Vトヨタ FJクルーザーはアメリカで生まれたSUVですが、その人気から日本市場にも導入されました。
今回はそんなFJクルーザーの故障についてご説明していきます。
FJクルーザーの故障率
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FJクルーザーは北米で2006年から発売された車で、日本では中型〜大型SUVの部類に入るサイズの車となります。
FJクルーザーの大きな特徴はそのデザインにあり、レトロでポップな雰囲気のボディラインとシンプルな内装を持っており、従来のトヨタのSUVとは大きく印象の違う車です。
一方で車体構造は剛性の高いフレーム構造のクロカンSUVとなっており、走行性能の高さや悪路走破性が優秀な本格的なSUVです。
日本市場で発売されているランドクルーザープラドなどとフレーム構造を共有しており、生産自体は国内で行われました。
こういった他にはない特徴から北米専売の頃から日本への導入の要望が多く、2010年にようやく国内市場で正式販売が開始されました。
その後2018年1月末まで生産されましたが、現在は生産終了となっており、後継車もないことからFJクルーザーというモデルはラインナップから廃止されています。
このように複雑な経緯を持つ車ではありますが、そんなFJクルーザーの故障率は次のような点から見ることができます。
トヨタの耐久品質調査結果
自動車の車種の故障率というのは各自動車メーカーがデータを所持しており、そのデータは社外秘の重要なデータとなっており一般には公開されていません。
そのため私達が一つの車種単体の故障率を知ることは出来ないのですが、メーカー以外の民間調査会社が調査して公表しているデータから傾向を見ることができます。
米国J.D.パワー社はこの分野の信頼できるデータを提供する有名な会社の一つで、「自動車耐久品質調査」という調査で各国市場のメーカーごとの故障の少なさがランキング形式で発表されています。
以下のデータは国内でFJクルーザーが販売されていた時期のものとなっており、新車購入から3年〜5年経過時の不具合件数をユーザーから聞き取り調査を行って、その件数の少ないメーカーからランキングにしてあります。
ランキング | メーカー | 不具合指摘件数 |
1 | トヨタ | 59 |
2 | レクサス | 63 |
3 | ホンダ | 73 |
4 | メルセデス・ベンツ | 75 |
5 | スズキ | 79 |
6 | 三菱 | 80 |
7 | 日産 | 80 |
8 | ダイハツ | 82 |
9 | スバル | 82 |
10 | MINI | 88 |
11 | マツダ | 93 |
12 | BMW | 106 |
この結果でトヨタはなんと堂々のトップを獲得しており、同じメーカーのブランドであるレクサスとともにトヨタ系のメーカーが最高の評価を得ています。
この調査では車の各カテゴリーで不具合件数の少ないトップ3も発表しているのですが、FJクルーザーは国内での販売台数が少ないなどの理由からランクインなどはしていません。
ですがこの結果からトヨタ車が全体的に信頼性が高いことになるので、FJクルーザーも一定の信頼性を持っているといえるのです。
北米市場でのFJクルーザーの評価
FJクルーザーは北米市場では高い人気と販売台数を誇っており、北米市場での耐久品質調査にはFJクルーザーが登場しています。
同じくJ.D.パワー車が公表している2017年の北米耐久品質調査では、レクサスが1位、トヨタが3位とこちらも優秀な結果となっていますが、それに加えてコンパクトSUVのカテゴリーでFJクルーザーはランクインしています。
参考 2017年米国自動車耐久品質調査J.D. PowerFJクルーザーは国内では結構大きなサイズのSUVですが、北米では比較的コンパクトなサイズの範疇に入っています。
このカテゴリーでFJクルーザーはなんと1位を獲得しており、シボレーやGMCのSUVを抑えてもっとも信頼性の高い車となっています。
この結果はあくまで北米市場のユーザーの不具合調査結果によるものではありますが、FJクルーザーという車自体の信頼性の1つの証明ともなります。
北米向けのFJクルーザーと国内仕様は全く同じ車となり、生産工場も同じですので、FJクルーザーはしっかりした信頼性を持っているといえるでしょう。
中古のFJクルーザーの故障しやすさ
FJクルーザーは2018年まで新車発売が行われていましたが、現在は中古車しか存在しておらず中古のFJクルーザーの故障については気になる点です。
FJクルーザーはその構造上フレームやボディなどの耐久性が高い車で、中古車でもその頑丈さは十分発揮されます。
日本では年式10年以上もしくは走行距離100,000kmでひとつの寿命と考える場合が多いですが、FJクルーザーは基本的な耐久性が高いためそこまで達してもまだまだ使える車です。
とはいえFJクルーザーにも定期交換部品の必要な部分は多く、走行距離50,000kmぐらいから徐々に交換の必要な部品が出てきます。
80,000km程度でエンジンの補機類などの交換時期が来ますので、中古車のFJクルーザーを選ぶ際には走行距離が重要な決め手となります。
新車発売が終了してからまだ1年ほどなので中古車市場には状態の良いFJクルーザーも多く、今のうちに走行距離の少ない個体を選んでおくと良いでしょう。
FJクルーザーオーナーの評判
FJクルーザーの故障についての話題はTwitterにも投稿されているのですが、その中からいくつかご紹介しましょう。
逆車FJクルーザーとF-150ラプターですが、FJは7年乗って故障ないですぜw
