レクサスRCは高級車ブランドであるレクサスの大型クーペで、スタイリッシュなクーペボディと高い走行性能が特徴です。
今回はこのレクサスRCの後部座席について見ていきましょう。
レクサスRCの後部座席の2列目・セカンドシート
参考:lexus.jp
レクサスRCは高級セダンなどを手がけるレクサスの少ないスポーツカーラインナップの一つで、車高の低いスポーツカーらしい2ドアクーペとなっています。
レクサスRCは2014年登場の比較的前の車になりますが、現在でもラインナップには残っており長寿車種のひとつにもなっています。
ではまずこのレクサスRCの大まかなサイズ感からご紹介しましょう。
スペック | レクサスRC | |
乗車定員 | 4名 | |
全長 | 4,700mm | |
全幅 | 1,840mm | |
全高 | 1,395mm | |
室内長 | 1,875mm | |
室内幅 | 1,520mm | |
室内高 | 1,120mm | |
トランクルーム | 高さ | 約400mm |
幅 | 約1,000mm | |
奥行き | 約700mm | |
運転席寸法 | 高さ | 約800mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約1,000mm | |
助手席寸法 | 高さ | 約800mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約1,000mm | |
後席寸法 | 高さ | 約700mm |
幅 | 約500mm×2 | |
奥行き | 約700mm |
レクサスRCは車高が低く流線型のボディを持つスポーツカーで、スポーツカーとしてはオーセンティックなセダンベースのクーペスタイルとなっています。
車の全体的なサイズは全高がロングで左右幅もワイドで大柄なボディを持っており、ドライバーのための走りを追求した車となっています。
車内は運転席と助手席のほかに後部座席も設けられており、スポーツカーでは2シーターの車も多い中でセダンに近いレイアウトを持っています。
また上級仕様としてより走りを磨き上げた「レクサスRC F」というモデルもありますが、後部座席に関しては基本ほぼ同一の仕様です。
ではこのレクサスRCの後部座席を見ていきましょう。
レクサスRCの広さ・居住性
参考:lexus.jp
レクサスRCは2ドア4シーターのスポーツカーで後部座席を持つ車ですが、後部座席については基本的に補助シート的な役割となっています。
後部座席への乗り込みは2ドア車のため運転席や助手席のドアから行いますが、その際には前席シートを前に倒して空間を空けて乗り込むクーペ特有のものとなります。
レクサスRCはクーペタイプのスポーツカーとして何よりドライバーのために作られた車であり、運転席や助手席は座席のサイズにもゆとりがあり周辺装備も充実しています。
一方で後部座席は一見しただけでも運転席や助手席よりもかなり狭いものとなっており、特に座席に座ったときの前後スペースが約700mmと運転席や助手席の7割程度まで小さくなっています。
この後部座席に座ると前席シートのシートバックとの間のニースペースがかなりギリギリであり、標準体型の人でもニースペースは拳1個分ぐらいしか無いなどなんとか座れるほどのサイズしかありません。
また後部座席は一般的な乗用車にあるような左右に3席が繋がったベンチシートではなく、後部座席の左右がセパレートされている2席仕様となります。
スポーツカーとしてホールド性の高いデザインとなっている後部座席ですが、左右の幅は身体の位置がほとんど決められているサイズなので前後サイズの狭さと相まってかなり窮屈感のあるものです。
さらに座席に座ったときの頭上空間もかなり狭いものとなっており、頭上空間がほぼ無いぐらいギリギリで座ることになるでしょう。
運転席や助手席についてはシートの前後サイズや上下サイズは勿論のことながら多少のゆとりがあるもので窮屈すぎるということはありませんが、後部座席はそれに対して緊急時に座れればよいといったコンセプトのため全体的に狭いのです。
特にレクサスRCはスポーツカーらしいフォルムを形作るためにルーフが車の後部に行くに従って低くなるデザインになっており、後部座席の頭上部分が最も狭くなってリアウインドウにも接近するので背の高い方は天井にぶつかるぐらいになってしまうでしょう。
レクサスRCのチャイルドシート対応
