トヨタ プロボックスは中型ハッチバックカーの商用車で、積載性の高さが魅力の車です。
今回はプロボックスのラゲッジスペースについてご紹介します。
プロボックスの荷室・トランクの容量・寸法
参考:toyota.jp
トヨタ プロボックスは商用バンのスタンダード車の一つで、扱いやすい中型サイズのボディに積載性の高いスクエアボディを備えた車です。
プロボックスは2002年から現在まで販売が続いている商用バンで、基本設計は昔なものの年々のアップデートで性能面では十分最新の車となっています。
特に2014年には大幅なアップデートを行なってハイブリッドモデルなども追加されており、積載性はほぼ変わらず燃費性能や環境性能が高められて魅力が増加しています。
商用バンとしてはなによりコストパフォーマンスが高いのも導入しやすい点であり、商店の貨物車や会社の社用車などさまざまな用途に活用されています。
ではまずはプロボックスの大まかなサイズ感とラゲッジスペースのサイズや容量についてご紹介します。
スペック | プロボックス | |
乗車定員 | 5名 | |
全長 | 4,245mm | |
全幅 | 1,690mm | |
全高 | 1,525mm(4WD:1,530mm) | |
室内長 | 約2,000mm | |
室内幅 | 約1,400mm | |
室内高 | 約1,000mm | |
ラゲッジルーム | 高さ | 840mm(ラゲッジマット〜アッパーバックパネル下トリム部)〜935mm(ラゲッジマット〜天井中央) |
幅 | 1,145mm(ホイールハウス間)〜1,420mm(ラゲッジサイドトリムえぐり部) | |
奥行き | セカンドシート展開時:1,040mm(リアシートバック〜バックドアトリム) セカンドシート収納時:1,640mm(フロントシート最後端)〜1,840mm(フロントシート最前端) | |
ラゲッジ容量 | 〈ハイブリッド車〉 セカンドシート展開時:573L セカンドシート収納時:1,033L(シートバック一体可倒クッション引き起こし式)〜1,089L(シートバック一体可倒式) 〈ガソリン車〉 セカンドシート展開時:581L セカンドシート収納時:1,050L(シートバック一体可倒クッション引き起こし式)〜1,109L(シートバック一体可倒式) | |
運転席寸法 | 高さ | 約1,000mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約900mm | |
助手席寸法 | 高さ | 約1,000mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約900mm | |
後席寸法 | 高さ | 約1,000mm |
幅 | 約1,300mm | |
奥行き | 約800mm |
参考:toyota.jp
プロボックスは乗用車で言えば中型のハッチバックカーに相当するサイズで、短めの全長と比較的ワイドな全幅でオーソドックスなスタイルの車となっています。
ボディ全体が直線的なスクエアデザインとなっており、ボンネットもある車ですが何より車内スペースの確保に焦点を置いた設計となっています。
プロボックスは運転席と助手席のみの2シーターではなく後部座席も装備された5人乗りの車になっており、そこそこの広さがあるのである程度の荷物と乗員を一緒に移動させるなど社用車としても使える車です。
そんなプロボックスはなにより貨物スペースの大きさがメリットであり、セカンドシートを展開した状態であってもラゲッジスペースは奥行きが1,000mm近くありますのでかなりのサイズのものや大きなものまで積み込むことができます。
商用車ということで車内に余計なトリムパーツや装備がないぶん横幅や高さも最大限ラゲッジスペースとして使えるようになっており、高さはそこまで大きくないものの600L弱の容量があるので商用車として十分なサイズです。
また後述するシートアレンジを駆使すればよりラゲッジスペースを拡大でき、プロボックスの積載性を最大限発揮できます。
ではプロボックスのラゲッジスペースについて詳しくご紹介しましょう。
プロボックスの荷室・トランク・荷物収納スペースの良い点
プロボックスは商用車としてラゲッジスペースの確保がメインの車であり、その収納スペースは非常に便利なものです。
貨物車として十分な積載性
