日産 ルークスは日産の軽スーパーハイトワゴンで、室内の高さが広々としている車です。
今回はそんなルークスでの車中泊についてご説明していきます。
ルークスの車中泊が快適な理由
ルークスは日産が三菱自動車と共同開発を行った軽自動車です。
ルークスはスーパーハイトワゴンという車高が特に高く設計されている軽自動車で、現在の軽自動車の主流となっているカテゴリーです。
初代は三菱自動車のOEMでしたが2代目モデルは共同開発車となり、軽自動車ならではのコンパクトさと日産独自の安全装備等の組み合わせによって人気モデルとなっています。
初代および2代目は「デイズルークス」という車名だったのですが、2020年3月に登場した後継モデルは「ルークス」に車名変更されました。今回はこの3代目となるルークスについての記事となります。
ルークスのような軽自動車は車内の広さが人気の元となっていますが、そういった車の活用法の1つとして近年車中泊が注目を浴びています。
車中泊は旅行の際に車内で一晩を過ごす方法のことで、ホテルや旅館に宿泊しないので費用を抑えられるという点が人気となります。
またキャンプでのテント代わりとしても活用できるので、車中泊専用のオートキャンプ場なども登場しているほどです。
軽自動車については車内のスペースが限られていることからあまり車中泊に向いていないと思われがちですが、ルークスの場合はどうでしょうか?
そのあたりを見るためにまずは車の大まかなサイズ感をご紹介します。
スペック | ルークス | |
価格 | 1,342,000円〜2,097,700円 | |
乗車定員 | 4名 | |
全長 | 3,395mm | |
全幅 | 1,475mm | |
全高 | 1,780mm(FF車) 1,800mm(4WD車) | |
室内長 | 2,200mm | |
室内幅 | 1,335mm | |
室内高 | 1,400mm | |
ラゲッジルーム | 高さ | 1,100mm |
幅 | 950mm | |
奥行き | 250mm | |
運転席寸法 | 高さ | 約1,200mm |
幅 | 585mm | |
奥行き | 約900mm | |
助手席寸法 | 高さ | 約1,200mm |
幅 | 480mm | |
奥行き | 約900mm | |
後席寸法 | 高さ | 約1,200mm |
幅 | 1,095mm | |
奥行き | 約1,100mm | |
3列目寸法 | 高さ | 3列シートなし |
幅 | ||
奥行き |
ルークスは軽自動車なので軽自動車規格に則った設計がされているのですが、軽自動車規格は車の全長と全幅の制限が厳しくなっており、規格ギリギリの全長3,395mmと全幅1,375mmとなっています。
一方で全高への規格はそんなに厳しくなく、スーパーハイトワゴンでは全高を高くすることで車内を広く確保しています。ルークスも全高は1,780mm〜1,800mmと高くなっており、軽自動車の中では高い部類です。
そんなルークスの車内のサイズは室内長が一般的な軽自動車より少し長めになっており、座席のサイズは広くなっています。
また室内高も1,400mmと非常に広くなっており、車内に座ったときの頭上空間は圧倒的な広さです。
一方でラゲッジスペースは前後の奥行きがかなり小さめなのですが、これは室内長を広く確保した反動といえます。
室内幅は軽自動車なので控えめですが、スクエアボディなので最大限スペースは確保されています。
このようなサイズ感を持つルークスですが、軽自動車としては車中泊が行えるサイズ感を持っており次のような点が車中泊に向いています。
車内をフルフラットモードにすることができる
ルークスの車内ではシートアレンジによってフルフラットモードにすることが可能で、これによって車中泊用のスペースが確保できます。
車の車内で車中泊をする上での条件はいくつかあるのですが、その1つに車内にフラットな空間を作れるかどうかという点があります。
車の車内はさまざまな凹凸が多いので普通に寝るのには適さないのですが、シートアレンジを駆使することで寝台を作り出すことはできます。
しかしシートアレンジは車によってその構造が大きく違うので、すべての車が車中泊に適しているわけではなく、特にサイズ制限厳しい軽自動車ではまっさきに気になるところです。
ですがルークスについてはシートアレンジによって車内をほぼ完全なフルフラットモードにすることが可能で、気になる点はありますが軽自動車としては及第点でしょう。
