スズキ ジムニーは軽自動車のクロスカントリーSUVで、小さい車ながら本格的なオフロード性能を持つ車です。
今回はジムニーのラゲッジスペースについて詳しくご紹介します。
ジムニーの荷室・トランクの容量・寸法
スズキ ジムニーは軽自動車でありながらオフロード性の高いSUVとなっており、最新モデルは人気すぎて注文が殺到するほどの車となっています。
ジムニーはそのコンセプトとして軽自動車に本格的なオフロードの走破性をもたせた車となっており、唯一無二のコンセプトから日本のみならず世界中にファンのいる車です。
現行ジムニーは2018年に登場しましたが、先代モデルから実に20年越しのフルモデルチェンジということで多くの方が待望の新車となりました。
デザインがレトロフィーチャーでかなり直線基調のスクエアデザインとなったことでSUVらしい質実剛健さがあり、最新の性能とともにさらにジムニーの人気を高めた車となっています。
ではジムニーの大まかなサイズ感とラゲッジスペースのサイズや容量をご紹介します。
スペック | ジムニー | |
乗車定員 | 4名 | |
全長 | 3,395mm | |
全幅 | 1,475mm | |
全高 | 1,725mm | |
室内長 | 1,770mm | |
室内幅 | 1,300mm | |
室内高 | 1,200mm | |
ラゲッジルーム | 高さ | 850mm |
幅 | 1,300mm | |
奥行き | セカンドシート展開時:240mm セカンドシート収納時:980mm(荷室床面長) 1,090mm(フロントシート背面〜テールゲート) | |
ラゲッジ容量 | セカンドシート展開時:約210L | |
運転席寸法 | 高さ | 約1,100mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約1,000mm | |
助手席寸法 | 高さ | 約1,100mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約1,000mm | |
後席寸法 | 高さ | 約1,000mm |
幅 | 約900mm | |
奥行き | 約700mm |
ジムニーは軽自動車なので車の外観サイズに規格的な制限があり、全長や全幅は一般的な軽自動車と同じく規格ギリギリのサイズとなっています。
一方で全高が1,725mmと高くなっており、オフロード車の基本的な仕様である大径タイヤと最低地上高の高さを持つ軽自動車となっています。
また性能面でも走破性の高い4WDシステムなどを持つことで軽自動車でも本格的な走破性がそなわっており、普通の軽自動車では走れないシーンでもジムニーなら対応できるでしょう。
その一方でキャビン部分のサイズについては全体的に控え目であり、先代ジムニーよりは広くなったもののシートの足下空間などは一般的な軽自動車と比べると少し狭めです。
またラゲッジスペースに関してもシートからテールゲートまでの間のスペースが標準ラゲッジスペースとなるのですが、車の室内長が短めなためラゲッジスペースの奥行きも240mm程度とかなり短いサイズとなります。
ラゲッジスペースの高さや横幅はそこそこのサイズがあるのでラゲッジスペース全体では210Lと軽自動車として最小クラスの容量はなんとか確保されています。
ではジムニーのラゲッジスペースについて詳しくご紹介しましょう。
ジムニーの荷室・トランク・荷物収納スペースの良い点
ジムニーのラゲッジスペースについては次のような点は便利で使いやすい点となっており、ジムニーらしい特徴を備えています。
防水性がありヘビーに使えるラゲッジスペース
ジムニーの標準ラゲッジスペースはサイズこそ小さいものの、防水性を備えている点が大きな特徴です。
ジムニーは後述するようにセカンドシートから後ろのスペースの標準ラゲッジスペースは決して大きくなく積載性にある程度限界があるのですが、オフロード性の高い車としてヘビーな使い方に対応できるラゲッジスペースになっています。
ジムニーはキャンプやアウトドアに活用することの多い車であり、軽自動車のコンパクトな車でもオフロード走行ができるというのはジムニーだけでしょう。
そのため普通の乗用車以上にヘビーな使い方が出来ますので、そういった使い方では泥や土で汚れたり水で濡れてしまったものも積み込みます。
