マツダ MAZDA3 FASTBACKは中型車クラスのハッチバックカーで、スタイリッシュなデザインが特徴の車となっています。
今回はMAZDA3 FASTBACKのラゲッジスペースについてご紹介します。
MAZDA3 FASTBACKの荷室・トランクの容量・寸法
マツダ MAZDA3 FASTBACKはMAZDA3シリーズのハッチバックタイプで、扱いやすいサイズ感の車となります。
MAZDA3は以前はアクセラと呼ばれていたシリーズですが、現在は欧州との名称統一によってMAZDA3となっており、現行MAZDA3で初代アクセラから数えて4代目となります。
MAZDA3としては現行モデルが初代になりますが、エンジンやプラットフォームなど多くのコンポーネントをMAZDA3シリーズで共通化しながらハッチバックタイプの「FASTBACK」とセダンタイプの「SEDAN」の2タイプのボディが用意されています。
MAZDA3 FASTBACKはサイズ的にはコンパクトながら、スポーティで特徴的なデザインが魅力的であり、特にリア周りのボリューム感は他のハッチバックカーとは大きな差があります。
ではMAZDA3 FASTBACKの大まかなサイズ感やラゲッジスペースのサイズや容量をご紹介します。
スペック | MAZDA3 SEDAN | |
乗車定員 | 5名 | |
全長 | 4,460mm | |
全幅 | 1,795mm | |
全高 | 1,440mm | |
室内長 | 1,820mm | |
室内幅 | 1,490mm | |
室内高 | 1,160mm | |
ラゲッジルーム | 高さ | 710mm |
幅 | 1,010mm(タイヤハウス間)〜1,100mm(ラゲッジスペース後部サイドトリム間) | |
奥行き | セカンドシート展開時:840mm セカンドシート収納時:1,500mm | |
ラゲッジ容量 | 334L | |
運転席寸法 | 高さ | 約1,000mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約1,000mm | |
助手席寸法 | 高さ | 約1,000mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約1,000mm | |
後席寸法 | 高さ | 約1,000mm |
幅 | 約1,300mm | |
奥行き | 約800mm |
MAZDA3シリーズは全長4,500mm前後の中型車で、SEDANが4,600mm程度あるのに対してMAZDA3 FASTBACKは4,460mmと比較的短めなボディとなります。
全幅や全高はほぼ同一であり、1,800mm程度とワイドなボディと1,440mmの低い全高で、低くてどっしりとした安定感のあるスポーツカーのようなフォルムが魅力的です。
車内スペースに関してはシートの前後サイズは少し短めなので広々としたサイズ感はないのですが、必要十分な実用性があるといえるでしょう。
そんなMAZDA3 FASTBACKはハッチバックカーなのでラゲッジスペースはセカンドシートからテールゲートまでの間の空間となっており、同じシリーズのMAZDA3 SEDANと違って車室内の一部がラゲッジスペースとなります。
MAZDA3 FASTBACKが車高の低い車なのでラゲッジスペースの高さも控え目ですが、奥行きはセカンドシート展開状態であっても840mmはあり、見た目に奥行きはしっかりあるサイズ感です。
横幅もタイヤハウス感のスペースが多くを占めていますが、車両後部のタイヤハウスが無くなった場所は1,100mmほどの横幅が活用できます。
セカンドシート後ろのスペースは容量的には334Lとコンパクトカークラスのサイズであり、MAZDA3 SEDANが450L確保している点と比べ狭めになっています。
ではMAZDA3 FASTBACKのラゲッジスペースについて詳しくご紹介しましょう。
MAZDA3 FASTBACKの荷室・トランク・荷物収納スペースの良い点
MAZDA3 FASTBACKのラゲッジスペースは全体的に控え目なサイズ感になっていますが、良い点としては次のような部分があります。
普段使いには十分な奥行きのあるラゲッジスペース
MAZDA3 FASTBACKのラゲッジスペースは基本的にはセカンド紙糸から後ろのスペースであり、この標準ラゲッジスペースは普段使いには十分なサイズです。
MAZDA3 FASTBACKの標準ラゲッジスペースはなによりも奥行きがしっかり確保されており、840mmもあれば普段の買物の荷物ぐらいであれば十分に積み込めます。
パット見では少し狭めに見えるラゲッジスペースですが、深底式で割とスクエアに近いスペースとなっていますので四角いものなどは積み込みやすいでしょう。
