中古車市場にはさまざまな年式の車がありますが、どのぐらいの年式の車ならよいのかってなかなか難しいですよね。
今回は中古車の年式による狙い目についてご説明しましょう。
中古車で何年落ちが狙い目か
中古車の年式とはその車が新車で登録されてから経過した年月を指しますが、1年経過するごとに「1年落ち」「2年落ち」という呼び方をします。
また年式が新しいものを「高年式」と呼び、逆に古いものを「低年式」と呼びます。
中古車市場には0年落ちの車から、10年、15年落ちの中古車まで幅広い年式の車がありますが、年式によって車の状態と値段がさまざま変わってきます。
今回は次の3つのパターンに絞って、それぞれ何年落ちが狙い目なのかをご説明しましょう。
パターン① | 「質より値段を重視する場合」 |
パターン② | 「値段より質を重視する場合」 |
パターン③ | 「質と値段どちらも重視する場合」 |
パターン①:質より値段を重視する
質より値段を重視して車を選ぶ場合には、基本的にある程度低年式の車を狙うことになります。
この場合には、年式が7年落ち~8年落ちの間を狙うと安い値段で買うことができるでしょう。
7年落ちで価格が半分まで下がる
中古車価格は一般的に低年式になればなるほど下がっていきますが、中古車相場では50,000kmを超えた時と100,000kmを越えた時の2回、大きな価格の下落が起こります。
車の年間走行距離は一般的に1年10,000kmですので、50,000km走行で約5年落ち、100,000kmで約10年落ちと考えることができます。
そのため5年落ち程度の車から割安感が高くなっていきますが、さすがに5年、6年ぐらいでは新車価格の6割~5割程度までしか下がりません。
もう少し経過して7年落ちぐらいから価格が5割~4割代まで下がるので、このあたりからがお買い得です。
しかしあまり古い車を選んでしまうと、さすがに車としての質が落ちて来てしまい、次の様なデメリットが発生します。
これらのデメリットに影響の少ない範囲を考えると、7年落ち~8年落ちということになるわけです。
80,000km~100,000kmあたりで部品交換が発生する
車の部品にはすべてに寿命があり、負荷の高いエンジン周りを中心に80,000kmぐらいからいくつかの部品交換が必要になります。
主な部品はタイミングベルト、オルタネーター、エアコンコンプレッサー、ゴムホース類などですが、限界寿命は100,000kmぐらいです。
しかし部品によっては80,000kmぐらいから故障が出てくる車もあり、ある日突然故障に見舞われたりします。
対処するには部品交換が必要で費用がそれなりにかかりますので、80,000km走行や8年落ち以上の中古車には余分なお金がかかってきます。
購入後すぐに修理で追加費用は厳しいものがあるので、ギリギリのラインは7年落ちぐらいと考えています。
パターン②:値段より質を重視する
パターン①と逆の場合には、高年式で車の劣化が少ない中古車を狙います。年式としては0年落ち~3年落ちぐらいの中古車がよいでしょう。
0年落ちは台数が少ない
車の質は当然新車に近いほど良いので、質だけを考えるなら0年落ちの中古車ということになるでしょう。
0年落ちであっても新車価格に対しては1割~2割程度は安くなっていますので、一応新車よりはコストパフォーマンスはあります。
しかし0年落ちや1年落ちの中古車というのは市場ではあまり台数がなく、あったとしても人気があってすぐ売り切れてしまうでしょう。
新車に近い車が安く買えるのであれば、人気なのもしかたありませんよね。
そのため現実的なラインとしては、もう少し台数が増えてくる3年落ちぐらいまでの範囲を考えるとよいでしょう。
3年落ちなら値段も新車の7割ほど
3年は新車の車検が切れるタイミングですので、手放す人が増えてくるのです。
3年落ちの車であれば質もほとんど新車と変わりませんし、値段も新車価格の7割程度にはなります。
ですので質を重視する場合には、可能であれば0年落ち、多くても3年落ちぐらいまでの間で探しましょう。
ただ3年落ちの車にはメーカーの保証期間である「3年50,000km」の期間から切れている可能性があります。
通常はそこまで活用することはないのであまり気にする必要はありませんが、一応覚えておきましょう。
パターン③:質と値段どちらも重視する場合
車の質と値段のバランスのとれた中古車を探すのであれば、5年落ちぐらいの中古車がベストでしょう。
パターン①で解説した通り、車の値段というのは50,000km、つまり5年落ちぐらいを境に値段が新車価格の半額程度まで下がります。
しかし車としての質はまだまだ十分残っており、部品交換の発生する80,000km、つまり8年落ちまではかなりのゆとりがあります。
特に50,000kmを経過して間もない車であれば、車の質自体は49,000kmの車と大差ないわけなので、数1,000km違うだけで価格はずいぶん違ってくるのです。
質と値段のバランスを考えるのであれば、5年落ち、なおかつ50,000km経過後の中古車がベストと言えるでしょう。
なお、正しいやり方で値引き交渉をすれば普通より安い価格で購入できます。
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おすすめは5年落ち!
私が中古車を探す時には、やはり質と値段のバランスのとれた5年落ちぐらいの中古車を探します。
5年や50,000km経過した車は新車価格に対して6割程度の価格まで下がってきており、新車価格2,000,000円の車では1,200,000円まで下がってきている計算になります。
しかも車の質として考えれば、故障などはあまり考えなくてもよい時期ですので、修理などで余計な費用がかからないのも良いポイントです。
また5年落ち程度であれば内装もまだまだキレイな場合が多いので、実際の中古車を見に行くだけの価値はあるでしょう。
もちろんそこでチェックした後で買うかどうか決めればよいですが、わざわざ中古車屋さんまでいくのであれば、事前にアタリぐらいは付けておきたいですよね。
以上のような理由から、私がおすすめする年式の中古車は「5年落ち」の中古車です。
注意すべきは10年落ち以降!
年式が古くなればなるほど中古車価格も下がりますので、安い中古車を買いたいのであれば低年式の中古車となります。
しかしやはり10年落ちぐらいまで行ってしまうと、購入後にさまざまなトラブルが出てくることがあります。
特に走行距離100,000km以上の車であればなおさらで、乗り続けようと考えるのなら修理費などの出費を覚悟しておかなくてはなりません。
よほどその1台が気に入ったり、何か値段以外の理由がない限りは、10年落ち以上の中古車は避けるのが無難でしょう。
またあまり考えたくないケースですが、次のような不正行為がある場合があるので、要注意です。
年式と走行距離の関係がおかしい
年式と走行距離は密接に関係しており、毎年10,000km乗っていれば5年で50,000kmとなるでしょう。
しかし中には悪徳業者が走行距離を偽装して販売しているケースがあります。
走行距離が多いと中古車市場でなかなか売れず、価格も安くなりがちなので、悪徳業者は走行距離を偽装して高い値段で売っています。
しかし走行距離が偽装できても、車検証に書かれている初年度登録時期は変わりませんので、その車が何年落ちなのかは車検証を見ればわかります。
もし車の走行距離と年式の関係がおかしいのであれば、その車は走行距離が偽装されている可能性があり、買うのは控えたほうが良いでしょう。(もちろん単純に走行距離が少なかった、という場合もあるでしょうが。)