスライドできるため片方だけでも奥行きを広げることも出来ます。
ゴルフバッグのような大きなものはなかなか積み込めませんが、中型のスーツケースぐらいならばなんとか収まりますので旅行などには活用できます。
なおセカンドシートの前後スライドは標準仕様およびスーパースライドシート仕様は可能ですが、スロープ仕様に関してはスライドができないので、セカンドシート展開時には400mm程度の奥行きのみとなります。
シートアレンジで大幅に拡大するラゲッジサイズ
N-BOXでは車内のシートアレンジによってラゲッジスペースの広さをより拡大させることができ、利便性も大幅に向上します。
なおこの項で標準仕様およびスーパースライドシート仕様についての内容で、スロープ仕様については別に後述します。
N-BOXではフロントシートとセカンドシートであわせて4名乗りとなっており、セカンドシートはベンチシート式の座席となります。
この座席は前後への大きなスライドが可能ですが、その他に背もたれを前側に倒すシートアレンジが可能でこれによって標準ラゲッジスペースと繋がります。
セカンドシートのスペースもラゲッジスペースとなるため、奥行きは一気に1,535mmまで拡大でき、かなり大きなサイズのものも積み込めます。
シートアレンジ後のスペースはうまく標準ラゲッジスペースの床面とほぼ完全なフルフラットになるようになっているので、上下の高さも広々としたサイズがそのまま活用できます。
これだけの奥行きがあればゴルフバッグやスーツケースなどの大きな物もしっかり積み込めるスペースがありますし、横倒しや斜めに積み込めば複数のゴルフバッグを積み上げたりも出来ます。
またラゲッジスペースの高さ方向が1,200mmもありますので自転車などの背の高いものもそのまま積み込めるだけのサイズがあり、軽自動車とは思えないほどの積載性を発揮できます。
またセカンドシートのスライドと同じくシートアレンジも左右分割でそれぞれ倒すことができ、片側を座席として残せば3名乗車が出来る状態で長い荷物を積み込むような使い方が出来ます。
それにプラスしてスライド機能も活用すればかなりフレキシブルにいろいろな対応ができるでしょう。
さらに助手席の背もたれはシートアレンジ後であれば後ろにリクライニングするとほぼ水平まで倒すことができ、助手席も利用すれば2,500mm近い奥行きを利用できるので長い木材なども積み込めるでしょう。
スーパースライドシート仕様は前後スペースが広い
N-BOXのスーパースライドシート仕様では前述したシートアレンジに加えて助手席のスライドが利用でき、ラゲッジスペースとしても活用できます。
スーパースライドシート仕様はセカンドシートに加えて助手席を前後に大きくスライドできる仕様で、主にセカンドシートの足下空間を広げたりする使い方で子育て世代やレジャーなどに便利に使える仕様となっています。
またこの機能をラゲッジスペースとしても利用することができ、助手席の前後位置を調整することで助手席側のシートアレンジの前後サイズをより拡大できます。
助手席シートに座るときの足下空間を狭くするのであれば、奥行きを1,800mm弱までは利用できるでしょう。
スーパースライドシート仕様であれば長い荷物を積み込むのにはかなり便利であり、乗車人数と乗る人の体格によって助手席に座ったりセカンドシートに座ったり、また左右分割式でシートアレンジを駆使したりすれば、さまざまなシーンに対応できます。
標準仕様では助手席の背もたれを後ろに倒してラゲッジスペースとすると助手席には座れなくなってしまいますが、スーパースライドシート仕様であれば同時に座席としても使える場合が出てくるでしょう。
セカンドシート側からでもスライド調整できるのも特徴の一つで、荷物をおろしたらすぐに座席として利用も出来ます。
荷物の積み下ろしのしやすい地上高
N-BOXのラゲッジスペースは荷物の積み下ろしもしやすい設計となっており、特に最低地上高の低さが便利です。
N-BOXは軽自動車にしては広々とした車内スペースが魅力の車ですが、それに加えてホンダが得意とする低床レイアウトという車内設計が盛り込まれています。
車内の部品配置を工夫することで車内の床面が低くなってスペース効率が良くなるのですが、それに加えてラゲッジスペースの床面も低い位置に配置できます。
この特徴を活かしてN-BOXのラゲッジスペースの床面は地上から400mmちょっとという低い位置になっており、荷物の積み込みの際に高い位置まで持ち上げなくても良いので楽になります。
N-BOXのラゲッジ床面の高さは数ある乗用車の中でもかなり低い位置にあり、重量物を積み込むときや大量の荷物を載せるときにはかなり楽です。
またこれだけ低いと荷物を持ったまま車内の乗り込むような使い方も可能であり、N-BOXの室内高が高いのですばやく積み込むことが出来ます。
