トヨタ ハリアーは高級感のあるクロスオーバーSUVとして人気のある車種で、トヨタのクロスオーバーSUVラインナップの中では上級車種となります。
今回はこのハリアーのラゲッジスペースについてご紹介します。
ハリアーの荷室・トランクの容量・寸法
参考:toyota.jp
トヨタ ハリアーはスポーティなフォルムが特徴のクロスオーバーSUVで、現行モデルで4代目となります。
初期のハリアーはスポーティさが表立ったデザインの車でしたが世代を重ねるごとに高級感がプラスされ、現行モデルではかなり質感の高い車種にもなっています。
トヨタはさまざまなクロスオーバーSUVラインナップを持っていますが、ハリアーはその中でも高級車の分類になっており存在感のあるデザインも特徴です。
ハリアーは車のタイプとしてはハッチバックタイプになりますので、ラゲッジスペースは後部座席からテールゲートまでの間のスペースとなります。
ではまずはハリアーの大まかなサイズ感とラゲッジスペースのサイズや容量をご紹介します。
スペック | ハリアー | |
乗車定員 | 5名 | |
全長 | 4,740mm | |
全幅 | 1,855mm | |
全高 | 1,660mm | |
室内長 | 1,880mm | |
室内幅 | 1,520mm | |
室内高 | 1,215mm | |
ラゲッジルーム | 高さ | 最小部:700mm(デッキボード〜天井) 最大部:750mm(デッキボード〜天井後端部) |
幅 | 最小部:1,005mm(ホイルハウス間) 最大部:1,265mm(デッキサイドトリムえぐり部) | |
奥行き | セカンドシート使用時:765mm〜985mm フロントシートのみ使用時:1,610mm〜1,805mm | |
ラゲッジ容量 | ラゲッジ容量 セカンドシート使用時: 408L(プラグインハイブリッド車) 409L(ハイブリッド車、ガソリン車) フロントシートのみ使用時: 1,049L(プラグインハイブリッド車) 1,045L(ハイブリッド車、ガソリン車) | |
運転席寸法 | 高さ | 約1,000mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約900mm | |
助手席寸法 | 高さ | 約1,000mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約900mm | |
後席寸法 | 高さ | 約1,000mm |
幅 | 約1,300mm | |
奥行き | 約1,000mm |
ハリアーは車のサイズとしては中型車〜大型車クラスの車で、全長は4,700mmと比較的扱いやすいサイズですが、全幅が1,855mmとかなりワイドです。
一方でハリアーは全高が1,660mmとクロスオーバーSUVにしては低くなっており、シャープなボディデザインとあわせて低いフォルムが際立っています。
車内スペースに関しては近年の中型クロスオーバーSUVとしては少し室内長が短めですが、全幅が広いことで室内幅は広くフル乗車時の横方向の窮屈さなどはある程度緩和されています。
そしてハリアーのラゲッジスペースは5人乗りのセカンドシートから後ろのスペースとなりますが、セカンドシートからテールゲートまでの間のサイズが一部狭い場所では765mmですがおおよその部分では985mmと結構長いスペースをラゲッジスペースとして使えます。
またラゲッジスペースの横幅も狭い場所でも1005mmはありますし、全幅が大きなハリアーのおかげで広い場所では1,265mmもの横幅が利用でき、横方向にも大きな物を積み込めます。
ですがラゲッジスペースの高さは700mmちょっとと少し狭めのサイズとなっており、これはハリアーの全高が低いことが主な理由でしょう。
この高さの低さからラゲッジスペースの容量自体はそこまで大きいものではなく標準ラゲッジスペースでは400L程度と中型車の小さめの車と同じぐらいなので、大きな荷物を積み込むときには後述するシートアレンジを駆使することになるでしょう。
ではハリアーのラゲッジスペースについて詳しくご紹介します。
ハリアーの荷室・トランク・荷物収納スペースの良い点
