トヨタ プリウスαはプリウスをベースとしたステーションワゴンで、ボディサイズの拡大とともに7人乗りまで可能になっている車です。
今回はプリウスαのラゲッジスペースについてご紹介します。
プリウスαの荷室・トランクの容量・寸法
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トヨタ プリウスαは有名なハイブリッドカーであるプリウスをベースにしたステーションワゴン系の車種で、プリウスの高い燃費性能を受け継ぎながら積載性や乗車人数の面で拡大した車となります。
プリウスαは2011年〜2021年まで販売された長寿車種で現在では生産終了となっていますが、その利便性や使い勝手の良さは現在でも人気があります。
ベースとなったプリウスは現在5代目まで登場している車種ですが、プリウスαのベースとなったのは3代目プリウスであり現在では結構古めのコンポーネントを持つ車種となります。
ですがプリウスでは実現できないラゲッジスペースの広さと、5人乗りモデルに加えて7人乗りモデルも選択できるなど大人数での乗車も可能となっているのでプリウスαならではの魅力があります。
ではまずプリウスαの大まかなサイズ感とラゲッジスペースのサイズや容量についてご紹介します。
スペック | プリウスα | |
乗車定員 | 7人乗り 3列シート 5人乗り 2列シート | |
全長 | 4,630mm〜4,645mm | |
全幅 | 1,775mm | |
全高 | 1,575mm | |
室内長 | 5名乗車:1,910mm 7名乗車:2,690mm | |
室内幅 | 1,520mm | |
室内高 | 1,220mm | |
ラゲッジルーム | 高さ | 810mm |
幅 | 995mm(ホイールハウス間)〜1,580mm(テールゲート前幅広部) | |
奥行き | 5人乗り:985mm 7人乗り サードシート使用時:375mm 7人乗りセカンドシート使用時:985mm 5人乗り、7人乗り フロントシートのみ使用時:1,830mm | |
ラゲッジ容量 | 5人乗り:535L 7人乗り サードシート使用時:200L 7人乗りセカンドシート使用時:505L フロントシートのみ使用時:1,070L(5人乗り)、1,035L(7人乗り) | |
運転席寸法 | 高さ | 約1,100mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約800mm | |
助手席寸法 | 高さ | 約1,100mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約800mm | |
2列目寸法 | 高さ | 約1,100mm |
幅 | 約1,300mm | |
奥行き | 約900mm | |
3列目寸法 | 高さ | 約900mm |
幅 | 約900mm | |
奥行き | 約800mm |
プリウスαはベースのプリウスよりもおもに全長が延長されており、200mm程度延長されたことによって3列目シートが装備できるようになっています。
全幅や全高などのサイズはほぼ変わらないものの、ステーションワゴンとしてのボディデザインによってラゲッジスペース周りがシンプルなハッチバックタイプになっています。
7人乗りモデルでは3列シートの後ろからテールゲートまでがラゲッジスペースになりますが、5人乗りモデルでは3列目シートが無いぶんそのスペースもラゲッジスペースになります。
プリウスαのラゲッジスペースでは横幅は全体的には多少控えめなものの中型車として十分なサイズであり、高さ方向にもステーションワゴンらしくしっかりサイズが確保されています。
ラゲッジスペースの奥行きについては5人乗りと7人乗りでサイズが違うのですが、シートをすべて展開した状態の標準ラゲッジスペースは7人乗りモデルが375mmと控えめなのに対し、5人乗りモデルではサードシート分のサイズが増えているので985mmとかなり広々としたサイズとなります。
容量についても7人乗りモデルで200Lのところが535Lとかなり広くなっていますが、これについては後述するシートアレンジによってもさまざまに変化できます。
ではプリウスαのラゲッジスペースについて詳しくご紹介していきましょう。
プリウスαの荷室・トランク・荷物収納スペースの良い点
プリウスαのラゲッジスペースについては次のような点が良い点で、使い勝手の良いラゲッジスペースになります。
