BMW アクティブハイブリッド5はBMWの高級セダンである5シリーズのハイブリッドモデルです。
今回はそんなBMW アクティブハイブリッド5の故障に関してご説明します。
BMW アクティブハイブリッド5の故障率
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アクティブハイブリッド5はBMW 5シリーズに設定されたハイブリッドモデルで、2012年〜2016年まで生産されていました。
5シリーズはBMWの中型高級セダンで、日本ではクラウンなどのカテゴリーに入ります。5シリーズの現行車は2017年にフルモデルチェンジした7代目5シリーズですが、アクティブハイブリッド5はその一つ前の6代目5シリーズの1つのモデルとなります。
現行の5シリーズには更に進化したプラグインハイブリッドの530eが設定されており、アクティブハイブリッド5はわずか4年間のみのモデルです。
アクティブハイブリッド5にはBMW独自の1モーター2クラッチ式のストロングハイブリッドシステムが搭載されており、燃費性能は高いのです。
また組み合わされるエンジンは直列6気筒ターボエンジンという強力なもので、ハイブリッドカーとしては高い走行性能もあります。
そんなアクティブハイブリッド5の故障に関しては次のような面から見ていきます。
BMWの自動車耐久品質調査
自動車の故障率は各自動車メーカーが独自に市場調査などから調査を行いデータを収集しているのですが、そのデータは社外秘の機密データのため一般には公開されません。
そのため私達がこういったデータを見るためには民間調査会社のデータを見る必要があり、その中でも米国J.D.パワー社の「自動車耐久品質調査」が参考になります。
この調査では各国市場で新車を購入したユーザーから3年〜5年経過時の不具合件数を収集しており、そのデータをメーカーごとのランキングとしたものです。
BMWは日本市場のランキングにも反映されていますが、前述の通り2016年までの生産ですので、その前年の2015年のデータを参照にします。
ランキング | メーカー名 | スコア |
1 | レクサス | 54 |
2 | ダイハツ | 66 |
3 | ホンダ | 69 |
3 | 三菱 | 69 |
3 | トヨタ | 69 |
業界平均 | 72 | |
6 | スバル | 73 |
7 | マツダ | 74 |
8 | 日産 | 75 |
9 | スズキ | 77 |
10 | BMW | 85 |
11 | メルセデス・ベンツ | 93 |
12 | アウディ | 101 |
13 | フォルクスワーゲン | 118 |
BMWはこのランキングにおいて10位となっていますが、このランキングは日本の輸入車の中ではもっとも高くなっているので輸入車の中では信頼性が高いことがわかります。
一方で日本メーカーと比較すると全てのメーカーがBMWより上位に位置しており、日本車と比較するとBMWは不具合が多いといえます。
これはアクティブハイブリッド5の故障率を直接表すものではありませんが、BMWと国産車の信頼性の差は結構あることがわかります。
アクティブハイブリッド5の信頼性評価
J.D.パワー社では米国市場の車に関しては信頼性評価を公開しており、その中からアクティブハイブリッド5の評価もご紹介します。
参考 2012 BMW 5-Series Hybrid Reliability & RecallsU.S. News Best Cars上記は2012年のアクティブハイブリッド5の評価ですが、この調査では星3点を平均的な信頼性、星5点を最高評価となっています。
その中でアクティブハイブリッド5は平均点である星3点となっており、それなりの信頼性はあるようです。
一方で国産車の同様の評価では、同クラスの車は星4点前後となっていますので、それに比べるとアクティブハイブリッド5は故障が多いといえます。
中古のBMW アクティブハイブリッド5 の故障しやすさ
アクティブハイブリッド5はあまり販売台数も多くないのですが、一定数が国内に輸入されており現在では中古車として販売されています。
アクティブハイブリッド5の中古車は年式3年〜7年の間の車となっていますが、一般的に輸入車の場合は年式5年以上で故障が増加すると言われており、アクティブハイブリッド5の場合は前期型がそれに相当します。
また走行距離に関しても50,000kmが1つの判断基準と言われますが、走行距離に関しては中古車によって状態が違いますので、それぞれ状態を見る必要があります。
とはいえまだ年式10年以上の車はなく比較的状態の良い中古車が残っていますので、価格も新車よりは安くなっており高級セダンのハイブリッドカーとして1つの選択肢になるでしょう。
BMW アクティブハイブリッド5オーナーの評判
アクティブハイブリッド5は国内では販売台数が少ないので故障に関する情報はTwitterにも少ないのですが、その中からいくつかご紹介しましょう。
親父のアクティブハイブリッド5退院!
修理代はなんとハイブリッドバッテリー交換で130万www
延長保証のおかげでタダだったんだぜ— いおり 🇺🇸FXDF (@ioio4303) October 8, 2017
こちらの方はお父様がアクティブハイブリッド5に乗っていらっしゃいますが、ハイブリッドシステムのバッテリーの故障が起こって修理されたそうです。
しかしその修理費用はなんと1,300,000円ということで驚くほど高額修理ですが、保証期間内ということで自費はかからず済んだようです。
そういえばうちのアクティブハイブリッド5、チェックランプが出たので修理に。
代車でZ4は貸してくれなかった(●´ω`●)— いおり 🇺🇸FXDF (@ioio4303) March 31, 2018
こちらは先程と同じ方なのですが、ハイブリッドバッテリーの故障から半年ほどでまた別のトラブルに見舞われているようです。
チェックランプの点灯なので原因はわかりませんが、トラブルは増加傾向にあるようです。
BMWのアクティブハイブリッド7とか5はどうなんだろう?