ルークスのフルフラットモードでは後部座席を収納したり、前席を後ろに倒すことで車内の前方からラゲッジスペースの後方までの間をつなげる形となり、そこを寝台とすれば結構快適な車中泊ができるでしょう。
軽自動車では車中泊向けのシートアレンジが難しい車も結構あるのですが、ルークスはかなり良いレイアウトができます。
フルフラットモードの前後のサイズが広い
ルークスのフルフラットモードは形状的になかなか車中泊に向いているものとなっているのですが、そのサイズも広く取られており快適に寝ることができます。
車中泊が快適に過ごせる条件の一つとして寝台の前後寸法がありますが、これは車内であっても自宅と同じ用に足をしっかりと伸ばして寝ることができるのがベストです。
もちろん寝る人の身長によって少し変わってくるのですが、170cmぐらいの身長の人を考えた場合には1,700mmで最低限、窮屈さを感じないようにするには更にゆとりを持って1,800mm〜1,900mmぐらいはほしいところです。
軽自動車では室内長があまり広く取れないこともあってこの前後寸法がとれるかどうかも注目点です。
ルークスではこの前後寸法がとても広々と確保できるようになっており、車内がフルフラットになるので車内スペースのほぼすべてを寝台として活用できます。
そのサイズはおよそ2,000mm〜2,100mmはあるので身長の高い人でも十分足を伸ばして寝ることができます。
また寝台に寝転がっても頭の上や足の下にはまだ余裕があるので、窮屈さを感じることもないでしょう。
軽自動車ではここまでスペースが確保できる車も珍しいので、かなり車中泊向けといえるでしょう。
前席がベンチシート式で2名でも快適
ルークスの車内の幅は軽自動車としては標準的なサイズですが、シートの形状が車中泊に向いているので2名で寝るときにも快適です。
デイズルークスの室内幅は1,300mm程度なので横並びで2名で寝る場合には窮屈さを感じることはあまりなく、2人旅などでも車中泊ができます。
さすがに3人となるとサイズはぎゅうぎゅうになってしまうので快適さはなくなりますが、間に子供さんを入れるぐらいであればなんとか寝ることができるでしょう。
このときにデイズルークスの前席のシート形状はとても便利であり、ベンチシート式のシートが活きてきます。
デイスルークスの前席シートはベンチシート式という左右がつながっている形状のものとなっていて、普段使いの際には運転席と助手席の乗り換えや荷物置きとして便利に使えます。
この点は車中泊でフルフラットモードにした時にも便利で、左右のシートの間にスペースが開かないのでしっかりした寝台になります。
普通の車では間が空いても車中泊マットなどでカバーすることはできますが、ベンチシート式ならよりしっかりした寝台となるでしょう。
なおリアシートに関しては他の車と同じくベンチシート式なので、フロントシートの特徴がルークスのメリットとなります。
室内高が高く広々としている
デイスルークスは車の特徴として車高の高さがあるのですが、この特徴は車中泊の際にも大きなメリットです。
車中泊では車の車内で横に慣れるスペースがあれば一応可能となるのでセダンやコンパクトカーでも車中泊可能な車はあるのですが、室内高については高いほうがゆとりがあって快適になります。
寝ているときに天井までの距離が近いと窮屈感を感じてしまうので、スーパーハイトワゴンのような室内高が広々としたような車は開放感があって快適に寝ることができるでしょう。
また室内高が高ければ寝台の上で寝るだけでなく、身体を起こしていろいろな楽しみ方もすることができます。
ルークスの室内高は1,400mmも確保されていて非常に広々としており、このサイズは普通車の中型ミニバンにも匹敵するものです。
これだけのサイズがあれば寝台の上で寝たり寝返りをうったりするのには十分すぎるほどのスペースですし、寝台の上でしっかり身体を起こすこともできるでしょう。
そのため車内でキャンプのような楽しみ方をすることができ、飲食をしたり娯楽を楽しんだりと車中泊の面白さが広がるでしょう。
車内でUSBソケットが使用できる
ルークスでは車内に設定できる電源ポートとしてUSBソケットがあり、これは車中泊にも活用できます。
USBはスマートフォンやパソコンと接続するための端子として有名なものですが、ルークスの車内では主に充電用としてUSBポートが設けられています。
以前は車内で電気製品を使うとなるとシガーソケットから電源を取るのが一般的だったのですが、近年は家庭用コンセントのポートやUSBポートなどが設定できるようになってきています。
ルークスではグレードによって設置できるUSBポートの数が決まっていますが、最大車内の2箇所にUSBポートが設置できるので便利な装備です。
