レンジローバー イヴォークは英国発のクロスオーバーSUVで、スタイリッシュなデザインが特徴です。
今回はそんなレンジローバー イヴォークの故障に関してご説明します。
レンジローバー イヴォークの故障率
レンジローバー イヴォークはイギリスのランドローバー社が生産するSUVです。
ランドローバーはイギリスを代表する自動車メーカーの1つで高級SUVを得意としており、これまで比較的直線基調のデザインと高級感のあるスタイルを伝統としてきました。
しかしレンジローバー イヴォークはそのデザインコンセプトを大きく変えたモデルで、世界的に人気のあるスポーティなクロスオーバーSUVとして非常に若者向けのスタイルになりました。
2011年に登場したレンジローバー イヴォークはそのデザインの良さで一気に世界的な人気となり、日本にも2012年から正規輸入がスタートしました。
それまでのランドローバーの持つイメージとは大きく変わったことでそれまでと違う顧客層にもアピールが出来、販売台数も多くなりました。
そんなレンジローバー イヴォークの故障率などを見るならば、ランドローバー全体の評価を見る必要があります。
ランドローバーの耐久品質調査
自動車の故障率は各自動車メーカーが市場調査をしてデータを収集しているのですが、そのデータは社外秘の機密データであり一般には公開されません。
そのためメーカーとは別の民間調査会社のデータを参照する必要があり、その一つの米国J.D.パワー社の「自動車耐久品質調査」が参考に出来ます。
この調査では各国市場で新車を購入したユーザーから、購入後3年〜5年経過時の不具合件数を聞きとり調査し、それを不具合件数の少ない方からメーカーごとのランキングとして公表したものです。
ランドローバーは日本市場では販売台数が少なくランキング外となってしまっているため、米国市場での調査結果を参照します。
ランキング | メーカー | スコア |
1 | レクサス | 99 |
2 | ポルシェ | 100 |
3 | ビュイック | 116 |
4 | インフィニティ | 120 |
5 | キア | 122 |
6 | シボレー | 124 |
6 | ヒュンダイ | 124 |
8 | BMW | 127 |
8 | トヨタ | 127 |
10 | リンカーン | 133 |
10 | 日産 | 133 |
業界平均 | 142 | |
30 | ランドローバー | 204 |
米国市場にはアメリカのメーカーの他にも日本メーカーがランクインしていますが、その中でランドローバーはワースト2位の30位となっています。
一方で国産メーカーはレクサスがランキングトップ、インフィニティが4位、トヨタや日産が10位以内にランクインしており、不具合件数を表すスコアもランドローバーの半分程度であることから、信頼性には大きな開きがあります。
このことからランドローバーは全体的に故障率が高いということがいえ、レンジローバー イヴォークに関しても故障は多いといえるでしょう。
レンジローバー イヴォークの信頼性評価
J.D.パワー社では米国市場の車に関して信頼性評価の結果も公表しており、レンジローバー イヴォークの最新の結果は以下となります。
参考 2018 Land Rover Range Rover Evoque ReliabilityU.S. News Best Carsこの調査では星3点で平均点、最高星5点で評価されており、星が多いほど故障が少ないといえます。
レンジローバー イヴォークはこの評価で2.5点となっており、信頼性は平均以下となっています。この評価は毎年最新の結果が公表されていますが、数年前までは星2点となっており現在よりも評価が悪い時期もありました。
一方で国産車の同クラスの車は星4点前後になっており、レンジローバー イヴォークとは信頼性評価に大きな差があります。
中古のレンジローバー イヴォークの故障しやすさ
レンジローバー イヴォークは2012年から国内で販売されているので、中古車市場でも数多くのレンジローバー イヴォークがあります。
国産車の一般的な中古車は年式10年、もしくは走行距離100,000kmで寿命といわれますが、レンジローバー イヴォークは信頼性が国産車に比べて低いこともあり、その半分以下の時期から故障が増加傾向にあります。
レンジローバー イヴォークは年式だけ見るとまだ新しい中古車も多いのですが、走行距離は車によって状況も違い、走行距離の多い車のほうが故障も多くなります。
レンジローバー イヴォークは国産車の中古車に比べると故障は結構多くなるので、維持費に関してはしっかり考えておいたほうが良いでしょう。
レンジローバー イヴォーク オーナーの評判
レンジローバー イヴォークは故障や修理に関していくつかのツイートがあり、件数は多くないですが修理に関しては気にしている人が多いようです。
イヴォークが新型受注開始だと?!
うわあああ、うーん。最近のモデルも変わらず故障多いのかなあ?
