日産 NISSAN GT-Rは同社の最上級スポーツカーとして世界に通用する性能を持っており、国産車とは思えない圧倒的な走行性能を有しています。
今回はそんなNISSAN GT-Rの後部座席についてご紹介します。
NISSAN GT-Rの後部座席の2列目・セカンドシート
日産 NISSAN GT-Rは日産自動車を代表するスポーツカーで、発売から10年以上経つ車ながら現在でもトップクラスのスペックを持っています。
GT-Rは以前はスカイラインシリーズのハイスペックモデルという位置づけの車でしたが、現行のR35からは専用設計の車となり車名も正式に「NISSAN GT-R」になっています。
ではまずこのNISSAN GT-Rの大まかなサイズ感についてご紹介します。
スペック | NISSAN GT-R | |
乗車定員 | 4名 | |
全長 | 4,710mm | |
全幅 | 1,895mm | |
全高 | 1,370mm | |
室内長 | 1,730mm | |
室内幅 | 1,475mm | |
室内高 | 1,095mm | |
ラゲッジルーム | 高さ | 約400mm |
幅 | 約1,200mm | |
奥行き | 約500mm | |
運転席寸法 | 高さ | 約900mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約1,000mm | |
助手席寸法 | 高さ | 約900mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約1,000mm | |
後席寸法 | 高さ | 約800mm |
幅 | 約500mm×2 | |
奥行き | 約700mm
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NISSAN GT-Rは最上級のスペックを持つスポーツクーペとして開発された車で何より走りを磨かれた車ですが、車のレイアウトとしては運転席と助手席に加えて後部座席が2席設けられた2+2スタイルとなっています。
NISSAN GT-Rは基本的にドライバビリティカーで運転席と助手席がメインにデザインされていますが、それに加えて緊急時に使える補助シートとして後部座席が設けられており、それゆえ後部座席は+2という扱いになっています。
NISSAN GT-Rは車のサイズが非常にワイドかつローダウンしたスポーツスタイルでキャビンのサイズは必要最低限になっていますが、後部座席もあるということで室内長はそこそこのサイズが確保されています。
ではこのNISSAN GT-Rの後部座席について詳しく見ていきます。
NISSAN GT-Rの広さ・居住性
NISSAN GT-Rの後部座席は左右に完全に別れたセパレート式の座席となっていますが、全体的なデザインとしては横につながったベンチシートのようなデザインです。
NISSAN GT-Rの後部座席は+2という名称の通り補助的に2席を利用するようなタイプであり、後部座席のスペースは前席に比べるとかなり狭いものとなっています。
NISSAN GT-Rの後部座席の前後サイズはおよそ700mm程度のスペースしか無いのですが、このサイズでは前席シートとの間のニースペースがほぼ余裕がなく、体の大きな人では前席シートバックに足がぶつかるほど窮屈な座席になっています。
前席シートは一応ある程度前後スライドができるものの、運転席や助手席がメインのNISSAN GT-Rでは後部座席に座る場合はなんとか体勢を収められるよう調整するような形になるでしょう。
またNISSAN GT-Rの後部座席は前後だけでなく上下や左右の幅もかなり詰めたサイズ感で、後部座席に座ったときの頭上空間はほぼゆとりがなく、身長の高い人は天井に頭がぶつかって首をすぼめるようにしないと座れないでしょう。
特にNISSAN GT-Rは車のルーフデザインが後方に行くに従って低くなるエアロボディになっており、後部座席の上辺りが最も低くなるので前席よりも窮屈です。
さらにNISSAN GT-Rは室内幅自体はそこそこスペースがあるものの後部座席は左右席が完全に別れた凹凸の大きなデザインをしており、後部座席に座ると左右に身体がほとんど動かせずくつろげる座席になっていません。
この点は後述するメリットもあるのですが、乗用車としてみたときにはNISSAN GT-Rの後部座席は非常に窮屈でなんとか座れるサイズの座席になっています。
なおNISSAN GT-Rは2ドアタイプのクーペなので後部座席への乗り込みも前席ドアから行うことになりますが、その際は運転席や助手席を前に倒して乗り込むスペースを作る構造です。
ですが乗り込むスペースも決して広くはないので、天井の低さも相まって後部座席への乗降性も良くはありません。
