日産 キックスは小型のコンパクトクロスオーバーSUVで、スタイリッシュで扱いやすい小さなSUVです。
今回はこのキックスの後部座席について見ていきます。
キックスの後部座席の2列目・セカンドシート
日産 キックスは現行モデルで2代目となるコンパクトクロスオーバーSUVですが、初代キックスが軽自動車だったのに対して2代目ではコンパクトカークラスの普通車となったのでかなり存在感の違う車になっています。
キックスは2代目で大きくコンセプトが変わったことで、デザインも初代の無骨なSUVライクなものからスタイリッシュなクロスオーバーSUVスタイルになり、よりカッコイイ車に仕上がっています。
ではこのキックスの大まかなサイズをまずはご紹介しましょう。
スペック | キックス | |
乗車定員 | 5名 | |
全長 | 4,290mm | |
全幅 | 1,760mm | |
全高 | 1,605mm | |
室内長 | 1,920mm | |
室内幅 | 1,420mm | |
室内高 | 1,250mm | |
ラゲッジルーム | 高さ | 約900mm |
幅 | 約1,100mm | |
奥行き | 約900mm | |
運転席寸法 | 高さ | 約1,100mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約900mm | |
助手席寸法 | 高さ | 約1,100mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約900mm | |
後席寸法 | 高さ | 約1,100mm |
幅 | 約1,200mm | |
奥行き | 約900mm |
現行キックスはコンパクトカークラスの車ということで全長はクロスオーバーSUVにしては小さくまとまっており、全体的に塊感のあるデザインです。
一方で全幅や全高はSUVらしく大きめのサイズとなっているので存在感もあり、スタイリッシュでスポーティなラインとワイドなボディでの力強さを両立しています。
そんなキックスは車内スペースはコンパクトカークラスのサイズとはなっていますが、意外と全高があるので室内高が広めに確保されているのは特徴です。
ではキックスの後部座席を詳しく見ていきましょう.
キックスの広さ・居住性
日産 キックスは5ドアタイプのハッチバックカーで、後部座席には3名乗りとなっています。
キックスの後部座席は3人掛けのベンチシート式の座席となっており、3席が横につながったタイプの座席となっています。
キックスの後部座席への乗り込みは左右の後部ドアから行うことができ、キックスの後部ドアはほぼ90°ぐらいまで大きく開くことができるので乗降性が良くなっています。
またこのベンチシートは左右の幅が1,200mmと一般的な中型車に比べると少し短めですがこれはSUVらしいデザインによるものであり、2名乗車であればそこまで横の人とぶつかることはないでしょう。
それでも3名フル乗車となるとさすがに窮屈さはあり、横の人と肩や腕が触れてしまい詰め詰めで座るような座席となります。
一方で座席に座ったときの前後スペースは結構広めで居住性が良好な面もあり、標準体型の方が座ると前席シートとの間のニースペースは拳2個ぐらいのゆとりがあるのでコンパクトカークラスの車としては後部座席は広めです。
キックスは車内の室内高も高めになっているので後部座席に座ったときの頭上空間も広めになっており、運転席や助手席と同じぐらいのゆとりを感じられる後部座席となっています。
特にキックスはSUVにありがちなルーフが低くなるようなデザインになっていないことで後部座席の窮屈さはあまり感じないようになっており、それでもスタイリッシュなデザインなのでうまいスタイルといえるでしょう。
キックスの2列目シートのチャイルドシート対応
キックスはそのコンパクトさから扱い易さがありファミリーカーとしての需要も多いですが、その際にチャイルドシートへの対応も気になる点です。
チャイルドシートは子供専用の小型のシートで車のシートの上に乗せて使うのですが、車の普通のシートでは子供の小さな体を安全にホールドできないためある程度の年齢まではチャイルドシートの使用が義務付けられています。
