トヨタ エスティマはトヨタの大型ミニバンですが、スポーティなデザインが特徴の車です。
今回はそんなエスティマで車中泊が可能かについて見ていきましょう。
エスティマの車中泊が快適な理由
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エスティマはトヨタのミニバンの元祖ともいえる車で、初登場した1990年台には絶妙な人気を誇る車種となります。
エスティマは比較的遮光が低くてスポーティなスタイルが特徴で、そのスタイリッシュさから人気がありました。
現在はもっと車高の高いトールミニバンが人気となってエスティマは2019年に販売終了となっていますが、それでも根強い人気は残っています。
エスティマは3列シート8人乗りのモデルが基本となりますが、その他に2列目シートがキャプテンシートの7人乗りモデルもあります。
そんな多人数乗りミニバンの利用方法の一つとして、近年注目されているのが「車中泊」です。
車中泊は旅行の際にホテルや旅館、またはキャンプなどで一晩を過ごす代わりに、車の車内で寝る方法を指しています。
車中泊はその費用が控えめになるのが最大のメリットですが、車の車内で寝るという非日常的な体験も面白さの一つとなっています。
エスティマでそういった車中泊に利用できるかどうか、まずは車のサイズを大まかに見てみましょう。
スペック | エスティマ | |
価格 | 2,667,000円〜4,289,563円 | |
乗車定員 | 7人〜8人 | |
全長 | 4,820mm | |
全幅 | 1,810mm | |
全高 | 1,730mm〜1,760mm | |
室内長 | 3,010mm | |
室内幅 | 1,580mm | |
室内高 | 1,255mm | |
ラゲッジルーム | 高さ | 1,075mm |
幅 | 1,265mm | |
奥行き | 3列目使用:565mm 3列目格納時:820mm | |
運転席寸法 | 高さ | 約1,100mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約900mm | |
助手席寸法 | 高さ | 約1,100mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約900mm | |
後席寸法 | 高さ | 約1,100mm |
幅 | 7人乗り:約500mm✕2 8人乗り:約1,400mm | |
奥行き | 約1,000mm | |
3列目寸法 | 高さ | 約1,000mm |
幅 | 約1,300mm | |
奥行き | 約800mm |
エスティマは車としては大型の車であり、全長は4,820mmとかなり長い車です。全幅も1,810mmとワイドなサイズ感となっていてミニバンとして車内を広くするためのスペックとなっています。
一方で全高は大型ミニバンにしては低目となっており、それよりスタイリッシュなデザイン重視の面も持っています。
ミニバンとして重要なのは車内のサイズ感ですが、エスティマの室内長は3,010mmも確保されていて非常に前後のサイズが広くなっています。また室内幅も1,580mmと広々としているのですが、室内高だけは少し低目となっています。
またラゲッジスペースは奥行きがそれなりのサイズですが、3列目シートを収納することでラゲッジスペースを広げる使い方ができます。
なお7人乗りモデルは2列目のシートが左右独立しているキャプテンシートになっており、3列シート車のベンチシートよりも高級なモデルとなります。
こういったサイズ感を持つエスティマですが、車中泊にも対応できるスペックを持っており、次のようなメリットを持っています。
車内のフルフラット化が可能
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まずエスティマの車内で車中泊をするのに便利な点がシートアレンジで、シートを後ろに倒すことでフルフラットモードにすることが出来ます。
車中泊を快適に過ごすためにはなによりフルフラットな寝台が必要で、車の中であっても足を伸ばして寝ることができることが重要です。
エスティマはミニバンとしてさまざまなシートアレンジが可能なのですが、その中で2列目シートと3列目シートの背もたれを後ろに倒すことで一つにつながったフルフラットモードとなります。
この仕様であれば車中泊に必要なフラットな寝台をつくることができ、快適に寝ることができます。
