トヨタ プリウスαはハイブリッドカー プリウスをベースとしたステーションワゴンで、ハイブリッドカーのメリットを持ちながら広い荷室があるのが特徴です。
今回はそんなプリウスαが「釣り」に適した車なのかどうかを御説明していきます。
プリウスαが釣り車に向いている理由
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トヨタ プリウスαはハイブリッドカーのステーションワゴンで、ベースとなった車は3代目 30プリウスです。
プリウスは世界初の量産型ハイブリッドカーとして世界的に有名な車で、ガソリンエンジンとともに電動モーターを併用して走行することで非常に高い燃費性能を持っています。
ハイブリッドカーではエンジンが苦手で燃費が悪化する領域をうまくモーターでカバーするシステムになっており、それまで無駄になっていたエネルギーを電力として再利用するようになっています。
これによりプリウスの燃費はリッターあたり30km〜40kmもの非常に良好な性能となっており、現行モデルで4代目にあたるまで改良が続いています。
プリウスはボディ形状としてはファストバックタイプのハッチバックカーで一般的な乗用車のサイズ感なのですが、そのプリウスにより積載量を与えるために生まれたのがステーションワゴンであるプリウスαです。
プリウスαは3代目の30プリウスをベースとしてボディ全長を55mm〜70mm伸ばしたフォルムをしており、その分は主に後部のラゲッジスペースが広くなっています。
更にボディ後部も特徴的なファストバックスタイルから一般的なワゴンスタイルになり、比較的オーソドックスなステーションワゴンに仕上がっています。
一方で搭載されているハイブリッドシステムは30プリウスと同じものであり、重量増加で多少の燃費の悪化は見られるもののステーションワゴンとしてはかなり良好な燃費性能もプリウスから受け継いでいます。
プリウスαは沢山の荷物を積みやすい車ですが、釣りが趣味の方にもかなりオススメできる1台といえるでしょう。
そんなプリウスαの釣りに適したポイントをご紹介していきます。
釣り竿を組んだままでも積み込める
まずプリウスαで釣りに行くのに一番便利な点は釣り竿をまっすぐそのまま積み込める点です。
釣りに何より欠かせないものは当然ながら釣り竿なのですが、車に釣り竿を積み込むというのは場合によっては結構大変なものです。
釣り竿には狙っている魚や釣り方によってさまざまな大きさや長さのものがあるのですが、車に積み込むときに問題となるのはこの長さです。
釣り竿の中にはコンパクトに折り畳めたり分割して積み込みやすいものもあるのですが、中にはワンピースタイプのロッドというものがあり分割できず一本そのままで積み込まなければならない場合があります。
小さな車の場合にはワンピースタイプのロッドを車内に積み込むのが大変な場合もあるのですが、プリウスαの場合であれば室内の長さが広く確保されているので真っ直ぐ積み込めるロッドの種類がより多くなります。
プリウスαを釣り用の車に使っている人は車内の天井付近にロッド固定用のホルダーを設置している方が多く、車内の前後サイズのほぼ全てをシートに引っかかること無く活用できます。
これはプリウスαのベースとなった3代目プリウスではちょっと微妙なポイントでリアウインドウが斜めになっているデザインなので積み込みにくい形状なのですが、プリウスαのステーションワゴンスタイルの車内はそういった邪魔なこと無く最大限長さを確保できています。
釣りのための道具やキャンプ用品まで積み込める
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プリウスαの車内スペースでは釣り竿を積み込むのに十分なスペースがあるのですが、その他の荷物もたくさん積み込めるスペースもしっかり確保されています。
プリウスαの車内はステーションワゴンということで座席の他に荷室も広々としたサイズが確保されているのですが、釣りの際にまず考えるのは長い釣り竿を積み込む場所です。
しかし釣り竿を実際に積み込むところが決まれば残りのスペースは結構残っており、ここには釣りに必要なさまざまな荷物を積み込むことになります。
プリウスαではベースであるプリウスに比べれば荷室が結構広々としていますので、その他の荷物もいっぱい乗せることができます。
釣りには釣り竿の他に大きな荷物が結構必要で、クーラーボックスや釣りの仕掛けなどを収めているボックス、リールやタモなどの道具類などかなりたくさん持っていくものがあります。
また複数人で釣りに行くのであればその分の荷物があるわけで、荷室のスペースは広いに越したことはありません。
プリウスαの荷室の形状はスペース重視の荷室になっていますので、同クラスのセダンやプリウスのようなファストバックタイプの車に比べれば使い勝手の良い荷室がしっかり確保できています。
高い燃費性能で経済性が良い
プリウスαはステーションワゴンということで釣りには使い勝手の良い車内スペースが確保されていますが、プリウスαの最大の特徴である燃費性能も釣りには良いメリットです。
