日産 ジュークはコンパクトカークラスのクロスオーバーSUVで、非常にクセの強いデザインが特徴の車となっています。
今回はこのジュークの後部座席について見ていきます。
ジュークの後部座席の2列目・セカンドシート
日産 ジュークは2010年に初めて登場した車で、その非常に特徴的なフロントマスクデザインとコンパクトでワイドな塊感のあるボディで一躍人気車種となりました。
海外では現在2代目となるジュークですが2代目は海外専用車種となっており、国内では2019年まで生産された初代ジュークが唯一のモデルとなります。
今回はこの初代ジュークの後部座席について詳しく見ていきますが、まずはジュークの大まかなサイズ感をご紹介しましょう。
スペック | ジューク | |
乗車定員 | 5名 | |
全長 | 4,135mm | |
全幅 | 1,765mm | |
全高 | 1,565mm〜1,570mm | |
室内長 | 1,835mm | |
室内幅 | 1,470mm | |
室内高 | 1,215mm | |
ラゲッジルーム | 高さ | 680mm |
幅 | 880mm | |
奥行き | 660mm | |
運転席寸法 | 高さ | 約1,100mm |
幅 | 490mm | |
奥行き | 約1,000mm | |
助手席寸法 | 高さ | 約1,100mm |
幅 | 490mm | |
奥行き | 約1,000mm | |
後席寸法 | 高さ | 約1,000mm |
幅 | 1260mm | |
奥行き | 約800mm |
ジュークはコンパクトカークラスのプラットフォームを使って開発されたクロスオーバーSUVで、SUVにしては比較的短い全長とワイドな全幅でどっしりしたフォルムを持っています。
デザイン的な特徴はなによりも切れ目のポジションランプとその下にあるフォグランプのようなヘッドライトで、コンセプトカー然とした特異なフォルムは登場時から賛否両論ありました。
ですが結果的にはかなりの人気車種となって長い間販売され、ボディデザインも絞りの強いデザインが印象的で一度見たら忘れない車になっています。
そんなジュークはコンパクトな車ということで車内スペースも全体的に小さくまとまっており、ラゲッジスペースも小さめです。
ではこのジュークの後部座席について詳しく見ていきましょう。
ジュークの広さ・居住性
ジュークはコンパクトカークラスのボディに5人乗りできる普通車となっており、後部座席には3名が乗車できます。
ジュークは車のレイアウトとしては5ドアタイプのハッチバックカーとなっており、後部座席は3席が横につながったベンチシート式の座席となっています。
後部座席への乗り込むは左右の後部ドアから行えますが、後部ドアは開閉角度こそ大きいもののドア自体のサイズが前席ドアに比べて小さめなので乗降性はそこまで良くはありません。
後部座席は左右の幅がコンパクトカークラスにしても少し狭めとなっており、2名乗車ならば隣の人とぶつからないものの3名乗車だと結構窮屈さを感じる左右スペースとなっています。
また後部座席の前後サイズも運転席や助手席より短いものとなっており、標準体型の方でも後部座席に座ったときには前席シートのシートバックとの間のニースペースが拳1個分ぐらいのゆとりしかありません。
このサイズでは普段使いならばなんとか座れるのですが長時間の乗車となるとかなり辛い体勢となっており、長距離の旅行などでは後部座席では疲れやすくなるでしょう。
加えてジュークはボディのデザインが車の後部に行くに従って絞られていくような特徴的なスタイルをしているのですが、このせいで後部座席は特に左右と上下から圧迫感のある座席になっています。
特に天井までの距離がちょうど頭の位置で最も低くなるのでゆとりがほとんどなく、窮屈感を感じるとともに背の高い人ではシートポジションも厳しいこととなるでしょう。
ジュークは車のコンセプトや全体的なデザインが特徴的でそれが人気の車ではあるのですが、その影響で車内スペースは制約を色々と受けています。
特に後部座席はコンパクトカークラスの車ということで元々小さめにならざるを得ない部分なので、ジュークでは結構窮屈な座席となっています。
ジュークの後部座席2列目のチャイルドシート対応