プロボックスのラゲッジスペースはさすがの積載性があり、セカンドシートを展開した状態でもかなりのサイズが確保できます。
プロボックスはセカンドシートに比較的簡素なベンチシートを採用しており、シート自体のサイズが小さめなことからその後部に広がるラゲッジスペースの奥行きがしっかり確保されています。
セカンドシートのシートバックからリアのテールゲートまでの間は1,000mm以上の広い空間が確保されており、フラットなフロアとともに荷物を載せるのに最適なスペースになっています。
商品を収めたダンボール箱や仕事の道具類などをしっかり積み込みつつ5人で同時に移動できますので、プロボックス1台でさまざまな仕事のシーンに対応できるでしょう。
またプロボックスの標準ラゲッジスペースは横幅も広々としたサイズがあり、一部フロア近くのタイヤハウス間だけは1,145mmですがそれ以外の部分は1,420mmもの幅があり、横方向にもしっかり荷物を積み込めます。
タイヤハウスの張り出しはフロアに近い一部だけなのでタイヤハウスの上であれば同様の横幅が活用でき、積み込む荷物によってはタイヤハウスも邪魔にならずに利用できるでしょう。
プロボックスは全高自体は控えめなハッチバックカーなので室内高はそこそこのサイズに留まっていますが、ダンボールなどを積み上げるのには不便さはない高さは十分にあります。
プロボックスの車内には一般的な乗用車のようなデザイン的なトリムや快適な装備はセカンドシート以後にはほとんど装備されておらず、余計なものがないぶんラゲッジスペースが広いのです。
シートアレンジで大幅に拡大するラゲッジスペース
プロボックスのラゲッジスペースはセカンドシートを展開した状態でも十分に広いのですが、さらにセカンドシートを収納することで最大限車内スペースを活用できます。
参考:toyota.jp
プロボックスはセカンドシートが標準装備になっている車ですが、セカンドシート自体は乗用車のように快適なものではなくあくまで簡易的なベンチシートになっています。
座席としても座るのには十分ですが長距離移動には向いておらず、これはシートアレンジを優先した薄めのシートだからです。
セカンドシートは背もたれ部分を前に折りたたむシートアレンジが可能であり、これによってセカンドシートが無くなったスペースもラゲッジスペースに出来ます。
その奥行きは1,800mmを超える広々としたスペースとなっており、標準ラゲッジスペースの約2倍の容量が確保できます。
参考:toyota.jp
このサイズがプロボックスの最大積載量となるのですが、トヨタのHPによるとおおよそ次のようなものが積み込めます。
- A4コピー用紙箱(220×310×245mm): 89個
- みかん箱(280×380×320mm):38個
- コンパネボード(1,800mm×900mm):平積み可能
前後スペースが拡大したことで非常に大量の荷物を積み込めますが、その他に工事や設備、DIYなどでも利用する木製のコンパネボードを積み込めるようになっており、平積みなので上下に重ねればかなりの枚数が積み込めます。
セカンドシートがある状態ではコンパネボードは平積みでも縦積みでも積み込むことが出来なかったので、シートアレンジによって大幅に利便性が上がったことがわかります。
なおプロボックスのセカンドシートには細かく2種類のシートアレンジ仕様があり、基本は「シートバック一体可倒式」でセカンドシートの座面の上に背もたれを折りたたむ仕様です。
ですがもう一つの仕様では「シートバック一体可倒クッション引き起こし式」という装備で、こちらはセカンドシートの座面を取り外すことができます。
これによって背もたれをより深い位置まで収納することができ、シートアレンジ後がフルフラットに近い状態になります。
取り外した座面はセカンドシートの前に立てかけたり取り外したままにすればいいので便利ですが、全体的なラゲッジスペースのサイズや容量はシンプルな仕様のシートバック一体可倒式が多少上回っています。
積み込みのしやすいテールゲートサイズ
プロボックスは車内スペースの広さも良いのですが荷物を積み込む入り口となるテールゲートもサイズが大きく積載性が高くなっています。
参考:toyota.jp
プロボックスは車の全体的なデザインがスクエアボディとなっていますが、テールゲートはほぼこのボディ全体のサイズで開くようになっており、リアコンビランプやリアバンパーのデザインがラゲッジスペースの開口部を邪魔しないようになっています。