またエスティマにはもう一つシートアレンジとして3列目シートを床下に収納するモードがあり、このモードではラゲッジルームの床面がフルフラットにできます。
このときには2列目シートは前側にスライドさせて折りたたむことができ、このモードでも場合によっては車中泊用のスペースとして利用できます。
3列シートを収納するような昨日は近年のミニバンでは珍しいものなので、エスティマならではの利用法といえるでしょう。
モードによっては前後のスペースが広く確保できる
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エスティマのフルフラットモードによって車中泊の寝台が確保できますが、モードによって使える前後のスペースは変わってきます。
まず2列目シートと3列目シートの背もたれを後ろに倒した状態のフルフラットモードでは、2列目以降の社内スペースをフルに活用できるのでその前後スペースは2,000mm近いものとなります。
これだけのサイズがあれば体の大きな大人の人でも十分に足を伸ばして寝ることができるようになります。
このモードがエスティマで車中泊をする場合の基本モードになりますが、もうひとつの3列目シートを収納するモードでも場合によっては車中泊は可能です。
3列目シートの収納モードだと2列目シートを前側に折りたたむ関係で前後のスペースが前述のモードより少し短くなります。
それでも1,600mm〜1,700mmぐらいの前後スペースは確保できているので、身長によってはこのスペースでも十分に車中泊を行うことはできます。
このモードでは何より完全なフルフラットな空間にできることと、室内高をフルに活用して広々とした車内空間となるのがメリットになります。
背もたれを倒すモードは後述するようにシートの凸凹が多少気になったり、高さ方向が多少狭くなったりもするので少しデメリットもあるのです。
室内幅が広く3人ぐらいまでなら寝れるスペースがある
エスティマは室内長が特に長く広々としているのが特徴ですが、室内幅もかなり広めに確保されているので車中泊をする際に一緒に寝れる人数にゆとりがあります。
エスティマの室内幅は1,600mm弱ありますが、車中泊用に車内をフルフラットモードにしても1,500mm前後のスペースはしっかり利用できます。
エスティマの車内でゆとりを持って寝るのであれば左右一人ずつの2名で寝るのが良いのですが、もう少しスペースを詰めればなんとか間にもう一人入ることもできるスペースです。
横幅だけで言えば1.5畳ぐらいのスペースにはなるので、車中泊をする車内としては広めとなるでしょう。
これだけのスペースがあれば例えば子供さんを入れた家族三人での旅行などでもしっかり車中泊を過ごすことができ、なかなか楽しい一晩を過ごせる車になっています。
なおこの横幅に関しては3列目シートを収納するモードではタイヤハウスの張出しなどで多少狭くなるので、このモードではせいぜい2名での車中泊が限界でしょう。
このあたりは一緒に行く人の人数や身長などでどちらのモードを使うかを事前に決めると良いでしょう。
ハイブリッドに1,500Wコンセントがある
エスティマには燃費性能の高い仕様としてハイブリッドモデルがあるのですが、エスティマハイブリッドでは車中泊に便利な1,500Wのコンセントが使用できます。
ハイブリッドカーはトヨタが得意とするものでエスティマのようなミニバンにも積極的に展開していますが、ハイブリッドカーには電動部品を動かすための大容量バッテリーが欠かせません。
この大容量バッテリーを利用して車内で使える100V 1,500Wのコンセントのアクセサリーがハイブリッド車には装備されるようになってきているのですが、エスティマハイブリッドにもこれがありとても便利なのです。
車内にこのコンセントがあると1,500Wという大容量でさまざまな家電製品を稼働させることができ、車中泊ならではの過ごし方をすることができます。
例えばドライヤーやトースター、電気調理器などが車内で使えるので、車中泊中でもこれらで快適で楽しいキャンプのようなことが出来ます。さらに娯楽にも利用できるので普通のキャンプではできない面白さがあります。
なおこの機能を利用する際にはバッテリーが上がるのを防ぐためにエンジンはアイドリング状態にしておく必要がありますので注意です。
エスティマで車中泊をする方法
では次にエスティマで車中泊をする方法についてご説明していきます。
