日産 NV200は商用車ベースのパネルバンで、乗用モデルも展開されたミニバン的な要素もある車です。
今回はNV200のラゲッジスペースについてご紹介します。
NV200の荷室・トランクの容量・寸法
日産 NV200は日産の商用車シリーズであるNVシリーズの1台で、扱いやすいサイズ感の中型バンとなります。
NVシリーズには軽自動車や中大型バンなどさまざまなバリエーションがありますが、NV200はその中でも中間的なサイズ感の車であり、5ナンバーサイズの比較的扱いやすいサイズ感が特徴です。
一方でボディデザインは直線基調のスクエアボディなのでスペース効率が良く、商用車としての高い積載性を発揮して商店などにもってこいの車です。
商用モデルには2人乗りや5人乗りなどいくつかバリエーションがありますが、さらには乗用モデルとして7人乗りが可能なミニバン的なモデルもありファミリーカーとしても活用できる車となっています。
ではこのNV200の大まかなサイズ感とラゲッジスペースの広さやサイズについてご紹介しましょう。
スペック | NV200 | |
乗車定員 | 2名、5名、7名 | |
全長 | 4,400mm〜4,410mm | |
全幅 | 1,695mm | |
全高 | 1,855mm〜1,885mm | |
室内長 | 2名乗り:約900mm 5名乗り:約1,700mm 7名乗り:約2,400mm | |
室内幅 | 約1,500mm | |
室内高 | 約1300mm | |
ラゲッジルーム | 高さ | 1,315mm |
幅 | 1,220mm(タイヤハウス間)〜1,500mm(ラゲッジトリム間) | |
奥行き | 〈5人乗り仕様〉 ・セカンドシート展開時 1,025mm(セカンドシート後端〜テールゲート)〜1,156mm(セカンドシート後端床面長) ・セカンドシート収納時 1,581mm(収納時セカンドシート後端床面長)〜1,900mm (フロントシート後端〜テールゲート) 〈7人乗り仕様〉 ・サードシート展開時451mm(セカンドシート後端床面長) ・セカンドシート展開時 1,108mm(セカンドシート後端床面長) ・セカンドシート収納時 1,536mm(収納時セカンドシート後端床面長) 〈2人乗り仕様〉 1,900mm(フロントシート後端〜テールゲート)〜2,040mm (フロントシート後端床面長) | |
ラゲッジ容量 | 〈セカンドシート収納時〉 約3,500L〜4,000L | |
運転席寸法 | 高さ | 約1,300mm |
幅 | 475mm | |
奥行き | 約900mm | |
助手席寸法 | 高さ | 約1,300mm |
幅 | 475mm | |
奥行き | 約900mm | |
2列目寸法 | 高さ | 約1,300mm |
幅 | 約1,300mm | |
奥行き | 約800mm | |
3列目寸法 | 高さ | 約1,300mm |
幅 | 565mm×2 | |
奥行き | 約700mm |
NV200は外観サイズが中型車のスタンダート的なサイズを持っており、全長は中型セダン並みの4,400mm前後に全幅が5ナンバーサイズの1,695mmとなっていますので、車として取り回しのしやすいサイズ感になっています。
一方で全高はしっかり1,855mm〜1,885mmぐらいと高いものとなっていますので、車内スペースは広々としており室内高の高さは解放感のあるサイズです。
車内レイアウトについては2人乗り、5人乗り、7人乗りそれぞれでシートが1列ずつ増えており、それに伴ってラゲッジスペースのサイズも変化しています。
なお同じ5人乗りモデルでも商用モデルと乗用モデルではシートの質感やクッション性などに違いがあり、商用モデルはあくまでコストパフォーマンスを重視したモデルになっています。
NV200のラゲッジスペースのサイズは商用車なのでかなり広々としたサイズがあり、もっともラゲッジスペースが広い2人乗りモデルでは4,000Lものラゲッジスペース容量が活用できます。
ここからシートが増えていくごとにラゲッジスペースのサイズが変化していきますが、5人乗りモデルでも奥行きが1,000mm以上利用できるのでかなり広々としたスペースがあります。
ラゲッジスペースの横幅や高さも中型車のほぼ最大級の広さがあり、直線基調のデザインによって四角いラゲッジスペースとなっているので多くの荷物を積み込みやすくなっています。
ではNV200のラゲッジスペースについて詳しくご紹介していきます。
NV200の荷室・トランク・荷物収納スペースの良い点
まずNV200のラゲッジスペースに関して良い点をいくつかご紹介していきましょう。
シート展開時でも広々としたラゲッジスペース
