日産 キックスはコンパクトサイズのクロスオーバーSUVで、力強いデザインが特徴です。
今回はキックスのラゲッジスペースについてご紹介します。
キックスの荷室・トランクの容量・寸法
日産 キックスはコンパクトカーをベースにしたクロスオーバーSUVで、現行モデルで2代目となります。
キックスは最初のモデルは軽自動車として登場した車種で、初代モデルは三菱の軽自動車SUVのOEM車でした。
しかし2016年に登場した2代目キックスは完全なオリジナル車種となっており、軽自動車からサイズアップしてコンパクトカーベースの普通車のクロスオーバーSUVとなりました。
SUVの中では小さなサイズの車ですが、デザインはSUVらしい力強いフロントマスクを持っており存在感のある車です。
ではまずキックスのおおまかなサイズ感とラゲッジスペースのサイズや容量についてご紹介します。
スペック | キックス | |
乗車定員 | 5名 | |
全長 | 4,290mm | |
全幅 | 1,760mm | |
全高 | 1,605mm | |
室内長 | 1,920mm | |
室内幅 | 1,420mm | |
室内高 | 1,250mm | |
ラゲッジルーム | 高さ | 2WD:927mm 4WD:737mm |
幅 | 990mm(タイヤハウス間)〜1,265mm(ラゲッジスペース後部サイドトリム間) | |
奥行き | セカンドシート展開時:900mm セカンドシート収納時:1,860mm | |
ラゲッジ容量 | セカンドシート展開時 2WD:423L 4WD:276L | |
運転席寸法 | 高さ | 約1,100mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約900mm | |
助手席寸法 | 高さ | 約1,100mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約900mm | |
後席寸法 | 高さ | 約1,100mm |
幅 | 約1,200mm | |
奥行き | 約900mm |
日産 キックスはコンパクトカークラスの扱いやすいサイズ感が特徴の車で、全長が4,300mm弱と短めのサイズです。
全幅はSUVらしく多少ワイドなサイズではありますが、まだまだSUVとしては小さめであり扱い易さが十分にあります。
全高もSUVにしては控えめでありどちらかというとコンパクトハッチバックカーに近い車種といえるでしょう。
車内スペースに関してはコンパクトカーの標準的なサイズ感ではありますが、最近は足下空間が広々としたコンパクトカーも増えてきている中でキックスは控え目なサイズ感です。
しかしその分キックスはラゲッジスペースの奥行きに定評があり、セカンドシートからテールゲートまでの間の標準ラゲッジスペースの奥行きが900mmあります。
キックスと同クラスのSUVやコンパクトカーではもっと短めのサイズが標準なので、キックスは座席の空間が控え目な分ラゲッジスペースを確保しているレイアウトです。
ラゲッジスペースの室内幅はコンパクトカーの標準的なサイズ感で、SUVらしい大きなタイヤが収まったタイヤハウス感は結構狭めです。
またキックスには2WDと4WD仕様があるのですが、4WD仕様ではラゲッジスペースの下にいろいろな機器が収まることで標準ラゲッジスペースの床面が上がっています。
このことにより標準ラゲッジスペースの容量が2WDと4WDで大きく違っており、どちらかを選ぶ際の注目点の一つになるでしょう。
ではキックスのラゲッジスペースについて詳しくご紹介します。
キックスの荷室・トランク・荷物収納スペースの良い点
まずはキックスのラゲッジスペースについて便利な点をご紹介しましょう。
2WDではクラストップレベルの標準ラゲッジスペースサイズ
キックスのラゲッジスペースは2WD仕様が広いスペースが活用できるのですが、容量については同クラスのクロスオーバーSUVの中ではかなり大きなサイズが確保されています。
キックスの2WD仕様ではラゲッジスペースの床面から添乗までの高さが900mm程度となっていますが、ラゲッジスペースの奥行きや狭い箇所の幅などを見るとほぼ正方形のようなラゲッジスペースとなっています。
