フォレスターはスバルの大型SUVで、オフロード性とステーションワゴンのような使い勝手の良さが特徴です。
今回はそんなフォレスターについて車中泊に向いているかどうかを見ていきましょう。
フォレスターの車中泊が快適な理由
フォレスターはスバルの車種の中では高級感のあるSUVで、1997年から続く歴史の長い車です。
フォレスターは現行モデルで5代目となりますが、最新モデルは2018年に登場した新しい車種です。
フォレスターはカテゴリーとしては都会的なデザインを持つクロスオーバーSUVですが、スバルはフォレスターに以前から本格的な悪路走破性を与えており、現行フォレスターの走行性能も高いものがあります。
また車内にに関しては広々とした室内と質感の高いインテリアを持ち、荷室の広さなどもあるのでさまざまなシーンに対応できる車となっています。
そんなクロスオーバーSUVは近年車中泊という利用法が注目されており、旅行の際にホテルや旅館ではなく車の車内で一晩を過ごす方法です。
また車中泊はキャンプの代わりとしても利用されており、テントなどを持っていかずに車の車内で寝れるのでフォレスターのようなSUVでキャンプをするときにも利用できます。
車中泊は宿泊費用を控えられるというコストパフォーマンスの高さが特徴ですが、その他にも車内で寝るという特別感もあります。
そんなフォレスターでの車中泊について、まずは車のサイズを大まかに見ていきましょう。
スペック | フォレスター | |
価格 | 2,860,000円〜3,179,000円 | |
乗車定員 | 5名 | |
全長 | 4,625mm | |
全幅 | 1,815mm | |
全高 | 1,715mm〜1,730mm | |
室内長 | 2,110mm | |
室内幅 | 1,545mm | |
室内高 | 1,270mm | |
ラゲッジルーム | 高さ | 785mm |
幅 | 1,073mm | |
奥行き | 840mm | |
運転席寸法 | 高さ | 約1,100mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約1,000mm | |
助手席寸法 | 高さ | 約1,100mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約1,000mm | |
後席寸法 | 高さ | 約1,100mm |
幅 | 約1,300mm | |
奥行き | 約1,100mm | |
3列目寸法 | 高さ | 3列目シートなし |
幅 | ||
奥行き |
フォレスターはクロスオーバーSUVとしては大型の部類に入り、全長は4,625mm、全幅は1,815mmと比較的横幅が広い割合の車となっています。
また全高も高めでゆとりのある車内空間を持つ車ですが、SUVなので最低地上高は高く設定されており悪路走破性も高くなっています。
全長は大型車ほどではないので運転しやすい扱いやすさもあり、日本の狭めの道でも運転しやすくなっています。
また車内の空間については乗用車として標準的な車内サイズをしており、室内長2,110mmはセダンやステーションワゴン系の車種と近いサイズです。
ですが室内幅は1,545mmも確保されており、大きめの全幅を活かして車内は左右に広い車内空間となっています。
ラゲッジスペースに関しては奥行きが840mmとそれなりにゆとりのあるものとなっているので、普段使いの荷物を載せるときには非常に便利な車です。
そんなサイズ感を持つフォレスターですが、車中泊に対してはそれなりにしっかり対応できる車となっており、その理由をご説明していきます。
ほぼ完全なフルフラットモードが作り出せる
まずフォレスターの車内で車中泊を過ごす際に一番大きなメリットといえるのがフルフラットな空間を作り出せることです。
車の中で寝ようとすると必ず寝台となる空間が必要となるのですが、狭い車などではしっかりした寝台ではなく凹凸の多いものであることがあります。
ですがフォレスターの場合には後部座席とラゲッジスペースをつなげることでほぼ完全なフルフラットな空間を作り出すことができ、車中泊を過ごすのに最適な空間を作り出すことができます。
この機能はもともとラゲッジスペースを拡大するための機能となっていて、長い荷物や大きな荷物を載せるときに前後のスペースを広げることができます。