普段使いの実用性が十分な標準ラゲッジスペース
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まずプリウスαのラゲッジスペースは7人乗りモデルであっても普段使いには十分なスペースがあり、利便性は中型車としては十分です。
プリウスαの標準ラゲッジスペースは5人乗りモデルと7人乗りモデルではかなりのサイズの違いがあり、7人乗りモデルではサードシートがあることで200Lのラゲッジスペース容量と決して大きくはありません。
ですがそのラゲッジスペースであっても横幅が広いところで1,580mmはありますので、横方向に積み込むようにすれば結構大きなサイズまで積み込めます。
ゴルフバッグで見ると大型のゴルフバッグであっても横積みすれば1つ〜2つぐらいは積み込めますし、このスペースがあれば普段の買物の荷物ぐらいは十分に積み込めるでしょう。
またセカンドシートやサードシートも乗員が座っていなければラゲッジスペースとして活用できますので、見た目以上に積載性は高いです。
これが5人乗りモデルになると乗車人数が減る代わりに標準ラゲッジスペースが大きく拡大されており、奥行きが大幅に増加するとともに大型車サイズの500Lを超える広々とした容量もあります。
これだけのスペースがあるとゴルフバッグであれば4つまで載せることができますし、大型のスーツケースや大量の荷物であっても十分なサイズ感です。
また奥行きが出来たので自転車や折りたたみ式のベビーカー、車いすなども横倒しにすることで十分積み込めるでしょう。
さまざまなシーンに対応できるシートアレンジ
プリウスαでは標準ラゲッジスペースで不足している場合にはシートアレンジによってラゲッジスペースを拡大することができ、かなりのサイズまで積載性が向上します。
プリウスαでは5人乗りモデルと7人乗りモデルで標準ラゲッジスペースのサイズが違いますが、例えば7人乗りモデルのサードシートをシートアレンジによって収納すればほぼ5人乗りモデルと同じサイズのラゲッジスペースが確保できます。
7人乗りモデルのサードシートは左右に2席が繋がったベンチシートですが、このシートの背もたれを前側に折りたたむことで標準ラゲッジスペースとつなげることができます。
その状態であれば奥行きが985mmまで拡大しますので容量も500L近く確保でき、乗車人数が少ない状態であれば5人乗りモデルと遜色ない積載性が作れます。
また5人乗りモデルでも7人乗りモデルでもセカンドシートについても収納することが可能で、こちらも背もたれを前側に折りたたんで収納することでフロントシートから後ろのスペースがすべてラゲッジスペースになります。
そのサイズは奥行きが1,830mmありますのでかなり長い荷物まで積み込むことができ、容量も1,000Lを超えていますので旅行や引っ越しの際にも十分活用できるサイズ感となります。
さらにシートアレンジはセカンドシート、サードシートともに左右分割式の座席になっていますので、左右どちらかだけを収納して片側を座席として残せば、ある程度の乗車人数を確保しつつ前後に長い荷物を積み込むような使い分けも出来てとても便利です。
積載性の高いテールゲートとフラットなフロア
プリウスαではベースとなったプリウスよりも積載性が向上しており、ステーションワゴンとしてのデザイン変更によるところが大きいです。
プリウスαのベースとなったプリウスはいわゆるファストバックスタイルのハッチバックカーで、ラゲッジスペースにつながるテールゲートはある程度上下方向に制限のあるものでした。
そのままでも積載性は悪くはないのですが、プリウスαになってテールゲートがオーソドックスなワゴンタイプになったため、ラゲッジスペースの開口部が上下にも大きく広がって積み込みやすくなっています。
テールゲートのリアウインドウも垂直に近いので、斜めになっているプリウスよりも上下方向にある程度高いものも積み込みやすくなっています。
またプリウスαのラゲッジスペースの床面は結構地面から低い位置に設けられており、重量物であってもそこまで大きく持ち上げずに搭載できて便利です。
加えてプリウスαのラゲッジスペースはフロア部分がほぼ完全なフルフラットになっており、セカンドシート、サードシートを収納したときにもフルフラットになるようにうまく設計されています。