車内でUSBによる給電ができると車中泊の楽しみ方を一気に広げることができ、家庭用のUSB式の電気製品が使えることになります。
車内のUSBポートはコンセントほど給電性能は高くありませんが、車内でちょっと使うぐらいの電気製品なら使えるので、例えばスマホやパソコンの充電であったり、照明などにも使えます。
またUSB式のアイテムには調理器具や娯楽の製品などもありますので、キャンプのような車中泊においてさまざまな楽しみ方を広げることができるでしょう。
ルークスで車中泊をする方法
ルークスでの車中泊は軽自動車としてはかなり快適なのですが、次にような方法で車中泊を行います。
車内をフルフラットモードにする
まずルークスの車内で車中泊を行うためにフルフラットモードにするのですが、その操作は比較的簡単です。
ルークスの車内をフルフラットモードにするには前席と後席どちらも倒す必要があるのですが、その前に前席及び後席のヘッドレストを取り外す必要があります。
ヘッドレストはシートの下など邪魔にならないところにしまっておき、その後に後席から操作します。
ルークスの後席は背もたれを前側に倒すことができるのですが、これは標準的なシートアレンジの1つでラゲッジスペースの拡大がメインの構造です。
ルークスは車室長を確保するためにラゲッジスペースの奥行きが狭いのでそれをカバーするのにシートアレンジを使うのですが、この機能で車中泊にぴったりなフルフラットモードにも出来ます。
後席の背もたれを前側に倒すとラゲッジスペースとつながってほぼフラットとなりますが、その後に前席はシート自体を一番前側までスライドさせておきます。
その後にシートのリクライニング機能を使って背もたれを後ろに倒すのですが、構造的に背もたれが後席とかなりギリギリな位置で倒れるので多少押し込む形にすると良いでしょう。
それでも背もたれが一部飛び出すような形にはなりますが、その段差は後ほどご紹介する解決法があります。
軽自動車の車内の広さでは完全なフルフラットモードにするにはサイズが厳しく、ルークスでも段差や凹凸が残ってしまいますがそれは準備をすることで対策は出来ます。
車中泊アイテムを準備する
この投稿をInstagramで見る
次に車中泊に使うアイテムを用意するのですが、ルークスの場合には段差を解消するものから用意すると良いでしょう。
ルークスの車内でフルフラットモードにするとそんなに大きくはないのですが各所に凹凸や段差があります。
その箇所は後ほどご説明しますが、これを解消するためには段差を埋めるような段差解消ボードやクッションを使うのが一般的です。
しかし車中泊には布団の代わりとなる車中泊マットも必要となりますので、車中泊マットを分厚い弾力のあるものとすることで凹凸や段差をある程度吸収することも出来ます。
両方駆使すればほぼ完璧なフルフラットにすることは出来ますが、ルークスの凹凸のレベルであれば車中泊マットだけでも寝ることはできるでしょう。
その他には車中泊時に車のウインドウを塞ぐ遮光アイテムも必要なのですが、ウインドウがそのままだと車中泊中に外の街灯の光やヘッドライトの光が入ってきて睡眠の妨げとなるのです。
そのため可能な限り完璧にウインドウをすべて塞ぐ必要がありますが、最近の車中泊人気の高まりと共に遮光ボードや遮光カーテンがさまざまなものが販売されています。
その中からルークスのウインドウにマッチするものを探すとよいのですが、汎用品の遮光ボードを加工して自作するのもよいでしょう。
この他に様々な車中泊アイテムを用意すると車中泊の快適さはどんどん上がります。
車中泊の注意点
車中泊には寝台の形状や大きさなどが重要なのですが、その他に車中泊には注意点があります。
車中泊の注意点として特に重要なのは車内の換気を行うことなのですが、車中泊が初めての人では意外と換気については見落とされがちです。
例えば車中泊のときの防犯などを考えて窓を締め切ったまま車中泊を過ごすと、朝起きたときに息苦しさを感じたり汗をかいていたりします。
これは車内の空気を睡眠中に消費して車内に二酸化炭素が増えたためで、健康に気になるほどではないのですが不快さを感じるでしょう。
それを解決するために少しでも車内の換気ができるようにするとよいのですが、一番簡単な方法は窓を少しだけでも空けておくことです。
しかし窓を開けると外から虫が入ってきたり外の音が入ってくるのでこの状態でもまだ問題があり、それを解決するには窓は閉めた状態でエアコンを動かすと良いです。