— Mugnus豚 (@Mugnus_) May 13, 2019
こちらの方はFJクルーザーに7年も乗っていらっしゃるそうですが、その間故障はなかったそうでFJクルーザーの頑丈さがよくわかります。
とはいってもその間メンテナンスはしっかり行っていらっしゃるはずで、適切なメンテナンスがなければそこまで故障なしというわけにはいかないでしょう。
@BassistBOH お疲れ様です。私は2008年式のUS左のFJクルーザーATに乗ってますが、ハンドルが左にある以外、いたって普通のトヨタ車です。FJはUS仕様も含め、日本で作っているので、今まで故障は一度もないです。いい車ですよ。
— MASATAKE (@takeimst) May 10, 2016
こちらの方は2008年からFJクルーザーに乗っていらっしゃるそうですが、8年以上経過しても故障はなかったそうで、やはりしっかりした車となっています。
FJクルーザーに関してはTwitterには具体的な故障事例はほとんど投稿されておらず、故障が無いというものがほとんどなので、その信頼性の高さが見て取れます。
FJクルーザーの故障事例
FJクルーザーは耐久性や信頼性が高く故障は少ない車ではありますが、それでも故障がまったくないわけではありません。
そんなFJクルーザーの故障事例の中で、比較的ありがちなものをご紹介します。
エンジンチェックランプの点灯
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FJクルーザーはボディや車体だけでなくエンジンも比較的丈夫で故障は少ないのですが、それでも故障が起こりやすい点としてエンジンチェックランプの点灯があります。
エンジンチェックランプはエンジン関連部品に何か問題が起こった際に点灯するものですが、FJクルーザーのエンジンの場合には各種センサー類の故障によって起こる場合がほとんどです。
FJクルーザーのエンジンにはさまざまなセンサーが使用されていますが、センサーは比較的繊細な部品であり、経年劣化によって故障しやすい部品といえます。
この場合はセンサー類を部品交換して対処するので、費用的には一箇所数万円といったところです。ほかにもエンジンチェックランプが点灯したときに対象となる部品はいくつもありますが、どの部品が壊れやすいということはなく車によって状況はまちまちです。
一例を挙げるとガソリンタンクに付いているキャニスターという部品であったり、トラクションコントロールシステムに関連する部品でエアーコントロールバルブなども故障事例があります。
これらの故障による修理費は部品によってまちまちですが、数万円から100,000円ぐらいの間が一般的です。
ドアのウェザーストリップ劣化
ドアのウェザーストリップとは、簡単にいえばドアからの雨漏りを防ぐためのゴムの部品ですが、FJクルーザーはドアの構造が特殊でこの部品が劣化しやすい特徴を持ちます。
そうなると雨漏りが起こったり、ドアの開閉を検知するセンサーが誤作動して、ドアを閉めても警告音が消えないなどの不具合が起こります。
FJクルーザーは5ドアハッチバックタイプのSUVでありサイドドアは4枚あるのですが、その開閉方法は「観音開き」方式であり、真ん中から前後にドアが開く特殊な形です。
この方式はドアの開口部が非常に広くなることが特徴で、乗り降りのしやすさや荷物の載せおろしの利便性が高くなります。
一方でドアを閉めた状態ではドアとドア自体が合わさって密閉状態になるので、その不安定な部分をシールするウェザーストリップは普通のドアよりも重要となります。
とはいえ新しい状態では雨漏りすることはなく、あくまで経年劣化によってゴムが弱くなることで密閉度が悪くなっていきます。
その時期は車の年式や環境要件によって状況が変わってきますが、およそ8年前後で不具合が出てくる場合が増えてきます。
修理にはウェザーストリップの部品交換が必要で、費用的には1箇所で50,000円〜100,000円の間ぐらいです。
インターミディエイトシャフトのリコール
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この不具合はFJクルーザーのリコール案件として2015年に報告されたもので、インターミディエイトシャフトというかじ取り装置(ステアリング)の破損が起こるというものです。
インターミディエイトシャフトはハンドルとステアリングのギアボックスを連結しているシャフトですが、そのシャフトの製造不具合によって場合によっては破損してしまうという重大不具合につながる可能性があります。
もし破損してしまうとハンドルが効かなくなるので、かなりの重大な問題となるものです。
参考 トヨタ FJクルーザー リコール情報 インタミディエイトシャフト不良MHO ENGINEERINGですがこの件はリコール案件であり、トヨタに該当の車を持ち込めば無償修理が可能です。該当する車両は「平成25年8月6日~平成25年8月22日」までに製造された車両で、対象となるのは121台となっており、そこまで多くはありません。
ですがもし中古車でこの期間に製造されたFJクルーザーがありましたら、リコール対応が完了しているかどうかは確認しておくと良いでしょう。
FJクルーザーは買っても大丈夫か?
FJクルーザーは前述でも触れたように信頼性や耐久性が非常に高い車であり、故障に対してはかなり安心な車の一つといえます。
また現在は新車購入はできず全て中古車とはなりますが、まだまだ年式の新しい車も多数残っていますので、信頼性の高い中古車はまだまだ購入できる段階です。
今後少しずつ経年劣化は進んでいきますので、FJクルーザーを最大限楽しむのであれば今購入するのが良いでしょう。