日産 フェアレディZは貴重な国産2シーターのスポーツカーで、車好きの人に人気の車種の一つです。
今回はそんなフェアレディZのデザインについてご説明します。
フェアレディZのデザイン
フェアレディZは1969年から現在まで続いている日本を代表するスポーツカーの1車種で、日産自動車唯一の2シータースポーツカーでもあります。
フェアレディZはアメリカやヨーロッパのピュアスポーツカーに対抗するために日産が開発したスポーツカーで、そのコンセプトはファストバックスタイルのクーペボディに2シーターが基本となっています。
途中様々な経緯があったものの現在までそのコンセプトはしっかり受け継がれており、過去の一部の派生グレードが4シーターだったことを除けば2シーターメインの走りに特化したスポーツカーとなっています。
また4代目のZ33は苦境に合った日産が復活する際に登場して大人気となったことから、まさに日産を代表するフラッグシップモデルの1つともなっています。
フェアレディZの現行モデルは2008年に登場したZ34ですが、Z34にはファストバックスタイルのクーペの他にオープンモデルも設定されています。
2シータースポーツカーということでファミリーカー向けではありませんが、出力の大きいエンジンの搭載やFRレイアウト、6MTの設定などピュアスポーツカーの要素を多分に盛り込みスポーツカー好きの方にはたまらない車になっています。
そんなZ34は2022年にフルモデルチェンジを控えていますが、現在はその移行段階にあるため一時的にフェアレディZは販売終了となっています。
今回はそんなZ34のデザインを基本にご紹介しますが、その後に次期型フェアレディZの現在判明しているデザインもご紹介しましょう。
Z34フェアレディZのエクステリアデザイン
Z34フェアレディZは2シータークーペということで独特なエクステリアデザインをしており、まさにスポーツカーという出で立ちです。
まずZ34のフロントマスクデザインですが、非常に特徴的なのはヘッドライトに設けられたブーメランデザインで、これは日産がフェアレディZを皮切りとしてさまざまな車種に展開していったブーメランデザインです。
シャープでスポーティなフォルムになるとともにデザイン上の大きなアクセントともなっており、フェアレディZ34といえばこの顔という印象を与えてくれます。
また全体的なデザインは2シータークーペらしく伝統的なロングノーズショートデッキのスタイルを取っており、ひと目で見てスポーツカーとわかるフォルムです。
またリアにもリアコンビランプにフロント同様のブーメランデザインが盛り込まれ、フェアレディZの一つのスタイルに仕上がっています。
ファストバッククーペということでルーフからリアに向けてなめらかにリアウインドウがつながるフォルムであり、デザイン的にもまた空力的にもメリットのあるフォルムです。
一方でリアバンパーなどは非常にマッシブなフォルムとなっており、左右のタイヤハウスの飛び出しとともに安定感のあるフォルムを作り出しています。
フェアレディZ34の全体的なフォルムはクーペらしい流線型のボディと近代的なスポーツカーの塊感のあるデザインが合体しており、全体的に非常にまとまったスポーツカーという印象です。
Z34フェアレディZのインテリアデザイン
次にフェアレディZ34のインテリアのデザインをご紹介しますが、フェアレディZは2シーターの車なので後部座席などはなく運転席と助手席のみの構成です。
Z34のインテリアにはカラーが2種類あり、スポーツカーらしい派手さを演出しているのがこちらのパーシモンオレンジです。
このインテリアカラーは「Version ST」の特別仕様となっており、インパネやメーター周りはブラックで引き締まっている中にオレンジ色のシートやドア回りにオレンジ色のパネルがあしらわれており、非常に明るくて楽しくなるインテリアカラーになっています。
またインテリアのデザインはセンターに大型のカーナビが設置されていますが、その上には各種情報を表示する3連メーターが設置されておりスポーツカーらしい意匠となっています。
さらに運転席周りはメーター周辺にメッキがあしらわれていたりアルミペダルなどが装備されることで、スポーツカーとしての満足感の高い車になっています。
Version ST以外の仕様ではインテリアカラーはブラックとなりますが、こちらは全体的にブラックで統一されているのでシックで落ち着きのあるインテリアとなります。
シート生地はオレンジインテリアもそうですが本革シートが装着できるのですが、その他にブラックでは特徴的なパターンを持つファブリック生地も選べます。
フェアレディZは2シーターでシートの後ろには車体補強用の金属バーが通っており、車内からもこのバーが見えるので剛性の強いスポーツカーとしてのデザイン的なアクセントになっています。
Z34フェアレディZのボディカラー