ハリアーのラゲッジスペースについては色々便利な点があり、つぎのような点がおもに挙げられます。
普段使いであれば十分実用的な標準ラゲッジスペース
まずハリアーのセカンドシートまで展開した状態の標準ラゲッジスペースは、普段使いの実用性は十分あるスペースとなっています。
ハリアーのラゲッジスペースは前述したように標準ラゲッジスペースの容量はそこまで大きなものではなく、400Lはハリアーより小さいのコンパクトクロスオーバーSUVと同じぐらいのサイズ感です。
ですがハリアーの場合にはラゲッジスペースの高さが低いことを除けば前後の奥行きや横幅などは広々としており、全体的に平面的なラゲッジスペースになっています。
このサイズであれば普段使いの買物の荷物などは十分に積込むことが出来ますし、高さが低いものであれば前後方向に結構な量の荷物を積み込めるでしょう。
このハリアーの標準ラゲッジスペースではゴルフバッグで換算するとなんと3つは満足に搭載できるスペースであり、横方向に積み込むことで前後に積み重ねることができます。
後方視界を考えないのであれば4つまでは積み込みが可能ですが、ハリアーは元々後方視界があまり良い車ではないので3つまでに抑えておくほうが良いでしょう。
またベビーカーや車いすなどのかさばる荷物は折りたたみ式であれば横倒しにして積み込むことができ、高さの低いものは満足に載せられるでしょう。
特に標準ラゲッジスペースのテールゲート側が横幅が広いスペースになっていますので、長い荷物もここにうまく納められると便利でしょう。
完全なフルフラットになるシートアレンジ
参考:toyota.jp
ハリアーは標準ラゲッジスペースでもある程度の広めの空間があるのですが、シートアレンジを駆使すればさらに広いスペースを利用できます。
ハリアーはフロントシートとセカンドシートを展開した状態が基本ですが、セカンドシートはシートアレンジによって収納が可能で、セカンドシートのスペースをラゲッジスペースとつなげて利用できます。
セカンドシートは背もたれ部分を前側に折りたたんで収納する形になりますが、セカンドシートの設計がうまく作られており収納した後はその上面が標準ラゲッジスペースとほぼ完全なフルフラットになっています。
そのためテールゲートからセカンドシートの前辺りまでほとんど引っかかりがなく荷物を積み込むことができ、積載性が高いフロア形状となっています。
またシートアレンジ後のラゲッジスペースは前後の奥行きが一気に1,610mm〜1,805mmまで拡大しており、ほとんどの部分は1,800mm前後となるのでかなり長い荷物まで積み込むことが出来ます。
これだけの奥行きがあれば標準ラゲッジスペースの2.5倍近い容量を発揮でき、大量の荷物を一度に積載できる便利な車に早変わりします。
シートアレンジ後であってもラゲッジスペースの高さは広くならないので背の高い荷物を積み込むのは苦手ですが、その分奥行きと横幅の広さを活かした平坦なスペースがしっかり利用できます。
なおハリアーのセカンドシートは6:4分割式シートになっているので左右どちらかの座席をシートとして残すことができ、長い荷物を積み込みながらある程度乗員も乗れるようにバランスを取ることができます。
さらにこのフルフラットなスペースは前後に1,800mmぐらいの奥行きがあるので、キャンプやアウトドアの際にこのスペースを足を伸ばせる寝台として車中泊にも利用できます。
機能的な分割式アンダートレイ
参考:toyota.jp
ハリアーにはラゲッジスペースのしたにアンダーラゲッジがあるのですが、ただのアンダーラゲッジではなく機能的なものとなっています。
アンダーラゲッジは標準のラゲッジスペースの床下にある収納スペースでさまざまな活用方法があるのですが、普段使わないものや工具類などを収めておくのには便利な装備です。
ハリアーでは標準ラゲッジスペースの床面がデッキボード式で開くことができるようになっており、開いた床下がアンダーラゲッジになっています。
アンダーラゲッジの容量はスペアタイヤやパンク修理キットの装備によって多少変わりますが、おおよそ15L〜30Lとそこまでおおきなスペースではありません。
ですがハリアーのアンダーラゲッジには専用のアンダートレイが標準装備となっており、細かく区切られたトレイによって簡単に分別することができます。