レクサスRCは2ドアクーペということでファミリーカーに向いた車ではありませんが、実は後部座席にチャイルドシート用の装備がされています。
チャイルドシートは子供専用の小型シートのことで車の座席の上に乗せて使用するのですが、子供の小さな体では普通の車のシートは大きすぎて安全性が確保できないためチャイルドシートが必要とされます。
チャイルドシートには乳幼児用、幼児用、学童用などさまざまな年齢や身体の大きさに合わせたものがありますが、搭載位置としては事故の際により安全性のある後部座席が選ばれることが多いです。
またチャイルドシートの固定にはシートベルトを活用するのが一般的ですが、近年では「ISOFIX」と呼ばれるチャイルドシート専用の固定機構が普及して来ており、これに対応したチャイルドシートと車であれば確実な固定ができます。
レクサスRCはスポーツカーのため子供を乗せて普段から走り回るような車ではないのですが、後部座席には左右の座席それぞれにISOFIX対応の金具が用意されておりチャイルドシートを固定することができます。
後部座席のスペースは前述したとおり決して広いものではなくチャイルドシートの搭載自体が大変な部分ではありますが、後部座席があることでファミリーカーとしての利用が一応出来るのは悪くない点でしょう。
また後部座席の左右にそれぞれ1つずつチャイルドシートを積み込むことも一応は可能であり、4人家族でレクサスRC1台で移動することができます。
とはいうものの実際にチャイルドシートが搭載できるかどうかはチャイルドシートの大きさにかかっており、あまり大きなチャイルドシートだとレクサスRCの後部座席には収まりません。
またチャイルドシートが搭載できても実際にそこに子供さんを乗せるのも一苦労で、運転席や助手席から座席を倒して滑り込むように乗せなければならないため、小さな子供ほど大変でしょう。
こういった点はスポーツカーであるレクサスRCにチャイルドシートを乗せる時点でどうしようもない点でもあり、実際的にはレクサスRCのほかにファミリーカーとして便利な別の車がある方が良いですね。
レクサスRCの座り心地
レクサスRCの後部座席は基本的に緊急時の補助シート夜行った役割が強く、座り心地などは一般的な乗用車ほど快適さはありません。
レクサスRCの後部座席はそのサイズの狭さを見ても分かるように運転席や助手席と比べると広さはなく、普段使いをするよりは一時的に人を乗せるために使う座席となっています。
後部座席は座面や背もたれの感触が硬くて長距離だけでなく近距離走行の際にも結構疲れやすいシートで、座面の角度も結構斜めになっていますので足を抱えるような体勢で乗ることになるのは窮屈です。
一方でシート自体のデザインが凹凸がしっかりあってホールド性を確保できるような形状になっていますので、スポーツ走行時でも後部座席でしっかり身体を支えてくれる仕様となっているのはこの車ならではのメリットではあります。
またレクサスRCの後部座席には左右の座席にそれぞれヘッドレストが装備されており、後部座席での安全性は確保されています。
ヘッドレストは走行中は乗員が頭を乗せるクッションの役割がありますが、事故の際には乗員の頭をしっかり前後で支えることでむち打ちを防ぐ効果があり衝突安全装備の一つとして重要です。
スポーツカーなどでは後部座席が簡易的であることでヘッドレストが装備されていない車種もあるのですが、レクサスRCではその点は安心です。
なおこのヘッドレストは上下への調整機能があるのですが、ヘッドレストの上辺りはちょうどリアウインドウがだんだん低く絞られていく箇所にあり、背の高い人だと完全にはヘッドレスト位置を上に上げるのが難しい場合もあります。
レクサスRCの後部座席の装備
レクサスRCは高級車ブランドであるレクサスなので運転席や助手席周りはかなり豪華な装備となっているのですが、後部座席周辺となるとかなりシンプルなものに限られます。
レクサスRCの後部座席はシートの座り心地やスペースの狭さなどでエマージェンシーシートの役割が強いのですが、それに合わせる形で後部座席周辺装備は必要最低限のものとなります。
後部座席のシートの表皮こそ豪華な本革仕様などもあるのですが、大型の収納やドリンクホルダーなどの装備は基本的にはなく、ちょっとした小物入れがある程度にとどまっています。
座席の左右には丸形のリアスピーカーがあったり運転席と助手席脇のセンターコンソール裏には後部座席用のエアコンダクトがあったりとスポーツカーにしては充実した装備もありますが、もともとあまりくつろげるシートではないため居住性を高める機能は限定的でしょう。