ジュークはコンパクトな車でファミリーカーとして使っている方もいらっしゃる取り回しの良い車ですが、その際チャイルドシートへの対応が気になるところです。
チャイルドシートは子供専用の小型のシートのことで車のシートの上に搭載して利用するのですが、車の通常のシートでは子供の小さな体では安定した保護が出来ないので専用のシートが必要となります。
チャイルドシートには乳幼児用や幼児用、学童用などさまざまな年齢や体の大きさに合わせたものがあるのですが、これらの搭載位置の多くは事故の際により安全性の高い後部座席となることがほとんどです。
またチャイルドシートの固定にはシートベルトを利用することが一般的なのですが、近年では「ISOFIX」と呼ばれるチャイルドシート専用の固定規格が制定されて普及しているので、これに対応した車とチャイルドシートであればより確実な固定ができます。
ジュークは後部座席にこのISOFIX対応の金具をシートの座面と背もたれの間に装備しており、左右の座席に1組ずつあるので後部座席に2つまでチャイルドシートを固定できます。
さらにチャイルドシートの上側を支えるストラップ用の「トップテザーアンカー」も装備されていますので、この2つを利用すればしっかりとした固定が可能です。
しかしジュークは後部座席のスペースが全体的に小さいので実際にチャイルドシートが搭載できるかどうかはチャイルドシート自体のサイズにかかっており、あまり大きなチャイルドシートだと運転席や助手席にぶつかってしまうこともあるでしょう。
日産にはあらかじめ搭載性を確認されたメーカー純正のチャイルドシートもあるのでこれであれば搭載性は問題ないのでしょうが、その他のチャイルドシートを搭載する場合にはあらかじめしっかり搭載性を確認したほうがよいでしょう。
ジュークの座り心地
次にジュークの後部座席の座り心地についてご紹介していきます。
ジュークの後部座席は全体的なデザインとしてはフラットに近い形状となっており、中型セダンなどでありがちな左右席に凹凸が強くついていてセンター席が盛り上がっているような形状ではありません。
そのためシートのホールド性自体はそこまで強くありませんが、シート自体の背もたれや座面の厚みはそこそこありコンパクトカークラスとしては十分な座り心地は持っています。
とはいってもシート周辺のスペースの小ささからくる窮屈さを解消できるほど座面が沈み込みもしないので、ちょっと固めの感触のシートになっており長距離などになると少し疲れやすいシートではあります。
一方でセンター席の盛り上がりが少ないので左右席と比べても座り心地にはそこまで差はなく、センター席だけが特に座りづらいなどはありません。
またジュークの後部座席には3席全てにヘッドレストが装備されており、安全性はしっかり確保されています。
ヘッドレストは普段の走行時には乗員が頭を乗せるクッションですが、事故の際などの万が一のときにはこのヘッドレストで頭をしっかりと前後に支えてむち打ちを防いでくれる重要な安全装備となります。
ジュークの後部座席では左右の座席には多少大きめのヘッドレストが装備されるとともにセンター席は少し小さめではありますが、どちらも保護性能はしっかりありますので後部座席でもしっかり安全装備があるのはうれしい点です。
またこのヘッドレストは上下への調整機能があり、ジュークの後部座席が上下スペースが小さいこともあってしっかりヘッドレストを伸ばしたほうが走行時でも万が一の際にもしっかりヘッドレストが機能します。
ジュークの後部座席の装備
ジュークの後部座席では全体的にシンプルな装備となっており、必要最低限の利便性を確保したという感じになっています。
まずジュークの後部座席のシートベルトについて見ていきますが、シートベルトは3席すべてで運転席や助手席同様の3点式シートベルトが装備されていて安全性はしっかり確保されています。
また3点式シートベルトは走行中に体を支えてくれる効果もありますので、ジュークの後部座席のようにフラットなでザインのシートに座る上ではシートポジションをキープしてくれてうれしい装備でもあります。