ちゃいるどしーとには乳幼児用や幼児用、学童用などさまざまな年齢や体の大きさに合わせたものがあるのですが、どのチャイルドシートでも積み込む場所としては事故の際などにより不安の少ない後部座席が多いです。
またチャイルドシートの固定にはシートベルトを利用するのが一般的なのですが、最近では「ISOFIX」と呼ばれるチャイルドシート専用の固定規格が普及しており、これに対応したチャイルドシートであればより確実な固定ができます。
キックスは後部座席にこのISOFIX対応の金具が設定されており、後部座席の左右席にそれぞれ1組ずつの金具があるので後部座席にチャイルドシートを2つまで確実に固定できます。
またチャイルドシートの上側を固定するストラップ用の「トップテザーアンカー」が後部座席の裏に設けられており、両方を活用することでよりしっかりした固定ができます。
ただチャイルドシートが実際に搭載できるかどうかはチャイルドシート自体の大きさと座席のスペースで決まるのですが、キックスは後部座席のスペースは広めに確保されているので搭載制で問題となることも少ないでしょう。
なお日産にはメーカー純正のチャイルドシートというものも用意されており、これであればあらかじめ搭載性が確認された製品が手に入れられます。
キックスの座り心地
キックスの後部座席は座り心地としてはこのクラスの車の標準的な仕様で、多少固めの感触となっています。
キックスの後部座席は周辺のスペースは意外と広めなのですが、シート自体のデザインは全体的にフラットな形状でソファーのような沈み込む感触はありません。
シートの座面や背もたれの硬さも結構しっかりしているので、近距離の普段使いではそこまで気にならないものの長距離となると少し疲れが出る後部座席です。
ですがフラットなデザインで左右の座席とセンター席の間に凹凸が非常に少ないので、中型車で座りにくい場合のあるセンター席もそこまで違和感なく座れるのは悪くありません。
また後部座席であってもシートの表皮のデザイン自体は結構質感が高くなっており、満足感は十分に得られるシートといえるでしょう。
またキックスの後部座席では3席全てにほぼ同サイズの大型ヘッドレストが装備されており、安全装備もしっかりしているのがメリットです。
ヘッドレストは普段の走行時には乗員が頭を乗せるクッションの役割を果たすものですが、事故の際など万が一のときには頭を前後にしっかりと支えてむち打ちによる2次的被害を軽減する重要な装備となります。
近年のコンパクトカーなどでは比較的装備が増えてきて左右席は大型のものが装備されますが、センター席などには簡易的な場合も少なくない中で、キックスのヘッドレストはセンター席でも十分なサイズのものとなっているのでうれしい点です。
またこのヘッドレストは上下への調整機能もありますので調整も楽で、扱いやすいヘッドレストになっています。
キックスの後部座席の装備
キックスは後部座席でも存在感のあるシート表皮や周辺のトリムデザインが目を引きますが、その他の装備は比較的シンプルです。
まずキックスの後部座席のシートベルトを見ていきますが、シートベルトについてはベンチシートの3席全てに運転席や助手席同様の3点式シートベルトが装備されています。
左右席はベンチシートのすぐ脇の車体部分からシートベルトが出ていて使い勝手が良いのですが、センター席に関しても座席の脇にシートベルトがかかっているのですぐに見つけられて他の座席と使い勝手が同じく利便性が良いです。
コンパクトカーなどでは後部座席のセンター席などは簡易的なシートベルトであったり変則的な構造の場合もあるのですが、キックスではそれがないので初めて後部座席に乗る人でも戸惑うことはないでしょう。
またシートベルト関連の装備として特徴的なのが前席のセンターコンソール裏に設置されたシートベルトインジケーターで、後部座席3席のシートベルト装着状態が表示されてシートベルトのつけ忘れも知らせてくれるインジケーターがあります。
その他の後部座席の装備としては収納が各所に設けられているのですが、前席のシートバックポケットは比較的大きめなのですが左右のドアポケットがかなり小さくあまり大きなものは置いておけません。
