トヨタ プリウスはトヨタの燃費の良好なハイブリッドカーですが、走行にはエンジンとモーターを併用するシステムです。
今回はそんなプリウスでのエンジンのかけ方をご紹介します。
プリウスのエンジンのかけ方
プリウスはトヨタが世界で初めて量産化したハイブリッドカーで、現行モデルで4代目となります。プリウスはハイブリッドカーとして先進的な技術を搭載しており、ガソリンエンジンと電動モーターの2種類の動力源を持っています。
通常の走行時にはガソリンエンジンで走行しますが、エンジン走行ではとくに減速時にエネルギーが無駄に消費される傾向があり、これが燃費を悪化させる要因です。
そこでプリウスでは減速時にエネルギーを電力として改修するシステムがあり、ここで発電した電力を今度は車の発進時や加速時に使用します。
そのときにエンジンを停止させることで燃料消費をなくし、トータルとして車全体の燃費を向上させるのがハイブリッドカーです。
プリウスでは車の駆動用バッテリーが十分充電されていれば、車の発進時や低速走行時にモーターのみで走行することができ、数キロ程度はそのまま走行が可能です。
その間はエンジンは完全に停止しており、電動走行でバッテリーの電力が低下したときや急加速、高速走行などを行うときにはじめてエンジンが再始動するようになっています。
その後は基本的にエンジン走行でプリウスは走行し、その途中の減速時にまた充電を行い、その電力で電動走行を再開するようなサイクルとなっています。
このように特殊なシステムを持つプリウスなので車の始動時に普通の車と多少違う感じとなっています。
通常のプリウスの始動時
まずもっともオーソドックスなプリウスの始動の方法をご紹介しましょう。なおここでいう始動とは、車のシフトとアクセルを操作すれば走行できるような状態を指します。
- スマートキーを所持した状態で車に乗車する or スマートキーを車内の所定の場所に置く
- シフトレバーを「Nレンジ」に入っていることを確認し、シフトレバー横の「パーキングスイッチ」も点灯していることを確認する
- フットブレーキを踏み込む
- フットブレーキを踏んだ状態でハンドル横の「パワーボタン」を押す
- メーター内に「READYランプ」が点灯すれば始動成功
この手順でプリウスが始動すればあとは普通の車と同じように走行するだけで、シフトを「D(ドライブ)レンジ」に入れてパーキングスイッチを解除すれば、アクセルを踏み込んでそのまま走行できます。
この始動方法や走行手順はプリウス以外の普通のエンジン車とほぼ同等の手順ではあるのですが、初めてプリウスを運転する方などはちゃんと始動したのかどうかを不安視する方は少なくありません。
それというのもプリウスの場合には車が始動しても「ブルルン!」といったようなエンジンの音は聞こえて来ず、静かにREADYボタンが点灯するだけだからです。
プリウスはハイブリッドシステムとして発進時に積極的にモーターを使用するシステムになっているのですが、車の発進時や停止時にはエンジンが完全停止しているためプリウスを始動させてもエンジン音は基本的に起こりません。
また従来エンジンの動力で動いていたエアコンなどもプリウスでは電動式になっているため、夏場などでエアコンを稼働させていても基本的にはエンジンはかかりません。
この静かさこそがプリウスの魅力の一つではあるのですが、慣れていないと始動したのに何も音がないのが結構な違和感ではあります。
プリウスでのエンジン始動方法
プリウスの始動時には基本的にはエンジンは停止した状態となるのですが、エンジンを始動する方法がないわけではありません。
プリウスで始動手順を満たしてREADYランプが点灯した状態というのはエンジンは停止していてもいつでも再始動できる状態となっており、最初はモーターで発進したとしても状況によってはエンジンが始動してエンジン走行になります。
また急加速などが起きてもエンジンが始動するのですが、主にアクセルの急な踏み込みなどに対してシステムが反応して起こります。
これを活用して車の停車時でもアクセルを少し踏み込めばエンジンが始動するようになり、任意の状況でエンジンを始動させることは可能です。
車を停車させてパーキングスイッチをしっかりかけていることが前提ですが、その状態で始動させた後に少しだけアクセルと急に踏み込むと自動的にエンジンがかかります。
エンジンがかかれば前方からエンジン音が聞こえてくるのですぐ分かると思いますが、これでエンジンを始動したいときは冬などでヒーターをすぐにでも温めたいときに使用します。
プリウスはヒーターシステムは従来の車と同じくエンジンの排熱を利用しているため、冬期の始動時にエンジンを早く温めたいときにエンジン始動は利用できます。
もちろんその分車の燃費は悪化傾向にありますが、ずっと使っているわけではないので影響は微小でしょう。