そういったシーンにあわせてジムニーはラゲッジスペース全体を防水性のある樹脂パネルで覆っており、汚れたものを積み込んでも染み込むことなく掃除もしやすい仕様となっています。
防水素材は標準ラゲッジスペース部分だけではなくセカンドシートの背もたれの背面にもそなわっており、こちらで後述するシートアレンジ後でも防水性を発揮できるようになっています。
一般的な乗用車ではオプション装備などにある防水仕様をジムニーは標準装備していますので、ジムニーらしい使い方ができるラゲッジスペースといえるでしょう。
シートアレンジをすれば大幅に広がる容量
ジムニーのラゲッジスペースはシートアレンジによってサイズを拡大することができ、使い勝手が向上します。
ジムニーはフロントシートとセカンドシートであわせて4名乗車できる車ですが、セカンドシートについては背もたれを収納することができます。
セカンドシートを折りたたむことで標準ラゲッジスペースとつなげることができ、セカンドシートのスペースもラゲッジスペースとしてつかうことが出来ます。
ジムニーの標準ラゲッジスペースは前後のスペースが狭いのですが、シートアレンジによって奥行きが1,000mm程度までは拡大し、ここまで拡大してようやく一般的な軽自動車やコンパクトカークラスのラゲッジスペース容量を確保できます。
シートアレンジ後のスペースであればある程度大きなサイズのものを積込むことができ、中型サイズのゴルフバッグを横積みして2つ〜3つ載せることが出来ます。
またスーツケースなども横積みしたり横に並べたりすればいくつも積み込めるでしょう。ベビーカーや車いすなど高さのあるものは立てたままでは積み込みづらいですが、シートアレンジ後のスペースに横倒しにすれば載せられるでしょう。
しかしシートアレンジを行うと乗車人数が減少するのが弱点ですが、ジムニーのセカンドシートは左右分割式の仕様となっているので片側の座席を残しておくことも出来ます。
この分割式の仕様で荷物の量と乗車人数のバランスを取ることができ、日常のさまざまなシーンで活用することになるでしょう。
ラゲッジボックス装備によってフラットになるラゲッジスペース
ジムニーのラゲッジスペースにはラゲッジボックスという装備が装着できるのですが、こちらを取り付けるとラゲッジスペースをフラットに出来るという機能もあります。
ジムニーの標準ラゲッジスペースはセカンドシートより後ろのスペースですが、この部分の基本的なデザインはリアバンパーの高さから1段低い位置に床面があります。
この状態でシートアレンジを行なってセカンドシートを収納すると、セカンドシートの背もたれの分段差が生まれます。
そのままでは段差で荷物を積み込むときに邪魔になるのですが、これを解消するために段差をちょうど埋める高さのラゲッジボックスという別体ボックスを装着でき、上位グレードでは標準装備となります。
ラゲッジボックスはその名前の通り内側にものを収納できるボックスとなっていて、目立ちにくいように小物を収めることができます。
またラゲッジボックス自体を取り外せるのでラゲッジスペースの高さが必要な場合にも対応でき、外したラゲッジボックスは中身ごと別の場所に置いておけます。
ただし下級グレードには装着されていませんので、これられは段差部分が気になる場合があるでしょう。
フロントシートまで倒せば車中泊にも対応できる
ジムニーは車内スペースが決して広い車ではないのですが、シートアレンジをさらに進めるとより奥行きのある使い方は出来ます。
ジムニーはセカンドシートの収納によってラゲッジスペースを広くつかうことが出来ますが、さらにフロントシートの収納機能もあります。
フロントシートのヘッドレストを取り外して前にスライドさせた状態で後ろにリクライニングすると、ちょうどシートを折り畳んだセカンドシート繋がります。
こうすることで車内スペースをほぼすべてラゲッジスペースにすることが出来ますが、走行することを前提にするのであれば倒せるのは助手席側のみです。
ですが助手席側だけでも奥行きが2,000mm近く使えますので、かなり長いものでも積込むことが可能となります。
さらには助手席と運転席を倒すとほぼフルフラットに近いスペースが出来上がるので、キャンプの際に車内で就寝する車中泊に便利に活用できます。
車中泊にはフラットで寝台になるスペースが必要ですが、運転席も助手席も倒しておけば前後スペース的にも十分な寝台を形作れます。