アンダーラゲッジにはスペアタイヤの収まるようなスペースやパンク修理キットの収まるスペースが設けられているのですが、こちらはスペアタイヤ未装着の車であればちょっとした荷物の積み込み場所として活用できます。
またアンダートレイには仕切られたボックス部もあり、基本的には防水性のある樹脂パネルで覆われているため、汚れたものや濡れたものなどを収めるのに最適です。
キャンプやアウトドアではこの防水性のある収納場所が便利に活用できるので、積極的に利用しましょう。
セカンドシートを後ろからでも倒せる装備
ハリアーのラゲッジスペースではいくつか便利な装備がそなわっており、シートアレンジについてはラゲッジスペース側からでも操作できます。
ハリアーではセカンドシートを収納するシートアレンジについては車内から基本的に操作するのですが、もし急に大きな荷物を運ぶときなどは操作が面倒なときがあります。
そういったときにはラゲッジスペース側からセカンドシートの背面にアクセスし、肩部分にあるレバーを操作すれば前側に背もたれを倒せます。
狭い場所などで荷物だけを積み下ろしするときには便利な機能であり、特に長い荷物を積み込むときには片側だけでも倒すことが出来るのでうまく使い分けることも出来ます。
またその他のハリアーのラゲッジスペース周りの装備はシンプルなものでまとまっており、サイド部分に照明がある程度でフックなどは装備されていません。
ですが前述のアンダーラゲッジの内部にパンク修理キットや各種工具類などが収まっており、デッキボードをめくればすぐに目的のものが見つかるようになっているので便利です。
ラゲッジスペースがメインの車種ではないので特別利便性の高い装備はないものの、必要最小限の装備はそなわっています。
なおラゲッジスペースとは直接関係はありませんが、ラゲッジスペースの左側側面には専用のオーディオシステムのスピーカーが装備されており、車の後方から音質の良い音を響かせています。
ハリアーの荷室・トランク・荷物収納スペースの悪い点
ハリアーのラゲッジスペースについてはつぎのような部分は若干使いづらい部分であり、詳しくご紹介していきます。
高さが低く容量が少なめな標準ラゲッジスペース
まずハリアーのラゲッジスペースでは上下方向の高さがあまり大きくなく、それに伴って容量も控えめとなります。
ハリアーは車のデザイン的に低めのシャープなフォルムが特徴の車であり、クロスオーバーSUVのスポーツカーといったいでたちです。
そのデザインは流れるようなカッコよさを与えていて満足感が高いのですが、その影響から車内の上下スペースがあまり高くなく、ラゲッジスペースでも上下スペースはパット見でも狭めです。
それでも前述でご紹介したように横積みであればある程度の積載性はあり、普段使いならばそこまで問題にはなりません。
ですが背の高い荷物や大きなサイズの荷物を積み込むには不足気味のラゲッジスペース高さであり、特に植木などの上下方向に積み込まなければならない場合は使い勝手が悪いです。
クロスオーバーSUVは割と大柄なボディでラゲッジスペースの高さもそれなりにある車種が多いのですが、ハリアーではデザインが優先された形となります。
また一部の車種ではアンダーラゲッジを開いて上下方向の高さを広げられる車もある中で、ハリアーではアンダーラゲッジがトレイ式になっているためそこまで高さを増加させる要因にはなりません。
クロスオーバーSUVとしては必要十分なラゲッジルームではあるものの、他の車種と比べると狭いなと感じることは多いでしょう。
泥汚れや水汚れには弱いフロアカーペット
ハリアーのラゲッジスペースは床面がカーペット生地で覆われているのですが、普段使いであれば良いもののキャンプやアウトドアでは使いづらいものとなります。
ハリアーのラゲッジスペースや車内スペースは床下が全体的にカーペットで覆われており、質感の高い車内デザインに合わせた素敵なデザインのカーペットとなっています。
カーペットは高級感があって統一感もあるので質感は十分であり、また荷物を積み込むときにも柔らかなカーペット生地であればキズが付きづらく使いやすいものとなります。
荷物を前後にスライドさせるにも便利なカーペット生地ではありますが、キャンプやアウトドアの際に汚れたものを積み込むときにはかなり不便なものとなります。