7とか3年落ち認定中古車で新車価格の4割だへんみたい笑笑 pic.twitter.com/3qBZB10L8s— ミルト(美流渡)✨WRXSTI (@mlruto_manjisen) July 18, 2017
アクティブハイブリッド5は中古車になって数年経過していますが、その間にわずか3年で中古車価格は新車価格の4割以下になってしまいます。
これはBMWが国産車よりも故障が多いことが理由であり、アクティブハイブリッド5も同様の理由で故障の多さから価格が下がりがちとなります。
BMW アクティブハイブリッド5の故障事例
アクティブハイブリッド5の故障事例はいくつかあるのですが、その中から代表的なものをご紹介しましょう。
ハイブリッドシステムのトラブル
まずアクティブハイブリッド5の代表的なトラブルとしてはやはりハイブリッドシステムがあり、前述のツイートにもあるように高額修理となる部品です。
ハイブリッドシステムはアクティブハイブリッド5の中核を成す部品であり、電動モーター、インバータ、ハイブリッド用バッテリーで構成されています。
これらの部品は結構な耐久力を持っているのですが、それでも経年劣化によって故障する場合があり、およそ年式5年〜10年、走行距離100,000kmに近づくごとに故障は増えます。
特に故障が多いのはハイブリッド用のバッテリーで、バッテリーは使用するごとに少しずつ劣化して容量などが減少するため、走行距離の多いアクティブハイブリッド5ではバッテリーの劣化が顕著です。
修理にはハイブリッド用バッテリーの交換が必要ですが、このバッテリーは非常に容量が多く部品代が高額で、修理費用は前述のツイートにあったように1,300,000円近い修理費用がかかります。
他にはインバータが次に故障しやすい部品でこれも年式や走行距離の多い車で起こります。インバータの故障は内部部品の経年劣化が原因で部品交換が必要なのですが、これも高額修理部品で数十万円かかる部品です。
電動モーターはそこまで故障の多い部品ではないのですが、エンジンやトランスミッション内部に入っているため修理にはエンジン分解が必要です。そうなると修理費用は数十万円から1,000,000円以上になります。
ハイブリッドシステムの故障はアクティブハイブリッド5のもっとも重大な故障といえるのですが、年式や走行距離がある程度多くないと起こりませんので新しい状態なら気をつけることはありません。
ですが中古車などで走行距離が多いとトラブルは増加傾向にあるため、注意が必要です。
エンジンからのオイル漏れ
アクティブハイブリッド5はモーター走行も出来るストロングハイブリッドカーですが、走行はエンジンの比率が相変わらず多くエンジンのトラブルもあります。その中でトラブルとして多いのはエンジンオイル漏れです。
エンジンオイルはエンジンの内部に循環しているオイルで、潤滑や冷却、油圧用フルードなどさまざまな用途に使われています。
その循環しているオイルはエンジンの各部でシールされており、ガスケットやオイルシールなどが使われています。
ですがこれらはシール部分にゴムを使っていることもあり経年劣化によってゴムが劣化してシール性が悪化します。
こうなるとオイルが少しずつ滲んでいくような状態となり、それが少しずつ進行していくことでオイルが垂れていくまで症状は進行します。
そうなる前にガスケットやオイルシールは交換しなければなりませんが、修理にはエンジンの分解が必要です。そのため部品費用よりも整備費用がかさみ100,000円〜200,000円ぐらいかかります。
またアクティブハイブリッド5は以前オイルフィルターのハウジングの設計不良からオイル漏れや冷却水漏れが起こったことがあり、以前リコールが発生しました。
現在は全て対策品に交換されているはずですが、もし交換されていなければこういった箇所からのオイル漏れも気にしたほうが良いでしょう。
エアコンコンプレッサーのトラブル
エアコンコンプレッサーはエアコンの冷媒ガスを圧縮する中心的な部品ですが、この部品は定期交換部品で50,000km〜80,000kmが必要な部品です。
通常の車ではエアコンコンプレッサーはエンジンの動力をベルトで伝達して作動しているのですが、ハイブリッドカーであるアクティブハイブリッド5ではエアコンコンプレッサー自体も電動化されており、エンジンの代わりに電動モーターで作動するエアコンコンプレッサーとなっています。
そのため故障原因としては電動モーターの故障やエアコン冷媒の漏れ、電子系のトラブルなどがあります。
こういった故障が起こると電動エアコンコンプレッサーの部品交換が必要で、それには200,000円〜300,000円近い部品費用が必要となります。
通常のエアコンコンプレッサーでは100,000円前後なのですが、電動エアコンコンプレッサーとなったことで部品代が高額となっています。
BMW アクティブハイブリッド5は買っても大丈夫か?
アクティブハイブリッド5はBMWのハイブリッドカーとしては比較的初期のモデルになりますが、1モーター2クラッチシステムというストロングハイブリッドシステムで良好な燃費性能を持っています。
ですが故障に関しては多少年式が古くなってきたこともあって、トラブルも増加傾向にあります。そのためか中古車価格も下がり気味で購入しやすくなってきているのですが、その分故障による維持費はかかってきます。
とくにハイブリッドシステムの故障はコスト的にかなりヘビーなものがありますので、中古車価格だけでは購入を決めないほうが良いでしょう。