「キャンピングカーに興味があるんだけど、種類がいっぱいありすぎてよくわからない…」
「最新のキャンピングカーってどんな設備がついてるの?」
車1台で複数の大人が寝泊まりできる、遊びに便利なキャンピングカー。
タイプがいろいろありますが、コスト・広さ・車体の大きさといったように、何を重要視するかによってえらぶ車が変わってきます。
そこで、ジャパンキャンピングカーショー2019で展示されていた、最新モデルのキャンピングカー・インディ727Lを紹介します。
内装や設備について写真つきで解説しますので、キャンピングカーえらびの参考にしてください。
キャンピングカーの8つのタイプ
まず、キャンピングカーには以下の8つのタイプがあります。
- 「バンコン」
- 「キャブコン」
- 「軽キャンパー」
- 「フルコン」
- 「セミフルコン」
- 「バスコン」
- 「トラキャン」
- 「キャンピングトレーラー」
この記事で紹介するインディアナ・RV社のインディ727Lは、軽キャンパータイプです。
軽キャンパーとは、軽自動車にキャンパー架装をした車のことです。軽自動車なだけに車体が小さく、高さ制限のある駐車場にも入ることができるので、街中でも乗りやすいというメリットがあります。
維持費も安く、購入価格もほかのキャンピングカーにくらべて格段に安いのが特徴です。
ただ、小さいだけに乗れる人数は限られてしまうので、複数でキャンプに行きたい場合には向いていません。
「便利で快適な車中泊」というよりは、「手軽にアウトドアで遊びたい」ひとに向いています。
インディ727L(メーカー:インディアナ・RV)の内装写真
インディアナ・RV社のインディ727Lです。ダイハツ・ハイゼットをベースにしたキャンピングカーで、主要スペックは以下のようになっています。
- 乗車定員:4人
- 就寝定員:4人
- 全長:3,390mm
- 全幅:1,475mm
- 全高:1,990mm
- ベース車:ハイゼット エクストラSA3t
- 排気量:660cc
- 燃料:ガソリン
- 最高出力:53ps
- 駆動方式:パートタイム4WD
- ミッション:4AT
- 燃費:10km/l前後
乗車定員・就寝定員ともに4人なので、乗車定員いっぱいでキャンプに出掛けても全員が車内で寝られます。
ふつうはキャンピングカーというと乗車定員よりも就寝定員が少ない車種が多いですが、このようなタイプはわかりやすくて良いですね。
ベースが軽自動車なので、車体は小さめ。しかし、ポップアップルーフを開いていることで、キャンピングカーらしいルックスになっています。
サイドについた丸い窓がかわいらしいですね。ボディーカラーも独特で、街中を走っていたら目立つでしょう。
それではさっそく内装を見てみましょう。
出入り口のドアトリムです。
出入り口ドアのノブ。ドアポケットもついています。
出入り口のステップ。足場がせまいので、乗り降りはかなりしにくいです。
居住スペース全体の様子。まんなかにダイネットテーブルがあり、車内奥のソファーはテーブルを向いて設置されています。
このソファーを展開させると長さ1,800mm×幅1,000mmのベッドになり、就寝定員である4人乗る場合はここで2人寝る計算になりますが、大人2人で寝るにはせますぎますね。
幅がシングルベッドサイズなので、大人1人で寝るとちょうどいいでしょう。成人男性が寝るには長さもみじかすぎます。
ダイネットテーブルのアップ。ドリンクホルダーが4つついています。
車内奥のソファーにすわってみたところ、すわり心地自体はやわらかめで良い感じです。
乗車定員いっぱい乗る場合はこの席に2人すわる計算になりますが、幅的には大人2人でもすわれそう。
しかし、足元のまんなかにテーブルの脚が立っていて、席を分断するかのような形になっています。
このテーブルの脚があることで、右側にすわるためには、ヒザを大きく曲げて引っ込めてから壁とテーブルの脚の間に身体をねじこまないといけません。
実際にやってみましたが、壁・テーブルの脚・テーブルの天板に囲まれてせまくなっており、成人男性だと出入りが大変。
下手をするとテーブルの天板にヒザをぶつけます。
車内出入り口側の居住スペースの様子。
テーブルに対して横を向いた席も、すわり心地はやわらかくて良い感じ。しかし、ポップアップルーフの床になる部分が頭に当たります。
猫背にしてすわってみると頭の上にかぶさるように板が当たり、背筋を伸ばしてすわると後頭部に板が当たる。
せっかくポップアップルーフがついていて天井が高いはずなのに、フタをするかのように壁が出っ張っているので、すごくきゅうくつに感じますね。
よほど身長の低いひとじゃないと、これに乗っているのは厳しいでしょう。
ダイネットテーブル席の横には、シンクがついています。
