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なぜ?プリウスがわかりにくいシフトレバーを採用する理由5つ

トヨタ プリウスは国産ハイブリッドカーとして非常に人気の高い車ですが、そのプリウスのシフトレバーに関しては以前から賛否両論がありました。

今回はそんなプリウスのシフトレバーについてご説明します。

プリウスのシフトレバーの評判

プリウス インテリア参考:toyota.jp

プリウスはトヨタが開発した世界初の量産型ハイブリッドカーで、従来の車を大きく凌駕する燃費の良さが特徴です。

MEMO

プリウスは車の構造的に大きな特徴があり、従来の車のようなガソリンエンジンと一緒に電動モーターが搭載されています。

ハイブリッドカーはこのエンジンとモーターを切り替えて駆動することで両者の苦手な領域をカバーし、最終的にエンジンの燃費を大幅に改善させる技術です。

プリウスのモーターは変速機も兼ねている構造となっており、遊星歯車というシステムでオートマチックトランスミッションのような変速が可能となっています。

そのためプリウスは運転性としてはオートマ車と同じで、シフトレバーもオートマ車がベースにはなっています。

一般的なガソリン車のシフトレバーでは上からP(パーキング)、R(リバース)、N(ニュートラル)、D(ドライブ)、2(2速キープ)、L(1速キープ)となっており、このシフトポジションをレバーで切り替えるようにして操作できます。

しかしプリウスのシフトレバーは非常に特別な構造をしており、R(リバース)、N(ニュートラル)、D(ドライブ)の3つの切り替えをするだけのレバーに簡略化されており、P(パーキング)は別の位置に独立式スイッチとして配置されています。

加えてプリウスのシフトレバーにはハイブリッドカー特有の機能として「B(ブレーキ)レンジ」というものがあり、これはハイブリッドカーの回生ブレーキを強くする機能です。

そのためプリウスのシフトレバーは従来の車と比べて形状も違い、操作にはある程度の慣れが必要です。

このような構造からプリウスのシフトレバーについては次のような評判があります。

こちらの方はプリウスのシフトに関して使いづらさを感じておられ、変速を確認できるのがモニターのみという点が不安といわれています。

プリウスでは高齢者の事故がよく話題になるのですが、その原因の一つにシフトレバーはよく言われています。

こちらの方も同様に高齢者の事故について考察されていますが、プリウスのシフトレバーはシフトパターンがかなり独特でなれていないとずれてしまうことがあります。

心が慌てているときなどに慣れない操作を求められると、急発進や急加速をして事故につながる可能性は高くなります。

この方はプリウスにあまり慣れていなくて運転することになったようですが、シフトパターンだけでなく「P」(パーキングレンジ)が独立していて慣れなければ操作がわからない点です。

駐車のときには特にしっかり操作しなければならない点ですが、なぜかプリウスは独自の構造になっています。

プリウスのシフトレバーのわかりにくい点

プリウス シフト

プリウスのシフトレバーは前述で触れたようにさまざまな不満のあるものとなっているのですが、その原因を分析すると次のような点があげられます。

中立ポジションがわかりにくい

まずプリウスのシフトレバーでわかりにくいと言われやすい点は中立ポジションという位置がすぐに認識できない点です。

プリウスのシフトレバーは主に3つのシフトレンジを切り替えるものとなっており、その中でN(ニュートラル)レンジはレバーを上下どちらでもなくその中間位置にキープさせる形で選択します。

一応普通のオートマ車でもNレンジはDレンジとRレンジの真ん中には位置しているのですが、その選択はレバーによる切り替えでNレンジをしっかり選択できるような構造になります。

オートマ車のシフトパターンにはまっすぐ動かすストレート式や、ギザギザのシフトパターンを切り替えるゲート式があるのですが、どちらのシフトパターンでも操作するときの感覚でニュートラルはわかりやすいです。

