ボルボ XC60はスウェーデン生まれのクロスオーバーSUVで、スタイリッシュなデザインが魅力の車です。
今回はこのXC60の後部座席について詳しく見ていきましょう。
XC60の後部座席の2列目・セカンドシート
ボルボXC60はステーションワゴン風のデザインを持つクロスオーバーSUVで、SUVらしい力強さとボルボ伝統のストレートなラインを併せ持つかっこいい車です。
今回はXC60の後部座席を詳しく見ていきますが、その前に車の大まかなサイズ感をご紹介しましょう。
スペック | XC60 | |
乗車定員 | 5名 | |
全長 | 4,710mm | |
全幅 | 1,900mm〜1,915mm | |
全高 | 1,660mm | |
室内長 | 約2,100mm | |
室内幅 | 約1,600mm | |
室内高 | 約1,000mm | |
ラゲッジルーム | 高さ | 約900mm |
幅 | 約1,100mm | |
奥行き | 約800mm | |
運転席寸法 | 高さ | 約1,000mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約1,000mm | |
助手席寸法 | 高さ | 約1,000mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約1,000mm | |
後席寸法 | 高さ | 約1,000mm |
幅 | 約1,400mm | |
奥行き | 約900mm |
XC60はボルボのクロスオーバーSUVラインナップでは中型の車種で、その全長は国産の中型車とほぼ同サイズとなっています。
ですがXC60の全幅は大型車並みの1,900mmを超えるワイドなものになっており、大柄で安定感のあるフォルムであるとともに全高が意外と低めなのでスタイリッシュでもあります。
XC60はその大きなボディを活かして特に車内の室内幅が広く取られており、車内の解放感やラゲッジスペースのひr差など様々な面で広い車内が魅力の一つにもなっています。
ではこのXC60の後部座席を詳しく見ていきましょう。
XC60の広さ・居住性
XC60は車全体としては5人乗りの車になっており、後部座席にはそのうち3名が乗車します。
XC60の後部座席は左右に3席が繋がったいわゆるベンチシート式の座席ではありますが、シートの質感やデザインはまるで高級ソファーのような豪華さがあり、ひと目見ただけでもそのクオリティの高さがわかります。
後部座席への乗り込みは左右の後部ドアから行いますが、ドアの開口部が広いだけでなく床面の高さも低いので、SUVながら乗降性も優秀な車になっています。
シート表皮は仕様によってはツートンカラーなどにもすることができ、いわゆるスカンジナビアンデザインと呼ばれる上質な家具のようなシートはボルボならではです。
そして後部座席は左右の幅が一般的な乗用車よりも一回り大きなサイズとなっており、2名乗車のみならず3名のフル乗車であっても横の人と窮屈にならずに買い手に座ることができるでしょう。
またXC60の室内スペースは後部座席よりも運転席や助手席が広めに確保されていますが、それであっても後部座席のスペースは十分すぎる広さがあります。
後部座席に座ったときの前席シートとの間の足下空間は拳2個〜3個分ものスペースが確保できており、大柄な人であっても十分くつろいで座れるサイズ感です。
XC60の室内高は車の全高がSUVにしては低めなのでミニバンのような圧倒的な広さはありませんが、それでも天井まで拳1個分ぐらいのヘッドクリアランスは確保できますし、ルーフのデザインもフラットで狭くなったりしないので窮屈さはあまり感じないでしょう。
さらにXC60にはボルボ伝統の大型のサンルーフを装備することも出来るので、こちらを装備すれば後部座席でもより解放感を感じることが出来て快適な装備の一つになっています。
XC60の後部座席のチャイルドシート対応
XC60はその車内の広さや利便性の高さからファミリーカーとしても便利な1台ですが、子育て世代の車として運用する際にはチャイルドシートへの対応が気になる部分です。
チャイルドシートは子供専用の小型のシートのことで、車の座席に載せ利用する製品です。
車の通常のシートは子供の体には大きすぎて安全に保護できないため、ある程度の年齢になるまではチャイルドシートの利用が義務付けられています。
チャイルドシートには乳幼児用や幼児用、学童用など体の大きさや年齢にあわせた製品がありますが、ほぼすべてのチャイルドシートは後部座席に搭載して利用するものとなっています。
