ホンダ フリードはコンパクトカーのボディに3列シートを装備したコンパクトミニバンで、ファミリーカーとして人気の車種です。
今回はフリードのラゲッジスペースについてご紹介します。
フリードの荷室・トランクの容量・寸法
ホンダ フリードはコンパクトカーをベースに車内レイアウトを3列シートとした車で、6人〜7人まで乗車できることからミニバンライクな乗車人数を確保しています。
現行フリードは2016年に登場した車ですが現在でもラインナップは継続しており、改良を加えながら販売が継続されている長寿車種になっています。
フリードはコンパクトカーとミニバンをあわせたようなコンセプトの車なのでファミリーカーとして便利な車種となっており、その大人数乗りが出来るシートはさまざまな用途に活用できます。
なおフリードには派生モデルとして2列シートとした「フリード+」もあるのですが、今回は3列シートのフリードのみをご紹介します。
ではフリードの大まかなサイズ感とラゲッジスペースのサイズや容量をご紹介します。
スペック | フリード | |
乗車定員 | 6名、7名 | |
全長 | 4,265mm | |
全幅 | 1,695mm | |
全高 | 1,710mm〜1,735mm | |
室内長 | 3,045mm | |
室内幅 | 1,455mm | |
室内高 | 1,275mm〜1,285mm | |
ラゲッジルーム | 高さ | サードシート展開時:1,110mm サードシート収納時:1,195mm |
幅 | サードシート展開時:1,080mm サードシート収納時:1,255mm | |
奥行き | サードシート展開時:250mm サードシート収納時:1,000mm〜1,200mm セカンドシート収納時(7人乗りモデル):1,400mm | |
ラゲッジ容量 | サードシート展開時:約200L サードシート収納時:約700L セカンドシート収納時:約1,200L | |
運転席寸法 | 高さ | 約1,100mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約900mm | |
助手席寸法 | 高さ | 約1,100mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約900mm | |
後席寸法 | 高さ | 約1,100mm |
幅 | 6名乗り:535mm✕2 7名乗り:約1,300mm | |
奥行き | 約1,000mm | |
3列目寸法 | 高さ | 約800mm |
幅 | 1,230mm | |
奥行き | 約800mm |
フリードは車の全長が4,265mmとコンパクトカークラスの短さであり、全幅も1,700mm以下で5ナンバーサイズです。
全高はさすがにコンパクトミニバンなので多少高くなっていますが、それでも1,700mm前後に抑えられているので背の高いイメージはなく、スタイリッシュでカッコよさもあります。
コンパクトカークラスのサイズながら室内長は3,000mmも確保されており、このスペースを最大限活かして3列シートが搭載されています。
なお3列シートのセカンドシートに関しては左右分割式のキャプテンシートか一体化したベンチシートかの2仕様があり、乗車人数がそれぞれ6人乗りと7人乗りとなります。
フリードの基本的なラゲッジスペースはサードシートの背面からテールゲートまでの間のスペースになりますが、さすがに全長の短いコンパクトカーということで奥行きはわずか250mmと広くはありません。
横幅はコンパクトカーの標準的なサイズはありますが、奥行きが狭いのでどうしても容量は小さくなっており、標準的なコンパクトカーと比べても7割程度のサイズしかありません。
ですが後述するシートアレンジによってラゲッジスペースは拡大することが可能であり、座席とラゲッジスペースの使い分けでいろいろなモードに切り替えが出来るのが特徴です。
ではフリードのラゲッジスペースについて詳しくご紹介していきましょう。
フリードの荷室・トランク・荷物収納スペースの良い点
まずはフリードのラゲッジスペースについて良い点をご紹介しましょう。
豊富なシートアレンジ機能で使い分けできるラゲッジスペース
フリードのラゲッジスペースはシートフル展開の状態では広くはないのですが、シートアレンジによって大幅にサイズを拡大できます。
フリードは3列シートを持って多人数乗りが可能な車ですが、どうしても全長の短さから車内スペースはギリギリな箇所も多いです。