シンクの下には、AC100Vコンセントが2つ。ここにつなげば、家から持ってきた電気製品も使用可能です。
おなじくシンクの下、出入り口付近に、車内の電源のメインスイッチとバッテリー残量計がついています。
スイッチの下は、給水タンクと排水タンクが入った収納スペース。
容量はそれぞれ13Lなので、1回の給水でシャワーを連続使用できるのは1分強です。
シャワーはこのように、車外に伸ばして使用することも可能。海や山で遊んで汚れた足を、車外で洗い流してから乗れます。
出てくるのは水のみで、お湯は出ません。
ポップアップルーフ内部の様子。板を敷き詰めることで、長さ2,120mm×幅1,180mmのベッドになります。
就寝定員である4人乗る場合はここで2人寝る計算になりますが、セミダブルサイズに満たない広さなので、大人2人で寝るにはせまいですね。余裕を持って寝るなら大人1人か、子ども2人までが限界です。
先ほどソファー席のせまさについて解説しましたが、この写真に写っている白っぽい枠が頭に当たって、せまくしています。
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車内前方の天井付近には、開閉式の収納スペース。
シンクの上の天井付近にも、開閉式の収納スペースです。
ダイネットテーブル席の上の、収納スペース。
収納スペースが木製なので、木の独特の嫌なニオイが車内に漂っているのが気になりました。長時間乗っていたら酔いそう。
ソファーの後ろには、それぞれアクリル2重窓がついています。アクリル2重窓は、断熱性が高く、結露がつきにくいのが特徴。
ガラスよりも値段が高いですが、せっかく高い金額を出してキャンピングカーを買うなら、こういう買ってから気づくような細かいところまで気を使っているもののほうが良いですよね。
ちなみに、インディ727Lは壁面にキャンピングトレーラーとおなじ素材を使って作られているので、断熱性が高く、一度車内を暖めたらなかなか冷えない、と営業マンがいっていました。
「FRPを使っている車種と比べると、その差がよくわかります」とのこと。
私は空調のバッチリ効いた会場内でしか乗っていないのでそこは確認できませんでしたが、冬や夏の車中泊では大きな影響がありそうですね。
インディ727Lの価格と標準装備・オプション
インディ727Lの車両本体価格は、税込みで3,412,800円です。種類が多いので、下の表に価格をまとめました。見てください。
ベースグレード | 駆動 | ミッション | 価格 |
ハイゼット スタンダード | 2WD | 5MT | 3,018,600円 |
4AT | 3,106,080円 | ||
4WD | 5MT | 3,154,680円 | |
4AT | 3,242,160円 | ||
ハイゼット スタンダードSA 3t | 2WD | 5MT | 3,067,200円 |
4AT | 3,154,680円 | ||
4WD | 5MT | 3,203,280円 | |
4AT | 3,290,760円 | ||
ハイゼット エクストラSA 3t | 2WD | 5MT | 3,194,640円 |
4AT | 3,282,120円 | ||
4WD | 5MT | 3,325,320円 | |
4AT | 3,412,800円 |
SA3tとは衝突回避支援ブレーキ機能のことで、これが付いているグレードのほうが価格が高くなっています。
スタンダードとエクストラの違いは、パワーウィンドウやパワードアロックといった装備がついているかどうかです。車中泊にはあまり関係ない部分なので、難しく考えず、迷ったらエクストラをえらんでおきましょう。
それぞれのグレードには2WD仕様と4WD仕様があり、4WDのほうが高い価格設定。さらにMT車とAT車に枝分かれして、AT車のほうが高くなっています。
どのグレードも、軽キャンパーにしては高いですね。
標準装備として以下のものが架装されています。
- スムースフィニッシュ
- アルミパネル外壁(断熱材に22mm硬質ウレタン使用)
- ポップアップFRPルーフ ※1
- ポップアップ式ハイブリザテック生地テント(左右2箇所にジッパー式網戸つき)
- プッシュアウト開閉式アクリル2重窓(網戸&ブラインドつき/右700×350、リヤ700×300)
- 後部左右丸型アクリル2重窓(カーテンつき)
- 出入り口ドア丸型アクリル2重窓(ブラインドつき)
- 出入り口フル網戸
- シャワーフック(出入り口ドア横)
- ハイマウントストップランプ
- 背面トップマーカーランプ×2
- 外部AC電源入力コンセント ※2
- 外部AC電源入力専用コード(10m)
- クッションフロアー(架装部)
- 2点式シートベルト(セカンドシート)
- 横向きセカンドシート(2人掛け)
- ベッド展開用補助マット
