スバル アウトバックはスバルのクロスオーバーSUVで、大型で高級感のあるデザインが特徴です。
今回はそんなアウトバックのデザインについて見ていきます。
アウトバックのデザイン
スバル アウトバックは1995年から現在までラインナップされているスバルの上級車種のひとつで、以前はレガシィ アウトバックなどとも呼ばれていた車種です。
アウトバックはクロスオーバーSUV系の大柄なボディを持つ車ですが、レガシィツーリングワゴンの系譜でもありハッチバックカーらしい低いフォルムを持っています。
アウトバックは日本でも長年人気の車種ですがそのメインのターゲットは北米市場にあり、国内の車としては結構大きなサイズ感を持つ車となっています。
ですがアウトバックにはスバルが得意とする強力な水平対向エンジンやAWDシステムが搭載されており、大きな車ながらしっかりSUV的な走破性能も持ち合わせています。
また車内は5人乗りの2列シート車種となっており、価格面でも実質的にスバルの最上級の高級車としての側面も持っています。
アウトバックの最新モデルは2021年に登場したまさに最新型の車種で、大型のボディながらスポーティな印象があります。
以前はレガシィの派生モデルということで似たような印象のデザインだった世代もありますが、途中からアウトバックという単独車種になったことでデザインも専用となっています。
また現行モデルのアウトバックには大きく分けて2種類のモデルが設定されており、高級車としての質感が高い「Limited EX」と、SUVらしいデザインの「X-BREAK EX」があります。
今回はこれらアウトバックのデザインについて見ていきましょう。
アウトバックLimited EXエクステリア
アウトバックには高級車としての側面とSUVとしての側面があるのですが、高級車としての側面が強く出たのが「Limited EX」です。
アウトバックLimited EXのフロントのエクステリアデザインは質感の高い要素がたくさん盛り込まれているものであり、フロントで目を引くのがメッキを多用したグリルやフェンダーでしょう。
このグリルやフェンダーにはオプション装備として別デザインのメッキパーツも用意されており、高級車としての存在感を高めるデザインとなっています。
加えてフロントマスクやサイドラインにはSUVらしいオーバーフェンダー風のブラックのラインやアンダーパネルなども設定されており、高級車とSUVのデザインが融合した形となっています。
またメッキパーツは車の側面のウインドウに沿う部分にあったり、リアバンパー下部のプロテクター部分もメッキ調となっていて各所に質感の高いパーツがあります。
リア側にもブラックのラインが入っているとともにSUVらしくリアが上がっているようなデザインですが、車高の高さや車全体のフォルムはステーションワゴンのようにも見えます。
サイドウインドウやリアウインドウは結構な広さを持つデザインとなっているので視認性が良好で、大きな車ながら運転もしやすいデザインに仕上がっています。
他メーカーにある高級セダンなどとはフォルムの上で大きな差別化がされていますが、車全体の質感は非常に高いものとなります。
アウトバックX-BREAK EXエクステリア
アウトバックのもう一つのデザインコンセプトは「X-BREAK EX」という名前になっており、こちらはアウトドア向けの力強いデザインが特徴です。
Limited EXとX-BREAK EXの違いはフロントマスクを見るだけでも一目瞭然で、X-BREAK EXのほうはLimited EXの各所にあしらわれていたメッキパーツがほとんどありません。
グリルはシックなカラーになっているとともにフロントバンパーやフォグランプ回りにあったメッキパーツはブラックに変わっており、Limited EXよりもシックなイメージのデザインとなっています。
またホイールなどもブラック基調のデザインとなっており、アウトドア向けで汚れに負けない力強いデザインとなります。ライトやブラックのラインなどはどちらも共通ですが、周りのデザインが違うことで大きく印象が変わります。
サイドについてはウインドウ周りのメッキパーツは共通で装着されていますがリアには設けられておらず、リアもブラック基調のデザインに変わっています。
基本的なフォルムやリアコンビランプのカラーなどは共通なのですが、メッキパーツが少なくなるだけでアウトバックという車のオフロード性がデザインに一気に表れてきますね。
また細かい点としてはルーフレールやサイドにあしらわれたデカールなども変化があり、Limited EXではルーフレールにメッキパーツがあったところをX-BREAK EXではブラックと蛍光グリーンのラインが入っていたり、サイドの文字も蛍光グリーンになっていたりと印象的なワンポイントもあります。
