トヨタ カローラツーリングはトヨタのステーションワゴンで、新世代のカローラシリーズの1台です。
今回はそんなカローラツーリングでの車中泊について見ていきます。
カローラツーリングの車中泊に向かない点
参考:toyota.jp
カローラツーリングは2019年に登場した比較的新しい車で、最新のかローラデザインを受け継ぐステーションワゴンです。
以前からカローラベースのステーションワゴンはトヨタにラインナップされていましたが、そのカローラフィールダーの正式な後継車として登場したのがカローラツーリングです。
カローラツーリングより前にカローラはセダン及びスポーツモデルで新世代に変わっており、スポーティでシャープなデザインが特徴となっています。
そんなデザインコンセプトを受け継ぎつつラゲッジスペースの大きな5人乗りステーションワゴンとなっています。
このようなステーションワゴンの使い方の一つとして車中泊というものが注目されているのですが、これは旅行の際に車内で一晩を過ごす方法です。
車中泊は近年特に人気が高まっており、通常の旅行でホテルや旅館に宿泊する代わりに車が利用できるので、費用を抑えがちにできるのが大きなメリットとなっています。
また車中泊はキャンプの代わりとしても利用できるもので、テントを始めとした大きな荷物を持っていかなくても済むという点も人気のもとになっています。
今回はカローラツーリングでの車中泊を見ていくのですが、その前に車の大まかなサイズをみていきましょう。
スペック | カローラツーリング | |
価格 | 2,013,000円〜2,997,500円 | |
乗車定員 | 5名 | |
全長 | 4,495mm | |
全幅 | 1,745mm | |
全高 | 1,460mm | |
室内長 | 1,795mm | |
室内幅 | 1,510mm | |
室内高 | 1,160mm | |
ラゲッジルーム | 高さ | 650mm |
幅 | 1,100mm | |
奥行き | 930mm | |
運転席寸法 | 高さ | 約1,000mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約1,000mm | |
助手席寸法 | 高さ | 約1,000mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約1,000mm | |
後席寸法 | 高さ | 約1,000mm |
幅 | 約1,300mm | |
奥行き | 約900mm | |
3列目寸法 | 高さ | 3列目なし |
幅 | ||
奥行き |
カローラツーリングはカローラがベースとなっている車なので、他のカローラシリーズと全幅及び全高が近いスペックとなっています。
全幅は1,745mmと多少ワイドになっているのですが、全高は結構低めな車でスポーティなデザインが特徴です。
ですが全長は4,495mmとカローラシリーズの中では最も長くなっており、ステーションワゴンらしいスタイルです。
室内寸法についても他のカローラシリーズとシートサイズやレイアウトには大きな差はなく、中型車として標準的なサイズとなっています。
車内が広めなステーションワゴンではありますが、前後サイズや上下サイズはそこそこで横幅が多少ゆとりがあります。
またラゲッジスペースに関してはさすがにステーションワゴンということで広く確保されており、高さは短めですが奥行きや横幅は広く確保されていて使い勝手が良いです。
このようにステーションワゴンとして標準的なサイズ感のカローラツーリングですが、車中泊に対しては不向きな点と向いている点が混在しています。
ですが全体的に見ると不向きな点が少し強めであり、次のような点が不便です。
寝台の前後スペースが少し短い
参考:toyota.jp
カローラツーリングは後述するように車内にしっかりした寝台を作り上げることはできるのですが、その前後サイズがちょっと短い点が車中泊に不向きです。
車中泊にはさまざまな条件が必要となるのですが、その1つに寝台の前後のサイズがあります。自宅の寝台と同じようにフルフラットな空間で前後のスペースがしっかり確保されていることが快適な車中泊の条件の一つで、特に前後スペースは足をしっかり伸ばして寝られるサイズが欲しいのです。
足が伸ばせないと快適性があまり高くなく足を曲げたりしないといけないのですが、前後スペースの必要なサイズは標準的には170cmぐらいの身長の方が寝られるものと考えると良いでしょう。
そう考えると寝台の奥行きの必要サイズは1,700mmではちょっと窮屈で、最低でも1,800mm〜1,900mmはほしいところです。
カローラツーリングでフルフラットモードにすると後席のスペースとラゲッジスペースを使うのですが、ここの前後サイズは1,700mmちょうどぐらいしか確保できないのですべての方が快適に寝るには少しサイズ不足なのです。
