ネットの普及で全国各地から中古車が探せるようになり、中古車の選択肢がずいぶん増えてきました。
最近はネットの手続きだけで購入までできるようになったのですが、手続きのやりかたについては詳しくご存知ありませんよね。
今回は中古車をネットで購入する方法についてご説明します。
中古車のネット購入(通販)の流れ
今回ご説明する「中古車をネットで購入する」というのは、ネットで中古車を探すだけではなく、購入手続きから納車までのほとんどをネットで行います。
その流れを段階を追ってご説明します。
ステップ1:中古車を探す
まずは購入したい中古車を探しましょう。1台に絞らず複数候補を挙げておくとスムーズに進みます。
ネット購入する利点の一つに、全国どこからでも中古車を購入できることです。
ただしどの中古車屋でもOKというわけではなく、中古車屋が「全国納車可能」に対応できていることが条件です。
全国納車に対応していない業者さんの場合には、納車可能なエリアは数十キロ圏内に限られます。
最大でも県内納車が限界ですので、どこまで納車してもらえるかは事前に問い合わせしましょう。
ステップ2:車の見積もりを取る
購入したい車の候補が決まったら、次は見積もりを取って必要な費用の総額を見極めましょう。
遠方からの購入になる場合、通常の中古車購入費用に加えて陸送費用が必要となります。
それら余計にかかる費用を合計して、支払い総額で予算内に入る中古車の候補を絞り込みます。
この段階では予算から多少オーバーするぐらいであれば候補に残しておいてもよいでしょう。
ステップ3:候補の車の状態を確認する
購入候補の中古車の外装や内装のキズや凹み、エンジンの状態など、車の状態を確認しましょう。
ネット購入をする場合に一番大事なステップですので、時間をかけて納得いくまで確認することが大事です。
ネットで購入する場合、必ずしも実際の車を確認できるわけではないので、中古車業者さんからの説明や、何枚もの写真から判断することになります。
「全国納車可能」に対応した業者さんであればそういった事態には慣れているので、Eメールで詳しい車の状態の説明と写真を送ってきてくれるでしょう。
もし送られてきた説明や写真が不足していると思ったら、追加で説明してもらったり、写真を増やしてもらったりの対応してもらえます。
ステップ4:購入する中古車を仮決定する
車の状態が確認できたら中古車を1台に絞り込み、購入を仮に決定します。
最終的に決めるのはもう少し後ですが、まずは購入の意思があることを中古車屋にメール等で伝え、その中古車が他の人に取られないよう押さえておきます。
この段階で購入予約として手付け金が必要になることがあります。のちほど注意点をご説明します。
ステップ5:支払い方法を決める
中古車購入の支払い方法を一括払いにするかローンにするかを決定します。
通常はローンとなりますが、一括払いであればネットバンキングを活用すれば、支払いもネットだけで完結することができます。
ただし支払いの限度額に引っかかる場合がありますので事前に確認しましょう。
ステップ6:名義変更の方法を聞く
ネットで遠方から中古車を購入する場合には、通常の中古車購入とは車の名義変更の方法が違います。
相手の中古車屋によって3パターンありますので、次の①~③のどれになるかを事前に確認しておきましょう。
①名義変更は中古車屋が行う
パターン①は一般的な中古車購入で行う方法と同じで、中古車屋が名義変更手続きを行う場合です。
購入者は必要書類をそろえて中古車屋に渡し、中古車屋は納車前に名義変更まで完了させます。
実際には陸送する運送業者などが手続きの代行をするので、中古車屋が名義変更のために出向くことはありません。
②名義変更手続きのために中古車屋が出張する
パターン②は中古車屋が名妓変更のために出向いてくる場合です。
必要書類はパターン①と同じく事前に送付する形になるでしょうが、車が到着するのと同タイミングで中古車屋自身が管轄の陸運局に行き、名義変更を済ませてから納車する形です。
このバターンでは、中古車屋の出張費用が別途必要になる可能性があります。
③購入者が名義変更手続きをする
パターン③は私たち購入者自身で名義変更を行う場合です。車は陸送によって届きますが、その後の名義変更とナンバープレートの取り付けを私たちでやらなくてはなりません。
名妓変更手続きは最初は複雑に思うかもしれませんが、ネットなどで手順を調べておけば案外簡単にできるものです。余計な代行費用も発生しないので、費用的には一番お得です。
必要書類は中古車屋が事前に送ってくるので、こちらの必要書類とあわせて陸運局に持っていきましょう
ステップ6:必要書類を揃えて送る
購入手続きに必要な書類を揃えるのですが、これだけはネットで手続きするわけにいきません。市役所や警察署などで書類をそろえて、郵送で送る必要があります。
やり取りする必要があるのは名義変更関係の書類と、ローンを組むのであればローン手続きの書類が最低限必要です。普通車と軽自動車では一部必要書類が違います。