この機能はフォレスターの後部座席の背もたれを前側に収納することで出来上がるのですが、そうすることで背もたれの背面とラゲッジスペースの上面が一続きになりフラットな空間が生まれます。
実際には後席の背もたれが少し斜めに収納される形になるので完全なフルフラットではないのですが、それでも車中泊はしっかりできるスペースとなっています。
このスペースは凹凸はほぼない形状になっているので、なかなか寝心地の良い寝台となるでしょう。
ちょうど足を伸ばして寝られる寝台のサイズ
フォレスターのフルフラットモードでは後席とラゲッジスペースの空間を活用するのですが、そのサイズは足を伸ばして寝られるサイズとなっています。
車中泊にはフラットな寝台となる空間が不可欠ですが、その他にそのサイズも広くなっていないとなかなか快適な睡眠はできません。
最低限でも身長分の前後の奥行きがなければ足を伸ばして寝ることはできず、狭い空間では足を曲げて寝たりすると安眠できないものです。
また身長ギリギリのサイズであっても窮屈さを感じてしまうので快適性が悪くなりますので、多少のゆとりもほしいものです。
フォレスターの場合には後席とラゲッジスペースの前後の寸法を合計すると、おおよそ1,900mmぐらいのスペースが生まれます。
これだけのサイズがあれば身長170cm〜180cmぐらいの人であればしっかり足を伸ばして寝ることができ、車中泊用のスペースとしては確保できています。このぐらいのサイズなら大人の男性でもほとんどの身長の人が寝ることができるでしょう。
近年はミニバンなど車内がさらに広い車などで車中泊ができるスペースが2,000mmを超える車もありますが、フォレスターのサイズでも十分です。
室内幅が広めで最大3名ぐらいなら車中泊可能
フォレスターは車中泊用のスペースとして前後のサイズが広めになっていますが、横幅も広いのでなんとか3人ぐらいまでなら寝ることができます。
フォレスターの車中泊スペースで快適に過ごすのであれば車内の左右に一人ずつ、計2名で寝るようにすると横の人と身体や手がぶつからずに非常に楽な車中泊を過ごすことができます。これだけ広ければ大きな布団などを積み込んでも邪魔にならず、快適性は高いでしょう。
ですがフォレスターの室内幅は1,545mmもあるので、うまくスペースを利用すると3人ぐらいまでなら寝ることは可能です。
横並びに3人で寝る際に1,545mmの横幅では一人あたり約500mmぐらいのスペースとなりますが、子のサイズ感は1畳のサイズよりも少し小さいぐらいです。
このスペースで横並びに3人で寝ると隣の人と手がぶつかったりはしますが、なんとか身体は収まって寝ることができるでしょう。
そのためフォレスター1台での3人旅行や家族旅行などでも車中泊が使えるようになり、利用できるシーンが多くなっています。
SUVらしい走破性でどこでも車中泊可能
フォレスターは車中泊がしっかり過ごせる空間がある車ですが、元々の性能的に悪路走破性が高いのでいろいろなシーンでも車中泊が可能です。
車中泊にはキャンプの代わりとして利用するシーンも多くなっており、車中泊専用のキャンプ場なども登場しているほどです。
キャンプのようにテントやタープなどの大きな荷物を持っていかなくて済むのでとても便利で、なおかつ天候等にもほとんど左右されない点も車中泊のメリットの1つです。
特にフォレスターは元々キャンプやアウトドア向けとしての需要が高い車であり、そこに車中泊が組み合わされるととても便利です。
フォレスターでもちろん普通の旅行やキャンプで車中泊を過ごすのも良いですが、その他の使い方として山の上や奥地または海岸沿いなど悪路を伴うところでも車中泊ができる点が面白い点です。
フォレスターの走破性があればある程度の悪路は問題なく走行できるので、例えば渓流釣りに山の奥に入ってから夜は車中泊で過ごすといった過ごし方ができます。
またアウトドアスポーツ用の用品を車内に積み込んで現地に赴き、車中泊は車内の左右どちらかだけを利用して一人旅をするなどの使い方も出来ます。
こういったフレキシブルな車中泊の利用法ができるのがフォレスターの大きなメリットです。
各所に収納があり、荷物置き場に困らない
フォレスターでは車中泊の際には後席とラゲッジスペースを使いますが、その他の部分に荷物を置いて置けます。
フォレスターの車中泊では寝台のサイズ感はほとんど寝るのにギリギリのもので、頭の上や足の下などにはあまり大きな荷物を置ける空間はありません。
