フォルクスワーゲン ゴルフは世界的に有名はハッチバクカーで、日本でも輸入車として人気のある車です。
今回はそんなフォルクスワーゲン ゴルフでの車中泊についてご説明します。
フォルクスワーゲン ゴルフの車中泊が快適な理由
フォルクスワーゲンはドイツ最大の自動車メーカーで、ゴルフを始めとした大衆車がメインのメーカーです。
フォルクスワーゲンは大衆車製造では世界トップクラスの生産台数を誇っており、その中でゴルフは最もスタンダードでバランスの取れた中型ハッチバックカーです。
ゴルフは中型車として扱いやすいサイズ感とハッチバックカーとしての使い勝手の良さ、そして走りや居住性などが高いレベルでバランスされており、世界的なスタンダードカーといえます。
現行モデルはゴルフⅦと呼ばれるモデルとなりますが、この記事はこの現行モデルについての車中泊への適応性を見ていきます。
近年車中泊というものが自動車の使い方の1つとして注目されており、旅行の際にホテルや旅館で泊まるのではなく車の車内で一晩を過ごす方法です。
車中泊は宿泊にかかる費用を抑えられる方法として人気を集めているのですが、その他にキャンプ代わりにも使えてその非日常感も楽しみの一つとなっています。
車中泊は日本で流行しているもので近年の車には車中泊用の性能を盛り込んだ車も出てきていますが、フォルクスワーゲン ゴルフのような海外車種は国内ではあまり注目されてはいません。
しかし元々海外でも車中泊という過ごし方は「バンライフ」などと呼ばれてスタンダードなものとなっており、決して日本だけのものではないのです。
今回は国内に輸入されたフォルクスワーゲン ゴルフでの車中泊を見ていきますが、まずは車の大まかなサイズから見ていきましょう。
スペック | ゴルフⅦ | |
価格 | 2,599,000円〜3,940,000円 | |
乗車定員 | 5名 | |
全長 | 4,265mm | |
全幅 | 1,800mm | |
全高 | 1,460mm | |
室内長 | 1,845mm | |
室内幅 | 1,380mm | |
室内高 | 1,195mm | |
ラゲッジルーム | 高さ | 710mm |
幅 | 1,000mm | |
奥行き | 2列目使用時:740mm 2列目格納時:1,560mm | |
運転席寸法 | 高さ | 約1,000mm |
幅 | 500mm | |
奥行き | 約900mm | |
助手席寸法 | 高さ | 約1,000mm |
幅 | 500mm | |
奥行き | 約900mm | |
後席寸法 | 高さ | 約1,000mm |
幅 | 1,275mm | |
奥行き | 約900mm | |
3列目寸法 | 高さ | 3列目シートなし |
幅 | ||
奥行き |
ゴルフは以前のモデルは日本の5ナンバーサイズにも収まるようなコンパクトな車でしたが、フォルクスワーゲンのコンパクトカーラインナップが充実するとと共にゴルフは少しずつサイズが大型化しています。
最新モデルとなるゴルフⅦでは全長は4,300mm弱と比較的コンパクトに収まっていますが、全幅は1,800mmもありかなりワイドなシルエットを持っています。
また全高に関しては1,460mmとかなり低めのフォルムとなっており、国産車の同クラスのコンパクトカーやセダンと比べても低いサイズ感です。
車内のサイズについては室内長は1,845mmとコンパクトカークラスとしては標準的ですが、ラゲッジスペースの奥行きが後席使用時でも広めに取られており、座席の居住性と荷物の積載性が丁度良くバランスされています。
また室内幅は多少狭めの1,380mmとなっており、これは車体剛性の確保など欧州車特有の性能から車体が頑丈になっているためです。
室内高は全高の低さからあまり高くありませんが、それでもシートに座ったときの頭上空間は十分確保されています。
そんなゴルフですが、車中泊に最適な車ではないものの車中泊自体は可能となっています。
ではまずゴルフの車中泊に適している点をご紹介していきましょう。
シートアレンジでフルフラット化ができる
ゴルフの車内で車中泊をするためにはしっかりした寝台が必要となりますが、ゴルフは車内をフルフラットモードにすることが出来て寝台とすることができます。
ゴルフは車内が2列シートの車でその後ろにラゲッジスペースを持っているハッチバックカーですが、その後席とラゲッジスペースでフルフラットモードとすることが出来ます。
このフルフラットモードは大きな荷物を載せるためのモードとなっており、通常のラゲッジスペースでは積めない荷物でも後席を倒してスペースを広げることで載せられるようになります。
このフルフラットモードは後席とラゲッジスペースでほぼまっ平な空間を作り上げることができ、ここを車中泊用としても利用できます。