コンパクトカーや中型車などでは後部座席のセンター席のシートベルトが変則的な構造な場合も多いのですが、ジュークの後部座席ではセンター席のシートベルトの使い勝手は他の座席と変わらないので初めて乗る人でも戸惑うことなく装着できるでしょう。
その他の装備としては各所にある程度のサイズの収納が備わっており、特徴的なのは前席のセンターコンソールの後ろには後部座席用の小物入れが設けられていることです。
この部分はジュークのインテリアデザインの特徴である鮮やかなパネルカラーとなっており、左右のドアトリムのデザインと合わせて見た目にもなかなかかっこいい部分です。
そのほかの収納は左右のドアポケット兼ドリンクホルダーがあって利便性は良好ですが、前席シート裏のシートバックポケットは運転席側にはなく助手席側のみというのは少し残念です。
また左右のドアにはリアスピーカーも装備されていてオーディオ関係は良好で、コンパクトカーながら大きめのスピーカーなのでうれしい装備です。
一方で残念な点としては後部座席にはリアセンターアームレストの装備がなく、近年はコンパクトカーにもアームレストは標準装備されることが増えてきているので、ジュークにオプション装備やグレードでも装備がないのは利便性の上では微妙な点です。
ジュークのリクライニング・シートアレンジ
ジュークの後部座席ではリクライニングやスライドなどの機能は採用されていませんが、シートアレンジに関しては使い勝手の良い機能が備わっています。
ジュークの後部座席は全体的なスペースが狭めでシートポジションなどを調整したくなるのですが、後部座席の前後位置のスライド機能や背もたれの前後への調整機能はなく固定式の座席になっています。
一応運転席や助手席は前後へのスライドができるので後部座席が狭すぎるときにはこちらで調整はできますが、前席シートもそこまでゆとりがあるわけではないので実際大した効果はありません。
ジュークはコンパクトカーサイズなので車内の各所のサイズに制限も多いので、後部座席が固定式なのは仕方ない部分ではあります。
一方でシートアレンジとしては後部座席の背もたれを前側に倒して収納することでラゲッジスペースを拡大することができます。
ジュークは通常のラゲッジスペースがそこまで大きくはないのですが、後部座席を倒すことでそのスペースもラゲッジスペースにでき、ある程度長い荷物や大きい荷物が積み込めるようになります。
また後部座席は左右の6:4分割式になっているので左右どちらかの座席だけでも倒すことができ、乗車人数と荷物の起きさや量で座席のレイアウトを調整することができて利便性が高い装備となっています。
ジュークの後部座席の評価・口コミ
ジュークの後部座席については全体的に狭いという意見が多く、その中からいくつかご紹介します。
怖いもの試しでジュークの後席に乗り込んだワイ、あまりの狭さに発狂しかける。
— 佐々伸也(佐-916) (@naoskihund) October 28, 2017
こちらの方はお試しということでジュークの後部座席に乗り込んで見られたようなのですが、かなり狭かったようで座るのも大変だったのでしょうね。
ジュークの後部座席は一見してもちょっと狭いかなという感じですが、実際に座ってみると各所が迫っていて圧迫感がどうしてもあります。
ティーダ点検ちう。やっぱジュークは後席が狭すぎて買えないな。暮らし的にこれから買う車じゃないぬ。
— おまぎ (@magi943) May 12, 2013
こちらの方はジュークの購入も検討されていたようなのですが、後部座席の狭さから断念されたそうです。
ジュークはその特徴的なスタイルや扱いやすいコンパクトなサイズが魅力的ではありますが、ライフスタイルとしてファミリーカーのような使い方には不便な部分も多いのでどうしても二の次を踏んでしまうのは仕方ないでしょう。
総評
日産ジュークは登場当初からそのあまりに特異なデザインで話題になった車で、他にはないデザインの魅力と車としての素性の良さで常に一定の人気を保ってラインナップされていた車です。
しかし後部座席のスペースはどうしても小さな車なのでせまくなってしまっており、居住性や利便性は運転席や助手席ほどのものはありません。
それでもコンパクトカーとしての使い方ならば後部座席もなんとか運用でき、現在は価格を抑えた中古車として手に入れられるので一度乗ってみても良い車でしょう。