この2種類のデザインコンセプトを持つことがアウトバックという車の性格をしっかり表しており、どちらの需要にも合わせられる車となっていますね。
アウトバックLimited EXインテリア
アウトバックの2つのデザインコンセプトはインテリアにもしっかり反映されており、まずはLimited EXをご紹介します。
まずアウトバックのインパネ周りですがかなり複雑なパネル構成をしており、大型のカーナビとメーター内のディスプレイが高い機能性を表しています。
一方でインパネ周りには質感の高さを感じさせる部分が各所に盛り込まれており、タンカラーのインテリアではダッシュボードやメーター周りだけでなくカーナビの下を巻くような形で高級感のあるデザインが盛り込まれています。
シフトレバーやハンドル周りにも各所にメッキパーツが盛り込まれて実に満足感の高いインパネとなっており、SUVではなく高級車としてのデザインに仕上がっています。
またLimited EXでのインテリアカラーには本革らしいタンカラーとシックなブラックの2種類があるのですが、高級車としての存在感が高いのはタンカラーのインテリアです。
どちらのカラーでも基本はブラックの内装なのですが、タンカラーではインパネ、シート、サイドのハンドル、ヘッドレストなどが本革のタンカラーになり、華やかな質感の高さがあります。
一方でブラックのインテリアでもシートは本革シートになるのですが、全体的に引き締まったインテリアと各所に盛り込まれたシルバーステッチが良いアクセントになっています。
特にタンカラーのインテリアはSUV系の車種では珍しいインテリアとなっており、高級車としての存在感はバッチリでしょう。
アウトバックX-BREAK EXインテリア
X-BREAK EXのインテリアには遊び心があるポイントが各所にあり、Limited EXのインテリアとは一線を画しています。
X-BREAK EXのインテリアカラーは前述のタンカラーやブラックとは異なってグレー基調のカラーになっており、インパネのパネル部分やシートなどが対応するカラーに変わっています。
メッキパーツなどは同様に各所に盛り込まれているものの、さらに目を引くのはインパネ、シートやサイドのハンドルに盛り込まれた蛍光グリーンの細いラインでしょう。
全体的にシックなカラーでまとめつつもアウトドア感のあるスポーティなラインを取り入れることによって、遊び心のあるインテリアに仕上がっています。
またこのX-BREAK EXのシートは生地から他の仕様と変わっており、水を弾く撥水シート生地になっています。X-BREAK EXはアウトドアに焦点を当てた仕様であり、水汚れや泥汚れによってシートが汚れてもすぐに掃除できる便利なインテリアとなっています。
その中でもサイドにあしらわれた蛍光グリーンのステッチがおしゃれですよね。この撥水生地はインテリアの各所にも使われており、汚れにくい素材というのはアウトドアには便利です。
アウトバックのボディカラー
アウトバックには2種類のデザインコンセプトがあるのですが、ボディカラーに関してはどちらの仕様でも共通で以下のカラーが設定されています。
アウトバック Limited EX、X-BREAK EX共通 | クリスタルホワイトパール |
アイスシルバーメタリック | |
クリスタルブラックシルカ | |
クリムゾンレッドパール | |
ブリリアントブロンズメタリック | |
マグネタイトグレーメタリック | |
サファイアブルーパール | |
ストームグレーメタリック | |
オータムグリーンメタリック |
アウトバックのボディカラーには現在上記の9色が設定されていますが、全体的にはシックなカラーが多い印象です。
定番カラーであるホワイト、ブラック、シルバー系のカラーは全体的に落ち着いた印象を与えますが、アウトバックにはすべてのボディカラーで下回りにブラックのラインが入りますので定番カラーは白黒のモノトーンに近いものとなります。
明るいカラーとしてはクリムゾンレッドパールやサファイヤブルーパールなどがあるのですが、どちらも少し落ち着いたカラーなので派手な印象にはなりません。
その他にSUVらしいカラーとしてブリリアントブロンズメタリックやオータムグリーンメタリックなどのアースカラーが設定されているのが印象的で、X-BREAK EXのアウトドアモデルにはぴったりのボディカラーです。
このカラーはメッキパーツをつけたLimited EXでも選べますので、SUVらしいカラーと質感の高い高級感のあるデザインの融合も楽しめます。
アウトバックは人気か?