NV200のラゲッジスペースについてはやはり広々としたラゲッジスペースが特徴であり、シートを展開した状態でも十分に便利です。
NV200はハッチバックタイプのバンなのでラゲッジスペースは基本的に車内でまとまっており、シートの後ろからテールゲートまでの間のスペースがラゲッジスペースになります。
NV200は2人乗りから7人乗りまで仕様がありますが、2人乗りモデルはラゲッジスペースの奥行きが2,000mm前後あり、中型バンとして最大級のラゲッジ容量を活用できます。
セカンドシートのある5人乗りモデルは最も標準的なモデルとなりますが、セカンドシートがあっても奥行きは広めのラゲッジスペースなのでこのままでも商用車として十分な容積があります。
7人乗りモデルではサードシートまでシートがあるのでその際のラゲッジスペースはあまり広くありませんが、コイ雨術するシートアレンジでしっかりしたスペースが確保できます。
5人乗りモデルではセカンドシートが展開された状態でも大きな荷物が十分に積み込めるスペースがあり、ダンボールなどであれば100個前後を載せられるスペースがあります。
また大型のスーツケースやゴルフバッグのような大きなサイズのものは横積みしたり上下に立てるような積み込み方をすれば複数個を載せることができ、ファミリーカーとしての使い方も出来ます。
7人乗りモデルではサードシートまで展開するとラゲッジスペースの奥行きが400mm程度でちょっと狭めですが、それでも普段使いの買物の荷物ぐらいならしっかり積み込めるでしょう。
2人乗りモデルは座席が少ないので乗用車にはあまり向きませんが、商用車としてはかなり便利です。
積載性としてはA4コピー紙相当のダンボール換算で180個〜200個もの数が積み込めるスペースがあり、ダンボール以外でもさまざまな荷物をしっかり積み込めるサイズがあります。
シートアレンジで広がる圧倒的なスペース
NV200のラゲッジスペースはシートアレンジでも色々な変化をさせることができ、5人乗りモデルおよび7人乗りモデルで活用できます。
NV200のラゲッジスペースは2人乗りモデルが最も広いスペースが活用できるのですが、座席がないことで貨物用途以外には使いづらい点があります。
その点5人乗りモデルや7人乗りモデルは大人数で移動できるので乗用車的な使い方が出来る一方で、ラゲッジスペース自体は狭くなります。
そこで5人乗りモデルや7人乗りモデルはシートを格納することでラゲッジスペースを拡大する機能があり、2人乗りモデルのラゲッジスペース容量に近い大容量のスペースが利用できるようになります。
7人乗りモデルのサードシートはミニバンのようにシートを左右に跳ね上げ式で格納するタイプとなっており、収納後にはラゲッジスペースの奥行きはほぼ5人乗りモデルと同様のサイズになります。
また5人乗りモデル、7人乗りモデルともにセカンドシートがありますが、セカンドシートはシート自体を前側に跳ね上げる形で収納するシートアレンジが可能です。
シートがコンパクトに折り畳めるのでその分ラゲッジスペースを広く確保することができ、一般的な乗用車よりもシートアレンジが優秀です。
折りたたんだシートの上にも荷物を載せるような使い方も出来るので長い荷物もいっぱい積み込めます。
さらにNV200の乗用モデルでは左右分割式のセカンドシートになっているので、片方を座席として残しながら片方をラゲッジスペースにできるので、さまざまなシーンに対応できるようになっています。
加えて助手席側のシートも後ろにリクライニングすると前後に長いラゲッジスペースを出現させることができ、3,000mm以上の長い荷物を積み込める点が便利です。
これだけシートアレンジが組み換えできれば乗員が乗るシーンと荷物を積み込むシーンでフレキシブルに調整でき、商用車としても乗用車としても便利です。
商用ベースのスペース効率優先の車内
NV200のラゲッジスペースは商用のために余計な装飾などはなく、スペース効率が優先されたものとなっています。
一般的な乗用車でもラゲッジスペースを広くするためにいろいろな工夫がなされていますが、それでも乗用車としての質感や居住性の高さを確保するためにさまざまな機能や装備が各所にあり、それによってラゲッジスペースはどうしても狭くなったりします。
しかしNV200の車内は装飾はほとんどなく、シンプルなサイドのトリム部分や凹凸の少ないデザインなどスクエアデザインのボディを最大限活用するものとなっています。
NV200には乗用モデルがありシートの質感などは高めになっているものの、内装などはほぼ変わらないので高級感などはありませんが広々とした室内が活用できます。
さらにはラゲッジスペースの左右に張り出しているタイヤ薄にも工夫があるのですが、一般的な車ではタイヤハウスはタイヤにあわせた半円形のものとなっています。