そのためテールゲート開口部は左右に1,420mm、上下に935mmという車内スペースとほぼ同サイズとなっており、余計な邪魔者がなくまっすぐストレートに積み込めるようになっています。
テールゲートの開口部部分にはタイヤハウスの出っ張りのような邪魔なものもないので、横積みや縦積みなどさまざまな積み方に対応できます。
またプロボックスのラゲッジスペースのフロア面は地上から585mmと低い位置にあり、荷物の上げ下ろしにも有利な高さとなっています。
このぐらいの高さであれば無理な体勢になることなく荷物を積み下ろし出来ますし、重量物を載せるときにもあまり高い位置まで持ち上げなくて良いので楽です。
さらにテールゲート自体も上側に非常に大きな角度で開くようになっており、テールゲートが邪魔で背の高い荷物を積み込みにくいといったこともありません。
全体的にシンプルなテールゲートではありますが、実用性は非常に高く便利な装備となります。
汚れにも強く積載もしやすいフルフラットフロア
プロボックスのラゲッジスペースは全体的にフラットなフロアが広がっていますが、こちらは汚れにも強く実用性重視のものとなっています。
一般的な乗用車は車内のラゲッジスペースにはいろいろな形状がありますが、一部フラットであっても各所に凹凸があったり段差があったりと荷物を載せる際に邪魔になる部分もあります。
ですがプロボックスのラゲッジスペースでは最初の設計から荷物の積み下ろしを優先したものとなっているため、ラゲッジスペースのフロア面は完全なフルフラットになっています。
これはセカンドシート展開時の標準ラゲッジスペースだけではなく、シートアレンジ後のラゲッジスペースでもほぼ完全なフルフラットが実現できています。
このことにより前後に荷物を移動させる際に有利であり、たくさんのダンボールなどを積み込むときにはかなり楽です。
またプロボックスのラゲッジスペースのフロア面はシンプルな防水性のあるシートで覆われており、セカンドシート背面のシートアレンジ時の上面も同様なためラゲッジスペース全体で水ぬれなどに強くなっています。
乗用車などでは質感などを重視したカーペットになっていることが多いのですが、カーペットでは泥汚れや水濡れがなかなか綺麗に出来ない点が不便です。
その点プロボックスは実用性が優先されているため、見た目はともかくとしても実用性の面では優秀となっています。
プライベートシーンでも利用できる積載性
プロボックスは基本的に商用車としてのビジネスシーンに向けた車ですが、一方で高い積載性などからプライベートシーンでも乗っている方はいらっしゃいます。
プロボックスは商用車ということでエクステリアデザインやインテリアデザインは実用性重視であり、質感の高いデザイン性などはありません。
またフロントシートの座り心地は硬めのものであり、さらにセカンドシートが簡易的なベンチシートなため、長時間の乗車にはあまり向いているものではありません。
ですがラゲッジスペースの積載性としては同クラスの乗用車よりは大きいので、特に趣味の車として乗っている方がいらっしゃいます。
キャンプやレジャーでは沢山の荷物を運ぶ必要があるため、そういったシーンでプロボックスの積載性はかなり便利なのです。
またキャンプやアウトドアの際には泥汚れや水で濡れたものなども積み込んで移動しなければならない場合があるのですが、その際にも防水性のあるプロボックスのフロアは便利です。
基本が商用車なので多少車内が汚れたとしても気になる部分は少なく、カーペットなどもないため汚れをすぐに掃除できるのも便利な点です。
加えて近年では車内をテント代わりとした車中泊が人気であり車内に寝台を作る上でフラットなスペースが必要なのですが、プロボックスのフルフラットなフロアはこの使い方にも有効です。
ただし大人数を載せての長距離移動にはシートの仕様があまり適していませんので、セカンドカーとしての運用が出来ればベストでしょう。
プロボックスの荷室・トランク・荷物収納スペースの悪い点
プロボックスのラゲッジスペースは全体的に使い勝手の良いものですが、次のような点は若干不便な箇所です。
高さ方向には大きな荷物を積み込みにくい
プロボックスのラゲッジスペースは全体的に広々としたスペースがありますが、高さ方向についてはあまり大きなものは積み込めません。
