日本では数少ないオープンカーであるロードスター。
眺めてよし走ってよしの車の本質を極めた非常に魅力がある車です。
最近はハードトップタイプのRFも登場して選べるバリエーションも増え、より身近になりました。
そんなロードスターですが燃費は良いのでしょうか。
ここではロードスターの燃費について解説していきます。
ロードスターの燃費・実燃費
まずはロードスターのカタログ燃費と実燃費の差をチェックしていきます。
ロードスターはWLTCモード燃費が採用されていますので、実燃費はカタログ値に非常に近い数値です。ロードスターのカタログ燃費はコンバーチブルモデルが16.8km/L、RFは15.2km/Lです。
では実燃費はどのような数値になるのでしょうか。
燃費の種類 | 基準車 | RF |
カタログ燃費 | 16.8km/L | 15.2km/L |
街乗り燃費 | 14~17km/L | 12~15km/L |
高速燃費 | 17~19km/L | 15~17km/L |
ユーザーの燃費を見ていくとこの様になっています。なんとカタログ燃費を超える場合が多くなっています。高速燃費では両者ともに大幅にカタログ値にこえており、非常に優秀な燃費性能です。
WLTCモードが厳しい基準だといっても街乗りですでにカタログ値を超えており、燃費性能の高いポテンシャルが感じられます。スポーツタイプでありながらもこれだけ燃費が良いと嬉しいですね。
ロードスターの燃費の口コミ
ロードスターの燃費についてユーザーはどう感じているのでしょうか。ここではツイッター上からロードスターの燃費に関する口コミをご紹介していきます。
NDロードスターはエコカーなので、ほぼずっとエアコンを付けながら宇都宮〜会津若松〜新潟〜蔵王を下道、蔵王〜宇都宮を高速で、全部で678km走ってもこの燃費である。 pic.twitter.com/KhkELdllWp
— いけち@🇺🇸航空博物館ガイド本🍈委託中 (@aoa30) 2018年7月23日
こちらの方は20.5km/Lという数値です。エアコンをつけっぱなしで普通に流していてもこれだけの数値が出ています。
NDロードスターの燃費は普段乗りで車両の燃費計読みで13~17、下道長距離だと20位まで伸びる時があるから、普通に乗る分にはデミオに近い燃費性能もあったりもします。ハイオク指定ですがあまり苦にはならない燃費性能です。
— えふえふ (@nb8corz) 2018年1月10日
ロードスターはコンパクトカーのデミオ並みの燃費です。指定燃料はハイオクですがこれだけ燃費が良いのでそれほど燃料代は苦になりませんね。
NDロードスターの2017-09-24計測の燃費は20.49km/Lでした。
ロドスタはエコカー
— だをばみゃん (@tmbchan) 2017年9月28日
こちらの方も20km/Lを超えています。ユーザーの意見として多いのが、ロードスターはエコカーだという意見です。実燃費が非常に良く、走れば楽しいので最適な車です。
ロードスターの歴代の燃費・実燃費
ユーザーの評判も良いロードスターですが、歴代のロードスターの燃費はどうだったのでしょうか。ここでは歴代の燃費を検証していきます。
初代ロードスターの燃費・実燃費
View this post on Instagram
初代ロードスターは日本の伝統的な文化をデザインに盛り込んだ、優れたデザイン性の車です。
カタログ燃費は10・15モード燃費で1.6Lモデルが12.2km/L、1.8Lモデルが12.0km/Lという数値で、30年も前の車でありながらもなかなか優秀な数値をしています。
実燃費は1.6Lモデルが9~11km/L、1.8Lモデルが8~10km/Lとこちらもカタログ燃費に近く、良好な燃費性能といえるでしょう。
燃費の種類 | 1.6L | 1.8L |
カタログ燃費 | 12.2km/L | 12.0km/L |
街乗り燃費 | 9~11km/L | 8~10km/L |
高速燃費 | 11~13km/L | 11~13km/L |
2代目ロードスターの燃費・実燃費
View this post on Instagram
2代目ロードスターは、初代をベースに安全性や燃費性能を向上させたモデルです。
カタログ燃費は初代より若干伸びて1.6Lモデルが14.2km/L、1.8Lモデルが12.2km/Lとなっています。しかし実燃費は1.6Lモデルで9~12km/L、1.8Lモデルで9~11km/Lと初代とそんなに変わらない数値です。