ですがその他にフォレスターの車内には荷物の載せ場所が残っており、一番大きいのは運転席と助手席でしょう。
車中泊の空間を作っても前席はほとんど動かす必要がなく、車中泊のときには座れる程度のサイズ感でそこに荷物を置いて置けます。
またその他にフォレスターにはアンダーラゲッジが設けられており、寝台の下にも荷物を収納することができます。
ラゲッジスペースには上下分割のボードがハマっているのでこれを取り外せばその下に荷室がありますが、ここにはある程度の大きさの荷物であれば載せることができます。
もちろん車中泊のときには寝台の下になるのでアンダーラゲッジにはアクセスできませんが、車中泊に関係ない旅行の荷物などはここに収めておけるでしょう。
フォレスターで車中泊をする方法
では次にフォレスターで車中泊をする方法を簡単にご説明していきます。
フォレスターの車内をフルフラット化する
まずフォレスターの車内で寝るためのすぺーすを確保するためフルフラット化する必要があります。
フルフラット化するにはフォレスターの後部座席の収納が必要ですが、その操作自体は簡単です。
フルフラット化するには後部座席の背もたれを前側に倒すのでリクライニングとは逆方向ですが、それ専用のレバーがシートにあるのでそれを操作するだけです。
レバーでほぼワンタッチで背もたれは倒れますので、一度操作を見ておけば現地で迷うことなどはないでしょう。
この操作だけでフォレスターのフルフラット化は完了しますが、実際に寝台にするときにはフォレスターのアンダーラゲッジにあらかじめ荷物を収納しておいたほうが良いです。
またフルフラット化したあとは前席との間に多少の隙間ができてしまいますので、快適に寝るためにはここにボックス状のものやクッションなどで隙間を埋めるとより快適な寝台となります。
なおフルフラット化でも前方側が多少斜めに上がる形状となるので、自然にはそちらが頭側になるでしょう。
車中泊のアイテムを準備する
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車中泊にはフルフラット化やサイズが重要ですが、その他にさまざまな車中泊アイテムが必要となります。
車中泊を快適に過ごすために必須なものが2つあり、それは車中泊用のマットと遮光カーテンやボードです。
車中泊用のマットは車中泊時の布団代わりとなるもので、感触の固いフォレスターのフルフラット空間に敷き詰める必要があります。
車中泊マットはさまざまなアイテムが市販されているので、その中でフォレスターの車内サイズにフィットうするものを選びましょう。
また遮光カーテンや遮光ボードはフォレスターの各種ウインドウを塞ぐためのもので、ウインドウがそのままだと外から街灯の光や車のヘッドライトの光が入ってきて快適に寝ることができません。
そのため遮光性の良いものが必要で、これも車中泊用アイテムとして様々なものが販売されているので、その中からフォレスターに合うものを探しましょう。
また汎用品の遮光ボードをフォレスターのウインドウサイズに合わせて切って自作するのも良く、フィット感の微妙な社外品を完璧にフィットさせることが出来ます。
この他にも車中泊にはさまざまなアイテムがありその組み合わせで快適性はかなり変わってきます。
最初は車中泊マットと遮光アイテムを揃えて、そのあと車中泊を過ごしていく中でいろいろなものを増やしていくと良いでしょう。
車中泊の際の注意点
車中泊の際には寝台のサイズももちろん重要ですが、その他に注意点として車内の換気が必要になります。
車の中で寝るという体験は車中泊以外では味わえないもので、そのために意外と車内の換気という点を見落としがちです。
車は車内の密閉度の高いものなので、窓を締め切った状態で一晩過ごしてみると朝起きたときに息苦しさを感じたり汗をかいたりしてしまいます。
これは車内の空気を寝ている間にも呼吸で消費して二酸化炭素が増えたためで、これを防ぐために換気をする必要があります。
換気をする上で一番簡単なのは窓を少しだけでも開けておくことですが、それでは虫が入ってきたり外の音が入ってきて快適性が下がってしまいます。
そのため一番便利なのはエアコンを外気循環モードで動かしておくことで、そうすることで換気をしながら車内の温度管理も出来ます。