プロボックスは車のサイズとしては中型ハッチバックカーであり、全高は近年のトレンドからは控えめな高さとなっています。
最近は車高が高くて車内も高さが広いミニバンやトールワゴン系の車種が人気であり、商用車であっても同じような車種に人気があります。
ですがプロボックスの室内高はそこそこの高さまでとなっているため、ダンボールのようなものを積み上げるのであればよいのですが、上下に大きな荷物をそのまま積み込むのは難しい場合があります。
たとえば植木などの立てたままで積み込まなければならない場合や、自転車やバイクなどあまり横倒しにしにくいものなどはプロボックスのラゲッジスペースでは対応しづらいものです。
一般的な乗用車ではアンダーラゲッジなどで一部だけ高さ方向を増やしたりも出来るのですが、プロボックスでは最初から最大限高さ方向のラゲッジスペースが確保できる設計なため、積み込めない高さのものにはどうしても対応できません。
とはいえこのあたりは用途によって使い分ければ良い箇所であり、高さのある荷物を積み込むシーンが多い方はプロボックスではなくもっと高さのありワンボックスタイプの商用車にするほうがといでしょう。
照明やアンダーラゲッジなど便利な装備は無し
プロボックスのラゲッジスペースはサイズ的な面ではかなり便利な車ですが、便利装備としては装備されていません。
一般的な乗用車ではラゲッジスペース周りであってもいろいろ便利な装備が装着されるようになってきており、ラゲッジスペース横の照明などは夜間に積み込むときに結構便利な装備です。
またラゲッジスペースのフロア下には小さめの収納であるアンダーラゲッジがある車も増えてきており、小さなスペースながら普段使わないものなどを分割して置けるのが便利です。
しかしプロボックスのラゲッジスペースではこういった便利な装備というものはそなわっておらず、単純なラゲッジスペースに留まっています。
またプロボックスには現行ではハイブリッドモデルがありますが、ハイブリッドカーにありがちな装備も基本的にはありません。
同じトヨタのハイブリッドカーの乗用車では、ハイブリッドカーの強力な電源を利用したコンセントポートなどがあり、これがラゲッジスペースにも装備されてさまざまなシーンで便利だったりします。
ですがプロボックスは商用車なのでそういった便利装備はニーズが少ないのかそなわっておらず、ハイブリッドカーのメリットはそこまで大きくはありません。
プロボックスの荷室・トランク・荷物収納スペースの口コミ・評判
プロボックスのラゲッジスペースについてはtwitterでもいろいろな投稿があり、その中からいくつかご紹介します。
プロボックスって、荷室1.8mあるんだ!
コンパネ積めるやん!w最近の軽バンはコンパネそのままじゃ積めないんだよなぁ~(~_~;) https://t.co/WlueRARvWe
— もりりん💉x4 次は「5/20-21 angela 20th Anniversary☆岡山凱旋」 (@GHLK4) December 20, 2019
こちらの方はコンパネが積み込める車を探していらっしゃるようですが、プロボックスはその条件にピッタリの車であり良い感触を得ていらっしゃいます。
商用車にはプロボックスのほかに色々なバン系の車種もあるのですが、コンパネをそのまま積み込むとなると難しい車種もあり、プロボックスはかなりの便利さがあります。
【メモ】
プロボックスの荷室高なら自分のサドルの高さでも車載可能。 pic.twitter.com/IKcU7DCXDB— M.Shimaoka (@ls_KALEIDO) February 28, 2021
こちらの方は趣味の車としてプロボックスを運用されており、なんとマウンテンバイクを積み込んで移動されています。
マウンテンバイクはどうやら車輪を取り外したりして高さを減らしたことで積み込めているようですが、扱いやすい中型車1台でここまで積み込めればかなり利便性は良いでしょう。
総評
トヨタ プロボックスは商用車の中型バンとしてさまざまな会社や商店で活用されており、常に人気が続いているベストセラーの商用車でもあります。
特にプロボックスの魅力はラゲッジスペースの圧倒的な広さにあり、セカンドシートを展開しても収納してもさまざまなシーンに対応できるので1台あれば便利な車です。
また価格も控えめなのでプライベートユースの趣味の車としても扱える車であり、その積載性の高さはいろいろな使い方が考えられるでしょう。