キャンプやアウトドアの際には泥で汚れた荷物や雨などで濡れてしまったものも積み込んで移動しなければならないのですが、カーペット生地では泥汚れや水汚れが一度つくと落としづらく、かなり気を使うものとなります。
ハリアーはクロスオーバーSUVなのでキャンプやアウトドアにはピッタリの車なのですが、使い勝手としてはオフロード系の車種に比べると防水性などはあまり考慮されていません。
アウトドアの際にもサーフボードやマウンテンバイクなど汚れやすいものが多いのですが、それらを積み込む際にもあらかじめ車内に防水シートを敷いておくなど対策は必要でしょう。
テールゲートの開口部が小さめでフロア位置が高い
ハリアーのラゲッジスペースでは積み込みを行うスペースも多少小さめであり、荷物の積載性が若干不便です。
ハリアーは車の全体のデザインに対してテールゲートは小さめのサイズとなっており、デザイン的にはスタイリッシュなものに仕上がっています。
ですがテールゲートの開口部、とくに上下方向のサイズがあまり大きくないので、大きな荷物を積み込む際などにはスムーズに載せづらく不便な部分もあります。
テールゲートの開閉角度も上下方向にはあまり大きく開かないので、背の高い荷物を積み込むときにもかがむような感じになるでしょう。
さらにテールゲートはシンプルなデザインではなく斜めにリアウインドウがあるデザイン重視の形状となっており、上下方向に荷物を積み込むときにはテールゲート部分が思った以上に高さが狭くなります。
またハリアーのラゲッジスペースのフロア面は地上から結構高い位置にあり、重量物を積み込むには高いところまで持ち上げなければなりません。
ハリアーはラゲッジスペースの床面がフルフラットになっていて積み込んだ後は移動などがさせやすいのですが、リアバンパーがボリュームのあるデザインとなっていたりSUVらしいタイヤサイズの大きさなどもあって、ラゲッジスペースの高さが高くなっています。
一般的なコンパクトカーやミニバンでは積載性を考慮してフロア面が低い車種も多いのですが、ハリアーではこの点でもデザイン優先になっている箇所です。
ハリアーの荷室・トランク・荷物収納スペースの口コミ・評判
ハリアーのラゲッジスペースについてはtwitterでもいろいろな投稿があるのですが、その中からいくつかご紹介しましょう。
ハリアー見にきたけど車体サイズに対して荷室が小さすぎる
— ていよな (@Teiyona) March 26, 2022
こちらの方はハリアーの試乗もしくはチェックに来られたようなのですが、車体サイズに対してラゲッジスペースの小ささが気になったようです。
ハリアーはボディサイズがワイドで存在感があり広々とした車に見えるのですが、それに対して標準ラゲッジスペースは見た目にもそこまで大きくないので残念に感じる方もいらっしゃるでしょう。
Amazonベーシックのソフトキャリー76cmのやつ、80ハリアーのラゲッジに入りました😊ギリギリww
これなら長時間の運転でもぽんず窮屈しないかな。
それからこれ、中で動いても毛が外にほぼ出ない作りになってるから掃除しやすそうなのが良い感じ。エアトラベルキャリーは毛飛びまくるからね。 pic.twitter.com/ESDuYB3pos— ぽんずGP (@PONZU_inu_GP) December 26, 2021
こちらの方はハリアーのラゲッジスペースにいくつものトランクを積み込んでいらっしゃいますが、写真から見る限りかなりギリギリに積み込んであるように見えます。
特にテールゲートとの間がギリギリになっており、デザイン的に斜めに切り立ったテールゲートが使いづらそうな部分です。
総評
トヨタ ハリアーはトヨタのクロスオーバーSUVの中では高級車種となっており、スタイリッシュなボディデザインと質感の高い車内で満足感の高い車です。
ですがその大柄なボディに対してラゲッジスペースは狭めの設計となっており、多くの荷物を積み込んで運ぶような使い方には不便さもあります。
もちろんシートアレンジ次第ではさまざまなシーンに対応できますが、他のクロスオーバーSUVと比較するとラゲッジスペースの狭さが際立ってくるので、積載性を重視する方にはあまりおすすめしません。