ポイント

しかしプリウスのシフトレバーでは Nポジションは中間どころにキープするような形で操作しなければならず、あまり操作感のないシフトレバーなので慣れていないと感覚ではわかりにくいものとなっています。

一応運転席の前にあるインジケーターに現在のシフトポジションが表示されるのですが、そのインジケーターを確認しないと確実にNレンジかどうかがわかりにくいです。

ですのでNレンジに入れて車が動かないつもりでDレンジやRレンジに入ってしまうと、車が急発進や急加速を起こして事故の原因にもなってしまいます。

プリウスのシフトレバーの操作感覚に慣れればインジケーターを見なくてもある程度把握はできるのですが、慣れないうちはインジケーターを確認したほうが確実です。

D(ドライブ)とR(リバース)がイメージと違う

次に気になる点としてはNレンジ以外のDレンジとRレンジですが、よく言われるのはその操作位置と車の動きが逆という点です。

プリウスのシフトパターンではNレンジを中心にして前後にシフトを動かす形になりますが、その歳シフトレバーを前側に動かすとRレンジ、後ろに動かすとDレンジとなります。

この動き方は普通のオートマ車のシフトパターンでも同じで、前述でご説明したようにNレンジより上にRレンジやPレンジ、Nレンジより下にDレンジや2、Lレンジなどがあります。

そのため普通のシフトでも動き方だけはプリウスのシフトレバーと同じなのですが、プリウスの場合はより簡略化されているのが間違いの原因の一つではあります。

車に慣れた人であればあまり間違えることはないのですが、慣れていない人では「前進なのにシフトを後ろにする」もしくは「抗体なのにシフトを前に動かす」といったことが気になる点となります。

プリウスはハイブリッドカーとしてだけではなく国産車の中でも販売台数がトップクラスの車種であり、車に慣れていない方も数多く運転していらっしゃいます。

また高齢者の方などは慌てているときなどに特に操作のミスが出やすいので、プリウスの簡便なシフトパターンは逆に混乱の元にもなります。

”R”と”B”のどちらがバックなのかわかりにくい

もう一つプリウスのシフトパターンで間違いやすい点としてRレンジとB(ブレーキ)の操作の違いで、Bレンジを「リバース」と勘違いする方もいらっしゃいます。

MEMO

このB(ブレーキ)レンジはプリウスのようなハイブリッドカーにしかない機能で、回生ブレーキという機能をより強くするものです。

ハイブリッドカーは車の減速時にその走行エネルギーをモーターで回収して発電し、その電力をバッテリーにためておいてモーター走行時に使います。

この機能を回生ブレーキというのですが、普通のエンジン車が熱として捨てていた減速時のエネルギーを走行に使えるので、その分の無駄がなくなって結果的に車の燃費が向上するのがハイブリッドカーのコア技術の一つとなります。

回生ブレーキはプリウスの標準的な状態でもある程度効いているのですが、シフトがDレンジのときにBレンジに入れるとより回生ブレーキが強く効くようになり、いわゆる車のエンジンブレーキがかかったような状態になります。

プリウスで坂を下るときにBレンジを使うと原則をしながら下ることができて電力の充電も強くなる便利な機能なのですが、勘違いする人は「BレンジのBがバック(BACK)のBだと思う」という方がいます。

車の後退はオートマ車でもマニュアル車でも「R(リバース)」で統一されているのですが、ついついバックと勘違いしてしまうのは多少理解はできます。

もしRに入れるつもりでBに入れてしまうと後退するつもりが前進してしまうので、事故の原因になります。

一応プリウスの安全装備としてDレンジに入っていないとBレンジには入らないようになっているのですが、それでも操作ミスにつながることはあります。

シフトパターンがないので従来の車と操作感が違う

プリウスのシフトレバーでは普通のオートマ車のような選択式ではないので、その操作感覚もかなり違って簡単なものとなります。

通常のオートマ車のシフトパターンは前述した2パターンがあるのですが、ストレート式にしてもゲート式にしても操作感覚が しっかりあるもので、どこのシフトポジションに入れたかは操作感覚で十分把握できます。