- サードシート調補助マット(3枚)
- 上段就寝部パネル(2枚)
- 脱着式テーブルセット
- ベッド展開用ステンレスポール(3本)
- 右上部キャビネット(2枚扉)
- 左上部キャビネット(2枚扉)
- 運転席&助手席上部キャビネット(1枚扉)
- シャワーつきステンレス製シンク
- インナー給水ポンプ
- 給排水タンク(各1、容量13L)
- LED天井照明(常夜灯つき)
- LEDサイド照明(左右2箇所/常夜灯つき)
- コンロ用アルミレンジパネル
- カセットコンロ ※3
- サブバッテリー(80Ah)
- サブバッテリー走行充電システム
- 12Vメインスイッチ&サブバッテリー電圧計
- 集中コントロールスイッチパネル
- 室内AC100Vコンセント(2口)
※1 ポップアップルーフはオプションでつけると数十万円するものなので、標準装備されているのは嬉しいですね。
※2 外部入力コンセントがついていることで、外部電源を利用できるキャンプ場やRVパークでは、バッテリー残量を気にすることなく電気製品を使えます。
※3 カセットコンロを使って、車内でかんたんな調理も可能。
また、オプションでは以下のものがつけられます。
- バックカメラ(カバー付き)(45,144円)
- ルームミラーモニター(バックカメラ用)(43,200円)
- 1DIN CD、AM、FM(メーカーオプションのフロントスピーカーが必要)(64,800円)
- 2DIN メモリーナビゲーション(メーカーオプションのフロントスピーカーが必要)(209,520円)
- リヤサテライトスピーカー(35,640円)
- ETC車載機(セットアップ含む)(18,360円)
- 10インチリヤモニター(65,340円)
- リヤモニター用地デジチューナー(49,140円)
- サイドオーニング(2.6m)(144,936円)
- 後部バゲッジドア(800×400mm)(59,400円)
- 右側面スライド開閉アクリル2重窓(スモークなしクリア)(35,640円) ※4
- 左側面アクリル2重窓(550×300mm)(49,896円) ※5
- 12インチホイールキャップ(9,504円)
- マルチシェード(10,800円)
- 間仕切りカーテン(35,640円)
- 前向きセカンドシート(3点式シートベルト)(178,200円)
- 強化上段ベッドパネル(厚み5mm増し)(47,520円)
- FFヒーター(サブバッテリー115Ahへ変更)(237,600円) ※6
- WAECO 12V温冷蔵庫(14L)(別途、後部12Vアクセサリーソケットが必要)(37,800円)
- 300Wインバーター(19,008円)
- サブバッテリー115Ahへ変更(5,940円)
- サブバッテリー105Ah×2へ変更(66,528円)
- 外部入力100Vサブバッテリー充電器(45,144円)
- 外部入力100Vサブバッテリー充電器(バッテリー2個用)(89,100円)
- 後部12Vアクセサリーソケット(11,880円)
- 80Wフレキシブルソーラーパネル(178,200円)
- えらべるカラーパック(スタンダードは37,800円、スタンダードSA 3tは27,000円、エクストラSA 3tは21,600円) ※7
- LEDパック(スタンダード・スタンダードSA 3tのみ選択可)(59,400円)
- 省力パック(スタンダード・スタンダードSA 3tのみ選択可)(43,200円)
- 農業女子パック(SA3t車は27,000円、SA 3t車以外は37,800円)
- ロングバイザー(5,896円)
- ワイドバイザー(10,432円)
- メッキパック(LEDパックと兼用不可)(スタンダード・スタンダードSA 3tのみ選択可)(45,640円)
- メッキフロントガーニッシュ(LEDパックと兼用不可)(スタンダードのみ選択可)(22,658円)
- メッキヘッドランプガーニッシュ(16,891円)
- メッキドアミラーカバー(15,811円)
- ドアエッジモール(メッキ調)(6,393円)
- カラードアエッジモール(4,125円)
- エンブレムカラーシール(レッド/ブルー)(2,872円)
- ドアハンドルガーニッシュ(シルバー)(3,585円)
- アルミホイールセット(12インチ)(59,832円)
- インテリアパネルセット(ウッド調)(えらべるカラーパック車には装着不可)(19,958円)
- シートカバー(チェック)(11,858円)
- 防水シートエプロン(フロント)(1脚)(8,640円)
- ステアリングカバー(高機能タイプ・ブラック)(ハンドルデスク同時装着不可)(6,544円)
- ステアリングカバー(ホワイト)(ハンドルデスク同時装着不可)(3,304円)