車中泊にはなにより自宅の寝台と同じ用にまっ平な空間が最適なのですが、車の車内というのは結構凹凸が多かったりして必ずしも車中泊に適しているわけではありません。
ですがゴルフのようにシートアレンジでラゲッジスペースをフルフラットモードにできるとかなり快適な寝台としても利用することができ、ハッチバックカーなどでも車中泊が十分可能となります。
とはいえ後ほどご説明するようにこのフルフラットモードは完全なフラットではないのですが、中型のハッチバックカーの車中泊としては十分及第点といえるでしょう。
寝台の奥行きはなんとか車中泊が可能なサイズ
ゴルフのフルフラットモードは形状としてはなかなか優秀なものとなっているのですが、その前後のサイズはおおよその方なら寝ることのできるサイズです。
車中泊にはフルフラットな寝台のほかにもその前後のサイズは非常に重要で、車中泊をするときに足を曲げたりせずにしっかり伸ばした状態で寝られるサイズが必要です。
これも自宅で寝る際には当然のことなのですが、車の車内というサイズに限界のある空間では寝るのには厳しいサイズな場合もあります。
またそのサイズも身長に対して快適性が決まるのですが、日本人であれば170cmぐらいの人が快適に寝るためにはギリギリでは微妙で、せめて1,800mm〜1,900mmはほしいところです。
ゴルフの車内をフルフラットモードにするとその前後のサイズは1,560mmとなっていますが、このサイズではあまり車中泊用としては快適なサイズではありません。
ですがこのサイズはあくまで運転中のサイズであり、運転しない車中泊であれば前席を前側にスライドさせることで前後のサイズは広げることができます。
そうすることでフルフラットモードは前後サイズが1,800mmぐらいまで拡大できるので、170cmぐらいの身長の人までならなんとか足を伸ばして寝ることができるでしょう。
なお前席を前にスライドすると後席との間に多少隙間が空いてしまうので、この隙間はボックスやクッション等で埋めるとより快適です。
室内幅は2名までなら快適に寝られるサイズ
ゴルフは車内の室内幅が中型車としては標準的なものにはなっていますが、車中泊の場合にはゆとりのある横幅となっています。
ゴルフの室内幅は1,380mmとなっていますが、この横幅は車中泊時フルフラットモードでも変わらないサイズ感のものです。
このサイズで車中泊をするときに2人で寝るのであれば左右に一人ずつ寝るので、これだけの幅があればしっかり横並びで寝ることができます。このサイズなら横の人と手がぶつかったりすることもなく、車中泊としては十分なサイズです。
ラゲッジスペース部分に関しては横幅は狭いところで1,000mm程度となっているのですが、このスペースでは多少隣の人と触れるぐらいのサイズ感です。
ですが例えば車の前側を頭にすればラゲッジスペース部分には足が収まることとなるので、こういった使い方をすれば十分快適な横幅となっています。
また小さな子どもさんぐらいであれば、うまくすれば間に挟んで寝ることもできる可能性もあり、3人家族での車中泊もできるかもしれません。
実際にどのぐらいのスペースになるかは自宅などで一度3人で寝てみるとよくわかるでしょう。
アンダーラゲッジにちょっとしたものを詰め込める
ゴルフにはラゲッジスペースの下側にアンダーラゲッジがあるのですが、このスペースに多少の大きさの荷物なら積み込むことができます。
ゴルフはラゲッジスペースの床面はフラットなボードで作られているのですが、その下にもスペースがあり主にスペアタイヤなどが収められています。
しかしこのスペースはアンダーラゲッジとしての昨日も多少持っており、スペアタイヤの左右のスペースには多少のものなら入れられるスペースが残っています。
アンダーラゲッジは普段はあまり使うことはないのですが、車中泊の際には貴重なラゲッジスペースになっています。
後ほどご説明しますが、車中泊のときにはゴルフの車内スペースはほぼ全てが寝台として活用されており、その分ラゲッジスペースが少なくなってしまっています。
ですがアンダーラゲッジであればちょうど寝台の下に位置しているので車中泊とは関係なく、大きな荷物は無理ですが荷物を載せるスペースとして活用できます。
アンダーラゲッジなので寝台に寝る前に収めなければなりませんが、旅行の際にはおみやげなど収めておいて良い荷物もあるのでそういうものを収めるとよいでしょう。
フォルクスワーゲン ゴルフで車中泊をする方法
では次にゴルフで車中泊をする方法を簡単にご説明しましょう。
車内をフルフラットモードにする
ゴルフで車中泊をする場合には後席とラゲッジスペースでフルフラットモードにしなければなりませんが、操作自体は簡単です。