次にZ34フェアレディZのボディカラーをご紹介しましょう。
Z34フェアレディZ ボディカラー | プレミアムアルティメットイエロー |
カーマインレッド | |
オーロラフレアブルーパール | |
ブリリアントホワイトパール | |
ブリリアントシルバー | |
ダークメタルグレー | |
ダイヤモンドブラック | |
バイブラントレッド |
フェアレディZのボディカラーには上記の8色が基本的に設定されており、定番カラーであるホワイトパールやダイヤモンドブラック、ブリリアントシルバーなどは乗用車として落ち着いたイメージのカラーとなります。
ですがその他にはスポーツカーらしい原色系のカラーが揃っており、明るいプレミアムアルティメットイエローはこの車のイメージカラーともなっています。
またレッド系はバイブラントレッドとカーマインレッドの2色が用意されているのですが、バイブラントレッドが光沢のあるメタリックカラーであるのに対してカーマインレッドは落ち着いた濃いめのレッドです。
フェアレディZのような2シータースポーツカーでは原色系のカラーも存在感があってよく似合うのですが、人気としては定番カラーが強いです。
次期型フェアレディZのエクステリアデザイン
Z34は2022年に次期型モデルにフルモデルチェンジすることがアナウンスされていますが、このモデルでは異例の先行販売が行われることとなっておりそのデザインが公開されています。
実際の発売日はまだ先のようですが、先行販売の予約期限が2月なので登場までもう少しといったところでしょう。
まず次期型フェアレディZのフロントマスクデザインですが、こちらはZ34から大きなデザインの変更が入っており複雑で小型のヘッドライトが特徴的です。
メインのライトの上下にLED式のデイライトが組み合わされており、新型フェアレディZのアイコン的な意匠となっています。
一方でフロントバンパーの構成はかなり直線基調であり、フロントグリルがほぼ完全な長方形なのはかなり珍しいでしょう。
またボンネットや車体のフォルムはフェアレディZらしい低いフォルムなのはキープコンセプトであり、シンプルさが原点回帰したようなイメージを与えてくれます。
また更に特徴的なフォルムとなっているのは新型フェアレディZのりあデザインで、全体的にシンプルな造形で構成されているもののどこか未来的な感じとレトロな感じを同時に受けるフォルムです。
このテールランプの横長のデザインは以前のZ32の意匠を受け継いだデザインとなっており、LEDで構成されることでよりシャープで魅力的なものとなります。
サイドのフォルムもフェアレディZのコンセプトであるロングノーズ、ショートデッキをしっかり受け継いだデザインになっており、複雑なラインを用いなくても高級感を感じさせるかっこいいデザインです。
またこの先行仕様ではボディカラーに明るいイエローである「イカヅチイエロー」とルーフや各所に設けられた「スーパーブラック」でツートーンカラーとなっており、存在感のあるカラーと引き締まったシックなルーフが特徴です。
このイカヅチイエローは初代フェアレディZに採用されていたイエローをイメージしたカラーとなっており、新型フェアレディZでは各所にこういった先代へのオマージュが盛り込まれています。
次期型フェアレディZのインテリアデザイン
次期型のフェアレディZもこれまで同様に2シーターのインテリアになっていますが、インテリアのデザインについては大きく進化があります。
まずインテリアの中で大きく目を引くのがセンターに配置された非常に大きなディスプレイで、これによってカーナビやオーディオ、各種情報の表示など近年のトレンドに沿ったシステムを搭載しています。
一方でダッシュボードの上にZ34同様の3連メーターは装備されており、スポーツカーとして楽しませてくれるアナログメーターはフェアレディZらしい装備といえます。
またシフトレバーにはMTが用意されていたりインパネの構成が実に特徴的で質感高いものに仕上がっており、高級スポーツカーとしての満足感は十分です。
先行モデルではインテリアカラーはブラックが基調となっていますが、各所にシートカラーのイエローがラインとして入っています。
その次期型フェアレディZのシートはホールド性の高い包み込むようなシートになっており、スポーツカーとして重要なシートでの体の支えがしっかりあるようです。
またデザインもブラックのシートの脇にボディカラー同様のイエローのラインが入り、ドアを開けて乗り込むときにボディカラーと合ったこのラインが実に存在感があります。
2シーターなので全体的に引き締まったコクピットになっており、ピュアスポーツカーとしてのフェアレディZは次期型でもしっかり継承されているようですね。
なお次期型フェアレディZは先行販売が現在行われている段階であり、本発売は2022年の後半とアナウンスされています。
フェアレディZは人気か?