- カーペットマット(7,192円)
- フロアマット(ラバー)(5,032円)
- フロアマット(緑高グレー/緑高ベージュ)(7,732円)
- フロントシェルフ(15,811円)
- インパネトレイ(簡易デスク同時装着不可)(4,860円)
- ハンドルデスク(ステアリングカバー同時装着不可)(4,860円)
- 簡易デスク(助手席フロント用)(インパネトレイ同時装着不可)(8,640円)
- ドアステップ用保護フィルム(9,871円)
- ソーラーアッシュトレイ(ブーツつき)(3,780円)
- デイタイムイルミ(LED)(ブルー)(28,360円)
- LEDフォグランプ(スタンダード・スタンダードSA 3tのみ選択可)(30,132円)
- LEDホワイトバルブ(7,538円)
- フロアイルミネーション(LED)(ブルー)(USBチャージャー同時装着不可)(13,629円)
- キー照明(LED)(ブルー)(8,964円)
- ルームランプ(LED)(2,872円)
- USBチャージャー(フロアイルミネーション同時装着不可)(7,516円)
- シガーライター(4,233円)
- 盗難防止機能つきナンバーフレームセット(メッキ)(8,985円)
- 盗難防止機能つきナンバーフレームセット(メッキ)(オリジナル)(6,285円)
- ナンバーフレームセット(メッキ)(5,745円)
- プレミアムナンバーフレームセット(チタン調)(ピンク)(7,689円)
- ナンバープレートロックボルト(3,780円)
- ナンバープレートロックボルト(オリジナル)(1,296円)
- 衝突警報セット(スタンダードのみ選択可)(100,569円)
- バックブザー(5,378円)
- 回転クッション1個ぶん(取り付け位置:助手席)(16,200円)
- コンフォートクッション1個ぶん(取り付け位置:運転席・助手席)(10,800円)
- ランバーサポートクッション(シートエプロンタイプ)(取り付け位置:運転席)(31,860円)
- クリーンエアフィルター(プレミアム)(標準フィルターからの変更)(6,652円)
- エアクリーンフィルター(高機能タイプ)(標準フィルターからの変更)(4,276円)
- 脱臭エアクリーンフィルター(抗菌・抗ウィルスタイプ)(標準フィルターからの変更)(4,276円)
- ケーブルカバー(3,240円)
- フロント2スピーカー(10cm)(スタンダード・スタンダードSA 3tのみ選択可)(10,195円)
- LEDヘッドランプ(エクストラSA 3tのみ選択可)(43,200円)
- 助手席エアバッグ(21,600円)
- 寒冷地仕様(10,800円)
※4 車体右側についている窓は、標準装備ではプッシュアウト式。スライド式にしたい場合は、オプションで変更が可能です。
※5 車体左側にはもともと小さなまるい窓がついていますが、窓を追加したい場合は、オプションでつけられます。
※6 FFヒーターとは、エンジン停止状態で使える暖房装置のこと。アイドリングによって起こる騒音を気にしないで暖かく車中泊できます。
満充電状態の115Ahサブバッテリーなら、理論上は50時間ぐらい連続使用できるので、ひと晩つけっぱなしでも大丈夫です。金額は高いですが、冬の車中泊では必須アイテムですね。
※7 基本カラーはホワイトもしくはブライトシルバーになっていますが、えらべるカラーパックをつけるとオレンジ・ミント・カーキ・ライトローズ・ミストブルー・ブラックの6色のなかから選択できます。
総評:身長150cm以下の女性や子どものためのキャンピングカー
インディ727Lの内装をズバリいえば、「身長150cm以下の女性や子どものためのキャンピングカー」。
身長177cmの私だと、どの席にすわっても頭に板が当たってしまい、とてもすわっていられませんでした。せっかくポップアップルーフがついているのに、解放感がまったくないですね。
天井が高くて車内を立って移動できるのは魅力的ですが、足元にシートやテーブルがあってせまいので、体感としてあまり広くは感じません。
出入り口の足場もせまく、天井もとても低くなっていて、子どもじゃないと乗り降りするのが大変。さらに車内に漂う木製家具の嫌なニオイで、長時間乗っていたら乗り物酔いは避けられないでしょう。
良かった点としては、ソファーの幅が広いこと。頭さえ天井の板に当たらなければ大人2人でもすわれるだけの幅があるので、やはり身長の低い女性や子ども向けのキャンピングカーだと思います。
ここまで書いてきましたが、天井の低さはすわってみれば5秒で体感できるので、購入を迷っている場合はぜひ実車に乗ってみてください。
この記事を読んだことで、インディ727Lを購入するかどうかの判断材料のひとつになれることを願っています。