日産 シルフィは日産の中型セダンで、ファミリーカーとしての主力車種の一つです。
今回はそんなシルフィのデザインについてご説明しましょう。
シルフィのデザイン
日産 シルフィは以前はブルーバードと呼ばれていた中型セダンの後継車種で、ブルーバード→ブルーバードシルフィ→シルフィという経緯で続いている車です。
シルフィはブルーバードから数えると現在最新のモデルは14代目となりますが、日本国内では13代目シルフィが現在最後のシルフィとなっています。
現在のシルフィは主要な市場が海外であり、13代目のシルフィも特に中国で人気があった車種です。
一方で日本ではミニバン系の車種がファミリーカーとして高い人気を獲得している一方でセダン系の人気は少なくなっており、シルフィも2012年から継続しているモデルではありますが2021年で生産終了となっています。
シルフィは日産の中型セダンとしては北米向けのセダンと同時開発の車種で、扱いやすいサイズと広めの車内スペース、そこそこのスペックのエンジンで中型セダンとしては標準的な車種となっています。
ハイブリッドやe-powerなど最新の車種のような装備はありませんが、その分中型セダンとしてのクオリティとコストパフォーマンスがあります。
まさにシンプルなセダンを体現したような車種であり落ち着いた車種を好む方にはぴったりです。
ではそんな13代目のシルフィについてデザインをご紹介していきましょう。
シルフィのエクステリアデザイン
シルフィのエクステリアデザインは2012年のフルモデルチェンジから変化はなく、2021年まで継続して同じデザインで販売されました。
シルフィのフロントマスクはこの当時のトレンドに合わせてスポーティなフォルムをしており、フロントのグリルやボンネット等が流線型を描いてなめらかなラインをしています。
ヘッドライトも三角形のシャープな造形なので中型セダンといっても退屈な印象はなく、パット見でかっこいいいセダンという印象をあたえてくれています。
近年のセダンは押し出し感の強いスポーツセダンが増えてきているのですが、シルフィにはスポーティといってもそこまでの派手さはなく、落ち着いた雰囲気もあるのでさまざまな世代に受け入れられやすい車になっています。
シルフィはサイドのフォルムもシンプルなセダンのフォルムになっており、車室とトランクルームを完全に分けたオーソドックスなスタイルです。
リアコンビランプにはこの頃の日産車によく採用されていたブーメランタイプのリアコンビランプが設定されており、シンプルになりすぎず程よいアクセントを与えています。
リアコンビランプの形状もフロント同様三角形のデザインなので統一感があり、全体的に見てまとまりをしっかり感じられるでしょう。
シルフィは中型セダンとしてのオーソドックスなスタイルでまとめられている車ですが、スタンダードな中型車として多少スポーティでカッコよさもあります。
シルフィのインテリアデザイン
シルフィのインテリアのデザインも2012年時点から大きな変更はなく、こちらもまとまりのあるデザインです。
シルフィにはインテリアカラーとしてブラックとベージュ系の2色がありますが、ブラック系統のインテリアではグレードによってセンターコンソールやハンドル部分に高級感のある木目調パネルがあしらわれます。
インパネのデザインは全体的にシンプルで、派手なラインやメッキパーツがなく落ち着いた感じでまとまっています。
一方でベージュ系のカラーではダッシュボードと下側が2トーンカラーになっていたり、センターコンソールやハンドルにつや消しのシルバーパネルが設定されるなど印象が大きく違い、こちらのほうが人によっては高級感を感じるデザインです。
インテリアについては中型セダンとしての居住性をしっかり確保したレイアウトとなっており、特に後部座席の足下空間が広々としているのは大きなメリットです。
インテリアは全体的に飾り気のないデザインではありますが、シート表皮などに本革シートが設定でき、高級感を演出することができます。
またベージュ系のインテリアではよりシートのパターンなどがよく分かるため存在感があり、全体的に明るいインテリアとなっているので窮屈感がなく落ち着くインテリアとなっています。
シルフィのインテリアのデザインは全体的におとなしめのデザインでまとまっており、トップクラスの高級感があるわけではありませんが中型セダンとしては十分クオリティは高いといえるでしょう。
シルフィのボディカラー