ハイブリッドカーでもより電動走行がメインなプラグインハイブリッドカーや純粋な電気自動車であればヒーターも電気式やヒートポンプ式のものになるのですが、エンジンの使用頻度がまだ高めな通常のハイブリッドカープリウスではヒーターのためにエンジンを始動させるというシーンはまだあるでしょう。
普通の車のエンジンのかけ方との違い
参考:toyota.jp
ハイブリッドカーは燃費性能を高めるために普通のエンジン車と違う走行システムを持っていますが、その始動の方法は大きく違うわけではありません。ですが一つ大きな違いを上げるとしたらパーキングブレーキの扱いがあるでしょう。
一般的な車にもプリウスにもパーキングブレーキという機能がついており、これは車の停車時に4輪のタイヤにブレーキをかけて車が動き出さないようにする機能です。
オートマ車の場合にはシフトに「P(パーキング)レンジ」というものがあってこの機能でトランスミッションをロックして走行を止めているのですが、それに加えてさらにパーキングブレーキでタイヤもロックするのが一般的で安全な停車方法です。
これに対してプリウスでは同様な機能は必要なもののシフトにはPレンジは設けられておらず、基本的にパーキングブレーキのみで停車することになります。
一般的な車ではパーキングブレーキは機械式が基本であり、一番オーソドックスなのはレバー式で引いてかける方式ですが、最近ではフットペダルでパーキングブレーキをかける方式も増えてきています。
しかしプリウスのパーキングブレーキは電子制御式のものが採用されており、電気的にブレーキを操作してパーキングブレーキをかけています。
そのためパーキングスイッチという電気スイッチがパーキングブレーキになっており、初めてプリウスを運転する人などはこの違いに戸惑うことが多いです。
それ以外の始動時の操作であるフットブレーキの踏み込みやスマートキーの持ち込みなどは現在他のガソリン車などでも主流となっている方式であり、車を運転したことがある人ならばなんとなく把握できるでしょう。
プリウスのエンジンの切り方
View this post on Instagram
最後にプリウスのエンジンの切り方をご紹介しますが、これについてはそこまで複雑な操作はありません。
プリウスの停車方法(エンジンの切り方)
プリウスは停車時にはエンジンを切るという動作は基本的に必要ないのですが、その代わりに車の走行システムを停止させることがいわゆる”エンジンの切り方”になります。その方法は基本的には始動に使った「パワーボタン」を押すことです。
プリウスは走行時にはモーターやエンジンを併用しますが、停車時には一部の条件を除いては燃費改善のためアイドリングストップでエンジンを停止させるシステムです。
そのためプリウスを駐車場に停車させてエンジンを切るときもエンジンが停止した静かな状態となるのですが、そのままではプリウスの走行システムは稼働状態でありいわゆる”エンジンが切れた”状態ではありません。
しっかり「パワーボタン」を押してメーター横のREADYランプが消えるのを確認してから下車するようにしましょう。
なおプリウスでもエンジンを切る前には必ずパーキングブレーキをかけてから操作するのが基本ですが、プリウスはフェールセーフのためにパワーボタンを押してエンジンが切られた段階で自動的にパーキングスイッチが動作してパーキングブレーキがかかった状態になります。
これは停車時にエンジンのアイドリング音がないプリウスならではの安全装備といえますが、これが可能なのはプリウスのパーキングブレーキが電子制御式だからです。
しかし自動でかかるからといっても基本的にはドライバーが確実に操作してからエンジンを切るのが重要です。
スマートキーの持ち出しには注意
プリウスのキーは前述したスマートキーになりますが、エンジンを切る際にこのスマートキーを車外に持ち出すだけではシステムをオフにすることはできません。
以前のキーを差し込んで回して起動する方式の車ではエンジンを切る方法はキーを抜くことであり、キーが車外に持ち出されていればエンジンも確実に停止している証明となりました。
ですがスマートキーになってからはキーを持ち出してもエンジンが切れるわけではなく、きちんとエンジンスイッチを押さなければなりません。
もしエンジンがかかった状態でキーとともにドライバーが車を離れたとすると、他の人が車に乗ってそのまま盗んでいってしまうことも出来るのです。
更にプリウスでは停車時にエンジン音がないという点で注意しなければならす、音だけでエンジンが切れているかどうかを判断してキーを持ち出してはなりません。
普通の車ならアイドリング音などで気づくことができるのですがプリウスでは基本できませんので、車のメーターディスプレイをしっかり確認してシステムが停止していることを確かめましょう。