車で釣りに行く場合には近場だけでなく遠出も良くすると思いますが、その際気になることの一つに移動にかかる燃料代などがあります。
釣りにはさまざまな道具の用意や有料の釣り場などお金がかかることが結構あるのですが、その中で移動にかかる費用は決して無視できないものです。
この点については何より車の燃費性能が重要となるのですが、プリウスαにはプリウス譲りのハイブリッドシステムがあるので他のステーションワゴンでは実現できない燃費性能を持っています。
プリウスαの燃費性能についてはカタログ燃費と実際の実燃費で次のようになっており、ベースとなった30プリウスや同クラスのステーションワゴンであるスバル レヴォーグと比較すると次のようになります。
プリウスα | 30プリウス | スバル レヴォーグ | |
カタログ燃費 | 26.2km/L | [G、Sグレード]2WD:30.4km/L [Lグレード]2WD:32.6km/L | 16.0km/L~17.6 km/L |
実燃費 | 18.22 km/L | 20.22 km/L | 10.31 km/L |
プリウスαのベースである30プリウスは新車当時トップクラスの燃費性能を持っていましたが、これに対してプリウスαは重量増などでカタログ燃費も実燃費も多少悪化してはいます。
しかしハイブリッドカーではないレヴォーグと比較するとそのカタログ燃費がかなり差があるのに加えて、実燃費でもプリウスαのほうが約2倍弱の低燃費性能があります。
そのため移動にかかる燃料代はプリウスαのほうが半分程度に抑えられるので経済性が高く、加えてプリウスよりも広い荷室で使い勝手がとても良いという、釣り車にするにはバランスの良い車といえるでしょう。
釣り旅行での車中泊にも対応できる
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プリウスαは車内スペースの広さから日帰りの釣りにはもちろん対応できますが、その他に車中泊を組み合わせた釣り旅行にもしっかり対応できます。
車で釣りに行く場合に日帰りで行ける距離には限りがあり、遠くの釣り場まで行こうとすると泊りがけで釣り旅行にすることもあります。
その際通常は旅行先にホテルや旅館を確保して宿泊するような形になるのですが、近年は宿泊に車を使う車中泊も一般的になってきました。
車中泊では車で移動した先で寝るために車内に寝台を仕立ててあり、車1台で完結するので宿泊費用や移動費用などを節約できるため人気が高まっています。
釣りの旅行にもこの車中泊は非常に便利な方法で、釣り場のある港や湖、川などの近くに駐車場があり、夜間も停車できるならばそこでそのまま宿泊することができます。
さらにプリウスαは車内のシートアレンジによってかなりフラットな寝台を作り上げることができ、クッションやマットなどを予め用意しておけばかなり快適な車中泊が過ごせるでしょう。
また釣りでは夕方から夜にかけての夜釣りや、早朝に行う朝釣りなどもありますので、現地でそのまま寝たり車内で休憩できるスペースがあるというのはとても便利な車の使い方といえるでしょう。
車内で大容量電源が利用できる
プリウスαでは車内で100Vの家庭用電源が使えるのですが、長時間使用できるので釣りの間や車中泊の際に便利です。
プリウスαはハイブリッドカーとしてモーターで駆動するために非常に大容量の駆動用バッテリーが搭載されているのですが、このバッテリーを利用してプリウスαの車内では1,500Wの家庭用コンセントが使用できます。
普通の車ではここまで大容量のコンセントはなかなか使えないので利用できる電気製品には限りがあるのですが、プリウスαのスペックであればほとんどの電化製品を利用するスペックがあります。
釣り旅行でプリウスαを使うのであればこの電源もしっかり活用していきたいところであり、夜釣りなどでは照明の電源に活用できます。
また釣具には近年バッテリー駆動の製品も増えてきており、例えば電動リールのバッテリー充電にもプリウスαのコンセントが利用できます。
さらに車中泊を組み合わせるのであれば待機中や就寝中にも電源を利用できますので、プリウスαなら快適な釣りの車中泊旅行が出来るでしょう。
プリウスαが釣り車に向いていない点
プリウスαは前述のように釣りに利用しやすい車なのですが、一方で次のような点は少し不向きな点となります。
河原や砂浜への立ち入りは状況次第
プリウスαで釣りに車で移動する際、河原や砂浜など水場の近くに立ち入るには注意が必要です。
釣りを行う場所というのはさまざまな場所があるのですが、そのうち車で立ち入れる場所は車の性能である程度左右されます。
港の防波堤や湖の湖畔などであればかなり道路事情がよく整備されているので全く問題なく移動は可能ですが、一方で良好な釣り場には河原や海近くの砂浜などもあります。
車で移動する場合できるだけ釣り場に近い場所まで車で移動したいものなのですが、プリウスαの走行性能ではあまりオフロードに近い場所に立ち入るのは危険です。