エアコンを動かしている間はバッテリーがあがらないようにエンジンはアイドリング状態にしておく必要があり、車中泊の間はずっとアイドリングにしておいてもよいでしょう。
ただアイドリング時に積雪などで排気管が詰まると排気ガスの逆流などの問題がありますので、そういった状況では窓も開けておいたほうが良いです。
フォレスターの車中泊に向かない点
フォレスターは車中泊が快適に過ごせる車内空間を持つ車ですが、次のような向かない点もあります。
室内高がそこまで高くない点
フォレスターは車中泊空間として前後の奥行きと横幅はしっかり広くなっているのですが、高さ方向は微妙です。
フォレスターは車高が高めで大きめのサイズの車なのですが、室内高に関しては1,270mmとそこそこの高さとなっています。
シートに座ったときには決して狭すぎることはないのですが、車中泊となると少し気になる部分が出てきます。
車中泊用に車内をフルフラットモードにしてその上に車中泊マットを敷き詰めたりすると、結構天井が迫ってくることになります。
車中泊の際に寝台から天井までの距離が広いと、車中泊で車内で寝るだけではなく寝台の上で体を起こしてキャンプのような楽しみ方をすることも出来ます。
ですがフォレスターでこういった使い方をするには少し高さが不足しており、身体はある程度起こせることは起こせるのですが快適なほどではないでしょう。
そのため寝る分や寝返りを打つ分には十分なスペースとなりますが、それ以上の活用は少し難しいです。
これがミニバンなどであれば室内高の高さでさまざまな活動が車内で出来ますが、SUVであるフォレスターではある程度の広さとなります。
車中泊空間の前側に凹みができる
フォレスターの車中泊スペースとして後席とラゲッジスペースを活用しますが、そのスペースは前席との間に隙間があって凹みができてしまいます。
フォレスターの後席の背もたれは前側に倒して加えてヘッドレストなども装着したままとなるのですが、その状態でも前席との間に隙間があります。
もちろん前席を後ろにスライドさせれば隙間は減りますが、それでは寝台が狭くなってしまうのであまり有用ではありません。
またその凹みがそのままでは頭を車の前側にしたときに頭が凹みに落ち込んでしまい、あまり快適な寝台とはならないでしょう。
そのため前述でも触れましたがこの凹みはなにかのアイテムで埋めてしまうのがよく、たとえば旅行用の荷物などでも埋めることはできます。
またクッションを埋め込んだり、荷物入れ代わりになるボックスなどを準備しておいて、荷物を入れながら凹み対策とすると良いです。
車中泊用のさまざまなグッズの中にも段差解消グッズなどがありますので、サイズにはよりますがこういったものを活用するのも便利です。
この凹みの対策は車中泊の現地で対策するのはちょっと大変なので、あらかじめ自宅などで凹みの大きさを確認しておいて対策しておくと良いでしょう。
フォレスターの車中泊の口コミ・評判
フォレスターの車中泊についてはtwitterにもさまざまな評判が投稿されており、その中からいくつかご紹介します。
フォレスター用車中泊ボード完成しました。 pic.twitter.com/joFpK74pEm
— LEVORG_FAN (@LevorgF) May 16, 2020
こちらの方はフォレスターの車中泊空間で気になる前席との隙間を専用のボードで塞いでおられ、快適な車中泊空間を作り上げていらっしゃいます。
このボードはどうやら自作のようで、こういったカスタマイズを楽しむのも車中泊の醍醐味の一つです。
今日伊豆前乗り車中泊で朝試しに車中泊仕様にして寝てみたんだけどフォレスターの床思った以上に固くて背中砕ける気がしてきた
— maria (@403202) October 13, 2020
こちらの方はフォレスターの車中泊を試して見られたそうでフルフラットモードの床面で寝られたそうです。
さすがのそのままでは固い感触であまり快眠できるものではないので、車中泊マットを敷く必要がありますね。
総評
フォレスターはクロスオーバーSUVとして高い走破性と車内の快適性を持つ車でキャンプやアウトドアにもってこいの車ですが、車中泊も可能な車内空間があります。
大型のミニバンなどに比べれば窮屈な部分もありますが、車中泊空間としては十分快適なスペースは確保できるでしょう。
特にフォレスターはその性能を活かしてキャンプやアウトドアスポーツなどで車中泊を過ごす方には非常に便利な車となります。