トヨタ プリウスは燃費の良好なハイブリッドカーとして有名ですが、販売台数も非常に多いため中古車市場でも人気の車種となっています。
今回はそんなプリウスの中古車購入での失敗についてご説明していきましょう。
中古プリウスの購入で失敗するパターン
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トヨタ プリウスは現行モデルで4代目を数えるハイブリッドカーで、初代モデルはトヨタが世界に先駆けて登場させた量産型ハイブリッドカーでした。
プリウスの歴史は既に20年以上に及んでおり、初代モデルが1997年に登場して以来およそ6年毎にフルモデルチェンジを行って現行モデルで4代目です。
プリウスの特徴はなんと行っても燃費性能が圧倒的に良いことなのですが、これは従来のガソリンエンジンだけでなく電動モーターでの走行を可能とし、エンジンの非効率な部分をモーターで補うことで達成しています。
その燃費性能は初代モデルでも同時期のライバル車のおよそ倍もの性能を持っていましたが、現行モデルのプリウスではカタログ燃費で40.0km/Lに迫ろうかというところまで来ています。
プリウスは最初期にはまだまだ未知の車だったため販売台数は振るいませんでしたが、2代目プリウスから車の形式をセダンからより便利なハッチバックカーとしたことで人気が爆発し、2代目プリウスはトヨタの主力車種になりました。
その後3代目プリウスでは非常に爆発的なヒットを記録し、4代目も含めて何度も国内の車種別自動車販売台数でトップを記録しています。
それだけ新車で売れたプリウスですので中古車市場でもかなりの台数を見ることができ、さまざまな年式、仕様、ボディカラーのプリウスが国内にはひしめき合っています。
そんなプリウスを中古車で購入したいときにはいろいろなポイントを見て決めることになりますが、次のようなポイントを見逃しているとプリウスの中古車選びで失敗してしまいます。
なお一般的な中古車では年式や走行距離、事故の有無などに気をつけるのですが、次の点は特にプリウスの中古車特有の点に絞って中古車の注意点を挙げてあります。
走行距離や年式の古いプリウスでハイブリッドシステムにトラブル
まずプリウスの中古車でありがちなトラブルとしてハイブリッドシステムがあるのですが、走行距離が多かったり年式が古かったりした場合に故障する可能性が高くなります。
プリウスはエンジンとモーターを併用するハイブリッドシステムが搭載されているのですが、ハイブリッドシステムの大半は負荷の高い高電圧システムです。
ハイブリッドシステムは大きく分けて3つの部分に分かれており、駆動用モーター、インバーター、DC-DCコンバーターがあります。
この他に後述する駆動用バッテリーもあるのですが、中古車のプリウスとして故障の心配があるのは上記3つのハイブリッドシステム部品です。
ハイブリッドシステムの部品はトヨタの開発であるため非常に高い信頼性を持っており、中古車と言っても状態の良い車であればほとんど故障はありません。
ですが走行距離が100,000kmを超えているような中古車や年式が10年以上経過している中古車ではハイブリッドシステム内部の経年劣化が進んでおり、故障する確率が非常に高くなっています。
ハイブリッドシステムがどこか故障すると車のフェイルセーフが働き走行不能となるのですが、その解消には対象部品の交換が必要となります。
しかしハイブリッドシステムは非常に価格の高い部品であり、交換に数十万円もかかるものです。せっかく安く購入するためにプリウスの中古車を手に入れたのに、その後の故障と修理で大金をかけなければいけないのは無駄ですよね。
駆動用バッテリーの劣化と高額な交換費用
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もう一つハイブリッドシステムに大きく関わるのがプリウスの駆動用バッテリーで、こちらは年式が多少新しくても車の使い方によって劣化度合いは変わってきます。
プリウスを走行用モーターで満足なパワーで走行させるためにはその電源となる大型のバッテリーが必要となるのですが、プリウスは駆動用の専用大型バッテリーを床下に搭載しています。
そのバッテリーは基本的にはスマートフォンなどのバッテリーを大型化したものであり、スマホがそうであるように長期間使っていくごとに少しずつ劣化していきます。
プリウスの駆動用バッテリーは長期間性能をキープする耐久性はあるのですが、それでも中古車となると駆動用バッテリーが劣化している車も増えてくるのです。
駆動用バッテリーはプリウスの走行の他にも車の電装品に給電しており、走行距離が増えている中古のプリウスはもちろんのこと車の使い方によってはよりバッテリーが劣化している可能性もあります。
走行距離で貫算すると100,000km前後で駆動用バッテリーの劣化がピークに達するプリウスが少なくなく、バッテリー性能劣化によって走行不能となる場合もあります。
このときにも駆動用バッテリーの交換が伴うのですが、駆動用バッテリーはハイブリッドシステムの中でも最も高額で、なんと200,000円前後もの高額修理となります。
そのため走行距離が多いプリウスの中古車は特に駆動用バッテリーの劣化が進んでいると想定されますので、高額修理のリスクがあるのが不安な点です。
仕様による燃費性能の違い
プリウスは現在まで4代に渡ってフルモデルチェンジを重ねてきましたが、それぞれでプリウスの目玉である燃費性能が大きく違いますのでしっかり把握した上で中古のプリウスを購入したほうが良いでしょう。
プリウスはハイブリッドシステムによって非常に高い燃費性能を発揮する車であり、それは中古車であっても変わりません。
しかし当然ですが世代を重ねるごとに性能も向上しており、燃費性能は初代、2代目、3代目、現行モデルの4代目の順で高まっています。
中古車の購入時にはいろいろプリウスのスペックなども調べられるとは思いますが、特に2代目プリウスと3代目プリウスは見た目が結構近いので間違えないようにしましょう。
