ホンダのミニバンといえば、みなさんご存知「ステップワゴン」です。
「小さい頃、実家で乗っていたから思い出の車」という人も多いんじゃないでしょうか?
家族で乗る車こそ、走行性能や安全性能がとても重要。
そこで今回は、ステップワゴンは雪道において「どれくらい走れる車なのか?」を色々な角度から分析してみました。
ライバル車とも比較をしてみたので、合わせご覧ください。
ステップワゴンは雪道での走行はどうなのか?
さっそくですが、諸元を参考にしながら、ステップワゴンが具体的にどのくらい雪道を走れるのか見ていきましょう。
項目 | ベースモデル | SPADA | SPADA ハイブリッド |
種類 | 水冷直列4気筒DOHC16バルブターボ | 水冷直列4気筒DOHC 16バルブ+モーター | |
排気量 | 1,496cc | 1,993cc | |
最高出力 | 150PS/5,500rpm | 145PS/6,200rpm | |
最大トルク | 20.7kgf・m/1,600-5,000rpm | 17.8kgf・m/4,000rpm | |
車重 | 1,620-1,750kg | 1,680-1,750kg | 1,780-1,820kg |
全長×全幅×全高 | 4,690×1,695×1,855mm | 4,760×1695×1,855mm | 4,760×1695×1,840mm |
最低地上高 | 150/155mm | 155mm | |
駆動方式 | FF/4WD | FF |
※水冷、直列4気筒、DOHCエンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。
水冷エンジンのメリット5つ!バイクだけでなく車にも搭載されてる?!直列4気筒エンジンの特徴!どんな音?搭載車を日本車/外車の車種からそれぞれ紹介!DOHCエンジンとは?仕組み/構造は?ツインカムとの違いとは?!走行性能の評価
路面がツルツルな日は、ただ走るのも一苦労。雪や氷は摩擦が少ないので、タイヤのグリップが効きにくいです。
そんな状況で走るためには、どんな能力が求められるのでしょうか?チェックポイントをご覧ください。
- 駆動方式
- 最低地上高の高さ
- トルクの大きさ
まず「駆動方式」ですが、雪道ではいうまでもなく4WDが有効です。
ステップワゴンの4WDモデルは、電子制御によって前後のトルク配分を適切にコントロールします。これなら、雪の上でも安心ですね。
次に「最低地上高」ですが、これは150mm以上が楽に走れるラインといわれています。雪道では積雪のほかに轍(わだち)や氷塊など、障害物が多いですからね。その点、ステップワゴンは150mmと、ちゃんとスペースが確保されていますよ。
雪道では「トルク性能」も大事。これは氷上というよりも、雪が深い状況で求められますね。
ステップワゴンはガソリンターボによって、低回転からトルクを発揮できるので、雪道でも問題ありません。(ターボの詳細は以下の記事をご参照ください。)
ターボエンジンとは?仕組み/構造は?メリット2つとデメリット4つ!まとめると、雪道を走るには十分対応できるスペックというということです。ミニバンということでホイールベースも長いので、直進安定性も抜群。
コーナリング性能の評価
冬のお出かけの際は、山道などでコーナーを走る機会が多いと思います。スキーにしても、温泉にしても、行き先は山が多いですからね。
ある意味、直進安定性よりも「コーナリング性能」のほうが大切かもしれません。コーナーリング性能には、このようなチェック項目があります。
- 車重の軽さ
- 重心の低さ
コーナリングでも4WDが有利な気がしますが、実際にはそう大差ありません。
このように感じるのは、強くて重いボディを持つ四駆車のほうが、路面を強くグリップできるため。
ようするに、車体がコーナリングフォース(遠心力)に負けないからなのです。コンパクトカーと大型SUVとでは、重量がぜんぜん違いますよね?