そこをNV200ではタイヤハウス上面をフラットな形状することで物が安定しておけるようになっており、この部分にボードを渡すことでラゲッジスペースを2段に分けることができます。タイヤハウスの形状にまで工夫が施されているのがさすが商用ベースの車といえるでしょう。
荷物の積み込みがしやすいサイズ感
NV200は各所がラゲッジスペースの使い勝手の良い設計がされていますが、積み込みのしやすさも考慮されています。
まずNV200のラゲッジルームは後部のテールゲートの開口部が広く、上下および左右に車の外観サイズギリギリで開口部が確保されていますのでかなり大きな物も楽に積み込めます。
NV200はテールランプのデザインなども開口部を邪魔しないようになっており、荷物の積載性が最優先となっています。
またテールゲート自体の開閉角度もほぼ水平まで開くほど大きな角度が取れており、作業する人が体勢を屈まなくても楽に荷物を積み込めます。
またNV200のラゲッジスペースは床面が地上から520mmの位置にあり、結構低い位置なので荷物をの積み込みの際に楽になります。
大きな荷物や重量物などを積み込むときにかなり有利であり、場合によっては荷物を持ったまま車内に乗り込むような作業も出来るでしょう。
NV200はラゲッジスペースの床面がフラットになっていますので重たいものを積み込むときに最低地上高が低いのはかなり楽であり、一度載せてしまえばそのまま前後にスライドできるのでスムーズな積み込みが出来るでしょう。
商用車だけでなく趣味の車としても便利な1台
NV200は基本的には商用車として運用される車ですが、乗用車や趣味の車としても使える車です。
NV200は商用モデルとして設計されていてラゲッジスペースの広さだけでなく、車内の装備などが簡便になっていてコストパフォーマンスに優れた車となります。
ですが5人乗りモデルや7人乗りモデルなど乗用モデルのNV200もラインナップされており、シートの質感や各種装備が高めてあります。
ですがラゲッジスペースの広さはどちらもほぼ変わりませんので、商用車として荷物を運ぶ車としてだけでなく、乗用車としてミニバン的な運用や広いラゲッジスペースを活かして趣味の車として利用する方もいらっしゃいます。
NV200のラゲッジスペースの広さがあれば週末にキャンプやアウトドアに行くときに積載性をフルに発揮でき、テントなどの大きなキャンプ用品やサーフボードなどの大型のレジャー用品を積み込むためのスペースは十分です。
またラゲッジスペースの床面がフラットになっていますし上下の高さも広いので、自転車やマウンテンバイク、オートバイなども立てたまま十分載せられる広さがあります。
ラゲッジスペースの床面の最低地上高が低いのでこういった荷物の積み込みもしやすく、普通のミニバン以上の積載性を求める方におすすめです。
なおもちろん日常の買物などに対してもNV200の積載性があれば十分すぎるほどですし、乗車人数が7人まで可能という点もいろいろな使い方が出来ます。
カスタムカーのベースとしても優秀
NV200は前述したように趣味の車として便利な車なのですが、さらに踏み込んでカスタムカーのベースカーとしても利用できます。
NV200はラゲッジスペースが広いとともに余計なものがないシンプルな構成をしていますが、カスタムカーを制作する際に邪魔なものが少ないので手が付けやすい車となります。
カスタムカーにはキャンピングカーやバイク輸送用のトランポ、仕事用の作業車などさまざまな方向性があり、それにあわせた機材や内装を装備しますので余計な凹凸が少ないラゲッジスペースは使いやすいのです。
またNV200にはシートが元々フロントシートしか無い2人乗りもありますので、シートが必要ないカスタムの場合はこちらをベースに出来るのも便利です。
車のカスタマイズには基本的には専門業者に依頼したり、またはカスタマイズ済みの車を購入したりするのですが、中には個人でカスタマイズする方もいらっしゃいます。
そういった方にとってもNV200のシンプルなラゲッジスペースはかなり便利であり、余計なものの取り外しや最低限の改造でカスタマイズ可能なので便利です。
こういったメリットもあるので別の乗用車のミニバンなどをベースにするよりもNV200のほうがメリットがあり、遊びの車を作り上げるには適しています。
さまざまなラゲッジスペース向けオプション装備
NV200はラゲッジスペースの使い勝手を考慮して設計された車ですが、ラゲッジスペース周りの装備もラゲッジスペースに関したものが多く用意されています。
まず標準的な装備としてはセカンドシート後ろのラゲッジルームの左右に「ユーティリティナット」という装備があり、車体に埋め込み式のナットがありますのでこれを利用してさまざまな装備を固定できます。