シルフィは最近の車種してはボディカラーの設定が少なく6色のみとなっていますが、どのカラーもシルフィにピッタリのカラーです。
シルフィ ボディカラー | ブリリアントホワイトパール |
スーパーブラック | |
ブリリアントシルバーメタリック | |
ディープアイリスグレーパールメタリック | |
スチールブルーメタリック | |
ラディアント レッドパールメタリック |
シルフィのボディカラーにはまず人気のある定番カラーが用意されており、ブリリアントホワイトパールやブリリアントシルバーメタリックなどのメタリックカラーは高級感があって人気です。
ブラックにはシンプルなスーパーブラックが用意されていますが、派手すぎずに落ち着きのあるカラーです。
また特徴的なカラーとしては残りの3色のうちではレッド系のラディアントレッドパールメタリックが一番派手なボディカラーで、明るいメタリックレッドは一転してスポーティな印象となります。
その他にはグレーやブルー系のボディカラーも落ち着きがあってシルフィにマッチするカラーですが、全体的にシックなカラーでまとまっているのがシルフィのボディカラーの構成です。
新型シルフィの可能性
シルフィは国内では前述して説明した13代目が最終モデルとなっていますが、海外では14代目のシルフィが既に2019年にデビューしています。
現時点では国内導入の発表はありませんが、将来的に導入される可能性もあるので最新型シルフィのデザインもご紹介しましょう。
新型シルフィは現在中国市場で販売されているのですが、そのフロントマスクデザインは最新の日産車のトレンドに則ったものであり13代目シルフィよりもさらにスポーティなスタイルとなりました。
フロントグリルには日産が近年アイコンとしているVモーショングリルがあしらわれ、横長の大きめのヘッドライトとともに力強い印象を与えています。
ボンネットやバンパーの構成は複雑なラインで構成されており、13代目のシルフィのとうなシンプルなデザインからは大きく印象の違うものとなっています。
またリアのデザインはトランクがしっかりあるセダンスタイルではありますが、リアウインドウがファストバックスタイルに近いものになっておりスポーティなフォルムが印象的です。
ボディカラーによってはルーフがブラックのツートンカラーも用意してありシックで存在感のあるデザインになるのでカッコいいですね。
またリアバンパーの下部にはリアディフューザーのようなデザインも盛り込まれており、先代モデルがオーソドックスなセダンであったのに対しスポーツセダンとしての意匠が各所に盛り込まれています。
さらに最新型のシルフィはデザインだけでなく性能もかなり向上しており、特にハイブリッドモデルであるe-powerモデルがあるのはかなり大きな魅力です。
この最新型シルフィは現在日本では販売されていませんがそのデザインはなかなか好評であり、今後の登場が待たれます。
シルフィは人気か?
シルフィは国内市場では2012年から9年に渡って販売されてきましたが、その販売台数的にはそこまで人気車種というわけではありませんでした。
シルフィは国内のセダン市場が下火になるとともに販売台数はそこまで出ているわけではなく、フルモデルチェンジした当初こそ年間数千台規模での販売となりましたがその後は低迷しています。
ここ数年間で見ると年間販売台数は1,000台〜2,000台で落ち着いており、多数ある日産の車種の中でもそんなに販売台数が多い方ではありません。
その結果が国内市場でシルフィが販売終了した理由であり、新型にフルモデルチェンジされない理由でもあるでしょう。
しかしながらシルフィという車種自体に問題があるわけではなく、特に中国市場では圧倒的な人気があります。
最新型のシルフィは2021年に中国市場でなんと510,000台を超える年間販売台数を記録しており、まさに国内市場での人気とは格別の差があります。
最新型シルフィは車としての魅力は十分であることがこれでわかるので、国内では販売台数は少ないものの逆輸入の形で導入されるとうれしいですね。
シルフィの評判
シルフィは新車販売から10年近く経過しているといってもそのデザインに対しての評価は高く、Twitterでは次のような評価があります。
やっぱり街中を走るシルフィを見ると、デザインに品があるなぁと思う。 pic.twitter.com/X2MLpZ9w3F
— ニタニタ笑うパンダ (@OmwurH) December 11, 2019