横幅がほぼタイヤハウス間のサイズで壁が出来ているので横方向に大きく積み込める部分は少ないですが、それでも1,000mm近くは利用できるので奥行きで収まらないものは横積みするとよいでしょう。
ラゲッジスペースの広さを比較するときにはゴルフバッグがいくつ積み込めるかが一つの指標となりますが、MAZDA3 FASTBACKの場合には前後および横積みでもゴルフバッグのサイズを収めるのは難しく、標準ラゲッジスペースの状態では搭載は難しくなっています。
一方で大型のスーツケースであれば横倒しにして積み上げるなど工夫すれば積み込むことは可能で、標準ラゲッジスペースでも2つまで搭載できるスペースはあります。
車いすやベビーカーなど高さのあるものは折りたたみ式でも立てたまま積み込むには少し高さが微妙であり、製品によっては折り畳んで横倒しにしても積み込めない場合があります。
MAZDA3 FASTBACKの標準ラゲッジスペースは普段使いには良いものの、標準ラゲッジスペースの容量が334Lということで中型ハッチバックカーの標準的なサイズよりは小さめであり、大きなものを積み込もうとすると若干不足気味な場合はあります。
シートアレンジによって拡大できるサイズ感
MAZDA3 FASTBACKの標準ラゲッジスペースで容量やサイズが不足しているときにはシートアレンジを活用するとよく、セカンドシートを収納することでラゲッジスペースが拡大できます。
MAZDA3 FASTBACKのセカンドシートは左右に3席が繋がったベンチシート式のシートになっていますが、このベンチシートの背もたれは前側に倒すことで収納することが可能で、そうすることで標準ラゲッジスペースとつながるシートアレンジが活用できます。
セカンドシートのスペースもラゲッジスペースにできるので奥行きは一気に1,500mm まで拡大でき、この広さがあれば標準ラゲッジスペースに積み込めなかったゴルフバッグを前後にしっかり積み込めます。
車いすやベビーカーなども折り畳んで前後に横倒しに出来れば、シートアレンジを活用することで十分積込むことができるでしょう。
またセカンドシートの背もたれは左右に6:4分割式でどちらかだけでも倒すことができ、片側を座席として残しておけば同乗できる人数を3名〜4名にキープしつつ奥行きのあるラゲッジスペースが利用できます。
ゴルフバッグを積み込んでレジャーに行くときには何人か連れて行くことが多いですが、その際にも同乗する人数と荷物の量でシートアレンジを調整すると良いでしょう。
加えて奥行きがありますのでサーフボードなどのレジャー用品も積込むことが可能となりますので、趣味の車としてもMAZDA3 FASTBACKは活用できます。
ただしキャンプなどの大量の荷物と同乗者が要るようなシーンではMAZDA3 FASTBACKの積載容量では大変な部分もあり、積み込む荷物の量やサイズを調整する必要があります。
いくつかそなわっている便利な装備
MAZDA3 FASTBACKのラゲッジスペースにはいくつか便利に使える装備がそなわっており、うまく活用することで利便性が高まります。
まずご紹介するのはMAZDA3 FASTBACKのオプション装備であるトノカバーで、メインの機能は目隠し効果によるプライバシー保護です。
MAZDA3 FASTBACKはハッチバックカーなのでテールゲートのウインドウからラゲッジスペースが覗き込めるのですが、トノカバーを装着することによってラゲッジスペースの上側を塞ぐことができ内部を隠すことができます。
またトノカバーの上側にも軽いものであれば載せられますので、上下2段のラゲッジスペースとなります。
加えて高さのあるものを積み込むときにはトノカバーが邪魔になるのですが、その際にはトノカバーを取り外すことができるので色々なシーンに対応できます。
また標準ラゲッジスペースの左側側面には照明が設けられており、夜間にラゲッジスペースを照らしてくれます。
照明の位置が左側面の上辺りに取り付けられていますので、特に手元をしっかり照らしてくれる位置に付いているのは便利です。
照明はテールゲートを開けば自動で点灯しますので、荷物を積み込むときにすぐに使えて利便性も高い装備となっています。
MAZDA3 FASTBACKの荷室・トランク・荷物収納スペースの悪い点
MAZDA3 FASTBACKのラゲッジスペースはそのデザインやサイズから不便な点もあり、次のような点がデメリットになっています。
デザイン優先でラゲッジ開口部が狭めのサイズ感
MAZDA3 FASTBACKのラゲッジスペースは全体的なサイズが小さいこととともに開口部のサイズも小さめで、積載性はあまり良くありません。
