CX-3はマツダのコンパクトSUVで国内で人気の非常に高い車種のひとつです。
今回はそんなCX-3の故障に関してご説明します。
CX-3の故障率
マツダCX-3は都会的なデザインを持つクロスオーバーSUVの1車種で、マツダのラインナップの中ではコンパクトSUVとなります。
CX-3は2015年に登場した比較的新しい車種で、マツダは長年SUVに力を入れてきたこともありCX-3は待望のコンパクトSUVでした。
CX-3は同社のコンパクトカー デミオと同じプラットフォームを使用しており、基本的な性能はコンパクトカーのものとなります。
ですが大径タイヤやSUVらしいデザインをまとってスタイリッシュな車になっていると共に、マツダが力を入れているクリーンディーゼルエンジンの搭載によってSUVらしいトルクフルな走行性能も持ちます。
そんなCX-3の故障率に関しては次のような点から判断できます。
マツダの自動車耐久品質調査
自動車の故障率というものは各自動車メーカーが独自に調査して情報を収集しているのですが、そのデータは社外秘の機密データとなっており私達は見ることができません。
そのため車の信頼性を見るためにはメーカーとは別の民間調査会社が公表しているデータを見る必要があり、その一つに米国J.D.パワー社が毎年調査して公表している「自動車耐久品質調査」があります。
この調査は各国市場の新車購入したユーザーから3年〜5年経過時の不具合件数を聞き取り調査し、その件数を各メーカーごとに集計してランキング形式としたものです。
この調査ではメーカーごとの信頼性しか見れずCX-3単体の故障率ではありませんが、全体的なメーカーごとの比較が可能です。
ランキング | メーカー | 不具合指摘件数 |
1 | レクサス | 51 |
2 | トヨタ | 61 |
3 | ダイハツ | 73 |
4 | スバル | 77 |
5 | 日産 | 78 |
6 | ホンダ | 79 |
7 | 三菱 | 82 |
8 | スズキ | 82 |
9 | BMW | 92 |
10 | マツダ | 102 |
11 | メルセデス・ベンツ | 103 |
12 | アウディ | 104 |
この調査ではマツダは10位にランクインしていますが、この順位は国産メーカーとしてはもっとも低い順位となっています。
トップのレクサスと比較すると不具合件数のポイントが2倍程度開きがあり、マツダは全体的に故障が多いといえます。
これだけの差がある裏にはいくつか理由がありますが、それについてはCX-3の故障事例などを見ながら後ほどご説明します。
CX-3の信頼性調査
J.D.パワー社はほかにも車種単体の信頼性調査も公表しており、この調査は北米市場の車種のみなのですがCX-3も北米で販売されているため対象になっています。
この調査では車種ごとの信頼性を平均星3点、最大星5点で評価した調査で、3点以下は信頼性が平均より低いといえます。
この調査でのCX-3の最新の評価は平均点である星3点であり、北米市場においてですが中間程度の評価となります。
この調査も毎年公表されていますが、CX-3は発売から現在までこの点数を維持しています。
参考 2019 Mazda CX-3 Reliability & RecallsUS News & World Reportなお北米市場にはCX-3以外の国産コンパクトSUVも発売されていますが、トヨタC-HRなどは同評価で星4点〜4.5点を獲得しておりその信頼性には大きな開きがあります。
もちろんCX-3よりも評価の低い車種もありますが、CX-3に関しては高くも低くもないという評価となります。
中古のCX-3の故障しやすさ
CX-3は現在中古車市場にも多数の車が存在していますがその大半はまだ状態の良い車であり、一般的には故障が少なく良い状態です。
国産車は一般的には年式10年以上、もしくは走行距離100,000kmが寿命と言われています。これを超えると故障は一気に増加する傾向にあり、中古車を選ぶ際の1つの判断基準となります。
ですがCX-3は年式に関しては2015年発売ということでまだ最大でも年式4年〜5年となります。ですのでCX-3の中古車で判断するのは主に走行距離となります。
走行距離に関しては50,000kmぐらいから少しずつ故障が増加傾向にありますので、中古車を選ぶ際は走行距離の少ないほうが当然ながら良いでしょう。
ですが50,000km越えたぐらいなら故障はそこまで多くありませんので、状態の良い中古車は多いでしょう。
CX-3オーナーの評判
CX-3のオーナーの方々は故障に関してTwitterに投稿されていますので、その中からいくつかご紹介します。
CX-3
2年10ヶ月 30000kmやっと到達!