もちろん身長の低い方であれば足を伸ばして寝ることはできるので状況次第ではありますが、全長が長めのステーションワゴンにしてはちょっと残念な点です。
室内高が低く窮屈さがある
カローラツーリングでは後部座席とラゲッジスペースの間で寝ることができるのですが、その寝台の上下スペースが少なく窮屈感があります。
車中泊の際にはフルフラットにした寝台の上に布団代わりとなる車中泊マットなどを敷き詰めるのですが、そういった状態にするとカローラツーリングの場合は天井までのスペースがせまくなります。
カローラツーリングではラゲッジスペースの元々の高さは650mmと低いもので、これはカローラツーリングの全高が低いことから設定されたスペックとなっています。ですがこの狭いスペースに車中泊マットを敷くので、その上に寝るとかなり天井が近くなります。
カローラツーリングでの車中泊では寝台の上で身体を起こしたりすると天井にぶつかるのでそういった使い方ができませんし、また寝返りを打つときなども窮屈なサイズから動きにくいものです。
車中泊で寝台の上で体が起こせるミニバンのような車種だと車内で飲食をしたり様々な過ごし方ができるのですが、カローラツーリングではそういった楽しみ方は難しいでしょう。
また寝るときなど車内での移動もかなり窮屈で、カローラツーリングでの車中泊では慣れが必要です。
ステーションワゴンの中でも車高の低いカローラツーリングなのでどうしても仕方ない面ではありますが、車中泊を快適に行うには厳しい面があります。
車内の荷室が少ない
参考:toyota.jp
カローラツーリングでは車中泊の際に荷室がせまくなりがちで、ステーションワゴンならではの積載性をあまり活かせません。
車中泊では車内で快適に寝られるかどうかが注目されるのですが、車中泊はあくまで旅行の際の宿泊手段の1つなのでその荷室は重要です。
旅行の際には荷物の量は通常より多めになるのが常ですが、カローラツーリングはラゲッジスペースが広いのでそこに沢山の荷物を積み込んで移動でき、夜にはホテルや旅館で宿泊するので荷物は車に乗せっぱなしという使い方が可能です。
しかし車中泊となると持っていく荷物はすべて車内に収めておかなくてはならないので、車中泊のときの荷室の残りが重要です。
カローラツーリングで車中泊をするときには後部座席とラゲッジスペースを車中泊スペースとして使うことができるのですが、その際に荷物を載せるスペースがなくなります。
その代わりとして前席のスペースを活用できるのですが、もともとのラゲッジスペースと比べるとそのサイズは小さく、ラゲッジスペースにいっぱい荷物を積み込んでいると車中泊のときに困ることになるでしょう。
もちろん一人旅などであれば寝台の残りスペースに荷物を載せてしまえばよいのですが、複数での車中泊では荷物の量を考慮しないといけません。
なおカローラツーリングにはラゲッジスペースの下側にアンダーラゲッジがあることはあるのですが、アンダーラゲッジの荷物の積み込み場所が小さくてあまり実用的ではありません。
カローラツーリングで車中泊をする方法
次にカローラツーリングでの車中泊の方法をご説明しますが、前述で触れた通り多少の制限はあるものの車中泊自体は可能です。
車内のフルフラット化
参考:toyota.jp
まず最初にカローラツーリングで準備するのは車内のフルフラット化で、これには後部座席の背もたれの収納が必要です。
カローラツーリングでのフルフラットモードではラゲッジスペースの拡大機能を利用するのですが、元々広めのカローラツーリングのラゲッジスペースに収まらない長物を収納する機能となります。
これは後部座席の背もたれを前側に収納することでラゲッジスペースを前後に伸ばす方法で、後部座席は使えなくなりますがかなりのサイズのものまで積載できます。このモードで形状がフルフラットになるため、ここを寝台としても利用できるのです。
この操作には後部座席の上側にあるレバーを使用しますが、車内からレバーを操作することで背もたれが前に倒れるようになり、そのまま座面に重なるようにして収納できます。
もともとラゲッジスペースが大きなステーションワゴンでは普段あまり使わない機能なので初めて操作する時には手間取るかもしれませんが、操作自体は簡単なので一度自宅で操作してみると良いでしょう。
これでフルフラット化の操作は完了しますが、もし後述する前後スペースの拡大がしたい場合には前席を前側にスライドさせると良いでしょう。
車中泊アイテムの準備
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次に行うのは車中泊アイテムの準備で、これには必須のものが2つあります。
車中泊の人気の高まりと共にさまざまなアイテムが車中泊用として登場しているのですが、その中でも重要なのが車中泊マットです。