アウトバックはスバルの最上級車種の一つですが、国内での人気に関してはそこまで高くはありません。
アウトバックは旧レガシィアウトバックも含めてメインのターゲット市場は北米となっており、北米市場でのスバル車としては圧倒的な人気を誇ります。
北米でいち早く2020年後半にフルモデルチェンジを果たした現行モデルなどは2021年の1月〜9月で120,000台以上の売れ行きを見せるなど非常に好調で、同時期の北米全体のスバルの販売台数の四分の一を占めるほどです。
アウトバックは北米向けの大柄なボディやハイパワーなエンジンとAWDシステムの搭載、そしてスバル独自の信頼性の高さなどでとても評価が高く、アウトバックはかなり人気がある車種と言えます。
しかし国内市場においてはそうでもなく、北米市場とほぼ同じ仕様の車ながらフルモデルチェンジ直後の販売予定台数はわずか1,200台と北米市場と比べればささやかなものです。
アウトバックの国内での販売台数は2003年からの累計で120,000台程度と北米市場の1年分にも足らない台数であり、年間販売台数はせいぜい数千台程度の規模です。
その理由はいくつかあるのですが販売台数を見ると決して人気車種とは言えず、スバルで言えばもう少しサイズの小さなレヴォーグやフォレスターのほうが販売台数は圧倒的に多くなっています。
アウトバックの評判
アウトバックのデザインについてはtwitterにもいろいろな評判があり、その中からご紹介していきましょう。
ラストMEGAWEB&新型S4実車拝見
S4実物見ると結構カッコいいかも
あと新型アウトバックが個人的にカッコよすぎた pic.twitter.com/xvaNBAsgHa— ゆーた (@Yuta_199887) December 4, 2021
この方はスバルの新車の展示をいろいろ見られたそうなのですが、その中ではアウトバックがかなりカッコよかったようですね。
この写真にあるようにアウトバックのフォルムはスポーティな存在感があり、ひと目見てカッコいいと思えるものに仕上がっています。
新型アウトバックかっこいい!ってディーラーに言ったらパンフくれたんだけど
いだましぐって申し訳ねぇ😖つが、めちゃくちゃカッコいいな!
このオフロード感というか北米のゴツゴツ感というか!しかもアウトバックにもオータムグリーンメタリックあるのか!😲
めっちゃ似合いますよね😘 pic.twitter.com/WCS20gBdvn— はっせい (@FORESTER_DAI) October 24, 2021
こちらの方はスバルのディーラーに行かれたときにアウトバックを見られたようなのですが、北米譲りのオフロード的なデザインがとってもカッコよかったそうです。
またボディカラーについてもアウトバックにピッタリのカラーもありとても好まれていますね。
スバルに行ったら新アウトバックも来てたのでチラ見、かなりカッコいいけど山のようにデカイ
担当氏曰く、フラッグシップなんだから2.4ターボと可変ダンパー載せろやとのこと、まぁイメージ的に1.8はダメだろうな買わんけど
— Dunkerque (@nitro_norisuke) November 27, 2021
こちらの方もスバルのディーラーに車を見に行かれてアウトバックのカッコよさを感じられたのですが、一方でその車のサイズは気になったそうですね。
国内でアウトバックがカッコよくても販売台数が多くない原因の一つがこれであり、日本にマッチした車というわけではないのです。
アウトバックの欠点
アウトバックのデザインについてはカッコいいとい評判とは裏腹に販売台数の面ではそこまで人気が高くありませんが、それはアウトバックのサイズ感やデザインが関係しています。
アウトバックのサイズが大きすぎる
まずアウトバックの国内での評価として非常に多いのが車のサイズが大きすぎるという点があります。アウトバックはレガシィシリーズのSUVタイプの車種という位置づけですが、そのレガシィが現在は北米メインの車種となっていることからも車のサイズが大きくなりがちです。
アウトバックは車の全長が4,800mmとかなり長い車で、国内の車種としては大型セダンや大型ミニバンに匹敵するサイズ感です。
また全幅もかなりワイドで存在感のある車ではあるのですが、日本国内の狭い道などでは取り回しの面で多少不弁な部分が多く、これがアウトバックの人気が国内でいまいちな点となります。