MAZDA3 FASTBACKはスタイリッシュなデザインを持つ車で、リア周りのデザインがかなり特徴的です。
丸みを帯びたボリュームのあるリアデザインと斜めの角度を持ったテールゲートでスポーティなフォルムを持っており、ハッチバックカーの中では特にリアのデザインにこだわっている車でしょう。
しかしデザインが優先されたことでラゲッジスペース内部の横幅などは制限を受けており、加えてテールゲートの開口部も上下左右ともに狭めのサイズ感です。
このテールゲートでも普段の荷物ぐらいならば十分に積み込めるのですが、大きな荷物を積み込む際にはやはり不便です。
開口部のデザイン自体はテールゲートが斜めになっているため積み込みには自由度がありますが、高さ方向はあまり大きくないので長いものや高さのあるものを積み込む際に気になる点があるでしょう。
もともとのラゲッジスペースの横幅が狭くテールゲートの横幅と同じぐらいしかありませんので、もともと積み込める荷物のサイズには制限が強い車となっています。
ラゲッジスペース内の段差が深く地上高も高い
MAZDA3 FASTBACKのラゲッジスペースではリアバンパーからラゲッジスペースの床面まで段差があり、重量物の積み下ろしのときに不便です。
最近の車種ではラゲッジスペースの使い勝手の良さが注目されることが多く、荷物を積み込みやすくなっていたり移動しやすいなど魅力的なレイアウトの車が増えてきています。
特にラゲッジスペースの床面はフルフラットになっていることが多く、床面がデッキボードに覆われていてデッキボード上面がリアバンパーと同じ高さにあるなど、極力段差が生まれないほうが使い勝手が良いのです。
しかしMAZDA3 FASTBACKではラゲッジスペースの床面はデッキボード式でフラットなものの、リアバンパーから一段低い所に位置しているため段差があります。
この段差は軽いものを積み下ろしするのであればそこまで気になりませんが、大きな荷物や重量物を積み込むときにはかなり不便です。
一度リアバンパーの高さまで持ち上げた上で段差の下に置かなければならないため、積み下ろし時の負担が大きくなります。
加えてMAZDA3 FASTBACKのリアバンパーの高さは地上から700mm程度と結構高く、荷物を高い位置にまで持ち上げなくてはならないのも不便です。
MAZDA3 FASTBACKが全高が低い車でラゲッジスペースの高さを確保するために段差を設けてまで容量を確保しているのですが、荷物の積載性としては不便な部分になっています。
シートアレンジ後に段差が生まれる
MAZDA3 FASTBACKのラゲッジスペースはシートアレンジによって前後のサイズが大幅に広がるのですが、シートアレンジ後のスペースにも段差があって不便な点が多いです。
シートアレンジの際にはセカンドシートの背もたれを前に倒して収納することで標準ラゲッジスペースとつなげるのですが、最近の車種ではシートとラゲッジスペースの間に段差が生まれないように設計される車が増えています。
シートの背もたれを折りたたむとどうしてもその厚みは出てくるのですが、その部分をデッキボードを高い位置に設けることでフルフラットに近い設計としている車もあります。
フルフラットに近ければ荷物を積み込む際に引っかかる部分が少なくなるので、多くの荷物を前後に移動させる際にも使い勝手の良いものとなっています。
ですがMAZDA3 FASTBACKではシートアレンジ後にシートと標準ラゲッジスペースの間に数cmの段差があり、またシートの背もたれも斜めになるぐらいまでしか倒れないのでフルフラットにはなりません。
前述したラゲッジスペースの床面が深底になっていることも関係しており、シートアレンジ後に前後にダンボールなどを移動させる際にこの段差は結構引っかかって邪魔になります。
加えて最近ではフラットな荷室を使ってキャンプの際に車中泊をする人が増えていますが、MAZDA3 FASTBACKではこの段差部分があることや前後のサイズが小さいことで車中泊には適していません。
斜めのテールゲートが高さ方向の規制になる
MAZDA3 FASTBACKはテールゲートがデザイン的に斜めになるファストバックスタイルなのですが、このデザインから標準ラゲッジスペースでは高さ方向に意外と制限があります。
MAZDA3 FASTBACKはデザイン的にルーフから後部にかけてがスポーティなラインとなっており、ファストバックスタイルのテールゲートはデザイン的な魅力の一つです。
テールゲート自体も大きく上側に跳ね上がるので積み込みの際には邪魔にならないデザインなのですが、荷物を積み込んだあとのテールゲートを閉めたときに問題が出てきます。