また後部座席のシートベルトについては座席の左右に安定性のある3点式シートベルトが装備されており、安全性の確保は十分です。
また3点式シートベルトは身体も支えてくれるので走行中にもメリットを持っており、スポーツ走行をするレクサスRCでは後部座席で身体を支えるために重要な装備です。
その他左右の席の間には背もたれ部分から引っ張り出して使えるアームレストが装備されており、4人乗り仕様の後部座席を有効に活用する形となります。
なおレクサスRCの最上級スポーツモデルであるレクサスRC Fでは後部座席の装備が少し変わっており、特にセンター部分にあったアームレストが装備されていないのが大きな違いとなります。
これはより走りに特化した車ということで装備の簡便化や軽量化などに役立っているものです。
レクサスRCのリクライニング・シートアレンジ
レクサスRCはスポーツカーということで後部座席でのリクライニングやシートアレンジなどの便利な機能はほとんどないのですが、シートアレンジの一つとしてトランクスルー機能だけは利用できます。
レクサスRCの後部座席ではそのスペースの狭さもあってふつうに座るだけでも窮屈ですが、運転席や助手席を前後にスライドしたりリクライニングしたりするとより後部座席が狭くなる場合はあります。
ですがその際でも後部座席の座席の位置や背もたれの角度は固定式であり、元々のサイズ以上のスペースを確保できません。
背もたれの角度や座面の角度もかなり窮屈めな設定なのですが、限られた狭いスペースでなんとか座席の形を作るための形状です。
また最近のセダンやクーペなどトランクルームを持つ車ではシートアレンジとして後部座席を前に倒すことが可能で、そうすることで車室とトランクルームをつないで大きなラゲッジスペースを確保するトランクスルー機能があります。
レクサスRCでは後部座席を収納するような機能はなく固定式となっていますが、一部後部座席の左右席の間の部分だけでトランクスルーができるようになっており、リアセンターアームレストを展開することでトランクスルー機能にもなる仕様です。
これを使えば一部だけですがトランクルーム以上の長い荷物を前後に積み込むことができ、多少は便利に活用することができるでしょう。
ただしレクサスRCの最上級スポーツモデルのRC Fではセンターアームレストが装備されていないので、それに伴ってトランクスルー機能も廃止されています。
レクサスRCの後部座席の評価・口コミ
レクサスRCの後部座席についてはtwitterにもいろいろな投稿があり、その中からいくつかご紹介していきましょう。
レクサスRCはまだシートを前にすれば座れるけどLCとかこの前の1ヶ月点検のときにディーラーから借りたけどあの後ろは本当に座れたもんじゃない
ただ、後部座席があることで前席の圧迫感がなかったり、荷物置き場に使えたりするし
完全な2シートよりはいいかな…— さくらにゃん (@Sakuranyan1627) November 15, 2019
こちらの方はレクサスRCに乗られているようなのですが、後部座席の狭さについてはかなり厳しい面があるようです。
ですがこの方のおっしゃっているように単純に荷物置きとして活用できたり前席シートが倒せたり、車内スペースに解放感が生まれたりするので、後部座席があること自体でのメリットはあります。
今思えば、後部座席とはいえ、レクサス RC-Fに乗れたことはメチャラッキーだったのかも…
しかし、ステアリングがシビアな車だったわ〜— ギガレフティー 💉p 💉p 💉m (@kumicho19780702) August 28, 2016
こちらの方はレクサスRC Fの後部座席に乗って走りを体験されたそうなのですが、後部座席でも走りの良さを感じられるのは楽しいでしょう。
後部座席のスペースはたしかに窮屈で長時間乗るのは厳しいのですが、何人かで車の走行性能を味わうには後部座席があるのが便利な点でもあります。
総評
レクサスRCは高級セダンなどが有名なレクサスでは珍しいクーペタイプの車ですが、その走行性能は本格的なスポーツカーでドライバーのための車になっています。
またレクサスということで車内のクオリティや質感も高い車種に仕上がっているのですが、後部座席についてはスポーツカーの例にもれずサイズの小さな補助シート的なものとなっていて快適性は高くありません。
それでも後部座席があることでの利便性もたしかにありますので、実用性も兼ね備えたスポーツカーとしては良い車種に仕上がっています。