シートの足下空間を優先した結果ラゲッジスペースの奥行きが狭くなり、普段使いであっても多くの買物をするとその大きさによって制限が多いものとなります。
そういったときにはフリードはシートアレンジでラゲッジスペースを拡大して使うのが良く、まずフリードのサードシートは左右への跳ね上げ式機能があります。
サードシートを跳ね上げればラゲッジスペースの奥行きは一気に1,000mm前後までは拡大でき、セカンドシートの前後位置によっては1,200mmぐらい利用できます。
これだけのサイズがあれば普段使いの容量としては十分ですし、ゴルフバッグやスーツケースなど大きなものでも複数個収納できるでしょう。
さらにフリードのセカンドシートもシートアレンジが可能ですが、セカンドシートは6人乗りと7人乗りで仕様が違います。
6人乗りはセカンドシートが左右分割式のセパレート式となっておりシートアレンジができませんが、前側へ大きくスライドさせることで座席としては座れなくなるものの1,200mm程度の奥行きが確保できます。
加えてセパレートシートの間は通路のようになっているので、自転車など細長いものであればこの通路部分をうまく使って積み込めるでしょう。
一方で7人乗りモデルはセカンドシートがベンチシート式となっており、シートアレンジとして前側への折りたたみおよび跳ね上げができます。
前側に跳ね上げたシートが残るのでセカンドシートのスペースをすべてラゲッジスペースには出来ませんが、それでも1,400mmぐらいの奥行きが確保できるのでフリードのシートアレンジでは最も広く利用できます。
さらにセカンドシートおよびサードシートは左右を独立して跳ね上げたり収納及びスライドができますので、片方をざぜきとして残しながら片方をラゲッジスペースとして利用するなどの使い分けも出来ます。
フリードは車内スペースがどうしても限られた車ですが、シーンに合わせてこれらのシートアレンジを活用することで便利に運用できるでしょう。
フルフラットな床面で荷物を積み込みやすい
フリードのラゲッジスペースは全体的にフラットなデザインで設計されており、荷物の積み下ろしのしやすい形状になっています。
フリードは車内スペース的にシートが敷き詰められているような印象のある車ですが、そのシートが固定されているフロア面は意外とフラットになっています。
サードシートから後ろの標準ラゲッジスペースはリアバンパーの上面からフラットになっているのですが、そのフラットな面はサードシート、セカンドシートのシートアレンジ時にもラゲッジスペースの床面になります。
一部シートを固定するためのフックなどもあるのですが、可能な限りフラットになっているので積載性の良いフロア面になっています。
またフリードはテールゲートの開口部が広く確保されており、特に横方向に邪魔なテールランプなどがないデザインとなっています。
上下方向に関しても広々としたスペースがあるとともに、ラゲッジ床面の最低地上高がわずか480mmとなっているので、荷物を持ち上げる高さが低くて重量物の積み込みに有利です。
これらの要素をあわせて大きな荷物や重たい荷物を積み込むときの積載性は良く、またフラットなフロアで荷物を前後に移動させるときにも便利なラゲッジスペースとなります。
加えてフリードのテールゲートは90°を超えて大きく開くようになっていますので、荷物を積み込むときに頭をぶつけづらく楽な体勢で積み込みできます。
シートの下側もラゲッジスペースとして活用できる
フリードのラゲッジスペースではシートの下側の空間も便利に利用できます。
フリードはサードシートまで展開した状態では前後スペースがかなり狭くて、長い荷物などはとても積み込むことの出来ないサイズです。
基本的に長いものを積み込むのであればシートアレンジが前提となっており、サードシートやセカンドシートを収納する手間をかける必要があります。
ですがフリードでは細長い荷物であればシートの下側のスペースを活用することが出来、サードシート、セカンドシートそれぞれの形状によって積み込めるものも変わってきます。
フリードのサードシートは真ん中が空いているフレームのような形状で床面と繋がっており、上下サイズは大きくはないものの結構色々なものがこの空間に収まります。
セカンドシートは6人乗りか7人乗りかで下側の形状が違うので使い勝手は変わりますが、前側に大きくスライドさせておけば1,000mmぐらいの奥行きは確保できるので、物干し竿のような細長いものを積み込むのには便利です。
フリードにはラゲッジスペースの床下にあるアンダーラゲッジが装備されていませんので、その分シート下のスペースを有効活用すると良いでしょう。