その代わりに後部座席のドア部分には大型のリアスピーカーが設置されていたり、収納兼用のドリンクホルダーが装備されているので最低限の使い勝手は確保されています。
また前席のセンターコンソールの裏にはシートベルトインジケーターの横に1箇所の充電ポートが設けられており、後部座席でのスマホの充電などが出来るようになっています。
一方でリアエアコンのダクトや大型のドリンクホルダーなどがないのはこのクラスの車としては仕方ない部分はありますが、一点リアセンターアームレストがないのは残念ではあります。
キックスクラスの車でも最近はリアセンターアームレストが標準装備されることが増えてきているので、快適性の高い装備がないのは少し残念です。
キックスのリクライニング・シートアレンジ
キックスの後部座席ではリクライニングなどの機能はないもののシートアレンジがしっかりありますので使い勝手は良好です。
キックスは運転席や助手席には前後へのスライド機能と後ろに背もたれを倒すリクライニング機能があるのですが、後部座席についてはこれらの機能はありません。
最近は一部の車種でコンパクトカークラスでもこういった機能が増えてきていますが、キックスの場合には装備はないので後部座席のシートポジションや背もたれの角度は固定式となります。
ですがキックスは後部座席のもともとのスペースが十分な広さを持っていますので、固定式であっても走行中に体を動かすスペースが十分にありそこまで問題となることはないでしょう。
一方でシートアレンジについては後部座席を収納することでラゲッジスペースを広げることができ、通常のラゲッジスペースに収まらないような長い荷物や大きな荷物を積み込めるようになります。
キックスは通常のラゲッジスペースもこのクラスにしては十分に広々としているのですが、さらに後部座席のスペースをラゲッジスペースとして使えるとかなりの積載性を発揮します。
また後部座席は左右に6:4分割式で倒すことができますので左右どちらかは座席として残すこともでき、乗車人数が多めのときにもフレキシブルに対応できます。
キックスの後部座席の評価・口コミ
キックスの評価についてはtwitterなどでもさまざまな投稿がありますが、その中からいくつかご紹介していきます。
NISSANキックス試乗してみたよ!
1200ccと言われない限り1600ccと勘違いする加速力とパワー
ヤリスクロスよりも広い後部座席
ダッシュボードの質感も良き!
残念なのはAWD設定がないところ
そこは勿体ない…。
でもそれ以外は文句の付けようがない
このデザインが好きなら買いかも!? pic.twitter.com/8uosHbWWRd— BlueBell🔔藍鈴 (@Bluebell636) November 8, 2020
この方はキックスに試乗してさまざまな箇所をチェックされており、動力性能や車内の質感などさまざまな面で良い感触を得られています。
その中に競合車よりも広々とした後部座席も入っており、キックスの快適性はなかなか魅力的な車となっています。
キックスの後部座席シートベルト警告灯がアームレストのとこだったの無限に推せる シートベルト警告灯は目立てば目立つほどよい(暴論 pic.twitter.com/JXy8xkP9xE
— マ/キ/マ (@mtspjp) July 28, 2020
こちらの方はキックスの後部座席に座ってシートベルトインジケーターを確認されていますが、後部座席からかなり視認性がよくなっていますね。
後部座席のシートベルトインジケーターはまだまだ採用している車が少ない装備ですが、これだけ目立てば後部座席の乗員もしっかり安全確保してくれるので安心できる装備ですね。
総評
日産キックスは2代目からコンパクトカークラスのクロスオーバーSUVとなっていることで走行性能や各所のデザイン、質感などが高まっているので、このクラスとは思えないクオリティの高さがある車です。
後部座席についてもスペースが意外と広々としているので使い勝手が良好で、コンパクトな車ながらかなり居住性のある車に仕上がっています。
このクラスとしてはコストパフォーマンスもあるのでかなり魅力的な車といえるでしょう。