燃費の種類 | 1.6L | 1.8L |
カタログ燃費 | 14.2km/L | 12.2km/L |
街乗り燃費 | 9~12km/L | 9~11km/L |
高速燃費 | 13~15km/L | 12~15km/L |
3代目ロードスターの燃費・実燃費
View this post on Instagram
3代目ロードスターはプラットフォームから新型となり、ボディサイズや排気量と全体的に大きくなりました。
排気量が2.0Lのみとなったロードスターのカタログ燃費は、13.0km/Lと微妙な数値になりました。しかし実燃費は街乗りで9~11km/Lとこれまでと大きく変わらない性能をしています。
燃費の種類 | 数値 |
カタログ燃費 | 13.0km/L |
街乗り燃費 | 9~11km/L |
高速燃費 | 11~14km/L |
ロードスターは日本車の中でも一際デザイン性の優れた車で、海外からも非常に高い人気があります。
そのためさまざまな要求や仕様の向上などがありますが、現代でもこのプロポーションを貫きつつ高い燃費性能をしており、マツダのこの車に対する真面目さが感じられます。
ロードスターの燃費の理由
現行のロードスターは優れた燃費性能をしています。これらはどういった技術から達成されているのでしょうか。解説していきます
とても軽いボディ
ロードスターのボディはなんと1t前後の車重と現代の車とは思えないくらい軽です。最近の車は安全性を高めるために鉄板を厚くしたり、安全装備やセンサーなどが多く積まれているため、車重は重くなる傾向があります。
ロードスターは高剛性材やアルミ素材を多く用いることで軽量化し、無駄な構造を省いて粉パクトなボディにすることで非常に軽い車重を実現しました。ここには非常に大変な苦労があったようです。
エンジンのダウンサイジング
先代では2.0Lとどんどん大きくなりつつあった排気量ですが、現行モデルでは1.5Lと車体のサイズダウンとともに排気量も下げています。
海外販売の比率の影響で車体サイズはどんどん大きくなっていくものばかりですが、ロードスターは原点回帰で初代のような軽快なボディになっています。
必要十分なサイズ感で軽快な走りをする、まさに走って楽しい車です。
燃費向上技術も多く採用されています
スポーツカーらしいパッケージングのロードスターですが、実は燃費向上技術も多く採用されています。
まずはアイドリングストップです。さまざまな車の燃費向上策として活躍するアイドリングストップですが、ロードスターにも採用されています。
停車してからフットブレーキを強めに踏むことでエンジンを止められる、操作がしやすいアイドリングストップでとても便利です。
つぎに大容量キャパシターです。こちらは減速時のエネルギーで大きく充電して大容量キャパシタに取り込み、車両バッテリーに充電や電装部品に電力を供給します。これにより充電のためにエンジンを回す時間が減り、燃費が良くなります。
スポーツモデルながらも環境性能もしっかり考えられています。
アクセルを踏みすぎる人が多い
ロードスターは走って楽しめる車です。そのためふとした時にその加速の良さからアクセルを強めに踏んでしまいがちです。
もともと燃費性能を求めるような車ではありませんが、日常使用で少しでも燃費を良くしたい場合はアクセルワークは丁寧にする必要があります。
ロードスターの燃費改善・向上方法
燃費もしっかり考えられているロードスターですが、さらに燃費を良くする方法はないでしょうか。ここではロードスターの燃費をさらに向上する方法をご紹介します。
ゆっくり発進しよう
ロードスターの燃費を伸ばすためには少しでも無駄を減らしていくことが重要です。そこで一番エネルギーのかかる発進時のアクセルワークを見直しましょう。
まず発進時はアクセルで2,000回転を目安に徐々にクラッチを繋いで前に出ましょう。これならばエンジンの回転も無駄になりません。ATの場合はクリープ走行でまずは前に出ます。
ある程度スピードが乗ってきたらアクセルを4割ほど踏み込んでしっかり加速します。
エンジンブレーキを使おう
次にロードスターの走行中の無駄を減らすためにエンジンブレーキを活用します。エンジンブレーキ中は燃料供給がカットされるので燃費は実質無限大です。