当然ながら新しいモデルほど中古車相場が高くなりますので、燃費性能と中古車価格でバランスを見ることになります。
またそれぞれのモデルによってもグレードで燃費性能が違う場合があり、現行モデルなどは最廉価グレードとそれ以外でカタログスペックの燃費に違いがあります。
中古車では購入を検討する際にグレードやモデルは基本的にユーザーが確認して判断しますので、燃費性能の良いグレードが良い方は間違えないようにしたほうが良いです。
ただし最廉価グレードだと装備などが簡略化されていたりとデメリットな部分もあるため、自分のほしい装備がそのモデルについているかどうかを事前に確認したほうが失敗がないでしょう。
前期型、後期型での仕様と価格差
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プリウスはそれぞれのモデルで6年毎にフルモデルチェンジを迎えたのですが、その途中でビッグマイナーチェンジを必ず迎えておりその前後での仕様の違いと価格差で必要な装備がついていないということがあります。
ビッグマイナーチェンジとは車の車体やボディなど大きなところはそのままですが、車のエンジンや装備品、安全装備、ボディカラーなどさまざまなところに変更が加えられたマイナーチェンジです。
プリウスでもビッグマイナーチェンジをそれぞれのモデルで行ってきており、中古車市場でも前期型、後期型という形で年式で区切られています。
価格としては年式の新しさなどで後期型のほうが高く設定されていて前期型はお得ともいえるのですが、一方で装備についてはいろいろ落とし穴もあります。
プリウスはビッグマイナーチェンジの際に燃費性能などはほとんど変わらないものの、そのほかの装備品は大きく変更されることが多いです。
特に安全装備に関しては前期型でオプション設定だったものが標準装備化されていることも多く、そういった場合後期型はグレードにかかわらず安全性能が高くなります。
前期型でもグレードによっては同等の装備がある場合もありますが、そのあたりは新車時のカタログで比較してみないと細かいところはわからないでしょう。後期型であれば多少価格は高くなるものの、装備は満足感があるものとなるでしょう。
中古プリウスの購入で失敗しないための選び方
中古のプリウスを購入するときにはいろいろ考えることが多いのですが、次のような点に気をつければ大きな失敗することはないでしょう。
現行型もしくは前型モデルを購入する
まずプリウスの中古車でまっさきに気にしなければならないといけないのがハイブリッドシステムや駆動用バッテリーの劣化度合いですが、車を見ただけでは調べられないのでなにより年式の新しいプリウスにするようにしましょう。
プリウスはこれまで4代にわたってモデルが継続しており、年式が古くなるごとにハイブリッドシステムや駆動用バッテリーの劣化が進んでいると推定できます。
車の耐久性としてはおおよその目安が年式10年というところがあり、プリウスの場合にもなんとかこの範囲に収まるような中古車にすればハイブリッドシステムの故障によるトラブルはすぐには起こらないでしょう。
もちろんすべての中古車でノートラブルというわけにはいきませんが、せめて10年経過していないというところで判断するしかないでしょう。
なお現行プリウスはフルモデルチェンジから既に6年以上経過しており、現行モデルの初期型でも年式がそれなりに古くなってきています。
年式10年以内となるとギリギリ前型の3代目プリウスまでが範囲に入り、ちょうど3代目プリウスが後期型に切り替わったぐらいがギリギリとなるでしょう。
しかしギリギリでは部品の耐久性もかなり落ちているはずなので、できるだけ現行モデルの中古車にすればハイブリッドシステム関連のトラブルには見舞われにくいでしょう。
走行距離の多いプリウスには手を出さない
年式と同様にハイブリッドシステムのトラブルを避けるためには走行距離の多い中古のプリウスも避けたほうが良いでしょう。
ハイブリッドシステムの中で走行距離に大きく影響されるのは駆動用バッテリーで、走行距離が多い車ほどバッテリーの性能が劣化しているといってよいでしょう。
多少の劣化ぐらいであれば車の走行には問題ないレベルなのですが、劣化が進行していくとそのうち交換が必要な時期に来ます。
つまりプリウスの中古車では車の走行距離が高額修理に直結する可能性が高いということなので、中古車を選ぶときに年式が新しいだけではなく走行距離に特に注意しましょう。
走行距離の目安についてはやはり100,000kmというのが指標にはなりますが、100,000kmにギリギリ達していなかったとしても中古車に乗り出してすぐ100,000kmに達するのではちょっと残念です。
年間に車でどのぐらいの距離を走行するかにもよりますが、年間5,000kmとするならば中古車時点での走行距離が70,000kmぐらいまでならなんとか数年間は安心して乗っていられるでしょう。
なお年式と走行距離は必ずしも比例するものではありませんので、プリウスの中古車購入で失敗しないためにはこの2つのバランスと価格帯で検討していくことになります。
予算が許すなら後期型を選ぶ
中古のプリウスを購入する際には可能な限り後期型を選んだほうが良いでしょう。プリウスでの前期型と後期型の違いは前述で触れたとおり安全装備などの標準装備化がされており、中古車で購入するときにも装備の充実した後期型が良いことは間違いありません。
ですが当然ながら後期型となると価格が前期型より高くなっており、中古車としての価格帯がワンランク上がるような感じになります。装備や信頼性の部分では後期型がおすすめですが、予算とのバランスになるでしょう。
特に現行モデルのプリウスの後期型はまだまだ年式が数年となっているので価値が残っており、中古車相場は高めです。
ですが前期型でもオプション装備などの状態で同クラスの装備になっている車もあり、中古車なのでさまざまな車を比較検討してみると良いでしょう。