車内をフルフラットモードにする
まずエスティマの車中泊をするためにはフルフラットモードにする必要があり、2列目シートと3列目シートのシートアレンジを操作します。
エスティマのフルフラットモードにするためにはまず2列目シートを操作するのですが、その前にヘッドレストは取り外してシートの下などにしまっておきます。
その後にシートを一番前にスライドさせるとともにリクライニングで背もたれを後ろに倒すようにし、2列目シートを最大まで倒すことでほとんどフルフラットとなります。
また3列目シートは後ろまでスライドさせると2列目シートの背もたれが3列目シートの座面とほぼ平面に繋がります。
その後に3列目シートの背もたれも後ろに最大まで倒すと車の後ろまでちょうど収まるようになっており、これでフルフラットモードをつくることが出来ます。
なお7人乗りモデルでもフルフラットモードにする操作自体はほぼ一緒ですが、2列目シートは独立式となっているので左右別々に操作する必要があります。
このほかにエスティマでは3列目シートを床下に収納するモードでも車中泊ができますが、この3列目シートの収納は電動式で操作は簡単です。
その後に2列目シートは前側に収納するようにすればラゲッジスペースの床面が車中泊のスペースとなります。
車中泊用のアイテムを揃える
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次にエスティマの車中泊を行うためにはさまざまなアイテムを揃える必要があり、必須なのは車中泊用マットと遮光用カーテンやボードです。
車中泊には車内に足を伸ばして寝れるスペースが必要なのですが、それだけでは快適な車中泊は過ごせません。
シートの上に寝るのでもラゲッジスペースの床に寝るのでも車中泊にはクッション性が不足しており、それを補うために車中泊用のマットやクッションを用意する必要があります。
車中泊用マットは近年の人気の高まりによってさまざまな製品が発売されているので、その中からエスティマの車内にフィットするものを選びましょう。
その他にはエスティマのウインドウを遮光するものが必要で、それがないと車内で寝るときに外の街灯の光や他の車のヘッドライトの光などが飛び込んできて気になってしまいます。
エスティマにはもともとミニバンとしての車内用カーテンがオプション装備として用意されており、これはセカンドシート部分から車の後部、また運転席と助手席の後ろを遮光するカーテンとなっています。
これがあれば車中泊をする空間すべてをカバーすることができ、不要なときには折り畳めるのでとても使い勝手が良いものとなっています。
これらのアイテムは車中泊には必須なのですが、その他にも車中泊用のアイテムはさまざまなものがあり、好みのカスタマイズができるのも車中泊の楽しみの一つです。
車中泊の注意点
車中泊にはいろいろな準備が必要なのですが、それを行って初めて車中泊をするときには注意点があります。
車中泊で車の窓などを完全に閉めてから一晩寝てみると、朝に起きるときにはちょっと息苦しさを感じたり汗をかいていたりします。
これは一晩密閉度の高い車内で寝ることで呼吸によって空気を消費しており、車内に二酸化炭素が増えたことによる問題となります。
健康を害するほどのものではありませんが、その問題を防ぐためには寝ている間もある程度換気をして置かなければなりません。
車の換気で一番簡単なのは窓を開けることですが、窓を開けると虫が入ってきたり外の音が入ってきたりする問題もあります。
そのため一番便利なのはエアコンを動かしておくことで、エアコンを外気循環モードで動かしておけば換気も出来ますし車内の温度管理も出来ます。
この際にはエンジンもアイドリング状態にしておく必要があるので、車中泊のときには一晩中エンジンを動かしておくことになるでしょう。
ただアイドリング時に排気管が詰まると排気ガスの逆流の問題があるので、例えば積雪などで詰まる可能性がある場合は窓を開けるようにしましょう。
車中泊の車中泊に向かない点
エスティマは車中泊が可能なスペースや車内のシートアレンジが可能な車ですが、車中泊に向かない点もいくつかあります。
室内高が低くミニバンにしては微妙な部分
エスティマは車の全長や全幅は大きめのサイズで広々としているのですが、室内高についてはあまり高くなく上下のゆとりが少ないです。
車中泊で車内で寝るときにはエスティマの車内高でも頭があたったり窮屈なことはないのですが、それでも寝台の上で体を起こすには少し足りません。