アウトバックは全高は一般的なSUVよりは低めではあるのですが、車の押し出し感の強いデザインもありとても大柄なボディに見える車です。
アウトバックが人気な北米であればアウトバックより大きな車種がメインであり、むしろアウトバックはサイズが控えめで使い勝手が良いという評価にまで繋がります。
これがアウトバックの人気のもとではありますが、日本国内では逆の評価になってしまうので販売台数の面でもあまり振るわなくなっています。
また後述するように価格についても高級車クラスの価格帯になっており、その面でも人気車種となるほどではありません。
大型車ながらミニバンほどの積載量はない
アウトバックの人気がいまいちな理由としてはその特徴的なデザインが実用面で微妙ということもあります。
アウトバックはデザインのコンセプトとしてステーションワゴンとSUVを融合したような車となっており、ステーションワゴンの低いフォルムのボディに走破性を兼ね備えたSUVライクの性能を持っています。
このコンセプトは昔からのアウトバックの特徴でありカッコいいフォルムとアウトドア向けの実用性から、そういったニーズには高い評価を得られている車種ではあります。
しかし近年の国内のトレンドとして見てみるとアウトバックのコンセプトは中途半端な面も多く、同じ高級車のカテゴリーではどうしても大型ミニバンに人気が移っています。
大型ミニバンや中型ミニバンなどの背の高いミニバンは車のサイズとしてはアウトバックよりも大きな車種もあるのですが、一方でその大柄なボディを活かした車内の積載量や乗車定員の多さなどメリットも多いです。
しかしアウトバックでは低めのフォルムからミニバンほどの積載性はなく、また乗車定員も2列シート5人乗りまでなので3列シートで7人〜8人まで乗れるミニバンには及びません。
オフロードなどの走破性はアウトバックのほうがミニバンより高いのですが、それが活かせるシーンというのは日常では殆どないのです。
こういった点からアウトバックのスタイルというのは実用性の面で微妙な点が多く、同じ大きな車を運用するならばミニバンが便利なのはよく分かる理由でしょう。
アウトバックの値段
では最後にアウトバックの価格をご紹介しますが、現行のアウトバックはフルモデルチェンジしてまだ日が浅いので前型モデルも合わせてご紹介します。
また新車価格と合わせて中古車価格をご紹介しますが、こちらは大手中古車情報サイトであるカーセンサーとgoo-netから調べました。
アウトバック | 新車価格 | 中古車本体価格相場 | |
アウトバック6代目(現行モデル) | 4,147,000円〜4,290,000円 | カーセンサー | 中古車なし |
goo-net | 中古車なし | ||
アウトバック5代目(前モデル) | 3,130,000円〜3,630,000円 | カーセンサー | 1,098,000円〜3,699,000円 |
goo-net | 1,099,000円〜3,699,000円 |
まず現行モデルのアウトバックですが、新車価格は初めて4,000,000を超えておりLimited EX、X-BREAKともこのぐらいの価格帯になります。
スバルにはこの他にレガシィも国内ラインナップにはありますが、価格帯はほぼ同等であり国内のスバル車の最高価格車種はこれらレガシィシリーズの車種となっています。
中古車についてはあまりに新車発売から日が経っていないことと販売台数が限定的なため、現時点では中古車市場に現行アウトバックの中古車は見つかりませんでした。
その点前型モデルのアウトバックでは中古車市場にそれなりの台数が残っており、価格も1,000,000円程度からと比較的購入しやすい価格帯になっています。
前型アウトバックと現行アウトバックの新車価格を比較してみるとよく分かるのですが、新車価格は現行モデルで大きく上昇しており、このあたりも北米メインの車種であることが関係しています。
前型アウトバックは現行モデルと比べると多少おとなしめのデザインではありますが、コストパフォーマンスを考えると悪くない選択肢です。
一方で現行アウトバックはデザインのカッコよさでは定評がある車種ではありますが、4,000,000円台という新車価格帯では他にも高級車種や大型ミニバンなどの選択肢があり、それらと比べると実用的な面でアウトバックは最高の車種とはいえません。
それでもアウトバックの高級感とSUV感の合わさったデザインというのは珍しいものでもありますので、スタイルに惹かれたならば非常に満足度の得られる車にはなるでしょう。