その容量はセカンドシートが展開された状態でも423L確保されており、キックスクラスのコンパクトクロスオーバーSUVの中では競合車よりも広めの容量となっています。
ラゲッジスペース全体の広さもありますし奥行きも十分にありますので、普段の買物には十分便利に使えるラゲッジスペースとなっています。
またキックスの標準ラゲッジスペースではその広さを活かしてゴルフバッグも大型のものが搭載でき、横方向に積込むことで大型ゴルフバッグを2つ〜3つぐらいまでなら十分に積み込めます。
スーツケースについても大型のものを2つぐらいまでは積み込めますので旅行やレジャーにもしっかり活用できるラゲッジスペースの広さがあり、コンパクトカー以上の働きが出来るでしょう。
ベビーカーや車いすなど背の高いものを積み込むときには製品の形状次第とはなるものの、ある程度低いものであれば立てたままでも積み込むことは可能でしょう。もし出来なくても横倒しにすれば十分キックスの標準ラゲッジスペースに収まります。
コンパクトクロスオーバーSUVは小さなサイズとSUVらしいデザインを両立するために車内スペースなどが犠牲になる場合が少なくなく、ラゲッジスペースも結構狭い車があります。
ですがキックスは結構デザイン重視のクロスオーバーSUVではありますが、車内スペースの確保にもしっかり配慮されたデザインとなっているためこれだけのラゲッジスペースが活用できるのです。
シートアレンジ後は奥行きのあるラゲッジスペース
キックスのラゲッジスペースはシートアレンジによってよりサイズを広げることができ、使い勝手は良いものとなっています。
キックスはセカンドシートを展開した状態でも十分に広いラゲッジスペースを活用できますが、セカンドシートを収納するシートアレンジを駆使すればよりラゲッジルームの拡大が出来ます。
キックスのセカンドシートは背もたれ部分を前側に折りたたんで収納するタイプとなっており、収納すればフロントシートの背面からテールゲートまでの間のスペースをラゲッジスペースに出来ます。
その奥行きはおよそ1,800mmぐらいはあり、かなり長い荷物でも真っ直ぐに積込むことができます。
シートアレンジ後のラゲッジスペースであればゴルフバッグやスーツケースなどももっと多く積み込めますが、シートを収納した分乗車人数が少なくなっているため最大限まで広げる必要があまりないかもしれません。
そのときにはセカンドシートの6:4分割機能を活用して左右どちらかの背もたれのみを収納するようにすると、片側を座席として利用することで乗車人数をある程度保てます。
キックスは全体的な印象として小さな車ではあるのですが、車内スペースは広くてシートアレンジ後のラゲッジスペースであればかなり大量の荷物を一度に運べるでしょう。
使いやすいトノボードが標準装備
キックスのラゲッジスペースには標準装備としてトノボードという装備がそなわっており、こちらをうまく活用すると良いでしょう。
トノボードはラゲッジスペースの目隠しをするための装備で、標準ラゲッジスペースの上側を全体的に覆うボードとなっていてリアウインドウから覗き込んでもラゲッジスペースが見えないようになります。
コンパクトカーなどではトノカバーはオプション装備となっていることが多いのですが、キックスでは標準装備なので値段などを気兼ねすること無く活用できます。
トノボードがあれば防犯上も有利ですし、またラゲッジスペースに差し込む日差しをある程度防ぐ効果などもあります。
またとのボードの上面はある程度の耐荷重性はありますので、軽いものであればトノボードの上下に分ける形で色々な積み込み方ができます。
大きな荷物を積み込むときにはトノボードがぶつかって邪魔な場合があるのですが、キックスのトノボードは取り外しも可能となっているのですぐに対応できるでしょう。
取り外したトノボードは車内に積んだままにして置けるので邪魔になることもなく、荷物を運び終わった後もすぐに装着状態に戻すことができるでしょう。
キャンプやアウトドアには結構使える容量
キックスはSUV的なテイストをしっかり持つ車ですが、SUVらしくキャンプやアウトドアにきちんと使える車です。
キックスはデザイン的にはしっかり力強いデザインのSUVですが、車の性能的には一般道走行がメインでオフロードにはそこまで強くありません。