印鑑証明の代わりに住民票が必要なだけですので、市区町村の役所で書類を発効してもらうことに変わりありません。
必要書類 | 普通車 | 軽自動車 | |
名義変更関係 | 印鑑証明 | 〇 | - |
住民票 | - | 〇 | |
車庫証明 | 〇 | - | |
委任状 | 〇 | 〇 | |
支払関係 | ローン契約書 | 〇 | 〇 |
ステップ7:購入契約を行い、代金を支払う
すべての書類と確認が終わったら、いよいよ車の購入契約を行います。同時に購入代金を支払うことで契約完了となります。
契約書類は事前に送られて来て、必要書類と同時に返送する場合もあります。
ローンの場合は頭金の支払、一括払いの場合には支払総額を支払います。契約と支払いが完了したら、中古車屋で車の整備、納車手続き等を行い、陸送準備になります。
ステップ8:納車と名義変更手続きを行う
車が陸送されたらすぐに名義変更手続きに入ります。ステップ5の③以外は名義変更を完了した車が自宅に納車されます。
ステップ9:納車された実車を確認する
納車されて始めて実車を確認できますので、ステップ3で確認していたとしても、必ず実車での確認しておきましょう。
事前に連絡を受けているキズや凹み、その他なにか問題がないかをしっかり確認しましょう。これでネットでの中古車購入は完了となります。
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中古車のネット購入時の注意点
ネットで中古車を購入する場合に、4点注意しなければならないことがあります。
実車確認ができない
ネットで購入する場合の一番のリスクは実車の確認ができないことです。
ステップ3でメールや写真での確認はするものの、中古車屋の見落としや連絡ミスで問題点がわからないことがあります。
また最悪の場合、キズや凹み、その他故障などの問題点を隠されてしまうことがありますので、信頼のおける業者さんと取り引きしなければなりません。
中古車屋から送られてくる写真が遠くから撮ったものばかりだったり、こちらの要求に対して写真を出し渋るようであれば、何かあると思った方がよいでしょう。
その場合は取引の中止も視野に入れましょう。
仮予約の手付金が必要になる場合がある
ステップ4で触れましたが、購入の意思があることを証明するための手付金が必要になることがあります。
手付金は優先的に交渉を行うためのもので、これがないと他のお客さんに中古車を買われてしまうこともあります。
一般的には車の購入を中止した場合には手付金は返金されることが多いです。
手付金は50,000円程度が相場ですが、支払う場合には必ず事前に支払の条件や、返金条件などの規約を確認しなければなりません。
ネット購入だからと規約の確認をおろそかにすると、あとでトラブルに発展します。
最悪の場合、「手付金を払って購入の意思があるので、整備を始めてしまった。キャンセルするならキャンセル費用を払え」などといったトラブルに巻き込まれますので、規約の確認は重要です。
遠くの中古車屋で買う場合の追加費用
ネット購入の利点は全国の中古車を購入できることですが、遠方から購入する場合には、名義変更の代行費用と陸送費用が余計にかかります。
合計すると追加費用は30,000円~70,000円が必要です。
追加費用で必要となるのは名義変更の代行費用と、車の陸送費用です。
名妓変更の代行費用は、ステップ6で説明したパターン①、②の場合に必要となります。
概ね次のような費用を考えておけばよいでしょう。
パターン | 追加費用 | 内訳 | |
名義変更 代行費用 | ① | 5,000円~ 10,000円 | 代行業者への支払い分 |
② | 5,000円~ 10,000円 | 中古車屋担当者の出張費用 |
車の一般的な陸送費用については次の表を参考にしてください。
あまりないケースですが、北海道や離島など船での輸送が必須な場合にはプラス30,000円は見ておいた方がよいでしょう。
距離 | 区間の例 | 費用相場 |
近距離:隣県 | 東京–神奈川間 | 20,000円~ 25,000円 |
中距離: 300㎞程度 | 東京–名古屋 | 30,000円~ 35,000円 |
中長距離: 600㎞程度 | 東京–大阪 | 40,000円~ 50,000円 |
長距離: 1,000㎞以上 | 東京–鹿児島 | 55,000円~ 60,000円 |
必用書類のやり取りを確実に行う
ネットで手続きを進める場合、必要書類のやり取りは信頼のおける郵送でやるようにしましょう。
必用書類は住所や氏名など個人情報が多く入ったものが多いので、いくらネットで購入手続きを進めるにしてもメールなどで書類を送ってはいけません。
第三者に流出してしまうリスクは避け、かならず郵送するようにしましょう。
もし中古車屋からネットで送付してほしいと依頼があっても、重要な書類については断るようにしましょう。