自転車などの大きなものであっても持ち上げる高さが低いのですぐに載せられますし、実に使い勝手の良いラゲッジスペースです。
低いラゲッジ床面は商用車によく見られるものなのですが、N-BOXは乗用車ながらかなりラゲッジスペースも考えられた構造となっています。
セカンドシート跳ね上げ機能の便利さ
N-BOXの標準仕様とスーパースライドシート仕様ではセカンドシートを跳ね上げるという機能があり、これも低床レイアウトによるメリットです。
一般的な車ではセカンドシートはほとんど固定式になっており、シートアレンジで背もたれを前に倒すぐらいの機能に留まっています。
ですがホンダ車特有の低床レイアウトではセカンドシートの下側に主要機器が収まっていないことで自由度が非常に高くなっており、セカンドシートの座面を跳ね上げる機能がそなわっています。
この機能によってセカンドシートの足下空間が広がるため、このスペースもラゲッジスペースとして利用できます。
セカンドシートの床面はラゲッジスペースの床面よりもさらに低い位置にありますので、特に高さ方向でより広いサイズをラゲッジスペースとして利用できます。
そのため植木などの背が高くて横倒しできないものを積み込むのに最適であり、ホンダ車特有の面白い使い方が出来るでしょう。
跳ね上げ機能を使うと標準ラゲッジスペースはそのままとなりますが、シートの跳ね上げ機能もシートアレンジと同じく左右分割式なので片側に長い荷物を積み込むなども出来ます。
この機能だけでも他のメーカーではあまり見られない便利な機能ですので、シーンによってうまく使い分けると良いでしょう。
スロープ仕様は特別な使い方の出来るモデル
N-BOXには乗用車にしては珍しくスロープ仕様というタイプがあり、こちらは軽自動車としてもかなり特別な車です。
スロープ仕様のN-BOXにはラゲッジスペース部分に引き出し式のスロープが装備されており、テールゲートを開いてからスロープを引き出して地面に設置させれば直接荷物をラゲッジスペースに送り込めます。
基本的には車いすを載せて運用するような介護車両がメインのモデルになりますが、それ以外の利用方法も色々あるでしょう。
スロープはN-BOXのセカンドシートをシートアレンジとして収納してから一部ボードを取り外したり、手動でスロープを引き出したりするので、多少慣れは必要ですがそこまで難しいことはありません。
車いすを載せるタイプには電動式のウインチまで装備されていますので、車いすに人が乗ったままでも安全に車内に乗車でき、そのまま車での移動が出来ます。車いす仕様には車いすの固定フックや専用のシートベルトなども装備されます。
またスロープ式はラゲッジスペースの床面が折りたたんだスロープの上面となるのですが、その地上高は標準モデルよりもさらに低い位置にありますので、上下方向の高さも広いですし積み込みも楽です。
スロープの下には小さめながらアンダーラゲッジのような部分もあり、車いすを載せる以外でも貨物車や趣味の車としても運用できるモデルです。
自転車やマウンテンバイク、ミニバイクなどタイヤの付いたものを載せるにはピッタリであり、軽自動車1台でこれらの運搬が楽に行えるのは魅力的です。
さまざまなラゲッジスペース周り装備
N-BOXのラゲッジスペースにはいくつか特徴的な装備がそなわっており、軽自動車ではありますが機能的な車です。
まずN-BOXのラゲッジスペースは全体的に直線的でラゲッジスペースの広さを最大限確保したレイアウトになっていますが、その中で標準ラゲッジスペースの左右のトリム部分を活かしてサイドポケットが装備されています。
サイドポケットは意外と大きめなサイズがあるので小物を入れるには十分なサイズがあり、防水性のあるトレイなので汚れやすいものも積み込めるでしょう。
またシートアレンジをするためのセカンドシートのレバーがラゲッジスペース側からでも操作できるようになっており、ラゲッジスペースの奥行きが短いのでこちらは楽に操作できます。
その他ラゲッジスペースのテールゲート部分には照明が装備されており、夜間でも手元を照らしてくれるので便利です。
さらにN-BOXには特徴的な装備としてセカンドシートの跳ね上げ機能があるのですが、シートの座面の下、跳ね上げモード時にはめくられて前側に位置する部分にコンビニフックが装備されています。
セカンドシートのスペースをラゲッジスペースとして背の高い荷物を積み込み、さらにコンビニフックを利用して袋に収めたものなどを同時に積み込めますのでスペース効率に富んだ装備です。
N-BOXの荷室・トランク・荷物収納スペースの悪い点
N-BOXのラゲッジスペースは軽自動車の中ではかなり便利なものなのですが、次の点は少し使いづらい部分です。
フル乗車時のラゲッジスペースは狭め