エアコンを外気循環モードにすれば換気ができるのと同時に車内の温度管理も可能となり、快適な車中泊空間が生み出せます。
なおエアコン稼働時にはエンジンはアイドリング状態にしなければならないので、燃料の残量などは考えて置かなければなりません。
また積雪などで排気管が詰まると排気ガスの逆流の問題がありますので、そういった危険があるときには窓は少しだけ空けておくと安全です。
ルークスの車中泊に向かない点
ルークスは軽自動車にしては車内のレイアウトなど車中泊に向いている点が多いのですが、多少車中泊に向かない点もあるのでご紹介します。
フルフラットモードでも段差や凹凸がある
この点については前述でもご説明していますが、ルークスでの車中泊スペースは段差や凹凸が少しありこれを解消しなければなりません。
フルフラットモードでは前席、後席、ラゲッジルームまで広々としたフルフラットモードができるのですが、その間はシートの凹凸や倒した背もたれのなどで段差が結構あります。
まずルークスのラゲッジスペースは後席を倒すことでフラットモードとなるのですが、このときにラゲッジスペースと後席の背もたれの上面には多少の段差があります。段差の大きさ自体は大きくはありませんが、そのままではちょっと気になるレベルのものです。
また前席の背もたれが少し段差を生むのですが、こちらはラゲッジスペースの段差よりも大きいものなので段差解消は主にこちらを中心にすると良いでしょう。
この段差は背もたれの一番上が多少飛び出るので柔らかい感触ではありますが、車中泊の寝台とするには少し気になります。
それぞれの段差は他の軽自動車に比べると小さいものなので許容範囲内であり、事前の準備でしっかりフルフラットにはできるでしょう。
荷室が狭くなる
ルークスの車内は車中泊用にほとんどのスペースを利用してしまうので、その分荷室は狭くなってしまいます。
車中泊はもともと旅行の際の宿泊手段として利用するのが一般的で、ホテルや旅館と同じ使い方を想定されます。
ですがホテルや旅館であれば荷物を車に積み込んでおいても寝ることには関係ないのですが、車中泊の場合には荷物のすべてを基本的には車内に収めておかなければならなくなります。
大型の車で車中泊をするのであれば車内に荷室も残っているのですが、軽自動車ではあまり余裕はありません。
ルークスも車内をフルフラットモードにすると車内のスペースの殆どが寝台となるので、荷物はそれ以外のところに置く必要があります。
スペースとして空いているのはまずダッシュボードの上ですがあまり大きなスペースではなく、荷物の大きさや量は考えないといけません。
またドアポケットなどもあるのですが、ルークスはそこまで収納も大きくないので、あらかじめ確認しておきましょう。
なおルークスの寝台は身長に対してそこそこ余裕があるサイズにはなっているので、寝台の頭の上や足の下などであれば荷物はおいて置けます。
ルークスの車中泊の口コミ・評判
ルークスでの車中泊はtwitterにも評判があがっていますが、車内の広さから好評なものが多いようです。そんな中から2つご紹介します。
ルークスの車中泊スペース作り動画です。
足元散らかってますが💦 pic.twitter.com/S0a8cEVuSt
— さっちょこきゃんぷ⛺ (@sacchococamping) September 18, 2020
こちらの方はルークスの車中泊のフルフラットモードの作り方を丁寧な動画で紹介しておられ、段差のある部分への対応もされています。
見てわかる通り段差はそこそこあるのですが、事前の準備でしっかり対応できることがわかりますね。
今日のPENTAX界隈は車トークか。
我が愛車のルークスくんは軽だから維持費安いし居住性も高いから中々気に入ってる。
助手席側がフルフラットになるからエアマットと寝袋、布団で車中泊が恐ろしく捗るのだ!カメラ関連の出費が落ち着いたらオーディオ周りの強化とポタ電導入しようかなって思ってる
— れが (@lega235) October 29, 2020
ルークスは軽自動車にしては車中泊がとても便利にできるのが大きなメリットですが、その他にも軽自動車なので維持費が安いというメリットもあります。
車中泊用の車というと普通車がメインではありますが、軽自動車で安価に車中泊ができるのはとても便利です。
総評
ルークスは軽自動車としては車高が高くて車内が広々としているので普段使いで便利な車ですが、車中泊への対応もできる便利な車です。
もちろん軽自動車なので大きくゆとりを持ったサイズではないものの、2人ぐらいの車中泊ならば快適に過ごすことができ、車中泊用の小型車としてはかなりおすすめです。