テールゲートが開いていれば上下方向に荷物を積み上げたり前後に長い荷物を積み込んでも気にならないのですが、その一部が斜めのテールゲートの範囲から出てしまうことがあります。
斜めのデザインはデザイン的にはカッコイイのですが、上下方向の高さが車の後部に行くに従って低くなっていくので積み込めるサイズに制限が出てきます。
横倒しに出来ないものを積み込む際などには特に不便であり、標準的なハッチバックカーであれば天井までのスペースを活用できたところをMAZDA3 FASTBACKでは同様の使い方ができません。
もともとラゲッジスペースの高さもそこまで高くなく容量も小さい車なので大量の荷物は上下に積み上げがちになるのですが、テールゲートは意外と見落としがちなので積み込んだ後にまた調整しないといけなくなるでしょう。
アンダーラゲッジの容量がほぼ無い
MAZDA3 FASTBACKはラゲッジスペースのデッキボードの下にもスペースが設けられているのですが、アンダーラゲッジとして利用できるスペースはわずかです。
近年ではラゲッジスペースのデッキボード下を有効活用する車が増えてきており、僅かなスペースを使ってラゲッジスペースに活用できるアンダーラゲッジを多くの車が装備しています。
アンダーラゲッジは標準ラゲッジスペースと比べるとサイズは大きくないものの、各種工具類、普段使わないものや目立たなくしたいものなどを収めておくのに便利なスペースです。
またアンダーラゲッジには防水性のあるトレイ式であることが多く、濡れたものや泥で汚れた靴などを収めておくことにも利用できます。
MAZDA3 FASTBACKにも標準ラゲッジスペースの床下には収納スペースがあるのですが、基本的には工具やパンク修理キットなどを収める専用スペースとなっており、アンダーラゲッジとして活用できるスペースはほんの僅かです。
ちょっとした小物を収めるサイズぐらいしか無いので実用性には乏しく、ほとんどアンダーラゲッジを利用するようなシーンはないでしょう。
またアンダーラゲッジが大きければ標準ラゲッジスペースの容量を拡大するためにも利用できるのですが、MAZDA3 FASTBACKのアンダーラゲッジではそういった使い方も出来ません。
MAZDA3シリーズはSEDANでも同じなのですが、アンダーラゲッジは基本的に無いものとして考えて良いでしょう。
MAZDA3 FASTBACKの荷室・トランク・荷物収納スペースの口コミ・評判
MAZDA3 FASTBACKの荷室についてはtwitterでもいろいろな投稿があるのですが、その中からいくつかご紹介します。
帰りにMAZDA3ファストバック見てきたけど、近くで見てたらやはり造形すごいなあ。
内装も今風のカッコ良さ。顔がキツめなのと荷室幅が狭目だけど今の車の中ではかなり好み。あとパーキング、ボタンなのかあ。
あとはシエラとワークスw
まあ今の状況では買い替え余裕ないし、今の車もかなり好きだし
— taiko@doll (@taikompo2) September 13, 2020
こちらの方はMAZDA3 FASTBACKのデザインやスタイルをかなり気に入っておられ、現代最新のスタイルがカッコイイとおっしゃっています。
ラゲッジスペースはやはり幅が狭くて若干気になっていらっしゃるようですが、全体的には悪くないようです。
新型 #MAZDA3 の荷室。
ファストバックは67Lのスーツケースを2個、セダンは67Lのスーツケースを3個、または9インチのゴルフバッグ2個を積み込める容量を確保!
また、リアゲートにはドアの施錠ができるスイッチも用意!
セダンにはトランクスルーを採用!セダンは広いけど、ファストバック狭いね((( pic.twitter.com/FLOc1vJWuT
— hokutinさん@スバル好きな人 (@hokutinsubarist) May 27, 2019
こちらの方はMAZDA3 FASTBACKとMAZDA3 SEDANのラゲッジスペースを比べていらっしゃいますが、積み込めるもので比較するとMAZDA3 FASTBACKのラゲッジスペースの狭さが際立っています。
SEDANのトランクルームも高さはそこまで大きくないものの、奥行きなどで広いスペースが使えるのでFASTBACKより利便性は高いものとなっています。
総評
マツダ MAZDA3 FASTBACKはコンパクトカーと中型車の中間的な位置づけのハッチバックカーですが、日本では珍しいスタイリッシュなフォルムを形作っておりかなりかっこいい車に仕上がっています。
一方でデザイン優先な部分も大きいのでラゲッジスペースなどは狭めであり、積載性の面では同クラスの車よりも少ないという弱点はあります。
それでもデザインの良さだけでもかなり魅力的な車なので、ファミリーカーよりは若者向けの車といえるでしょう。