N-BOXのラゲッジスペースはいろいろなシートアレンジは可能なものの、車内にフル乗車したときにはどうしてもラゲッジスペースの狭さが目立ってきます。
N-BOXはセカンドシートまで使うと4名まで乗車できるのですが、フル乗車時にはセカンドシートを比較的後ろにスライドさせるので、その後部のラゲッジスペースはどうしても狭くなります。
高さや横幅はそこそこあるので積み方や荷物のサイズ次第ではありますが、4人分の荷物を積み込むにはN-BOXの標準ラゲッジスペースは奥行きが頼りないサイズです。
4人で週末に買物にいったり旅行にいったりするにはラゲッジスペースがフル積載になる場合も多く、あまりヘビーな使い方には向きません。
一応N-BOXはシートアレンジで積載性は増やせるものの、軽自動車なのでセカンドシートを一つ倒すだけで3名までしか乗車できず、結構ファミリーカーとしては不便な点もあります。
それでもセカンドシートの前後スライドを使えばある程度座席の足下空間を犠牲にしながらラゲッジスペースは拡大できますし、荷物のサイズによってはセカンドシートを一番後ろにした上で乗員の足下やヒザの上などに載せると良いでしょう。
軽自動車なのでどうしても窮屈な部分があるのは仕方ないので、使えるモードをフル活用して対応するとよいでしょう。
汚れにはあまり強くないラゲッジスペース
N-BOXのラゲッジスペースは汚れに対してあまり強い素材ではなく、泥汚れや水で濡れたものを積み込むときには注意が必要です。
N-BOXではシートアレンジによって広々としたラゲッジスペースを展開できるのですが、そのラゲッジスペースの上面はカーペット生地となっています。
カーペット生地は乗用車の床面素材としては一般的で、荷物での傷つきを防げたり荷物の移動も楽になるのでメリットは多いです。
ですがカーペット生地に一度泥汚れが付いたり水で濡れたりすると掃除するのがとても大変になってしまい、場合によってはシミになって残ってしまうこともあります。
キャンプやアウトドア、レジャーなどでN-BOXを使うときにはこういった汚れたものを積み込む際に注意が必要です。
またスロープ仕様のN-BOXであればスロープ部分は金属製などのである程度汚れには強いものです。
スロープが収まる部分も車いすを積み込むことを前提とされているのである程度汚れに強い素材にはなっていますが、それ以外のセカンドシートの背面などはそこまで汚れに強くはありませんので、スロープ仕様では積み込むものと積み込む場所に気をつければ対応しやすいでしょう。
N-BOXの荷室・トランク・荷物収納スペースの口コミ・評判
N-BOXのラゲッジスペースについてはtwitterでもいろいろな投稿がありますが、その中からいくつかご紹介しましょう。
N-BOX、軽のワンボックスとしてはDisるとこないわ。絶賛するほどではないけど、利便性と性能をギリギリの線で両立させつつ、手を抜いてると思うところがない造り。後部座席も荷室もスイフトより広い。唯一悪いところはホンダが作ってることくらなかな(ヤメロ #NBox #honda https://t.co/BemiFiSaWz pic.twitter.com/vRMiaoqnCv
— クラゴン親方(ヨンゴー組班長 (@kuragonOYAKATA) January 29, 2023
こちらの方はN-BOXの性能を高く評価されており、バランスの良さを褒めていらっしゃいます。
軽自動車というサイズ制限のあるカテゴリーで乗員の居住スペースを広く取りながら、シートアレンジによってラゲッジスペースの使い勝手も利用できるというのは魅力的な1台ですよね。
JEJアステージの収納ボックスシリーズ、サイズ25を2つ並べるとN-BOXの荷室にジャストサイズだということをぜひみなさんに伝えたい。#NBOX #NTBOX pic.twitter.com/a1iIENugc2
— カタクリコ@ハリアー/N-BOX (@cataclico80) October 14, 2022
こちらの方はN-BOXの標準ラゲッジスペースに小型のボックスを2つ装備しておられ、この車にはジャストフィットで載せられるようです。
このようなボックスをあらかじめ装備しておけばボックスの上にもいろいろな荷物を積み上げられるので、N-BOXの特徴である室内口の高さをより活かすことができるでしょう。
総評
ホンダ N-BOXは軽自動車の中ではスペース効率に優れた車で、軽自動車としての扱いやすいサイズに広々とした車内スペースが魅力的な1台です。
セカンドシートを展開した状態でのラゲッジスペースはそこまで広くはないものの、シートアレンジやさまざまなモードを駆使することで限られた車内空間を居住スペースとラゲッジスペースに分けて対応することが出来ます。
またスロープ仕様は軽自動車では珍しい仕様なので、介護や趣味の車としてはこのモデルが便利でしょう。