何回もリコールあったけど故障は無かった😊 pic.twitter.com/DKvgNa6P3I— ツカ tee (@tsuka1WD) December 20, 2018
こちらの方のCX-3は新車購入から3年足らずで30,000km走行されたそうですが、その間は故障はなかったそうです。
ですがリコールは多かったようで、これはCX-3に限らず近年のマツダ車には多いのです。
CX-3を褒めた途端、今度はエアコンが故障した。買って1年位でエアコンは調子が悪く長時間の運転をすると次第に効きが悪くなって最終的に全く冷風が出なくなる不具合があり、昔ディーラーに診てもらった事があったんだが長時間運転せんと再現出来ないので問題なしで返されていた。
— mockmoon (@mockmoon2000) July 9, 2018
こちらの方のCX-3は故障なしとは行かなかったようで、購入してわずか1年ほどでエアコンが正常に動かないようになったようです。
このエアコン故障はCX-3には多いようで、Twitter上にも数多くの故障事例が投稿されています。
【悲報】私の愛車マツダCX-3購入半年で故障マーク点灯する。しかも電話しようとしたらお店連休で打つ手無し。
どういうことだよマツダァ— ラテおじさん (@usaginorate) April 17, 2017
こちらの方のCX-3もわずか半年で故障を知らせるランプが点灯したそうで、結構故障が多い車であることがわかります。
しかもタイミング悪くディーラーが連休で対応できないということで大変そうです。
CX-3の故障事例
CX-3はいくつかの点で代表的なトラブルが発生しており、とくにディーゼルエンジンに関してはリコールが多発するなどの問題となっています。
クリーンディーゼルエンジンのトラブル
クリーンディーゼルエンジンは排気ガスの有害物質排除など環境性能を大幅に増加した最新型のディーゼルエンジンで、CX-3の最大の特徴ともいってよい仕様です。
しかしこのエンジンはマツダ車全体でトラブルが多発しています。マツダは全社的にクリーンディーゼルエンジンを環境対応技術の中核に据えており、CX-3以外の主要車種の殆どに採用しています。
ディーゼルエンジンの問題点は何より排気ガスの有害物質でしたが、それを大気に放出しない技術などが進化しており、ディーゼルエンジンもともとの燃費の良さやCO2排出量の少なさが大きなメリットとなっています。
2010年ごろからマツダが採用を一気に伸ばしたこのエンジンですが、主に排気ガス処理装置に関するトラブルがリコールにつながっています。
詳しくは別の記事でご説明していますが、ディーゼルエンジンの有害物質の一つであるPM(粒状黒煙)、いわゆる煤がエンジン内部に溜まっていくのが大きな問題です。
通常はDPFという触媒で煤は無害化されるシステムなのですが、日本の道路事情や運転の仕方などでこの処理がうまく行かない場合があり、最終的にはエンジン停止や始動不良などに繋がります。
ディーゼルエンジンの不具合は現在ではリコール対応されたものとそれ以外に別れますが、CX-3の場合は基本的に保証の範囲に入っていますので無償修理がほとんどです。ですがもし保証が切れたとしたら、数十万円規模の修理費用になるでしょう。
エアコン関連トラブル
前述のツイートにもあるエアコンのトラブルですが、CX-3ではエアコンの冷媒が漏れるとラブルが多いようです。
エアコンの故障というと多くはエアコンコンプレッサーの故障や電装系の故障が多いのですが、CX-3では途中のエアコン配管から冷媒であるガスが抜けてしまい、冷却効率が落ちてエアコンの効きが悪くなったり最終的にはエアコンがまったく効かなくなります。
エアコンのガスが抜けるのは配管のつなぎ目などのシール部分から抜けることが多く、どうやら設計上で問題点があるようです。
またエバポレーターという中間部品の不具合でガスが漏れている場合もあるようで、複数の原因が考えられます。
エアコンの不具合も保証期間内であれば無償修理となりますが、有償修理になってしまうと100,000円前後の費用がかかるでしょう。
電気系統のトラブル
CX-3には電気系統のトラブルも多いようで、こういった細かい点の故障が不具合件数の増加に繋がっています。
電気系統と一口に言ってもその箇所は様々ですが、センサー系やスイッチ、ランプなどの不具合は多くあります。
エンジン警告灯が点灯しないといった不具合が起こった場合もあり、電気系統の信頼性は低いようです。修理はセンサーやスイッチなどであれば数千円〜数万円といった費用がかかります。
また発電機であるオルタネーターのトラブルも多く、発電効率が下がったことによる副次的な故障もあります。
オルタネーターは経年劣化によって故障する場合が多い部品ですが、CX-3の場合は部品の不良などによっても起こります。
修理は保証期間内であれば無償修理ですが、もしオルタネーター交換となれば100,000円前後の費用が必要です。
CX-3は買っても大丈夫か?
CX-3は世界的なSUVの人気の高まりを受けて生まれた車ですが、マツダが長年取り組んでいるデザインの改革とクリーンディーゼルエンジンに代表される先進技術が組み合わさったCX-3はとても満足度の高い車です。
コンパクトSUVなので取り回しもよく、ファミリーカーとしてもレジャー用のSUVとしても活用できるフレキシブルさもあります。
ですが故障に関しては前述の調査が示しているように国産メーカーの中では多く、信頼性はいまいちと言わざるを得ません。
とくにディーゼルエンジンのトラブルはまだまだ多く、毎年のようにリコールが出ています。もしこれを避けたいのであればCX-3のガソリンエンジンモデルを選ぶとよく、動力性能などは変わりますが故障に関しては比較的少なくなるでしょう。