ラゲッジスペース側からでも跳ね上げできる装備
フリードのシートアレンジは基本的に座席側から操作するものとなっていますが、サードシートに関してはラゲッジスペース側からでも操作が出来て便利です。
フリードのサードシートは左右への跳ね上げ式シートになっており、乗員が手動でシートのロックを外したり各部を折りたたんだりして跳ね上げを行います。
その際には乗員が座る側から操作するのが基本ですが、実はラゲッジスペース側からでも操作は可能で、わざわざ車内に乗り込まなくてもサードシートを収納できます。
シートの背もたれの収納と跳ね上げは別のレバーなどによりますが、背もたれの脇に後ろから手を伸ばす形で背もたれを倒せます。
そしてサードシートの足になっているフロアとの接続部分にあるストラップを引き上げることでロックが外れ、そのまま跳ね上げをすることができます。
またラゲッジスペース周りの装備はフリードはそこまで便利なものはそなわっていませんが、テールゲート部分に照明がそなわっています。
上側から照らしてくれる照明なので夜間には手元を照らしてくれ、積み込みの際には便利です。
照明は自動点灯しますので咄嗟のときにもすぐに点灯してくれるので使い勝手も良いですね。
フリードの荷室・トランク・荷物収納スペースの悪い点
フリードのラゲッジスペースは便利な点は多いものの、次のように不便な点も結構見受けられます。
標準ラゲッジスペースが狭くて使い勝手が悪い
まず何よりフリードのラゲッジスペースで使いづらい点は標準ラゲッジスペースで、そのサイズはやはり使いづらい広さです。
フリードの標準ラゲッジスペースの奥行きは250mmしかなく、パット見でもかなり狭いことが分かるサイズ感です。
横幅はある程度あるものの上下の高さも途中がサードシートの斜めになった背もたれである程度覆われており、天井まで活用できるスペースはわずかとなっています。
容量自体も標準的な5人乗りのコンパクトカーよりも狭いのでちょっとした買い物の荷物ぐらいしか載せられず、少しでも大きなダンボールや家電製品を載せるような用途には向かないでしょう。
もちろんシートアレンジを駆使すればラゲッジスペースは拡大できるのですが、ファミリーカーとしてフリードを使い場合には週末に家族全員で買物などといったシーンもあります。
そういったときに各人の買ったものや毎週の買い出しの荷物など量が増えてきたときには対応しづらい部分もあり、シートの足下に置いたり座っている人の膝上に置いたりと工夫は必要でしょう。
またサードシートは左右1名ずつの乗車シートなので1人減らせる状況であれば、片方だけ跳ね上げるだけでもかなり積載性は向上するでしょう。
左右跳ね上げ式のサードシートが邪魔
フリードの左右跳ね上げ式シートはコンパクトカークラスの車では便利に使えるシートアレンジなのですが、その跳ね上げたシートは意外と邪魔になります。
フリードは標準ラゲッジスペースでは不足するときにまずはサードシートを跳ね上げし、座席を車の後部の比較的上側に跳ね上げて固定します。
そのためラゲッジスペースのフロア面にはフラットなラゲッジスペースが生まれて荷物を載せられるようになるのですが、上側には跳ね上げたシートがそのまま残っており左右の幅を取っています。
フロア面であれば横幅が1,000mmぐらいは活用できるところを上側は600mm程度しか利用できず、跳ね上げたシートで意外に狭くなっているのは目に見えてわかります。
背の低いものを積み込む分には良いのですが、高さ方向にも大きいものを積み込む際に不便さが際立ってきます。
例えば自転車などを積み込むときにもハンドル部分が引っかかったりして邪魔になりますし、うまく積み込むためには斜めにするなど色々な工夫が必要になってきます。
中型ミニバンなどであれば室内幅が広い分跳ね上げたシートもそこまで邪魔にならずに済みますが、コンパクトカーサイズでなおかつ跳ね上げシートというフリードの仕様では高い積載性を求める際にはやはり不便でしょう。
泥汚れや水濡れに弱いカーペット生地
フリードのラゲッジスペースは全体的にカーペット生地で覆われているのですが、どうしても汚れには弱い素材となっています。
フリードのラゲッジスペースは標準ラゲッジスペースの床面が柔らかい素材のカーペット生地になっており、シートの足下まで同一の素材なのでシートアレンジ後のラゲッジスペースも基本的にはカーペット生地です。
カーペット生地は柔らかいので荷物を積み込んだときに荷物だけでなく車体を傷つける可能性が低く、使い勝手は良いものとなっています。
またフラットなフロアの上で荷物を押し込んで移動させるときにも移動しやすくなっており、基本的には不便な点はありません。