ですがラゲッジスペースの広さが広いのでたくさんの荷物を積み込むような使い方はしっかり出来る車で、コンパクトカークラスでキャンプやアウトドアをするには良い車です。
セカンドシートを展開した状態の標準ラゲッジスペースでもある程度キャンプ用品などを積み込むサイズはありますが、シートアレンジを活用してラゲッジスペースを広げれば乗車人数と荷物の量で調整できてかなり便利です。
またキャンプやアウトドアではラゲッジスペースの防水性が気になることもあるのですが、キックスの標準装備ではラゲッジスペースの床面などはカーペット生地なので泥汚れや水濡れにはあまり強くありません。
ですがキックスにはオプション装備として「防水ラゲッジシート」という装備があり、これを標準ラゲッジスペースに敷くことで防水性が確保できます。
シートアレンジ後のシート上スペースまでは覆えないものの防水ラゲッジシートを取り外して掃除が出来るので、意外と使い勝手の良い装備となっています。
加えてキックスにはラゲッジスペースにLED式のラゲッジランプが装備されており、荷物の積み下ろしの際に便利な機能です。
LED式なので明るさも強く、夜間などにも頼もしい装備です。
キックスの荷室・トランク・荷物収納スペースの悪い点
キックスのラゲッジスペースは全体的に使い勝手はよいサイズがあるのですが、次のような点で不便な部分もあります。
4WD仕様のラゲッジスペースが狭い
まずキックスのラゲッジスペースで不便に感じることが多いのが4WD仕様で、2WD仕様よりも狭いラゲッジ床面が影響しています。
キックスの4WDは後から追加されたモデルで、キックスのマイナーチェンジでハイブリッドモデルである「e-power」の仕様変更に伴って追加されました。
キックスの4WDシステムは「e-POWER 4WD」という仕様で、後輪側をモーターでの完全な電器駆動することによって四輪駆動を実現しています。
そのため4WD仕様の後輪側には電動走行用のコンポーネントが追加されており、これによってラゲッジスペース下部に機器が増えたことでラゲッジスペース上下方向の高さが200mm程度少なくなっています。これによってラゲッジスペースの容量もかなり減少しており、積載性がかなり減っています。
4WD仕様の276Lというラゲッジスペース容量はコンパクトカーと比べても小さめのサイズであり、普段使いの荷物ぐらいであれば積み込めるものの2WD仕様のような広々とした積載性はありません。
シートアレンジ後であっても高さ方向の狭さは変わらないので、積載性を重視する方には2WD仕様がおすすめです。
一方で4WD仕様では標準ラゲッジスペースの床面が上がったことでシートアレンジ後にフルフラットに近いスペースを作れるようになっており、2WDとは少し違う使い方も出来るでしょう。
2WD仕様はシートアレンジ後に段差がある
2WD仕様では4WD使用に対してラゲッジスペースの床面が低いので積載性は高いのですが、そのことからシートアレンジ後に段差が生まれてしまうという残念な面もあります。
2WD仕様の標準ラゲッジスペースでは容量を最大限確保するために床面が可能な限り低くされており、他の車種で設けられるようなアンダーラゲッジなどがほぼ無いのでその分メインのラゲッジスペースが広くなっています。
そのためセカンドシートを収納するシートアレンジ後にはセカンドシートから標準ラゲッジスペースの間に段差が生まれており、この段差はセカンドシートの背もたれの厚みによるものとなっています。
4WD仕様ではラゲッジスペースの床面が上がったことでこの段差はうまく解消されるようになっており、2WDではフルフラットなスペースが作れません。
一般的な使い方であれば段差をうまく乗り越えるようにして使うとよいのですが、大きな荷物や重量物を積み込むときにはこの段差が邪魔になります。
重量物などを送り込むときに段差に引っかかってしまいますし、段差を乗り越えるのにも結構力が必要です。
2WDのラゲッジスペースの広さは良いのですが、重量物を積み込むときなどには段差を解消するために底上げボードをあらかじめ用意しておくなど、準備をしておくと良いでしょう。
コンパクトカーベースなので不便な部分があるのは仕方ない面もありますが、2WDと4WDで明確に弱点があるのは残念な点です。
ラゲッジ床面の最低地上高が高め
キックスのラゲッジスペースは地上からの高さも結構高めであり、積み込む際に大変な場合があります。