直して愛着わくのも嫌いじゃないけどさ、、悩むなあ— ADSLばりのさいじ (@sakamotosaizi) June 3, 2019
こちらの方は今度発売される新型のレンジローバー イヴォークが気になっているようですが、故障に関してとてもひっかかっていらっしゃるようです。
レンジローバー イヴォークはとてもかっこいい車なのですが、こういった信頼性の面が気になって購入に踏み切れないこともあります。
いつも見てるブログさんによると、イヴォークは結構、電気系統のトラブルが多いみたい。
どれも一過性でいろいろ出てるみたいだけど、これが何回も続くとイライラするだろうなぁ。
うちは当たりだといーんだが。— NBRK (@NBRK911) December 17, 2012
こちらの方もイヴォークのことが気になっていらっしゃるようですが、電気系統のトラブルが気になっているそうです。
電気系統のトラブルは輸入車でも多い故障なのですが、ランドローバーはトラブルが多いことで有名なので非常に気になる点です。
本日もうすぐ車が戻りますが、点検の結果また内部故障が、見つかりパーツ交換をしたとの話。
あとテスト走行繰り返してるから時間がかかったとのこと。
いやいやいや、購入からまだ1年程で数ヶ月おきに内部故障で走れなくなりパーツ交換って。ありえない。#レンジローバーイヴォーク #イヴォーク— うさぎくまねこ。 (@panmakapan) December 12, 2018
こちらの方はレンジローバー イヴォークに乗っていらっしゃいますが、購入からわずか1ヶ月で故障が発生したそうです。
更に数ヶ月に1度故障が発生するということで、非常に故障が多い状況が実際にあったようですね。
レンジローバー イヴォークの故障事例
レンジローバー イヴォークの故障に関しては色々な事例がありますが、その中から代表的なものをご紹介しましょう。
エンジンからのエンジンオイル漏れ
まずエンジン系統の故障の中で代表的なものの一つがエンジンオイル漏れで、エンジン各部のガスケットやオイルシールなどからオイルが漏れるトラブルです。
エンジン内部には各部にエンジンオイルが循環しており、各部の潤滑や冷却、油圧回路の作動などに使われます。
ですがエンジンオイルのシールにはゴムが使われており、これが経年劣化によって性能が劣化することによってシール性が悪化しオイル漏れに繋がります。
最初はオイルのにじみ程度で済みますが、少しずつ症状は拡大していき最終的にはオイルが垂れるほど漏れてきます。
修理にはガスケットやオイルシールの交換が必要ですが、部品代は数万円程度なのですがエンジンの分解が必要となるためその作業代などが費用としてはかかります。
トータルでは100,000円前後かかりますが、部品の取り寄せも海外からとなるので修理時間もかかります。
電気系統の故障
電気系統の故障は輸入車では多いものですが、前述のツイッターにもあったようにレンジローバー イヴォークでも多いトラブルです。
近年の車は様々な部分に電子制御部品が使われており、エンジンや車両関係で様々な部品があります。
エンジン関連の電子制御部品で故障しやすい箇所としてはセンサー類があり、とくに排気系のセンサーは比較的故障が多いです。
また他にはイグニッションコイルという点火系の部品や、スロットルチャンバーなども故障が比較的多いです。これらの修理には輸入車ということで数十万円程度がかかります。
また車両関係にもさまざまなセンサー類があり、これらも故障しやすい箇所ですが、それに加えて各種スイッチ類や灯火類なども故障します。
修理費用はエンジン部品に比べると多少安いのですが、それでも数万円〜100,000円近くかかり、国産車と比べると修理費用は高めです。
こういった電気系統の部品は経年劣化によって故障するものがほとんどで、年数が5年以上経過すると故障が増加傾向にあります。
パワーウインドウの窓落ち
パワーウインドウは窓ガラスをオートで上下させる装備ですが、そのパワーウインドウが上がらなくなるのが窓落ちというトラブルです。
パワーウインドウはパワーウインドウレギュレーターという部品で動いています。この部品は電動モーターと金属や樹脂のアームで構成されていますが、これも経年劣化によって故障することがあり、その結果窓ガラスを上げることが出来ずに窓が下がった状態になってしまいます。
特に電動モーターの故障や樹脂部品の破損が起こるのですが、修理にはパワーウインドウレギュレーター全体の交換が必要となります。
パワーウインドウレギュレーターの交換には部品費用として100,000円〜200,000円程度が必要で、ドアの分解などが必要なので作業代金も結構かかります。
ですが修理しなければ窓ガラスが開きっぱなしになり防犯上問題がありますので、修理は必要です。
レンジローバー イヴォークは買っても大丈夫か?
レンジローバー イヴォークは、そのデザインの良さや動力性能の高さによってクロスオーバーSUVとしては満足感の高い車で、輸入車のSUVとして購入を検討する方も多いでしょう。
ですが故障に関しては国産車に比べるとトラブルが多い傾向にあり、その維持費が問題となります。
長年乗り続けるのであれば修理費用は結構必要となりますので、そのあたりの考え方をもっておかないといけませんね。