ジムニーの車内であれば2名ぐらいまでは就寝できますので、車中泊キャンプにもしっかり対応できる車となっています。
横開きドアで狭い場所でも開けられるテールゲート
ジムニーのラゲッジスペースのテールゲートは近年珍しい横開き式となっており、これによるメリットはいくつかあります。
一般的な乗用車のラゲッジスペースではテールゲートは真上に跳ね上がるのがほとんどですが、ジムニーでは横開き式のテールゲートとなっています。
SUV系の車種では車の後部にスペアタイヤが装着されている関係でテールゲートは横開きとなっており、特別な仕様でない限りはジムニーも後部にスペアタイヤがあるためこの仕様となっています。
横開きのテールゲートは車の後ろにスペースがないときにも結構開くことができ、少しだけあけるだけでも荷物を積み込めることがあります。
またテールゲートが横開きになっていることで上下方向に制限がなく、背の高いものが長いものを収納するときに上下に振るなど積み込み方の工夫が出来ます。
加えて重量のあるスペアタイヤが装着されていても比較的軽い力で開くことができるので、テールゲートを閉めるときにも力がいりません。
一方で不便な点としては雨の日に屋根になる部分がないので雨ざらしになる点は弱点であり、場合によっては屋根代わりとなるタープなどをあらかじめ用意しておくと良いでしょう。
ジムニーにはキャンプ用の純正タープもありますし、社外品でも簡単に取り付けの出来るタープがありますのでこちらを活用するとおすすめです。
さまざまな使い方が出来るユーティリティナット
ジムニーは車内に多用途に使える汎用のユーティリティナットが装備されており、オプションパーツを取り付けることで色々な使い方ができます。
ユーティリティナットは汎用的なナットがおさまった固定器具のことで、ジムニーはラゲッジスペース及びセカンドシートの左右側面にそれぞれ5箇所ずつ取り付けられています。
普段はカバーで覆われているユーティリティナットですが、カバーを外せば適合するボルトなどを取り付けられるナットが出てきます。
ここにフック類などを固定すると荷物の固定に活用することができ、フックにロープを欠けるなどして荷崩れを防げます。
またユーティリティナットに対応したオプション装備がさまざま販売されており、メーカー純正品だけでなく社外オプションなどを装着しても使用できます。
ラゲッジバーやフック類、棚のベースになるパイプなども取り付けられ、ジムニーの車内を好みの仕様にカスタマイズができます。
さらにはユーティリティナットは規格的に汎用規格のものなので、DIYで個人でのカスタマイズも十分可能です。
ジムニーはキャンプやアウトドア、趣味の車にもってこいの車種なのでカスタマイズを楽しみ方がたくさんいらっしゃいます。
ラゲッジスペース周りの便利な機能
ユーティリティナット以外にもジムニーのラゲッジスペース周りにはいくつかの機能があり、ジムニーならではの装備もあります。
まずラゲッジスペース周りにはセカンドシート用のシートベルトがあるのですが、ジムニーではシートベルト自体が脱着式となっています。
ジムニーはセカンドシートにも3点式シートベルトが装備されるのですが、3点式シートベルトが固定されている部分を取り外すことでラゲッジスペースの脇にコンパクトに収納できます。
こうすることで荷物を載せるときにシートベルトが邪魔にならなくなり、引っかかる部分が減るので事故も減って使いやすくなります。
その他にはラゲッジスペースの左側面に電源となるアクセサリーソケットが1箇所あり、車内でカー用品の電気製品が使用できます。
またラゲッジスペースにあるのでアクセサリーソケットから延長コードを伸ばせば車外でも使えるようになり、キャンプの際に便利に使える装備となっています。
左側面にあるのでジムニーの横開きのテールゲートが邪魔にならないようになっており、うまく活用すればより楽しいキャンプなどが過ごせるでしょう。
ジムニーの荷室・トランク・荷物収納スペースの悪い点
ジムニーのラゲッジスペースにはいくつか不便な点もそなわっており、次のようなものがあります。
4人フル乗車時のラゲッジスペースの狭さ
ジムニーのラゲッジスペースはどうしても絶対的な容量は少なく、セカンドシート展開時にはかなり制限があります。