ほとんどの車のエンジンは1,500回転以上でアクセルが離された状態であれば燃料供給がカットされ、エンジンブレーキがかかるようになっています。
MTモデルもATモデルも任意でギアを落とすことができるので、速度に合わせたギアでエンジンブレーキをしっかり使って減速していきましょう。
早めの変速をしよう
MTは低速ギアを引っ張って高いエンジン回転を維持しながら走ると非常に気持が良いです。しかしそれでは燃料の消費が大きくなるので、燃費優先で走るときはできるだけ早めに変速しましょう。
目安はタコメーターで2,500回転とし、ノッキングにならない程度に小気味よく加速していって、ハイギアで巡航がセオリーです。
アイドリングストップを制御しよう
ロードスターにはアイドリングストップが採用されています。燃費改善に役立つシステムですが、アイドリングストップ採用車は3秒以上アイドリングストップしていないと意味がないです。なのでめたらやたらにアイドリングストップしていては無駄な場合もあります。
ロードスターのアイドリングストップは停車時のブレーキの踏み具合で制御が可能です。停車時に強く踏めばエンジンが止まりますし、軽く踏めばエンジンは止まりません。
こうした具合でアイドリングストップをブレーキ操作などで自分の思い通りに制御し、3秒以上停車しそうなときにアイドリングストップをするように制御しましょう。
ロードスターの燃費を他の車と比較
ロードスターの燃費性能はなかなか優秀です。ではロードスターのライバル車たちの燃費はどうでしょうか。
ここでは比較に上がりやすいホンダのシビックハッチバック、日産のノートnismo、トヨタの86と比較していきます。
ホンダ シビックハッチバック
シビックはホンダが発売するスポーツハッチバックです。1.5Lターボエンジンは非常にパワフルで、CVTの他にMTもラインナップされているので乗って楽しいクルマです。
そんなシビックのカタログ燃費は18.0km/Lです。では実燃費を見ていきましょう。
燃費の種類 | 数値 |
カタログ燃費 | 18.0km/L |
街乗り燃費 | 10~13km/L |
高速燃費 | 16~19km/L |
燃費性能では1.5LNAエンジンのロードスターのほうが優れています。ただエンジン性能に関しては、スポーティな1.5Lターボエンジンのシビックに対してロードスターは1.5LのNAエンジンです。シビックのほうがパワフルな走りをします。
燃費の良さではロードスターですが、エンジンパワーに魅力を感じる場合はシビックがおすすめです。
日産 ノートNISMO
ノートNISMOは日産の主力コンパクトカーノートをエンジンから外装までスポーツチューンを作り上げたモデルです。高回転まで吹け上がりの良いNAエンジンが非常に気持ちの良い走りを見せます。
ノートNISMOのカタログ燃費は届け出がないので数値がありません。なので早速実燃費を見ていきましょう。
燃費の種類 | 数値 |
カタログ燃費 | -km/L |
街乗り燃費 | 10~13km/L |
高速燃費 | 14~16km/L |
燃費性能ではロードスターのほうが優秀です。
軽量コンパクトでFRレイアウトのロードスターとカスタムカーのノートNISMOでは指向性がちょっと違うので単純比較はできません。燃費性能でも走行の楽しさでもロードスターの方がよいでしょう。
トヨタ 86
スバルとトヨタの共同開発で久しぶりに登場したスポーツクーペがトヨタ86です。
クーペスタイルにFRレイアウトとスポーツカーの王道のようなスタイルはロードスターの直接的なライバルとも言えます。
カタログ燃費は11.8km/Lとなっていますが、実燃費を見ていきましょう。
燃費の種類 | 数値 |
カタログ燃費 | 11.8km/L |
街乗り燃費 | 9~11km/L |
高速燃費 | 11~14km/L |
ここでもロードスターのほうが優れているという結果になりました。どちらも走って楽しい車ですので悩んでしまう部分も多くありますが、燃費性能で選ぶならロードスターが良いでしょう。
ロードスターは実はエコカー
ロードスターはカタログ燃費こそそれほど良い数値ではありませんが、実燃費は驚くほどよく、エコカー顔負けの燃費性能です。
走って楽しめるパッケージの車なので、燃費を気にせず運転できる最高のドライブカーだと言えます。ただの実用的なエコカーに飽きが来ている人にはちょうど良い刺激を与えてくれる車なのではないでしょうか。