フェアレディZは日産を代表する車種の一つとして日本のみならず北米でもよく知られている車ですが、スポーツカーとして魅力的な車なので国産スポーツカーとしては人気があります。
ですが販売台数としてみると決して大きな台数ではなく、台数的には不人気車種といえるボリュームです。
Z34フェアレディZは2008年に登場してから生産終了となった2022年までじつに12年間に渡って販売されていた車で、Z34も発売当初には月間計画台数の2倍の受注を受けて好調でした。
ただし月間計画台数といってもフェアレディZの場合には500台となっており、その2倍といっても月に1,000台なので乗用車としてみればかなり少ない台数といえます。
国内では年間でも数千台いけば良い方であり台数的には少ないのですが、これはフェアレディZの特殊なコンセプトがその理由です。
しかしフェアレディZは国内よりも北米市場での販売台数が多い車種でもあり、北米市場では年間10,000台〜20,000台規模の車種となっています。
その結果12年間で全体で120,000台を売り上げるスポーツカーとなっていますが、この販売台数は歴代のフェアレディZの中で最も少ない台数となっています。
現在の国内や世界の市場では以前よりフェアレディZのようなスポーツカーの需要は少なくその代わりにSUVなどが台頭しており、そういった中でのZ34の販売台数はむしろ健闘しているといってもよいでしょう。
フェアレディZの評判
フェアレディZのデザインについてはTwitterにさまざまな投稿があり、その中からいくつかご紹介しましょう。
明日は新型フェアレディZ(Z35)の概要発表日
どんなクルマなのか?
今から情報が楽しみ
心の底から買いたい!
そう衝動的に思わせてくれる魅力あるデザインとパッケージであって欲しいby Z34のデザインに惚れてZオーナーになったくまさん pic.twitter.com/UFVXkaTQcA
— BlueBell🔔藍鈴 (@Bluebell636) September 15, 2020
こちらの方はZ34フェアレディZに乗っていらっしゃる方で、Z34のデザインやパッケージングに惚れ込んで購入されたそうです。
次期型の新型フェアレディZについてもかなり期待をされており、フェアレディZオーナーさんには待ちきれない瞬間でしょう。
インテグラタイプRに対抗してフェアレディZ34のメーター類。
レトロ系デザインのなか、マニュアルには珍しいシフトポジション表示が特徴(^.^) pic.twitter.com/VhUVTUbixL— Rui (@Lunalight_L) September 14, 2015
こちらの方はフェアレディZのメーター回りについて紹介していらっしゃいますが、デザインは全体的にレトロな雰囲気がありつつ新しさもあるものになっていますね。
こういった複雑なデザインは普通の乗用車では避けられがちなのですが、2シータースポーツカーという走りに特化したフェアレディZだからこそこういったデザインが似合うのです。
新型フェアレディZ
歴代の様々なフェアレディZのスタイルを取り入れたデザインが魅力的
日産グローバル本社ギャラリーにて展示。オートサロンには行ってないので見れてラッキー pic.twitter.com/vKG1rkJXfR— highway1990S (@STkazu4100) January 22, 2022
次期型の新型フェアレディZは横浜にある日産自動車本社でも展示されているそうで、発売の前にこれほどしっかりと新型車が見れるのはかなり珍しいことです。
写真で見ても分かるとおりのびのびとしたスポーツカーらしい車に仕上がっているので、車好きの方は一度見に行くのも良いかもしれませんね。
フェアレディZの欠点
フェアレディZは日産唯一の2シータースポーツカーとして伝統と車の走りの楽しさを伝えてくれるかなり貴重な1車種です。
一方でそのスポーツカーに特化したコンセプトはデザイン面で次のような欠点も持っており、普段使いの車として不便な部分があるのも事実です。
2人しか乗れずファミリーカーにならない
フェアレディZは2人乗りのかっこいいスタイルを持つスポーツカーですが、そのレイアウトはファミリーカーとしてみると不便なことが多いです。
一般的な乗用車ではシートは2列5人乗りが標準的なレイアウトで、多くの乗用車は1台あればファミリーカーとして実用的な車となります。
もちろん車内の広さやシートの居住性などは車種によってまちまちですが、それに対してフェアレディZの2人乗りというレイアウトは車としての乗車定員はほぼ最少人数です。
スポーツカーとしては乗員が少なく軽量なほうが走行性能は高くできますし、また昔からのスタイルとしてピュアスポーツカーは2シーターという伝統もあるのでフェアレディZの魅力の一つではあります。
ですが2シーターの車ではファミリーカーとして大人数を乗せたりすることが不可能であり、1人でも子供さんがいる家族などでは家族で出かけられません。
フェアレディZは新車の価格的にはそこそこ高い年齢の方がターゲットなのですが、それらの家庭ではフェアレディZ1台では普段使いには不便なため、実際にはフェアレディZのほかにもう1台車がなければとても運用できないでしょう。