ゴルフのフルフラットモードを作るには後席の操作がメインとなりますが、まず最初に後席のヘッドレストは全て取り外しておきます。
そのヘッドレストはシートの下やアンダーラゲッジなどに収めておくと場所を取らなくて済みます。
その後に後席の背もたれを前側に倒し込むのですが、この操作はレバーひとつの操作で簡単に倒し込むことができ、一度憶えてしまえば操作は簡単です。その際に後席の前後位置を調整して、背もたれが最大限倒れるようにしましょう。
ゴルフのフルフラットモードのの操作はこれだけで完了しラゲッジスペースとつながるのですが、車中泊の場合にはこれだけでは前後のスペースが不足します。
そのため運転席と助手席を前側にスライドさせ、さらに背もたれを前に倒すなどすればゴルフの車内で最大限前後のスペースを確保することができます。
ここまですればゴルフ車内での車中泊は可能となり、中型ハッチバックカーながら高い利便性を発揮します。
なおこの時点でアンダーラゲッジの下に荷物は収めておくとよく、次にご説明する車中泊マットを敷く前が良いでしょう。
車中泊用のアイテムを準備する
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次に車中泊を快適に過ごすためのアイテムをいろいろ準備しなければならず、その中で必須のものが2つあります。
まず1つ目は車中泊マットで、これはゴルフのフルフラットモードの寝台の上に敷くものです。ゴルフは特にフルフラットモードが荷室の延長として作られているので、樹脂製のその感触は多少固めであり寝ることに対してはあまり快適ではありません。
そこでその寝台の上にクッション性のある車中泊マットを敷くことで快適な寝台とすることが出来、車中泊にはほぼ必須のアイテムといえます。
車中泊マットは車中泊需要の高まりから社外品が数多く発売されており、その中からゴルフの車内にピッタリ収まる ものを選びましょう。
もう一つはゴルフの車内のウインドウを遮光するためのアイテムで、これも車中泊を快適に過ごすためには重要です。
ウインドウがそのまま空いたままだと外から街灯の光や他の車のヘッドライトの光が入ってきてしまうので、車中泊の際に眩しくて安眠の妨げとなります。
そこで車内のウインドウはすべて遮光しておく必要があり、これにも社外品の遮光ボードや遮光カーテンなどを活用すると良いでしょう。
なおゴルフのウインドウのサイズにピッタリ収まるような遮光ボードはあまり見られないので、汎用品の遮光ボードなどを自分でカットしてフィットさせるのも、費用を抑えるためには良いでしょう。
車中泊の注意点
車中泊には寝台のフルフラット化やそのサイズなど注意する点は多いのですが、その他に寝る際にも注意点があります。
車の車内というのはかなり密閉度のある空間で、最初に車中泊をするときなどは窓を締め切って防犯対策をして寝ようと考える人も少なくないでしょう。
しかしその状態で実際に一晩寝てみるとわかるのですが、朝起きたときに息苦しさを感じたり汗をかいていたりします。
これは車内の空気が就寝中に呼吸で消費されて二酸化炭素濃度が増加したためで、自宅で寝るときとは環境の違う車内という特殊な空間だから起こることです。
一晩程度では健康に問題があるような状況にはなりませんが、快適に就寝するためには車内の換気が重要となります。
換気で一番簡単なのは少しだけでも窓を空けて車中泊をすることなのですが、この状態では外から虫が入ってきたり車外の音が飛び込んできたりしてやはり快適さは損なわれます。
そこで車という環境を最大限活かしてエアコンを一晩中掛けて車中泊をするのが便利であり、外気循環モードで換気をしながら車内の温度管理もするのがよいでしょう。
その際にはバッテリーが上がるのを防ぐためにエンジンはアイドリング状態にしておく必要があり、燃料残量なども気をつけましょう。
なおアイドリング状態でもし積雪などで排気管が詰まったときには排気ガスの逆流の問題などがあるので、もしそういった可能性があるときには窓を空けておくほうが安全です。
フォルクスワーゲン ゴルフの車中泊に向かない点
フォルクスワーゲン ゴルフは車中泊が可能なハッチバックカーではありますが、次のような点に関しては車中泊には向きません。
フルフラットモードは多少斜め
これは前述でも少し触れましたが、ゴルフのフルフラットモードは完全なフラットではなく多少斜めになっています。
ゴルフのフルフラットモードは後席を前側に折りたたむ形で収納するのですが、その収納は背もたれを座面の上にたたむものとなっています。
そのため背もたれが多少座面に乗り上げる形となるので斜めになっているのですが、この構造はもともとフルフラットモードがラゲッジスペースとして作られたのを感じるとそこまで問題となるものではありません。