このフルフラットなフロアによって荷物を前後に移動させるときに邪魔なものがなくてスムーズになりますし、余計な段差が少ないので荷物を積み上げるときにも安定感があって便利です。
5人乗りモデルでも7人乗りモデルでもこのあたりの使い勝手は変わらないので、どちらを選んでもデメリットがないのはうれしいですね。
キャンプやアウトドアでも活用できるラゲッジの広さ
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プリウスαのシートアレンジ後の広々としたラゲッジスペースはキャンプやアウトドアなどでも便利に使えるサイズです。
プリウスαの標準ラゲッジスペースは7人乗りモデルなどではそこまで大きなサイズではないので、キャンプやアウトドアなど大きな荷物を大量に運ぶような使い方には少し不便です。
5人乗りモデルであればセカンドシートを展開した状態でもある程度しっかり積み込めるのですが、前述したシートアレンジを駆使したほうが便利です。
セカンドシートまで収納すれば前後方向が非常に大きなスペースとなりますので、テントやバーベキューグリルなどの大きな物や、食材などの重たくかさばるものなども十分積み込めるでしょう。
乗車人数が必要なときはシートアレンジの左右分割機能を活用すれば4人〜5人ぐらいまでならプリウスα1台でキャンプやアウトドアに行けるでしょう。
またアウトドアの際にはサーフボードや釣り道具、マウンテンバイクなど長くて大きな物を積み込むことがありますが、その際にも1,830mmあるラゲッジスペースを利用すればかなりのサイズのものまで積み込めます。
マウンテンバイクなどは横倒しにしたりはする必要がありますが、同乗する人数が2人〜3人ぐらいであればキャンプ用品とともに積載はできるでしょう。
さらにシートアレンジ後のラゲッジスペースがフルフラットになっていることを活かして、近年人気の車中泊にも利用できます。
車中泊ではテントの代わりに車内で就寝するので、フラットなラゲッジスペースは寝台とするには最適であり、前後の長さも足を伸ばして寝るには十分なサイズなのでこういった使い方にも対応できます。
もちろん大型ミニバンほどの積載性はないので背の高いものを積み込むことには不便ですが、積み込む荷物の量や形状を工夫することでしっかり役割は果たせるでしょう。
便利なラゲッジスペース周りの装備
プリウスαのラゲッジスペースにはいろいろ便利な装備もそなわっており、ちょっとしたシーンで活躍します。
まずプリウスαの標準ラゲッジスペースには床下収納となる大型のアンダーラゲッジが設けられており、ラゲッジスペースのフロアの一部を持ち上げて開くことでアクセスできます。
プリウスαのアンダーラゲッジは深さが結構深くて容量も60Lほどありますので、普段使わないものや工具などを結構なサイズのものまで収めておけます。
またアンダーラゲッジを開いたままにすることで標準ラゲッジスペースの上下方向を広げることができ、背の高い植木などを運ぶときに利用できます。
加えてアンダーラゲッジは防水性のある樹脂パネルで覆われているので、汚れたものや濡れたものを収めておくには最適です。
その他の装備としては標準ラゲッジスペースの左右に照明が1つずつ装備されており、標準的な中型車ではせいぜい1つのみ装備されているのでより手元を明るく照らしてくれます。
なおアンダーラゲッジのサイズについてはグレードやオプションによって変動があり、スペアタイヤ搭載車やアクセサリーソケット装着車ではアンダーラゲッジのサイズが小さなものになっています。
アクセサリーソケットは最新のプリウスではラゲッジスペース脇にもポートがあったりするのですが、プリウスαではベースのプリウスが以前のモデルなのでラゲッジスペース脇にはアクセサリーソケットはありません。
このあたりは後からカスタマイズで装着する方もいらっしゃいますが、ラゲッジスペースの近くにアクセサリーソケットがあると車中泊やキャンプの際に便利です。
プリウスαの荷室・トランク・荷物収納スペースの悪い点
プリウスαのラゲッジスペースは利便性の高いスペースとなっていますが、次のような点は少し不便な点です。
汚れには弱いカーペットフロア
プリウスαのラゲッジスペースは全体的にカーペット生地で覆われているのですが、これが汚れには弱いものとなっています。
プリウスαのラゲッジスペースは標準ラゲッジスペースの上面やシートアレンジ後のシート上面がカーペット生地となっており、車内の他のフロアなどと統一感のあるでざいんとなっています。