一人暮らしの方ならばフェアレディZ1台でもなんとか運用できるのですが、結婚を期に手放す方も少なくないのはこういった理由からです。
またファミリー層の方がフェアレディZを欲しいと思っても、2シーターというところで家族の了承が得られないこともありますね。
ラゲッジスペースのサイズが小さめ
フェアレディZは2シーターで多人数が乗れないこととともに荷室のサイズもあまり大きくなく、大きな荷物を積み込む際に不便なことがあります。
フェアレディZはファストバックスタイルのクーペなので車の後部はルーフからリアまでなめらかにつながっており、その内側の部分がラゲッジスペースとなっています。
ファストバックスタイルなのでラゲッジスペースは車室内とつながっており、フェアレディZのレイアウトではシートの後ろのスペースがすべてラゲッジスペースになっています。
ですがこのスペースは一般的な乗用車と比べると小さめであり、特に高さ方向で狭めなので背の高い荷物は乗せにくいです。
またフェアレディZのシートの後ろには前述でご紹介した車体補強のタワーバーが装備されているのですが、タワーバーがある分ラゲッジスペースの大きさも小さくなっています。
ちょっとした買い物の荷物や大きな荷物でもゴルフバッグ1個ぐらいなら乗るのですが、横倒しにして高さを減らす形でなければ乗りません。
このあたりはクーペスタイルを形作るために仕方ない部分なのですが、前述の2シーターの欠点と合わせてこのラゲッジスペースはファミリーカーとして不便な点です。
シートのリクライニングができない
フェアレディZのレイアウトで意外と不便な点がシートのリクライニングが不可能な点で、これも2シーターレイアウトでは伝統的にしかたない部分ではあります。
2シーターのスポーツカーはなにより車の走りに特化した特別な車であり、それ以外の要素は省くことで純粋なスポーツカーとしての魅力が高まる点はあります。
しかしそれと引き換えに車の快適性は様々な部分で犠牲にもなっており、特にシートを後ろに倒してリクライニングして休憩するなどの使い方ができません。
フェアレディZはファストバックスタイルでシートの後部にスペースはあるのですが、前述の補強用のタワーバーが邪魔しておりリクライニングができません。
もちろんフェアレディZはピュアスポーツカーなのでリクライニングなど不要という声が多いのは確かなのですが、実際に運転しているときで長距離移動の際などにはリクライニングが欲しくなったりもするものです。
特にドライバーならばともかく一緒に乗っているだけの同乗者には不便なこと以外ありませんので、二人での長距離旅行やドライブなどの際に2シーターの車はかなり微妙なのです。
以前はこういったニーズのためにフェアレディZにも4シーターのモデルなどもありましたが、近年のZ33、Z34などは2シーターのみです。
フェアレディZの値段
最後にフェアレディZの価格についてご紹介しますが、今回はZ34型フェアレディZおよび現在発表されている次期型フェアレディZの先行販売モデルについて新車価格をご紹介します。
また中古車価格としてはZ34 フェアレディZの中古車価格を大手中古車情報サイトであるカーセンサーおよびgoo-netから調べました。
フェアレディZ | 新車価格 | 中古車本体価格相場 | |
フェアレディZ Z34 | 3,450,000円〜6,510,000円 | カーセンサー | 990,000円〜6,000,000円 |
goo-net | 898,000円〜7,890,000円 | ||
次期型フェアレディZ 先行販売バージョン | 6,960,000円 | カーセンサー | 中古車なし |
goo-net | 中古車なし |
Z34 フェアレディZは新車価格は3,500,000円程度〜6,500,000円とかなり価格帯の幅が広く、最高価格はフェアレディZ の最上級モデルで特別なスポーツモデルとなっています。
乗用車としてはかなり高めの価格設定になっていますが、フェアレディZはそもそもプレミアムなピュアスポーツカーなのでたくさん販売する車ではなく、このぐらいの価格設定は一般的です。
ですがZ34 フェアレディZは中古車として12年間の車が市場にあるため価格はかなり下がってきており、初期型は1,000,000円を切るなどかなり手に入れやすい価格です。
次期型が発表されてZ34 フェアレディZの中古車価格は下がり気味になっているので、今後どんどん手に入れやすくなるスポーツカーになるでしょう。
一方で次期型のフェアレディZは現在先行販売車の予約受付を行っており、そこで提示されている価格は6,960,000円とほぼ7,000,000円まで高くなっています。
ですがこの先行販売車は次期型フェアレディZの中の最上級グレードという位置づけということなので、本発売が始まればもっと安価な下のグレードも設定されるでしょう。
ですが同じ最上級グレードで500,000円ぐらい高くなっていることを考えると、次期型フェアレディZは最廉価モデルでも4,000,000円に近い価格になるのではないでしょうか。