NISSAN GT-Rの後部座席のチャイルドシート対応
NISSAN GT-Rは走行性能を追求したピュアスポーツカーとして開発された車ですが、一応補助的な座席とはいえ後部座席があるのでファミリーカー的な使い方もできないわけではありません。
そのためNISSAN GT-Rの後部座席にはチャイルドシート用の固定機能が備わっており、スポーツ走行以外のシーンもしっかり想定されていることがわかります。
チャイルドシートは子供専用の小型の座席のことで車のシートの上に搭載して利用するものですが、子供の小さな体では普通の車のシートは大きすぎて安全に保護できないためある程度の年齢まではチャイルドシートの利用が義務付けられています。
チャイルドシートには乳幼児用、幼児用、学童用などさまざまな年齢や身体の大きさに合わせたものがありますが、搭載場所としては事故の際により危険の少ない後部座席に搭載されることが多いです。
チャイルドシートの固定には基本的にはシートベルトを利用して固定する形が一般的ですが、近年は「ISOFIX」と呼ばれるチャイルドシート専用の固定規格が制定されておりこれに対応していればより確実な固定が可能となります。
NISSAN GT-Rは後部座席の左右席それぞれにこのISOFIX対応の固定器具が用意されており、後部座席へのチャイルドシート搭載に対応しています。
また後部座席の後ろに「トップテザーアンカー」と呼ばれるチャイルドシートの上側の固定を行う場所もあり、チャイルドシートの固定に関してはスポーツカーながら不安なくしっかりと固定ができる仕様になっています。
ですがNISSAN GT-Rは後部座席のスペース自体が非常に狭いため実際にチャイルドシートが搭載できるかどうかはこのスペースにかかっており、あまり大きなチャイルドシートでは搭載すること自体が不可能な場合もあります。
またもしチャイルドシートが後部座席に搭載できたとしても、実際に子供をそこに乗せようとするときにはかなり不便であり、前席シートを倒した狭いスペースから乗り込むことになるので使い勝手は非常に悪いです。
それでもスポーツカー1台でチャイルドシートを運用できるのはメリットではあり、特に助手席側のシートの前後位置を調整したりすればなんとか実用的にはなるでしょう。
またチャイルドシート自体も日産がメーカー純正のチャイルドシートを販売しており、そこにNISSAN GT-R対応のものがあればあらかじめ搭載性が確認されているため安心して購入できます。
NISSAN GT-Rの座り心地
NISSAN GT-Rの後部座席は座り心地はかなり辛いシートになっており、座り心地もあくまで補助シートとしての役割となっています。
NISSAN GT-Rの後部座席はシートのデザインがスポーツカー用の形状となっており、後部座席ではありますがかなりホールド性は高いデザインになっています。
NISSAN GT-Rの後部座席は左右に別れていますがそれぞれ座面と背もたれが大きく凹みをもたせてあり、NISSAN GT-Rのスポーツ走行時でも後部座席でしっかり体を支えてくれる安定感のある座席に仕上がっています。
ですが後部座席自体の固さはかなり固めのものとなっており、ホールド性が高いシートは窮屈感も高いので座り心地は長時間座るのにはかなり辛いシートです。
NISSAN GT-Rのグレードやオプション装備によってはシート表皮が豪華な革製にもなるのですが、あくまでNISSAN GT-Rはスポーツカーなので座り心地よりも安定感を優先したシートになっています。
またNISSAN GT-Rの後部座席は現代の車にしてはかなり簡便な装備になっており、特にヘッドレストが装備されていないのはかなり残念な点です。
ヘッドレストは乗員が頭を乗せておくクッションなのですが、万が一の事故の際に頭を前後にしっかりと支えることでむち打ちを防いでくれる重要な安全装備になっています。
近年では軽自動車やコンパクトカーなど小さな車でもヘッドレストは標準装備になってきているのですが、NISSAN GT-Rの後部座席にはヘッドレストの装備がないのは安全性の面で不安です。
NISSAN GT-Rの後部座席のレイアウト的に後部座席のすぐ上にリアウインドウが来ているので物理的にヘッドレストが収まるスペースはないのですが、いくら補助シートとはいっても最上級の車種にしては不満のある部分でしょう。
NISSAN GT-Rの後部座席の装備
NISSAN GT-Rの後部座席では周辺装備自体はそこまで充実していませんが、オーディオ関係で特徴的な装備があります。
まずNISSAN GT-Rの後部座席のシートベルトについて見ていきますが、シートベルトに関しては後部座席であっても3点式シートベルトが装備されています。
補助シートでは腰だけを支える2点式シートベルトの場合もあるのですが、NISSAN GT-Rでは運転席や助手席同様の3点式シートベルトなので安全性の高いシートベルトとなっています。