これはフルフラット化した寝台の上に敷き詰めるマットレスやクッションのことで、寝台とは言っても樹脂製で感触の固い車の車内で寝るためには必須なものです。
車中泊マットは弾力や素材、サイズなどで様々なものが販売されていますので、その中からカローラツーリングの寝台にできるだけマッチするものを選ぶと良いでしょう。
もう一つ必要は車中泊アイテムは車のウインドウを塞ぐための遮光カーテンや遮光ボードで、これらは車の外から街灯の光や他の車のヘッドライトの光などが入ってくるのを防ぐためのものです。
もしウインドウが空いたままで車中泊をすると、意外と外からの光が車内に入ってきて寝るときに気になってしまいます。
そのためウインドウは可能な限りピッタリと塞ぐことが重要で、これには市販品の遮光カーテンや車中泊用の遮光ボードなどを探して購入すると良いでしょう。
このほかにも車中泊を快適に過ごすためのアイテムはたくさん販売されていますが、まず最初は上記の2つを探すところから始めましょう。
車中泊の注意点
車中泊には寝台のサイズや準備しなければならないものがありますが、その他に注意点もあります。
それは車内の換気をしっかりと行うことなのですが、もし車中泊の際に防犯などを考えて窓を締め切ったままで寝てしまうと、朝起きた時に息苦しさを感じたり汗をかいていたりします。
これは就寝中に密閉度の高い車内の空気を呼吸で消費して二酸化炭素が増えたためで、外気の循環のない車内ではホテルや旅館で寝る時とは違った問題があるのです。
もちろん一晩程度であれば健康に問題があるほどではないのですが、安眠を妨げてしまうので車内の換気が必要です。
換気をするのに一番簡単な方法は窓を開けることなのですが、窓を空けてしまうと外から虫が入ってきたり騒音が聞こえやすくなってあまりおすすめではありません。
そこで車中泊なので換気をするためにエアコンを外気循環モードで動かすのが便利な方法で、エアコンなので温度管理も出来て快適な車中泊を過ごすことができます。
なおエアコン稼働時にはエンジンはバッテリーが上がるのを防ぐためにアイドリングにしておく必要があり、燃料の残量には気をつけましょう。
ただしアイドリング時に積雪などで排気管が詰まると排気ガスの逆流の危険がありますので、そういった危険が考えられる時には窓も少し空けておいたほうが安全です。
カローラツーリングの車中泊に向いている理由
カローラツーリングは車中泊向けの車としては少し残念な部分がありますが、次のような点は車中泊に向いておりしっかり準備すれば快適な車中泊は過ごせるでしょう。
準備をすれば奥行きは広げられる
カローラツーリングでの車中泊は寝台の前後スペースが狭めなのが気になる点なのですが、これは前席を前にスライドさせることである程度解消できます。
カローラツーリングで車中泊をするときには後席の背もたれを前に収納する形でフルフラットにするのですが、このとき前後スペースが1,700mm前後でもう少しサイズがほしいところなのです。
もちろんそのままでも身長によっては足を伸ばして寝ることはできますが、さらに前後のスペースが増えればどんなシーンでも車中泊を活用でき、また車中泊の快適性も上がります。
カローラツーリングの車内でそれをするには邪魔となっている前席を前に動かすことで奥行き自体は広げることができ、1,800mm〜1,900mmぐらい確保できてしっかり寝ることができるでしょう。
しかしこのときに前席と後席の間には大きなスペースが空いてしまうので、そのままではこの広がったスペースで寝ることはできません。
そちら側を足側にすれば多少寝台から飛び出しても寝れないではないですが、快適とはあまり言い難いでしょう。
そのためこのスペースはしっかりと埋める必要があり、クッションを何段にも重ねるか高さがマッチするボックスを用意するなど、事前の準備が必要です。
なお旅行用の荷物がサイズ的にこのスペースを埋められるものであれば、そういったものを活用することである程度荷物を減らすことはできるでしょう。
また前席を前にスライドさせると前席が荷室として使えるメリットをなくしてしまうので、荷室の確保は別途考えなくてはなりません。
車内をフルフラット化できる
これは前述でも触れてきましたが、車内が完全なフルフラットになることはカローラツーリングの車中泊での大きなメリットです。
もともと車のフルフラット機能は車中泊専用の機能ではなくラゲッジスペース拡大のための機能なので、本来は完全にフルフラットでなくても用途上大きな問題はありません。
今でこそ車内のフルフラット化ができる車はあまり珍しくなくなってきましたが、フルフラット化とはいっても実際には斜めな部分があったり段差や凹凸があったりとさまざまです。
そのためフルフラット化が出来ない車や中途半端な車では車中泊を行いにくい部分があり、快適に寝るためにはフラットにするためのいろいろな準備が必要なのです。