しかし、雪道のコーナーでは単純に「重ければ有利」とはいえません。摩擦が極端に少ないため、コーナリングフォースがグリップを超えやすいんです。
簡単にいえば、重いほどスリップしやすいということ。
次に「重心」についてですが、コーナーにおいては重心が低いほうが好ましいです。
重心が高いと、コーナー旋回中に踏ん張りが利きませんからね。背が高くて足が弱い車は、峠のコーナーは要注意ですよ。
というわけで、車重が大きく重心が高いステップワゴンは、コーナーにおいて注意が必要な車といえます。コーナー進入前にきっちりスピードを落として、余裕をもって旋回しましょう。
ブレーキ性能の評価
雪道でもっとも重要なのは、いうまでもなく「ブレーキ性能」ですよね。周りに車がいなければいいですが、大きな道路で止まれなかったら一大事です。
ブレーキシステムの制動力や、タイヤの性能も重要ではありますが、他にもこんなものが関連しています。
- 車重の軽さ
- 駆動方式
通常、車重と制動距離の間には大きな差がありません。
なんとなく、重い車のほうが止まりにくい気がしますよね?たしかに重い物を静止させるには、大きなエネルギーを必要とします。
しかし、大きな荷重が加わる分、タイヤのグリップ力も増えるんです。重い車はタイヤサイズが大きいですし、そもそもブレーキシステムが強力だったりしますしね。つまり、車重はブレーキの制動距離に対して、大きく影響していないということ。
これに関しては、国土交通省が実施した「ブレーキ性能試験」からも判断することができます。
参考 ブレーキ性能試験結果一覧自動車総合安全情報しかし、これはあくまでもドライ路面における話。雪が積もった道路では適用されません…。コーナリングの話と同じ理屈で、雪の上では推進力がグリップを超えやすいんです。
少し長い話になりましたが、ようするに「軽い車のほうが止まりやすい」ということ。
コーナリングの部分でも触れましたが、ステップワゴンは重量があるので、ブレーキも苦手です。早めの減速を心がけて、できるだけブレーキを強く使わないようにしましょう。
もしステップワゴンを買おうと考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!ステップワゴンの雪道走行での評価
ステップワゴンの雪道走行については、みなさんどう思っているのでしょうか? Twitterから感想をいくつかピックアップしてみました。
課長のスタットレス装備のステップワゴンで爆走雪道。最高に楽しい(笑)
— not found (@panandpan) 2018年1月22日
車重・最低地上高があるので、雪道でも安定感はバッチリ。ミニバンのいい所は、ホイールベースが長くとられている点ですね。直進安定性に優れているので、轍の上でも車線変更が簡単に行えます。
雪道でスタックしてるところ、見ず知らずのステップワゴンに乗ってたお兄さんとお姉さんに牽引ロープで引っ張ってもらったり、リアバンパー摘出の作業を手助けていただきありがとうございました!
無事に家に帰ることができました…!
ご本人様にどうか届きますように🙏 pic.twitter.com/AEunyIynH4— アベック (@abeck_with) 2017年12月6日
こちらの投稿者さんは、スタックしたところをステップワゴンに救出してもらったことがあるようです。
ステップワゴンは安定感に加え、ある程度トルクが確保されているので、乗用車なら雪の上でも牽引できます。それなりに雪道性能が高くないと、車なんて引っ張れませんよね?
以前はエクストレイルのMTだったのでスタッドレス履けば、ほとんどの場所は難なく走れたけれど、ステップワゴンはタイヤも小さいし、車高も低いので雪道には不向きかも😰
— 向日葵 (@himawari3404071) 2018年9月3日
ただし、あまりハードな雪道は苦手です。あくまでもミニバンですからね、SUVほど走破性は高くありません。過信して雪に突っ込んだ場合、バンパーや車体下を破損するかも?