また3点式シートベルトは腰だけでなく体も支えてくれるシートベルトなので、走行中に体をホールドしてくれるのでNISSAN GT-Rのようなスポーツ走行する車ではより安心感のある装備となっています。
一方で一般的な乗用車にあるような便利な装備はNISSAN GT-Rの後部座席にはほとんど装備されておらず、後部座席の周辺装備で便利なのはセンターに配置されたドリンクホルダー1箇所のみです。
このドリンクホルダー部分は少し高さは低いもののアームレストのような使い方は可能で、それぞれの座席の脇の車体部分も凹ませてあってこちらもアームレストになっています。
収納関係はシートバックポケットや小物入れは後部座席周辺にはありませんので、補助的に座る以上のことは基本的に出来ません。
ですがNISSAN GT-Rの特徴的な装備として後部座席のセンター部分にオーディオ関係のサブウーファーが装備されており、大型の上下2連ウーファーなのでNISSAN GT-Rのプレミアムな音響をしっかり演出してくれます。
この配置はウーファーとしての性能でトランクルームも活用できるようにレイアウトされたもので、後部座席の装備では最も目立つ装備となっています。
NISSAN GT-Rのリクライニング・シートアレンジ
NISSAN GT-Rの後部座席では一般的な車種の後部座席にあるようなリクライニング機能やシートアレンジ機能は装備されておらず、完全に固定式の座席になっています。
NISSAN GT-Rの後部座席は全体的なスペースの小ささやシートのデザインからかなりギリギリの構造のシートになっているのですが、このシートは前後のスライドや前後のリクライニングは不可能で座席のスペースは拡大できません。
それでも運転席や助手席は前後スライドもリクライニング機能もありますので、後部座席が狭くて座れないといった状況では特に助手席の位置を調整することで多少は後部座席に座りやすくなるでしょう。
またNISSAN GT-Rのようなトランクルームのあるクーペやセダンタイプの車では最近トランクスルー機能が備わっていることが多く、後部座席を前に倒すことで後部座席のスペースとトランクルームをつないで大きな荷室にする機能があります。
しかしNISSAN GT-Rの後部座席にはこのトランクスルー機能も備わっておらず、後部座席は完全に固定式で動きませんのでトランクルームの容量は変化できません。
それでもNISSAN GT-Rのトランクルーム容量は結構大きいので普段使いではそこまで不便はありませんが、長い荷物を乗せたいといったときには活用できません。
なお荷物置き場としてはNISSAN GT-Rの後部座席は普段から便利に活用できる場所であり、また前席の前後リクライニングをするスペースにもなっているので、補助シート的な役割ではあるもののスポーツカーであるNISSAN GT-Rでは意外と重要なスペースになっています。
NISSAN GT-Rの後部座席の評価・口コミ
NISSAN GT-Rの後部座席についてはtwitterでもいろいろな投稿がありますので、そこからいくつかご紹介しましょう。
ってかR35の後部座席座ったけどあれ乗るものじゃないでしょ
バケットシートで前見えないし、首曲げないと乗れない— あまの (@amano_214) July 13, 2022
こちらの方は実際にNISSAN GT-Rの後部座席に乗られたことがあるようなのですが、その狭さはかなり辛かったようです。
前席シートが大きいので視認性はたしかに悪いですし、背の高い方は天井に頭がぶつからないようかなりきつい体勢となってしまうのは厳しい点です。
後R35は他のハイパフォーマンススポーツカーには珍しく後部座席あるし、トランクは割と広いしで実用性あるんやわ。
— タンバリン会長@レーシングブルー (@rapid_225) June 6, 2022
こちらの方は意外とNISSAN GT-Rの後部座席に良い印象を得られており、世界の高性能スポーツカーの中では実用的な面もあるので魅力的でもあるのでしょう。
トランクルームなども大きな容量があり、後部座席も座るのにはあまり適さないもののさまざまな用途に活用できるので後部座席は便利なシートでもあるのです。
総評
NISSAN GT-Rは日本を代表する最上級のスポーツカーとして、登場から長い期間が経過した現在でも変わらず日産の象徴的な1台です。
NISSAN GT-Rの走行性能は世界的にも高い評価を得ているのですが、そういったスポーツカーであるにもかかわらず後部座席があるのは珍しく実用性の面でも使える車に仕上がっています。
後部座席のスペースはたしかに狭いのですが、この後部座席があるとないとでは利便性が大きく変わってくるので後部座席は必要といえるでしょう。