ですが一度カーペット生地に泥汚れや水で濡れてしまうような汚れが付いてしまうと、生地に吸収されるなどして汚れとして残ってしまうことがあります。
ひとたび汚れが付いてしまうと掃除で落とすのはなかなか大変ですし、取り外しての掃除も出来ないので車内である程度落とすぐらいしかなくなります。
フリードのラゲッジスペースはシートアレンジで色々なものを載せられる場所にはなりますが、汚れたものを載せるときには防水シートなどをあらかじめ敷くなどの対策は必要でしょう。
また最近のコンパクトカーではラゲッジスペースの下にアンダーラゲッジを設け、アンダーラゲッジに防水素材を採用することで一部だけでも汚れに強くしている車が増えています。
ですがフリードにはアンダーラゲッジの装備がありませんし、防水装備の箇所もありませんのでキャンプやアウトドアに使うときにも気をつけることがあるでしょう。
車中泊には向かないシートアレンジ仕様
フリードは前述のカーペット生地のことなどで汚れやすいキャンプやアウトドアにはあまり向かない仕様となっていますが、その他に近年話題の車中泊にも使いにくいラゲッジスペースとなっています。
近年のキャンプやアウトドアでは車の車内をテント代わりとして宿泊する車中泊が注目されており、かさばる荷物になるテントが不要なので手軽に寝られるとして人気です。
車の方も車中泊人気にあわせたシートアレンジが出来る車種も増えてきており、特に重要なのが寝台となる車内部分がフラットになっているかどうかで寝やすいかどうかが決まってきます。
基本的にはシートアレンジによってシートを収納することでフラットな面を作ることになるのですが、フリードでは別の面で車中泊を行いにくくなっています。
フリードのシートアレンジではラゲッジスペースの床面がフルフラットになるので一見すると車中泊がしやすいように見えますが、不足しているのはその際の奥行きです。
フリードはセカンドシートが6人乗りでも7人乗りでもシートアレンジ後でもシート自体が残っているので、前後の奥行きが1,400mm程度しかありません。
荷物を積み込むだけならばこのサイズでも良いのですが、ここで寝るとなると1,400mmでは大人の身長で足を伸ばして寝ることが出来ないので、快適な寝台にならないのです。
車中泊で快適に寝るためには最低でも1,700mmぐらいはフラットな面が必要であり、フリードでこれを実現するには7人乗りのベンチシートのシートアレンジで、かつセカンドシート部分の段差を盛り上げるようにして段差を無くするようにしなければなりません。
底上げ用に色々な準備も必要なので、最近の車中泊に向いている車種と比べると利便性が低いでしょう。
フリードの荷室・トランク・荷物収納スペースの口コミ・評判
フリードのラゲッジスペースについてはtwitterでもいろいろな投稿があり、その中からいくつかご紹介します。
そういえば、フリード見てきた!
カタログで見てたより荷室が広くて、室内も思ってた以上に広くてシートも良き。シエンタと迷ってたけど即心が決まった😊あとは仕様…ガソリン車かハイブリッドかがまず決められない😇どっちなの😇— はるぴんと節子5y+アラキ氏3y (@akarin33) August 18, 2021
こちらの方はフリードの実車を見てこられたようなのですが、室内の広さやラゲッジスペースの広さなど気にいる部分が多かったようです。
ラゲッジスペースの広さなども競合のコンパクトミニバンよりもよかったそうで、フリードに即決されたようですね。
フリードの3列目が両側跳ね上げじゃなきゃフリードで良いんだけどなあ
— おえおうゆゆ(ゆ) (@mnodonou) October 22, 2022
こちらの方はフリードのラゲッジスペースについてはサードシートの跳ね上げが不便と感じておられるようで、不リードを選ばない要因の一つとなっているようです。
フリードの跳ね上げシートは荷物を積み込むシーンで結構邪魔になることもあり、競合車で床下収納の車もあるのでフリードのデメリットになる場合もあるようです。
総評
ホンダ フリードはコンパクトカーのサイズでミニバンの乗車人数と広い室内を持ち、ファミリーカーとしてとても便利な1台です。
ラゲッジスペースの使い勝手はシートを展開した状態では狭めなもののシートアレンジでさまざまな使い分けができ、普段使いでも週末の旅行などにも活用できる車です。
とはいっても大型のミニバンほどの広さはありませんし不便さを感じる部分もあるため、あくまでコンパクトカーサイズであるということは割り切りが必要な部分です。