車中泊では斜めの寝台は多少快適性が下がるものではあるのですが、それはうまく対応もできます。
寝台は斜めではあるもののその角度はそんなにきつくなく、うまく工夫すればこの段差は吸収することはできます。
一番簡単なのは車中泊マットの弾力で吸収する方法ですが、そのほかに段差を吸収するためのボードなどを敷いても良いでしょう。
また斜めな状態でも車の前側を頭側にすれば寝苦しいことも少ないので、慣れは必要ですがそのままでも車中泊ができるレベルです。
室内高は低く車中泊では窮屈
ゴルフは室内長や室内幅はある程度広めのサイズがあるのですが、室内高についてはちょっと微妙なサイズ感です。
ゴルフは中型ハッチバックカーとして標準的なサイズ感を持っており、車の全高も低めのスポーティなフォルムをしています。
これは車の走行性能や立体駐車場への対応などメリットも多いのですが、車中泊となるとこの車高の低さがネックになります。
車高が低ければそれだけ室内の室内高も低いということであり、車中泊として寝台に寝た状態でも天井が近くなります。
天井は近いとはいってもラゲッジスペースの部分で高さが700mmぐらいはあり、寝られないサイズではありません。
実際にはここに車中泊マットが敷かれてもう少し狭くなりますが、仰向けで寝るような状態であれば天井に身体がぶつかることはないでしょう。
ですが寝返りをうったり寝台の上で体を起こしたりするのには少し窮屈なサイズ感で、車中泊の際にあまり動けないのは確かです。
ミニバン系の車であれば室内高の高さがあるので、車中泊時に車内で飲食をしたり遊んだりもできるのですが、ゴルフではそういった使い方は難しいでしょう。
荷室が少なくなり大きな荷物の載せ場所が問題
ゴルフで車中泊をする際には車内の殆どのスペースを寝台として使ってしまうので、その分荷物の載せ場所が少なくなります。
ゴルフの車中泊スペースは後席のスペースとラゲッジスペースを活用し、さらに前後の長さを確保するために前席も前にスライドさせています。
そうなると元々あったラゲッジスペースはもとより座席を利用して荷物を載せるスペースも少なくなっており、車中泊時には荷物をどこに載せるかが問題です。
車中泊を利用するときは旅行のときが多いので、荷物もたくさん持っていることが多いので荷室が少ないのが気になります。
車中泊のときに残ったスペースはまず前席の座面ですが、前側に前席をスライドさせてもその座面にはある程度の大きさの荷物は載せられます。
またダッシュボードの上やドアポケットなどにもちょっとした荷物を載せることはできますが、ここには大きな荷物は厳しいです。
また前述で触れたラゲッジスペースのアンダーラゲッジも活用すればなんとか荷物は載せられるでしょう。
そのためゴルフで車中泊をするときには荷物の大きさや量も気をつける必要があり、一度自宅でフルフラットモードにして確認すると良いでしょう。
フォルクスワーゲン ゴルフの車中泊の口コミ・評判
フォルクスワーゲン ゴルフでの車中泊は輸入車ということで実際に行っている人は多くはありませんが、それでもtwitterを見るとさまざまな評判が投稿されています。その中からいくつかご紹介します。
ゴルフⅦは車中泊がなかなか快適なコトが分かったのも大きな収穫。普通に7時間半ぐらい寝てたわ…。 pic.twitter.com/HhBkfufwWt
— KD (@918esprit) November 22, 2020
こちらの方はゴルフの車内でしっかり車中泊を過ごしていらっしゃるようで、なかなか快適だったようです。
車中泊は少しでも寝心地が悪いとあまり長く寝れないものなのですが、こちらの方はかなりぐっすり寝られたようです。
昨日夜7時から出て都井岬で車中泊してから阿蘇経由して帰ってきたから
走行時間えぐいけど、良く走りました!
ゴルフR普通に犬2匹乗せてても車中泊できるわ!
犬2匹+大人2人寝れました!😊 pic.twitter.com/HU2uQ3Qd6h— みうらR (@738Power) August 23, 2020
こちらの方はゴルフのスポーツモデルであるゴルフRで車中泊を過ごしていらしゃいますが、なんと2人の方と犬さん2匹でも車中泊は出来たようです。
車1台でこれだけ旅行しながら車中泊ができるのはかなり大きなメリットで、便利な車です。
総評
フォルクスワーゲン ゴルフは輸入車の普通車の中では非常に使い勝手の良い車ですが、車中泊が可能というのはあまり知られていないのではないでしょうか。
決して広々としたサイズではないのですが、中型ハッチバックカーとして車中泊可能な車内レイアウトが確保でき、旅行のときにも便利な車です。
輸入車で車中泊という形は珍しいといえるのですが、ゴルフなら間違いはないでしょう。