チャイルドシートの固定にはシートに備え付けのシートベルトを利用するのが一般的ですが、近年では「ISOFIX」と呼ばれるチャイルドシート専用の固定器具が備わっている車が増えてきており、ISOFIX対応のチャイルドシートをより確実に固定することができます。
XC60には後部座席の左右席にこのISOFIX式の固定器具が1組ずつ装備されており、後部座席に2つまでチャイルドシートをしっかり固定できます。
後部座席の背面には「トップテザーアンカー」というチャイルドシートの上を支えるストラップの固定先もあり、ISOFIXと併用することでより確実で安全な固定ができます。
XC60で後部座席に2つチャイルドシートを搭載するとかなりのスペースを専有しますが、室内幅やシートの横幅が広いのでその間のセンター席にも体の小さい人ならなんとか座ることも可能でしょう。
なおチャイルドシートの搭載にはある程度の後部座席のスペースが必要ですが、XC60の後部座席スペースであれば十分なスペースがありますので不足することはないでしょう。
ただしチャイルドシートメーカーは各車種に対する適応表を公表していますが、輸入車であるXC60はそのリストに載っていないこともあるのでその場合は事前に確認しておいたほうが良いでしょう。
XC60の座り心地
XC60の後部座席は非常に良い座り心地の座席となっており、高級車の乗り心地がしっかり備わっています。
XC60の後部座席はそのデザインやシート表皮のクオリティからも上質感が伝わってきますが、シートのデザイン的に左右席には大きめの凹凸が設けられており体や腰をしっかりとホールドする性能が高いです。
一般的な乗用車ではその間のセンター席は簡易的な場合が多いのですが、XC60ではなんとセンター席にも小さいながらもホールド性を高める凹凸がついており、3席すべてで体が振られずに楽に長時間座っていられるシートに仕上がっています。
さらにシート自体の固さも柔らかすぎず硬すぎずちょうどよいものとなっており、欧州車の特徴である長距離運転に適した疲れにくいシートとなっています。
XC60は後部座席の周辺スペースも広いので快適性が高いですし、サスペンションなどの足回りも優秀なので日本の凹凸の多い道であっても跳ね上げを感じさせない安定感も魅力です。
またXC60の後部座席には3席全てにヘッドレストが装備されており、普段は頭を預けるクッションであるヘッドレストが事故の際には首を守ってむち打ちを防いでくれる安全装備なので、装備されているかどうかは重要なポイントとなります。
特に左右席のヘッドレストはサイズが大きくて保護性能が高いので優秀であり、運転席や助手席と遜色ないボルボらしい安全性の高さがあります。
一方でセンター席には一見するとヘッドレストがないようにも見えるのですが、実は後部座席の背もたれ部分に埋め込まれるようにしてヘッドレストが装備されており、センター席に座るときにはそこから上に伸ばして利用します。
このセンター席のヘッドレストは埋め込み式になっていることでドライバーの後方視界を妨げない配慮がなされており、こういった設計は国産車にも欧州車にも見られないボルボ独自のものです。
さらには後部座席の左右席のヘッドレストについてもなんと電動式もしくは手動式で前側に倒して格納することが可能で、後方左右の視界を妨げがちなヘッドレストも状況に応じて運転席から操作して格納できるのです。
もちろん後部座席に乗員がいる際にはしっかりヘッドレストを展開させなければなりませんが、それ以外のときに安全確保を第一に考えたシステムが組み込まれているというのが、安全性の高さをなにより特徴としているボルボらしさといえるでしょう。
XC60の後部座席の装備
XC60は後部座席周りにさまざまな装備が備わっており、快適性だけでなく利便性も高い車になっています。
まずXC60の後部座席のシートベルトについて詳しく見ていきますが、シートベルトは3席全てに3点式シートベルトが装備されています。
安全性の高いボルボであれば3点式シートベルトなのは当然ではありますが、3点式シートベルトが体や腰を支えてくれるので走行中も安定したシートポジションをキープしてくれるのも快適なポイントです。
また左右席のシートベルトはそれぞれすぐ脇のピラー部分から、センター席のシートベルトも座席の脇から出てきているので、どちらも標準的な装着方法であつかえて初めて車に乗る人でも戸惑いなく装着できるでしょう。
その他の後部座席周りの装備はグレードやオプション装備でいろいろな仕様の違いはありますが、まず快適性を高めてくれるのが後部座席用の空調システムです。
XC60では前席シートの間にあるセンターコンソールの後ろに後部座席用のエアコンダクトがある他、運転席後方のBピラー部分にもダクトがあり後部座席であっても快適な温度に調整できるのは便利です。