こちらの方はシルフィのデザインを街中で見かけたときに品のあるデザインという印象をもっておられ、セダンのデザインの評価としてはかなり良いものです。
シルフィのデザインは長年に渡ってこういう評価をされているので満足感は高い車種でしょう。
シルフィがこんなにウネウネしてるデザインなのにキレイにまとまって見えるのは、出来るだけデザインの要素を減らした上でボディ全体にある反り・むくりをエッジの効いたキャラクターラインで締めてるからなんだと思う。日産は曲線の出てくるこういう所でデザインが上手いと思う。 pic.twitter.com/3VnDc9ukQt
— はるみかん (@GTsport9) October 3, 2020
こちらの方はなんとシルフィのでザインについての分析をされており、意外と複雑なライン構成であるのに全体的にまとまりが良いとおっしゃっています。
シルフィの各所のパーツごとを見てみるとたしかに複雑ですが、全体的に見ると全く嫌らしい印象はありませんね。
シルフィを導入したら若々しいデザインが若者受けするかもしれないしセダン難民の方々の受け皿になるかもしれない。ただセダンの形状という物理的な理由で売れない可能性も大だし、むしろデザインがメイン層の高齢者にとって逆効果かもしれない。本当にマーケティングは難しいな。。 pic.twitter.com/0zxOw70Y2u
— 矢武者一世 (@yabusha_xxl) January 8, 2022
こちらの方は海外での最新型シルフィのデザインについておっしゃっていますが、次期型はかなり若者向けデザインでカッコいいものになっていますよね。
ですが国内でのシルフィは中高年向けの車となっており、若者向けにはセダンは人気がいまいちなので国内導入には微妙ということはあるでしょう。
シルフィの欠点
国内で最後のモデルとなった13代目シルフィはその完成度の強いデザインに定評がありますが、一方でその落ち着いたデザインはあまり国内では人気が出にくいものです。
日本国内ではセダン系の車種というのは年々人気がなくなってきているカテゴリーで、以前はファミリーカーといえばセダンでしたが近年はそれに変わってミニバンやSUVが台頭しています。
ミニバンやSUVはセダンに比べて車内が広々として快適であるのとともに積載性も高く、利便性が高いのです。
それに対してセダンはステータスや走行性の面での人気であり、その人気は若者向けではなく中高年向けが多くを占めます。
また近年はセダンといっても世界的にスポーツセダンがトレンドであり、事実シルフィも海外向けの新型はスポーティなデザインです。
ですが国内ではそもそも中型セダンの需要が少ないために日産は積極的なフルモデルチェンジを行っておらず、国内でシルフィの購買層ともズレがあるので13代目にしても14代目にしてもシルフィのデザインと国内需要にひらきがあるのです。
これはシルフィのデザインだけの欠点ではないので残念な面もありますが、中型セダンはなかなか売れないのです。
シルフィの値段
シルフィは国内では既に販売終了となっていますが、今回は販売時の新車価格と現在の中古車価格についてご説明します。
なお中古車価格は大手中古車情報サイトであるカーセンサーとgoo-netで調べました。
シルフィ | 新車価格 | 中古車本体価格相場 | |
シルフィ(13代目) | 2,029,500円〜2,723,600円 | カーセンサー | 350,000円〜1,981,000円 |
goo-net | 348,000円〜1,981,000円 |
シルフィは新車発売時からかなりコストパフォーマンスに優れた車であり、価格が2,000,000円台前半から3,000,000円に満たない価格帯というのは現在はかなりお買い得です。
現在はコンパクトカーや軽自動車でも2,000,000円を超える車が増えてきているので、それらより快適性が高く性能も高いシルフィがこの価格で手に入れられるというのは大きなメリットです。
もちろん2012年の車種であるということはありますが、他の中型セダンと比べてもコストパフォーマンスは高いでしょう。
また中古車としても価格の安価な車が増えてきており、初期型のシルフィなどはなんと350,000円もの安さです。
もちろん年式の古い中古車となるのでクオリティにはいろいろ気になる部分はあるのですが、そのほかの中古車を見てもお買い得な車はあるでしょう。
ただシルフィは国内での販売台数があまり多くないので中古車も少なく、手に入れるのであれば販売終了して価格が下がり気味な現在が狙い目でしょう。