一部セカンドシートの背面はテーブルに活用できる樹脂製パネルが装備されていますが、ラゲッジスペースとしては一部だけの樹脂パネルなので防水性のある箇所としてよりは安定感のあるテーブルにするためのパネルです。
カーペット生地は荷物を積み下ろしするときに車内が傷つくのを防いでくれますし、荷物を前後に移動するときにも滑らせやすいのでメリットも多いものとなっています。
ですがカーペット生地は泥汚れや水濡れがついてしまうと掃除するのが大変な仕様でもあり、一度汚れがついてしまうとなかなか綺麗にするのは難しいです。
特にキャンプやアウトドアのときには帰りに荷物を載せるとどうしても泥や土で汚れていたり、雨天のあとのテントがかなり濡れていたりするのでプリウスαのカーペット生地では不利な場合があります。
天候の変化などは急に起こる場合がありますので、キャンプやアウトドアに行く際にはあらかじめ防水シートなどを敷いておくと良いでしょう。
ちょっとしたものであれば前述した防水性のあるアンダーラゲッジにも収納できますが、キャンプ用品などは積み込むのは厳しいでしょう。
高さ方向に大きな荷物を積み込みにくい
プリウスαのラゲッジスペースは前後方向には大きなスペースを確保できるのですが、上下方向はそこまで高くないので背の高いものを積み込むのはやはり苦手としています。
プリウスαはステーションワゴンタイプの車なので全高はセダンと同じぐらいですが、ベースとなったプリウスよりは多少上下方向が拡大されており積載性は向上しています。
テールゲート部分も上下にスペースの取れるスクエアデザインなのでステーションワゴンとしては十分便利なのですが、近年トレンドのミニバン系の車種と比較するとどうしてもラゲッジスペースの上下の低さが気になる部分です。
ミニバン系の車種は全高がかなり高いことで全体的に車内の高さが高く、植木や自転車など背の高いものもスムーズに積み込めます。
ですがプリウスαではそういった使い方はやはり厳しいですし、前後方向に広いといっても横倒しに出来ないものを積み込むのには不利です。
一応アンダーラゲッジを開くことである程度上下方向に拡大はできますが、標準ラゲッジスペースの一部だけですので上下に細いものぐらいしか乗らないでしょう。
その分プリウスαの低い車高で走行性能などはミニバンより良好なので、ある程度積載性では割り切りが必要なサイズ感といえるでしょう。
プリウスαの荷室・トランク・荷物収納スペースの口コミ・評判
プリウスαのラゲッジスペースについてはtwitterでもいろいろな投稿があり、その中からいくつかご紹介します。
荷物沢山ある時はほんとにプリウスαの方がいいなってなる、、
レヴォーグも荷室広いけど、ベースがS4やから車高低いからあまり乗らんのよなぁ— ゆう(刹那) (@justice61037213) March 4, 2022
こちらの方はプリウスαの生産が終了されたあとにもこの車を評価されており、ラゲッジスペースの使い勝手はプリウスαのほうが良い場合があるようです。
ステーションワゴンは最近でも色々な車種が登場しているのですがデザインやベース車の制限によって車高が低いものが増えており、車高がある程度あってラゲッジスペースの高さがあるプリウスαのほうが便利な場合も多いでしょう。
プリウスαの車内高でロードを縦に積むにはシートポスト外さないとダメみたいだから、素直に諦めて、輪行袋にいれてラゲッジに平置きするか。
— 岩崎 健次 | AoUA (@kenji_i) September 15, 2013
こちらの方はマウンテンバイクかロードバイクを趣味にされているようなのですが、これを縦方向に積み込むにはプリウスαのラゲッジスペースではなかなか大変なようです。
そのため専用の袋に入れてから横倒しで積み込む必要があるようで、このあたりの使い勝手はミニバン系には及びません。
総評
トヨタ プリウスαは燃費性能の高いプリウスをベースとしたステーションワゴンで、環境性能を受け継ぎながら積載性や乗車人数の増加など車としての使い勝手がかなり向上しています。
シートアレンジを駆使すればかなりのラゲッジスペースを確保できるのでさまざまなシーンに対応でき、必要な乗車人数によって5人乗りか7人乗りかを選択できるのもうれしいです。
ただ現在は生産終了となっている車なので中古車しか手に入れる方法はありませんが、生産終了してからまだ数年なので今であれば状態の良いプリウスαが手に入れられるでしょう。