ですがカローラツーリングではシートアレンジだけでほぼ完全にフルフラット化が可能な構造となっており、サイズには多少気になる部分はあるものの形状は車中泊向けといえます。
ステーションワゴンとしては最新の部類に入るカローラツーリングなので、車中泊だけでなく他の車を習ってフルフラットの構造がしっかりしています。
またステーションワゴンなのでラゲッジスペースが使いやすく作られており、邪魔な凹凸も少ないのが良い点です。
車内の幅が広くギリギリ3人まで寝られる
カローラツーリングでは車の車内の横幅が広めになっているので、うまく並ぶことが出来れば3人ぐらいまではなんとか寝ることができるでしょう。
普通車の殆どは車の後部座席に3人座ることができるのが一般的ですが、車中泊の時まで3人寝られるかどうかは車内の幅に関わってきます。
車のサイズ的には左右一人ずつであればそこそこゆとりを持って寝ることができるのですが、その間にもう一人挟んで寝るとなると大変です。
最低でも一人あたりの横幅が500mmぐらいはほしいところで、このサイズでも快適というわけではないです。
これに対してカローラツーリングの車内幅は1,510mm確保されており、カローラサイズの車にしてはかなり横幅が広く確保されています。
このサイズであれば2名ではもちろん快適に寝ることができますが、3人でもうまく寝ることができれば車中泊ができるでしょう。
友達同士3人での旅行であったり家族旅行など気心の知れた人の車中泊であれば、車内で3人寝ることができるのもなかなか楽しい経験となるでしょう。
1,500WコンセントとUSBポートがあり便利
参考:toyota.jp
カローラツーリングはガソリン車モデルに加えてハイブリッドモデルがあるのですが、ハイブリッドモデルでは車内でコンセントやUSBポートが使えてとても便利です。
最近の車は車内の装備として100Vの家庭用コンセントポートを設置できる車が増えてきていて、さまざまな電化製品を車の中で使えるようになっています。
またハイブリッドカーではその強力な電気駆動システムであるハイブリッドシステムや大容量バッテリーを活用することで、車内で100V 1,500Wまでの大容量コンセントを使える車が増えてきています。
これは普段使いはもちろんですが車中泊の時にも便利な機能で、1,500Wあればドライヤーも使えますしさまざまな調理器具や照明などを車中泊で使えるのです。
カローラツーリングにもハイブリッドモデルには1,500Wコンセントが使えるアクセサリーが設定でき、コンセントポートは車の前側とラゲッジスペースの2箇所に設置されているので使い勝手が良いです。
また同じアクセサリーでコンセントポートの横にUSBポートまで設置されており、携帯電話の充電などはこちらを使うことでコンセントポートを塞がずに使える便利機能です。
カローラツーリングは室内高が低いのであまりキャンプのような使い方はできませんが、それでも車内で電源が使えればかなり快適な車中泊が過ごせるでしょう。
なお電源活用時にはバッテリーが上がるのを防ぐためにエンジンはアイドリング状態にしておきましょう。
カローラツーリングの車中泊の口コミ・評判
カローラツーリングの車中泊については様々な評判がありますが良好な評価が多く、その中から次のようなツイートをご紹介します。
車中泊めっちゃ最高やん!!#カローラツーリング#車中泊大会 pic.twitter.com/rEORVn4qfS
— たかのま (@takashim05) November 14, 2020
こちらの方はどうやら一人での車中泊のようで、カローラツーリングの車内をフルフラットにして快適そうな車中泊空間が出来ていますね。
一人での車中泊なら寝台を斜めに使うことで前後スペースを大きく使うことができ、かなり便利な車となっています。
お久しぶりですぞ!!
カローラツーリング、
カッコいいのじゃ〜😉
ただし窓の形が特殊すぎるのじゃ😂
べつに気にしない人は大丈夫じゃが
たいていの車中泊ラーは困るのじゃ☀️
いますぐ車種専用サンシェードに乗り換えじゃ✌️・・・気づいたかの? pic.twitter.com/erhlf0rUtw
— 車中伯爵@株式会社趣味職人 (@hobbymanacc) December 8, 2020
こちらの方はカローラツーリングでの車中泊をしっかり準備されているのですが、車のデザイン的に遮光用のサンシェードの設置が大変だったようですね。
しかし写真を見る限り遮光は完璧となっており、どうやらカローラツーリング用の専用サンシェードがあるみたいです。
総評
カローラツーリングは最新のカローラシリーズのひとつで、最新のデザインコンセプトとステーションワゴンらしい使い勝手の良さを併せ持つ車です。
しかし車中泊となると前後スペースなどが多少気になる点があり、完全に車中泊向けの車とはいえません。ですがしっかり事前準備すれば快適な車中泊は可能なので、車の使い方次第といえるでしょう。