エスティマのシートの上で寝る形になると天井は結構近い位置にありますので、車中泊のときにはほとんど寝るだけの過ごし方しかできません。
これが車高の高いトールサイズミニバンだと車中泊のスペースでも体を起こすぐらいはでき、まるでキャンプのような楽しみ方ができるようになります。
ただエスティマの場合にはラゲッジスペースを寝台にできるモードもあり、このモードであればエスティマの室内高でも体を起こすような過ごし方も出来ます。
こういった利用方法ができるミニバンは結構珍しいのでエスティマの利点と言えます。
フルフラットモードでもシートの凸凹がある
エスティマのシートでのフルフラットモードでは車の前後方向に最大限のスペースが活用できますが、フルフラットモードといってもシートの凸凹が結構あります。
シートはホールド感を高めるために結構凹凸が多いのですが、これはフルフラットモードにした時にもかなり気になる点です。
仮眠するぐらいであればよいのですが、一晩この状態で寝るとかなり寝苦しさを感じることでしょう。
なおエスティマにはラゲッジスペースで寝るモードも使えますが、この場合は完全なフラットではありますが前後のスペースが少し狭くて身長によっては足を伸ばせない場合もあります。
これを防ぐために活用するアイテムは車中泊用のマットで、マットの弾力でシートの凹凸をある程度給することで寝やすい車中泊空間をつくることができます。
マットが分厚ければ分厚いほど凹凸が気にならなくなるので、車中泊マットの選び方は重要です。
また凹凸を底上げするボードなどを自作する方法もあり、カスタマイズを自作できるのも面白さです。
7人乗り仕様では車中泊がしづらいモードがある
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7人乗り仕様でも車中泊は十分に可能なのですが、あるモードでは車中泊がしやすいように見えるのですが実際には微妙です。
7人乗りモードでは3列目シートを床下に収納して、その後に2列目シートだけで最大限車内を広々と使うモードがあります。
このモードでは2列目シートに加えて足を支えるオットマンも使用でき、足をしっかり伸ばせる一人分の寝台を左右一つづつ作り上げることができます。
一見すると車中泊にはこれで十分なようにも感じますが、一晩これで寝てみると結構安眠しずらしものです。
車中泊のスペースとしてはこのモードでも十分なのですが、やはりシートの凸凹が気になる面が多くフラットな寝台での車中泊のほうが快適になります。
いくらオットマンで足を支えてくれるとはいっても、サイド側をシートのホールド性で気競りされるので窮屈で、また寝返りなどもしづらいです。
やはり7人乗り仕様であっても車中泊の場合にはしっかりとフルフラットモードを活かしたほうが良いでしょう。
エスティマの車中泊の口コミ・評判
エスティマの車中泊についてはtwitterにもさまざまな評判が投稿されていますが、その中からいくつかご紹介しましょう。
楽天の勉強会に博多まで車できて21時に終わって、近くの温泉入って、車中泊
エスティマにカーテン付けて、マット引くだけでなかなか快適な秘密基地
もっと着替え持ってくれば良かった。このまま九州一周とかしたい pic.twitter.com/En3i5CWu9Q— はむたろ (@8686hamutaro) February 13, 2020
この方はエスティマの車内で車中泊を過ごすためにいろいろな用意をされており、かなり快適性の高い車内となっています。
温泉に入って宿泊は車中泊という使い方をされており、便利な車の使い方になっていますね。
腰痛い…もっとエスティマの車中泊を快適にしなかんな(´・ω・`)
— yasu (@Yasuckv36) November 25, 2014
こちらの方はエスティマで車中泊をしたときに腰を痛めていらっしゃいますが、あまり準備をしっかりしないとシートの凸凹などで腰などに痛みが来ます。
何度か車中泊をするとこういった問題点が出てくるので、その都度さまざまなカスタマイズをしていくのも車中泊の楽しみ方の一つです。
総評
エスティマはトヨタのミニバンとしては少し昔のモデルですが、車中泊への対応はなかなか良いスペックをもっており使い勝手の良い車となっています。
さすがにトールサイズワゴンのミニバンなどよりは室内高が低い面もありますが、実用面ではそんなに劣ることはないので車中泊向けのミニバンとして選択肢には入るでしょう。