ステップワゴンの走行性能については以下の記事でも解説しているので、興味のある方はこちらも参考にしてみてください。
ステップワゴンの走りは最高?走行性能を解説しつくします!ステップワゴンの雪道性能をほかの車と比較
ここで気になるのは、「ライバル車と比較すると、どうなのか?」ということ。
というわけで、同クラスのモデルと雪道性能を具体的に比べてみましょう。今回、比較対象に選んだのはトヨタ「ヴォクシー」、三菱「デリカ D:5」です。
比較しやすいように価格も載せておきましたので、よかったら参考にしてみてください。ちなみに、ステップワゴンのベースモデルは228~360万円、ステップワゴンSPADAは273~366万円となっています。
トヨタ ヴォクシー
ミニバンのバリエーションが豊富なトヨタですが、その中でも「ヴォクシー」は根強い人気を誇る一台です。
「ノア」「エスクァイア」とは姉妹車という関係ですが、今回はアクティブなイメージのヴォクシーと雪道性能を比較してみましょう。
ちなみに、ヴォクシーの販売価格は237~327万円ということで、ベースモデルのステップワゴンと同等の価格帯です。
項目 | 諸元 |
種類 | 直列4気筒DOHC |
排気量 | 1,986cc |
最高出力 | 152PS/6,100rpm |
最大トルク | 19.7kgf・m/3,800rpm |
車重 | 1,570kg |
全長×全幅×全高 | 4,695×1,695×1,825mm |
最低地上高 | 160mm |
駆動方式 | FF/4WD |
ハイブリッドモデルも用意されているヴォクシーですが、4WDはガソリン仕様車のみに設定されています。
エンジン性能は同じ程度ですが、出足の速さはハイブリッド仕様のステップワゴン、中間加速はガソリン仕様のヴォクシーに分があるでしょう。
さて、雪道性能についてですが、ヴォクシーのほうが最低地上高がわずかに高く、加えて車重も100kgほど軽いですね。
よって、雪道でのコーナリング性能・ブレーキ性能は、ヴォクシーのほうが優れていると考えられます。
ステップワゴンが勝っているのは、氷上での発進性能です。車重があり低速域に強いため、発進時に路面を強くグリップするためですね。
ヴォクシーについては以下の記事で口コミ・評判をまとめているので、興味のある方はこちらも参考にしてみてください。
ヴォクシーの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!三菱 デリカ D:5
無骨なイメージのある三菱からは、SUV並みの性能を持つミニバン「デリカD:5」を比較対象にしてみたいと思います。
ディーゼルモデルの販売価格は240~373万円ということで、キャラクターが異なりますが、ちょうどライバル関係のモデルですね。
項目 | 諸元 |
種類 | 直列4気筒DOHC ディーゼルターボ |
排気量 | 2,267cc |
最高出力 | 148PS/3,500rpm |
最大トルク | 36.7kgf・m/1,500-2,750rpm |
車重 | 1,880-1,910kg |
全長×全幅×全高 | 4,790×1,795×1,870mm |
最低地上高 | 210mm |
駆動方式 | 4WD |
ガソリン2種にディーゼル1種のラインナップを持つデリカD:5ですが、男性人気といえばディーゼルモデルでしょう。(ガソリンとディーゼルの違いの詳細は以下の記事をご参照ください。)
ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの違い3つ!比較すると熱効率や寿命が全然違う?!駆動方式はフルタイム4WDのみという無骨さに加え、最大36.7kgfという大トルクが男心をくすぐります。
最低地上高は210mmということで、こちらもミニバンらしからぬ数値。クロカン車としても乗れるだけあり、一般的なミニバンとは一線を画しています。
しかし、ステップワゴンよりも200kg以上重い車重が、少しネックです。車体が重い分タイヤサイズも大きく、シャシーも強いため、そこまで差し支えありませんが、雪道の一般道では重さを感じるシーンが多々あるかも…。
したがって、発進性能やハードな積雪路ならデリカD:5のほうが優れていますが。コーナリング性能やブレーキ性能はステップワゴンに分があるでしょう。
デリカD:5の雪道性能については以下の記事でさらに詳しく解説しています。詳細まで知りたい方は、こちらも参考にしてみてください。
デリカD:5は雪道に弱い?雪道走行の性能について徹底分析しました!ステップワゴンは雪道走行する車としては買いか?
というわけで、ステップワゴンの雪道走行についての解説は以上になります。
まとめると、『ハードな雪道は厳しいが、日常使用なら問題ないミニバン』といった感じですね。
年に数回は困るシーンがあると思いますが、丁寧に運転をすれば問題なく乗れる車でしょう。冬に乗る車としてベストな選択とはいえませんが、選択肢として考えるのはアリでしょう。
ハイブリッドということで、スタックに弱いので、スコップや牽引ロープは常備しておきたいところ。
ステップワゴンについては以下の記事でも解説しているので、興味のある方はこちらも参考にしてみてください。
ステップワゴンは故障が多い?壊れやすいのか故障率をもとに解説!ホンダ ステップワゴンがキャンプに最適な理由5つ