加えて後部座席シートヒーターも装備できますので冬期も快適であり、こういった空調寒冷の充実さは寒冷地であるスウェーデンの車らしいところです。
さらにセンターコンソールのエアコンダクトの下側には1箇所だけアクセサリーソケットがあり、ここに器具を差し込めばスマホなどの充電にも利用できます。
またXC60の後部座席では各所に収納も充実しており、左右のドアポケットや前席シート背面のシートバックポケットは容量の大きい使い勝手の良いものが備わっています。
グレードによってはシートバックポケットが網目状の仕様もあり、このあたりもデザイン重視の装備です。
さらに後部座席のセンター席は背もたれ部分からアームレストを展開させることができ、左右席に座るときにはこちらを引き出せば快適に腕を預けることも出来ます。
加えてアームレストには小物入れや開閉式のボックス、展開式のドリンクホルダーなども備わっており、上質なデザインを損なわないように展開式となっているのもさすがですね。
XC60のリクライニング・シートアレンジ
XC60の後部座席ではリクライニングなどの機能に加えてシートアレンジも充実しており、高い機能性を備えています。
XC60の後部座席はシートの前後スライド機能こそ無いものの、中型SUVでは高級装備であるリクライニング機能が備わっています。
後部座席の後ろにはすぐにタイヤハウスがあるため大きく寝るまで倒せるわけではないものの、多少でも調整出来れば快適性が結構変わるのでうれしい装備です。
XC60の後部座席は左右の6:4分割式なので2席が繋がった右席は同時に倒すことにはなりますが、大きく倒すわけではないので座れないほどにはならないのは良いですね。
後部座席の足元空間も元々十分なスペースがあるので、標準レイアウトでも快適です。
またXC60の後部座席は背もたれ部分を前側に倒して収納することができ、この機能によってラゲッジスペースを拡大するシートアレンジとなります。
XC60の標準のラゲッジスペースは決して狭くはないのですが、長い荷物などを積込むときにはシートアレンジによってさらにラゲッジスペースを広げて対応できます。
シートアレンジも6:4分割式で片方だけ倒すことも出来るので、さまざまなシーンにあわせた使い分けが可能となっているのも便利です。
さらにシートアレンジを行なったあとのスペースはほぼ完全なフラットになっていて積み込みも楽ですし、車中泊を行うときのスペースにも最適です。
XC60はステーションワゴン的な使い方も出来てアウトドアやキャンプにもピッタリの車なので、シートアレンジの使い勝手の良さはありがたい点です。
XC60の後部座席の評価・口コミ
XC60の後部座席についてはtwitterではさまざまな投稿があり、その中からいくつかご紹介します。
今日はVolvo見てきた。XC60、比較するだけとあまり予習もせずに行ったら、意外とよい。GoogleMapもSpotifyもデフォルトで入ってる大きなスクリーン、新しい。座り心地もよく、後部座席のエアコン上部にも送風口がついてたりと、さらっと気が利いてて、試乗予約してしまった。
— 茶子 (@chaco39) August 20, 2022
こちらの方はXC60の試乗をされているようなのですが、様々な箇所に魅力を感じていらっしゃるようです。
後部座席についても様々な箇所に気が配られていて試乗すると欲しくなってしまう車です。
📱
XC60のセンターディスプレイ機能ビューはボタンを自由に動かせるから自分仕様に変更可能。
私は右側に良く使うボタンを配置。ヘッドレストを倒すボタンだけはあまり触らない位置に。不意に押してしまうと後席の人を攻撃してしまいます😆 pic.twitter.com/TYmMu43TYk
— musselblue_xc60 (@musselblue_xc60) October 6, 2019
こちらの方はXC60の運転席脇のコントロールパネルを操作していらっしゃいますが、XC60ではなんとここから後部座席のヘッドレスト収納が遠隔操作で可能です。
このような装備はボルボにしか見られないものであり、後部座席に乗員がいるときには操作しないようにもしたいので細かくスイッチの位置を変えられるタッチパネルは便利そうです。
総評
ボルボ XC60は中型クラスのSUVにしては大きな車ですが、それだけのゆとりと快適性、利便性の高さを持った車です。
特に後部座席の居住性の高さや装備の充実さは実に快適な車に仕上がっており、国産車では味わえない質感の高さもあわせて満足感が十分な車です。
その分価格も高めの輸入車ではありますがそれだけの価値はあります。