プリウスαの走行性能は一般的な乗用車とかわらない程度の性能であり、砂利や岩場のあるような河原に立ち入ったり、砂場のある砂浜などではタイヤが空転したりしてスタックする可能性が出てきます。
こういった地形にはSUVのようなオフロード向きの車が最も適しており、プリウスαではどうしても走破性の点ではSUVには及びません。
ただし河原や砂浜といってもヘビーな路面状況でない場合もありますので、路面状況を見ながら無理のない範囲で立ち入るのは可能でしょう。
山奥の渓流釣りには不向き
プリウスαはオフロードには不向きなのですが、中でも釣りのシーンの一つである渓流釣りにはかなり不向きといえるでしょう。
渓流釣りは山中の渓流で鮎やイワナを初めとする川魚を狙う釣りで、テクニカルな釣り方も多く人気のある釣りの一つです。
渓流釣りでは結構険しい山中にも立ち入ることがあるのですが、そういうシーンではなによりオフロード専門のSUVが威力を発揮します。
場所によっては結構険しい岩場の渓流などにも立ち入ることができ、スムーズに釣りに行こうできる場合があります。
ですがプリウスαの走行性能では岩場や河原には立ち入るのは無理なので、すべてのシーンでプリウスαを釣りの車にできるわけではありません。
渓流釣りであっても駐車場が整備されていたり道路が整備されているような林道であればプリウスαでも立ち入ることはできるのですが、どうしても厳しい状況はあるでしょう。
渓流釣りでは現地に行かなければ状況がわからないこともありますのでプリウスαで対応できないシーンはあると思いますが、そういったときには無理に車では立ち入らずに、駐車可能な場所に車は停めて歩きで現地に向かったほうが良いでしょう。
車内は汚れには強くない
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プリウスαの車内スペースは広々としていてかなりたくさんの荷物は積み込めるのですが、汚れものを積み込むときには注意が必要です。
プリウスαで釣りの荷物をたくさん積み込んでいくときに行きはまだ良いのですが、帰りの際にはさまざまな汚れ物を積み込んでいくことになります。
その際プリウスαのラゲッジルームや後席シートなどに積み込むことになるのですが、プリウスαの車内は水汚れや泥汚れなどには強くないので、汚れ物を積み込むと車内のカーペットやシートなどに染み込んでしまう可能性があります。
また魚の体液などが染み込んでしまうとずっと魚の匂いが車内に残ってしまうことがあるので、プリウスαでは車内が汚れないようにあらかじめプロテクトしておくと良いでしょう。
オフロードやアウトドアに使いやすいSUV系の車種ではラゲッジスペースが樹脂製のパネルで覆われて汚れにも強くなってうたりするのですが、プリウスαではそういった装備はないので例えばビニールシートなどで覆っておくなどの対処法はあります。
また汚れ物を防水加工されたボックスなどに収めて車内で倒れたりこぼれたりシないようにしておけば、車の移動中でも安心です。
何も準備しないままではそのうち必ずプリウスαの車内が汚れることがあるので、しっかり事前準備を行っておきましょう。
プリウスαの釣り車としての評判
プリウスαの釣りの車としての評判はなかなか高く、twitterにもさまざまな評判が投稿されています。
釣りに行くときは86ではなくプリウスαで行くことに決定! pic.twitter.com/1gEl7HXysx
— ヤマト (@HeavensMountain) July 14, 2017
この方はプリウスαの車内に釣り道具と釣り竿を積み込みながらさらに車中泊の準備もしてあり、プリウスα1台で釣り旅行が完結できています。
プリウスαの車内はシートアレンジによってさまざまな使い方ができるのですが、横に長い釣り竿を積み込んでベッドも仕立てて荷物も積み込めるという使い方はステーションワゴンならではのものです。
マジでプリウスα乗って気づいた🤣燃費いいし釣り道具載るしタイヤ載るしで最高 https://t.co/mc6hSwA3QT
— オオツカトキシ (@cresta1jz100) September 9, 2021
こちらの方はプリウスαの釣り車としての便利さの気づかれたそうなのですが、実際に乗ってみるとその利便性の高さに気づくことはありがちです。
プリウスαはイメージとしてはプリウスより大きく燃費性のも少し低くなるので微妙な点もあるのですが、逆に言えばラゲッジの広さと燃費の良さなどでバランス良い車に仕上がっています。
最近プチカスタムして楽しんでる😊
ラゲッジLEDランプ 夜釣りには神!#プリウスα pic.twitter.com/9URGF1TnFg— motocym (@momokajiki1) April 16, 2021
こちらの方はプリウスαのテールゲートの内側にLEDランプを取り付けるカスタムをされているのですが、とくに夜釣りにはかなり便利な装備です。
普通の車ではLEDランプなどの照明を使うと車のバッテリーを消費してバッテリーあがりの危険性が出てきてしまうのですが、プリウスαの場合には大型の駆動用バッテリーによって長時間のLEDライトの使用も可能なので夜釣りにはとても便利でしょう。