キックスのラゲッジスペースはテールゲートから積み込むのですが、テールゲート下部にあたるリアバンパーの高さが600mm〜700mm程度あります。
SUV系の車種はデザイン的にフロントやリアにボリュームがあるので大型化しがちであり、キックスでもデザイン的にリアバンパー上面も高めになります。
この部分が高いと荷物を持ち上げる高さが高くなりますし、キックスの2WDについてはさらにリアバンパーを乗り越えたところから一段低い所にラゲッジスペースの床面が位置しています。
そのため重量物の積み込みの際には高い位置まで荷物を持ち上げなくてはならず大変です。積載性を重視した車種ではリアバンパーの上面が低くなっていたりするのですが、キックスはそのあたり不便さが見えてきます。
この点も4WDについてはラゲッジスペース床面の高さが高いことである程度は解消されているのですが、最低地上高がそもそも高い点は残念な点です。
車中泊には使いづらいサイズ感
近年のSUV系車種はキャンプの際の車中泊に注目されることが多いのですが、キックスでは車中泊にも使いづらい点があります。
車中泊はキャンプやアウトドアを行うときに車の車内で宿泊する方法で、テントなどが必要ないので荷物を減らせるとともに車中泊ならではの楽しみ方が出来ます。
車中泊は近年ブームになっている楽しみ方でもあり、最近では車のシートアレンジにも車中泊を行いやすいような仕様が盛り込まれるようになってきました。
キックスではある程度車中泊には対応できる車内スペースはあり、特にシートアレンジ後のラゲッジスペースは前後の奥行きが1,800mmとなんとか足を伸ばして寝られるだけのサイズはあります。
ですが2WD仕様についてはシートアレンジ後の段差が車中泊に不向きであり、フラットな寝台が作れないのでそのままでは快適に寝ることが出来ません。
段差部分にマットやシートなどを敷いて底上げは必須であり、事前準備が結構大変です。また標準装備のデッキボードも車中泊のときには取り外さなくてはならないのでその置き場所なども必要で、普段使いは良いのですが車中泊という特別な状況では不便な部分が多いです。
4WD仕様についてはラゲッジスペースがフルフラットになるのは良いのですが、その分寝たときに添乗までの高さが低いので窮屈さは感じるでしょう。
キックスの荷室・トランク・荷物収納スペースの口コミ・評判
キックスのラゲッジスペースについてはtwitterでもいろいろな投稿があり、その中からいくつかご紹介していきます。
キックス乗ってきた
荷室が予想してたよりめっちゃ広い
ジュークだと中くらいのRVボックス一つ入れたら終わりだけど、キックスは縦に1つ横に2つ入れてその上に重ねられたから計6個入る(*´ ` )— ごろぉ (@harihari0126) June 27, 2020
こちらの方はキックスの試乗に行かれたようなのですが、意外なラゲッジスペースの広さにびっくりされています。
キックスは外観は結構コンパクトに見える車なので、広々としたラゲッジスペースが広がっているのは結構魅力的です。
車選びドットコムのキックス見たんだけどさ…
4WDだとE12FFよりも荷室容量ちっちゃくなるのか。。。
チェーンにウェアに…色々入れたら4人でスノボはしんどいよな…— たかぼー (@takayan_0918) October 8, 2022
こちらの方はウインタースポーツに行かれる方のようなのですが、キックスの4WD仕様のラゲッジスペースの狭さに残念がられています。
ウインタースポーツに使う車は冬期の道でも安全に走れるように4WDがほぼ必須となるのですが、セカンドシートを展開して3人以上で移動しようとするとキックス1台では積載性に不安が出てきます。
積載性が一番欲しい仕様でラゲッジスペースが狭いというのはやはり不便が多い点となります。
総評
日産 キックスはコンパクトカークラスの扱いやすいボディを持つSUVで、運転しやすさを持ちながらSUVらしい力強いデザインも魅力の一つです。
ラゲッジスペースに関しては2WDと4WDでサイズが結構違うものの、2WDはクラストップレベルの積載容量を持っているので不便な車ではありません。
しかしコンパクトカークラスなのでいろいろ制限も多いことで残念な部分も多少あり、特に車の使い方によって2WDか4WDどちらを選ぶかは大事になってきます。