ジムニーは軽自動車なので4人乗りの車となっているのですが、最近の車にしてはセカンドシートの足下空間はそこまで広くありません。
先代ジムニーなどから比べると結構広くなっているのですが、軽自動車のクロカンSUVという特徴的なコンセプトのためどうしても車内スペースは狭めとなります。
そのためセカンドシートが展開された状態では車内スペースの殆どが座席のスペースで占められますので、その結果ラゲッジスペースは狭くならざるをえません。
セカンドシート展開時のラゲッジスペースの奥行きが240mmしかないのは軽自動車の中でも最小クラスでしょう。
この狭い標準ラゲッジスペースのために4名フル乗車すると荷物が満足に積み込めないことがあります。
ジムニーのラゲッジスペースではちょっとした買い物の荷物ぐらいならばなんとか載るのですが、旅行や遊びでジムニー1台で荷物を積込むときにはやはり狭いです。
容量も210Lと全体的なスペースもかなり小さめになっているため、軽自動車の標準的なラゲッジスペースサイズが300L前後であることを考えると実用性の面で不便さはどうしても感じるでしょう。
それでもジムニーのオフロード性の強いコンセプトは他にはない魅力なので、ファミリーカーとしてよりは少人数で移動する趣味の車として使うのが便利でしょう。
床面が高く積み込みしづらい積載性
ジムニーのラゲッジスペースではその床面位置が高くなっており、荷物の積み込みが少し大変です。
ジムニーは軽自動車にしては全高の高い車となっており、悪路走破性を高めるために大径のタイヤを装備していたり、車の最低地上高が高くなったりと岩場などもある程度走行できる車となっています。
そのため乗員が乗っているキャビン部分の高さは比較的高い位置にありますので、座席の位置や乗り込むときのステップの位置は一般的な軽自動車より高くなってしまいます。
それでも昔のジムニーよりは乗降性なども改善されており、車に乗り込むときにそこまで不便さを感じることはありません。
しかしキャビンの高さはそのままラゲッジスペースの位置の高さにも繋がっており、ジムニーはラゲッジスペースの床面が高い位置にあります。
一般的な軽自動車が600mm前後にあるのに対してジムニーのラゲッジスペースは700mmを超える高さにあり、それだけ高い位置に荷物を持ち上げなくてはなりません。
大きな荷物や重量物を積み込むときに不便さがありますし、ジムニーでのキャンプやアウトドアの際にもラゲッジスペースの高さは使いづらい部分でしょう。
悪路走破性を高めるためのレイアウトなので仕方ない部分はあるのですが、乗用車としてのラゲッジスペースの実用性はいまいちといえるでしょう。
ジムニーの荷室・トランク・荷物収納スペースの口コミ・評判
ジムニーのラゲッジスペースに関してはtwitterにもいろいろな投稿があり、その中からいくつかご紹介します。
ジムニーの荷室スペース pic.twitter.com/TmFrVqkdGW
— wave (@wavejimny) October 21, 2021
こちらの方はジムニーの標準ラゲッジスペースを確認していらっしゃいますが、その奥行きは手のひら一個分となっておりその狭さがよくわかります。
このサイズをみてしまうと使い勝手の悪さがわかってくるので、あらかじめ確認しておいて自分の用途に合うかどうかを見てみると良いでしょう。
ジムニー車中泊、今回はモンベルのマットの上で寝袋で寝てみた。寝れないことはないけど完全なフラットではないので腰あたりに負担が…
というわけで完全フラット計画始動です pic.twitter.com/EwACJw3AcL
— ゆんぼ (@yuruyumbo) May 29, 2023
こちらの方はジムニーの車内で車中泊を検討されていますが、標準的な仕様では完全なフラットになっていないことで寝づらい部分があるようです。
そういったときには車内にマットを敷き詰めたりすると対策でき、社外品の車中泊グッズを活用すると良いでしょう。
総評
スズキ ジムニーは軽自動車ながら本格的なSUVに仕上がっている珍しい車種で、そのコンセプトや特徴は世界的に見てもオンリーワンな車種です。
そのコンセプトから趣味の車などに活用できるのですが、一方でボディサイズの制約などからラゲッジスペースが全体的に狭い点が弱点です。
どうしてもコンセプト優先な車なためある程度の割り切りは必要となりますが、それでもとても面白くて満足考えられる車でしょう。