ストレート式ではシフトレバーのスイッチを押さなければ動きませんし、ゲート式ではスイッチこそないもののゲートに合わせて動かす動きがしっかりした操作感に繋がります。

ポイント

しかしこれに対してプリウスのシフトレバーはレバーというよりはスイッチのような感覚で操作するものとなり、その操作感覚は従来の車で慣れた人にはちょっと簡単すぎるものとなります。

そのため操作感覚で確実な感じはあまり出せず、前述で触れたNレンジの位置とDレンジやRレンジの位置をシフトレバーだけで把握するのは慣れが必要です。

どうしても従来のシフトレバーと違う構造なので違和感もありますし、プリウスはプリウスへの慣熟が十分に必要となるでしょう。

”P”レンジが独立している

プリウスのシフトレバーには普通のシフトパターンにあるP(パーキング)レンジがなく、パーキングレンジの操作が別のボタン式となっている独特の仕様です。

Pレンジとはオートマ車特有の機能で、車の停車時や駐車時にトランスミッション側でギアに固定を行い車が動かないようにする機能です。

Pレンジはパーキングブレーキやフットブレーキとは独立した機能であり、ブレーキがタイヤ部分の摩擦で制動をかけているのと違って機械的に固定するので信頼性の高い機能です。

Pレンジに入れなくても車は一応停車できますが、Pレンジでなければキーが抜けなかったりその次のエンジン起動ができなかったりするので、オートマ車は安全対策としてもPレンジを使っています。

プリウスの場合にもパーキングレンジの機能自体はあるのですが、完全な電子制御式のパーキングレンジとなっておりシフトレバーから独立しています。

パーキングレンジのボタンはシフトレバーのすぐ近くにあるのですが、ぷりうすではない普通の車に普段乗っている人はかなり戸惑う装備であり、前述のツイッターにもあるように長時間操作がわからずに悩む人もいらっしゃいます。

これもプリウスの機能に慣れれば操作は戸惑わずにできるものですが、プリウスのシフトレバーのあまりメリットではない点でもあります。

プリウスがわかりにくいシフトレバーを採用する理由

プリウスのシフトレバーは前述でご紹介したようにわかりにくい点が結構多いのですが、なぜこのようなシフトレバー形式になったかというと「未来感」を出そうとしたのではないかと考えられます。

プリウスはたしかに通常の車とは違う構造や機能があるハイブリッドカーで、エンジンとモーターの併用で走行するために通常のオートマ車と異なる構造は各所に組み込まれています。

しかしシフトレバーに限定して見るとハイブリッドカーとしてみても特別な構造にする必要性はそこまで無く、不要な2やLレンジをなくしただけの従来どおりのストレート式がゲート式のシフトレバーでも問題なく機能するでしょう。

プリウスにはハイブリッドカー独自の機能としてBレンジもあるのですが、プリウス以外のハイブリッドカーでBレンジがある車種でゲート式シフトレバーを採用している車種もあるので、十分構造的に対応できるものです。

それなのになぜプリウスが独特なシフトレバーを採用しているかといえば、ハイブリッドカーという先進的な車に合わせて未来館のある構造を導入したのではないでしょうか。

プリウスのシフトレバーは機能が少なく操作感覚も軽くなったことで従来のようなしっかりしたレバーである必要がなく、まるでパソコンのマウスのようなレバーをチョイチョイと操作するだけになります。

シフトレバーは車を運転するときに目立つ位置にあり、ドライバーだけでなく助手席や後席の同乗者にもアピールできるものとなります。

プリウスのシフトレバーにはイメージカラーであるエコカラーのブルーがあしらわれており、プリウスの内装デザイン的にも重要なものとなっていそうです。

こういった点からプリウスは伝統的に独自のシフトレバーを採用しているのですが、その操作のわかりにくさは4代目となった現在でも度々話題になるものとなっています。