ユーティリティナットは片側で真ん中と天井付近に5箇所ありますので、全部で10箇所が設定されています。
またこれとは別に床面に「ロープフック」というフックが4箇所設けられており、これを活用して荷物を縛ったり固定に活用できます。
加えてラゲッジスペースの天井にはランプが装備されていて夜間には便利ですし、左右の壁面に小物入れとなるラゲッジサイドボックスなども設定でき、使い勝手の良い装備が揃っています。
またNV200にはさまざまなオプション装備があるのですが、ユーティリティナットを利用して固定出来る棚になる「システムバー」や、ロープを巻き取って固定できる「ユーティリティフック」などもあります。
ロープフックを利用したオプションとしてはマルチラゲッジネットもあり、こちらを使えばすばやく荷物を固定できて便利です。
さらに商用車らしい装備としてラゲッジスペースの床面に防水性をあたえるシートの「ラゲッジフロアプロテクター」や、前席とラゲッジスペースを分ける仕切りカーテンなども用意されているので用途に合わせてオプション装備が便利です。
NV200の荷室・トランク・荷物収納スペースの悪い点
NV200のラゲッジスペースはかなり利便性の高い車となりますが、次の点は少し残念な部分です。
7人乗りモデルは跳ね上げ式シートが邪魔になる場合がある
NV200は基本的にラゲッジスペースの利便性で不便すぎるような点はないのですが、7人乗りモデルのみで不便な点があります。
NV200の7人乗りモデルではセカンドシートの後ろにサードシートがあるのですが、このサードシートはシートアレンジの際に左右に跳ね上げる形で収納されます。
それによってラゲッジスペースの床面にはシートが無くなるので前後に広いラゲッジスペースが確保できるのですが、その上側には折りたたんで跳ね上げたシートが残っています。
そのため上下に積み上げるような荷物や幅をとって高さもある自転車のようなものを積み込むときに、この跳ね上げたシートがぶつかって邪魔になってしまうことがあります。
乗用車のミニバンなどでも同様の跳ね上げ式シートはあるのですが、やはり同様に荷物積み込みの邪魔になることがあります。
特にNV200ではセカンドシート部分も大きなラゲッジスペースにできるのですが、サードシートの部分で障害があると全体的な使い勝手が低下してしまいます。
もちろんNV200にはサードシートのない2人乗りや5人乗りモデルもあるので、サードシートが必要ない方はこの問題に対応できるのですが、乗用車として7人乗りモデルを選んだ方はシーンによっては不便さを感じることがあるでしょう。
NV200の荷室・トランク・荷物収納スペースの口コミ・評判
NV200のラゲッジスペースについてはtwitterでもいろいろな投稿があるのですが、その中から次のような投稿をご紹介しましょう。
NV200ここが良い
・貨物用の設計なので広い
・テンロクでも快速
・実燃費12.5km/Lくらい
・車重1.3㌧以下
・余裕の最大積載量600㌔
・14インチのホイルが履ける
・この車格で唯一MTが選べる(DXNV200ここがだめ
・イマドキ4穴PCD114.3
・テンロク— 河合建人@KDX67VマークII・EFシビック製作中 (@bacchigoo) July 26, 2017
こちらの方はNV200を乗用車として活用されているようなのですが、さまざまな点で魅力を感じておられます。
その中でもやはりラゲッジスペースの広さや積載量の多さが魅力なようで、加えてしっかり走る車としての性能にも満足されているようですね。
こんなにトランポしやすいバイクは無いよ。
ミラーもそのままで天井余裕。軽いし。またNV200がFFだから荷室の床が低くて楽。CBみたいな重量車もエンジンかけずに乗せれる。 pic.twitter.com/CpmrlNSpSj
— よっち (@GKYVf43zvCO85rP) November 8, 2021
こちらの方はNV200をオートバイを積み込むトランポにされていますが、トランポのベース車としてもかなり魅力的な車のようです。
特別な改造がなくてもオートバイを真っ直ぐ積み込めるし、床面が低いので重たいバイクでも手動で積み込めるのが良いようですね。
総評
日産 NV200は商用車のバンとして高い積載性を発揮する車で、乗用車としてもミニバンのような使い方も出来るので幅広い層に人気の車種です。
特にラゲッジスペースの広さや使い勝手の良さはさすがに商用車といったところであり、一般的な乗用車よりもかなり使い勝手は変わってきます。
さらにNV200は商用車なので価格も低めに抑えられており、趣味の車としてもコストパフォーマンスに優れた車といえるでしょう。